[3790] 目と感性をアクティブに磨く

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《USJで遊ぶのと同じぐらい楽しかった!》

■アナログステージ[123]
 目と感性をアクティブに磨く
 べちおサマンサ

■Take IT Easy![34]
 CoderDojo奈良を開催しました
 若林健一 / kwaka1208


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■アナログステージ[123]
目と感性をアクティブに磨く

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20141028140200.html
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コンニチハ、デジクリきってのラブリーな酒飲み(自己申告)のべちおです。最近のオイラ晩ご飯は、蕎麦とヤッコと蒸かしたジャガイモです。実に質素ではありますが、腹持ちよいです。横でムスコが食っている肉や魚の匂いを嗅ぎながらジャガイモを頬張ると、肉や魚を食べている錯覚を覚えるのですが、飲み込むとジャガイモです。

えー、じつは、困ったことにデジクリに投下できるネタが枯渇してきておりまして、シドロモドロしております。いや、ネタとしてはいくらでも湧いてでてくるのですが、「デジクリに取り上げてまで書くネタかなぁ…」と考えると、キーボードを叩く指も止まってしまうのです。

ということで、次回から少しスタンスをチェンジしようかと、柴田編集長に相談したのですが、スタンスを変えるもなにも、オイラの場合は好き勝手に書かせていただけているので、とくに意識しなくても良かったんだわ。今回もサラっと書き流しでいきます。

先日、久しぶりにフラフラと本屋さんを徘徊していると、漫画『深夜食堂』の著者、安部夜郎さんの書きおろしコラム『酒の友 めしの友』が、深夜食堂のそばに並んでいたことに気がつき、サライ(今号は仏像特集!)と一緒に購入した。

時間も夕方に差しかかったころで、晩ご飯の仕度をしながら、キッチンドリンカーを愉しむ。里芋と蓮根の煮物を作っている間、目の肴に『酒の友 めしの友』を読む。文中には、著者のバックボーンとなる話が盛りだくさん。読んでいるだけで口のなかに涎が溢れてくる。

著者の漫画と同じように、まったく気取りのない文章が、読んでいてとても心地良い。読んでいると、フと、自分とオーバーラップしているところがあることに気がつき、これまた、さらに読み進めていくと、その理由が分かった。

作中に、巻き貝(著者の地元ではニナと呼ぶらしい)を食べるときの様子が綴られているのだが、このときの描写が、自分も子どものときとに、同じような体験をしていたりしたのだ。

小説やコラムなどは、読み始めたら、一気に最後まで通し読みすることは殆どしないオイラですが(時間があっても、だいたいは2回か3回に分けて読む)、購入当日に読み終えてしまった。

※余談ですが、オイラは通し読みしてしまうと、どうしても内容がしっかりと入っていかないので、区切りまでの内容を脳内変換しながら保存して、世界観をしっかりインストールしておかないと、あれこれ別の本の世界と混乱していまう、気の毒な脳の持ち主であったりする。

歳を重ねるにつれて、「遊び」の視野がだんだんと狭くなってきているのを実感するし、アクティブに動くことも億劫になってしまう。体が健康ならば、飛んでまわっているのだろうけど、いまはそれがなかなか難しい。

体を動かすことが難しいのなら、頭というか視点を切替えて、目と感性をアクティブに動かせば、なぁに、まだまだ十分に愉しいじゃないの。これから味がでてくるんでしょうね。ということで、なにも考えなくてよい休日には、ピッタリの一冊でした。

・酒の友 めしの友|実業之日本社:
< http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-17489-1
>


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。
・Twitterはコチラ→< http://twitter.com/bachiosamansa
>
・まとめはコチラ→< http://start.io/bachio
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■□ 懺悔道中膝栗毛 ─ 四編 □■

前回の予告通り、関東三十六不動を打ちはじめました。発心(発願)の地は、もちろん第一番の札所、大山寺。結願は、第三十六札所の新勝寺(成田山)で結べれるように、あれこれと無理なくまわれる巡礼コースを考えてみました。発願の内容は、フフフフ、内緒でございます。しばらくは、関東三十六不動の札所を綴っていきます。

・関東三十六不動霊場会・公式ホームページ・関東36不動:
< http://tobifudo.jp/36fudo/
>

・雨降山 大山寺 ご本尊:不動明王(重文)

平日に参拝したこともあって、観光客もハイキング客も疎ら。お寺まで、ケーブルカーで楽チンしようかと脳裏を過ぎったのですが、「初っ端から楽して、ヤル気あんの?」って、中里さん(いつも脳内チャットで盛り上がるパートナー)に叱られてしまったので、お寺まで自分の足で歩くことに。

が、この選択は間違っていた。健康体なオイラなら、まったく問題ない山道であるが、いまのオイラは病を患っている身。女坂のほうを選んで進んだもの、途中で足が動かなくなってしまった。

後戻りしてケーブルカーの恩恵を考えたが、おそらく半分まで登ってしまっているであろう山道、戻るのも面倒というより、戻ったらいけないような気がして、10分くらいの足休め後に再スタート。

お寺の姿が見えはじめて、ホッとしたのも束の間、「これ、なんて罰ゲームなの?」って勢いの、急斜面の長い階段が待ち構えていた。思うように動いてくれない足にもどかしさを感じながらも、手摺に掴まり、「一歩進めば、一歩近づく」でなんとか本堂へ到着。

勤行を済ませ、本堂にて関東三十六不動の打ちはじめを伝えて、専用の納経帳を購入。大山寺は『発心』の名のとおり、自堕落している心に、喝をいれる絶好の機会でした(神奈川県は発心の道場、東京都は修行の道場、埼玉県は菩提の道場、千葉県は涅槃の道場)。

大山寺の足で、第二番札所の最乗寺へ向かいたかったのですが、ついた頃にはタイムオーバーの気配がしたので、発願の初日は、大山寺だけで終わりです。インスタに写真をアップしていっておりますので、ヒマなかたはどうぞ(^^


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■Take IT Easy![34]
CoderDojo奈良を開催しました

若林健一 / kwaka1208
< https://bn.dgcr.com/archives/20141028140100.html
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10月26日の日曜日、奈良で初めてのCoderDojo「CoderDojo奈良」をスタートしました。「CoderDojo」とは、子ども達にプログラミングやWeb制作を学ぶ場を提供する、アイルランド発祥の世界的な活動です。

もとはといえば、今年の7月にWordPressのコミュニティイベント開催の打ち合わせのため、JR奈良駅近くの「Women's Future Center」を訪れた際、「CoderDojoを奈良でもやりたいですね!」「CoderDojoって何?」というやり取りから始まりました。

「CoderDojo」という名前を目にしたことはあったものの、具体的な活動内容を知らなかった私は、「子ども達にクリエイティブな体験を提供する活動」ということに魅力を感じ、早速「CoderDojo梅田」のメンターとして参加。梅田でメンターとして修行させていただいて、今回の奈良開催へとつなぐことができました。

「CoderDojo」では、子ども達(Dojoでは忍者と呼びます)が、メンターと呼ばれる大人と一緒にクリエイティブ活動を体験するのですが、奈良の活動としては次の二つの理由から、学生の方にメンターとして参加して欲しいと声かけを行いました。

・子ども達も大人よりも年齢の近い学生さんの方が教わりやすい。・学生さんに教える体験をしてもらうことによって、教える側も 教わる側も学ぶ場となる。

声かけの結果、奈良高専の学生さん二名が参加。奈良高専といえば「ほこたて」にも出演したことがある、奈良でも特にレベルの高い理系の学校。一人はノートPCを、もう一人は業務用タブレットPCにLinuxを入れたものを持参して参加。もう、装備からして普通レベルではありませんでしたね(笑)。

参加してくれた忍者は五名の小学生。うち四名はScratchでのプログラミングに挑戦し、一名はWebサイト制作に挑戦。加えて、プログラミングを体験してみたい大人「大きな忍者」達も一緒にワイワイと楽しみました。

私が、プロジェクターを繋いだMacで、実際にScratchでプログラムを作る様子を見せながら、Scratchの使い方とプログラミングの仕方を説明。忍者たちはそれを見ながら基本を理解した後は、思い思いのものを作っていきました。

しかし、ScratchとはいえLive Coding(大勢の人たちが見ている前でプログラムを作ること)は緊張します。事前に予行演習をしていたものの、いざ始まってみると頭が真っ白になり、間違うこともしばしば。でも、逆にそれがいい感じで親近感を生む効果もあったとの声もいただき、ホッとしました(笑)。

Dojo終了後、忍者たちからは「USJで遊ぶのと同じぐらい楽しかった!」「次もまた来たい!」といった声をもらい、保護者のみなさんからも「親子ともども楽しみました」「頭を使って疲れたせいか、いつもより早く就寝しました」など、本当に楽しんでいただけたことがわかる声をいただきました。

メンターの多くはエンジニアやWebデザイナーなどのプロ。大企業の偉いさんもいらっしゃいましたが、子どもたちのために会場内を奔走してくださり、みんなで支えた「CoderDojo奈良」となりました。

第一回目は理想の形で開催することができましたので、これをきっかけに教わった子ども達が将来教える側になる」このサイクルを回せる継続的な活動となるようにしたいと思っています。

次回は二か月先の12月21日になります。奈良県在住に限らず、近隣県の方の参加も歓迎ですので、是非遊びにいらしてください!

【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
Take IT Easy! - ひとにやさしいIT
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CoderDojo奈良
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編集後記(10/28)

●山本おさむ「今日もいい天気 原発事故編」をKindleで読む。この作家の絵が苦手でコミックスに手がでなかったのだが、Amazonで99円セールのときに1-Clickしたものだ。筆者は福島県天栄村で田舎暮らしを楽しんでいたが、あの3.11福島第一原発の事故に遭遇したため、埼玉に避難し、また帰還したりと、慌ただしい生活を余儀なくされる。その騒動を中心に描いた漫画・全50話だが、アカハタで連載されたものだから、バイアスがかかっているはずだと警戒して読み始めた。筆者は途中から怒りのあまり冷静さを失っていき、最後は呪いの言葉まで吐く。コミカルな場面も少なくないが、後味はあまりよくない。

「僕には福島の人たちの声を代弁することはできない。そこにはあまりにも多様な被害者が存在するからだ。しかし、一番小さな被害者として怒りだけは表明しておきたかった」という。筆者の怒りや考えは、経験者だからこそ言えることだと思うので、それはそれでもっともなことであろう。筆者はネットを渉猟して、京大の小出裕章助教授、琉球大の矢ヶ崎克馬名誉教授の意見に出会う(あーあ、よりによって)。そして、「原子力発電とは自民党時代から政・官・財・学が手を組んでつくりあげてきた壮大な虚構なんだ。そして今回の事故でその虚構にほころびが見え始めたにもかかわらず、あの連中はそれを隠蔽しようとしてるんだ」と確信する。

さらに「あいつらはウソの上にウソを塗り固めて日本中に原発を作ったんだ」と怒るのだが、世界には400以上の原発が稼働しているのを虚構だというのか。なんだか訳のわからないことを言う。ちょうど半分の25話で、「放射能を恐れて自主避難した僕個人の立場から描いてきましたが、これから現地で踏みとどまってがんばっている人たちを描きたい」と方向が変わり、日本一うまい米を産する天栄村の米作りの話になる。村役場で産業振興を担当するYさんは米栽培研究家であり、放射能ゼロの米作りを村の農家とともに推進する。知られざる彼らの活動は感動的だ。また、帰りたくても帰れない、将来の見通しの立たない避難民の話は、心から気の毒だと思う。ただその前に立ちすくむばかりだという筆者の気持ちもわかる。

ハッピーエンドではない。筆者と妻と犬は福島に帰ることにした。そして「人をコケにしやがる政治家や官僚や経済人をやらを憎んでやろう。死ぬまで呪ってやろう」と決意するのだから(なんだかなー)。「事故に関わる問題は何も解決していません。除染、賠償、子どもたちの健康、原発それ自体のこと。国や東電はダラダラと時間稼ぎをし、反原発熱が冷め私たちが福島を忘れるのを待っているかのようです」。本当にそうだろうか。実際、筆者にとってのありのままを描いているのだろうが、説明が極端に感情的なのでちょっとつきあいきれんなと思う。それがなかったらとても面白い漫画だ。でも、この絵はどうしても好きになれない。Amazonではなぜか評価が高い。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GYOE12E/dgcrcom-22/
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「今日もいい天気 原発事故編」


●どなたかデザイン、WordPress、コーディング、Flashなどのお仕事を手伝ってくださいませんか? フットワークが軽く、連絡を密にしてくださる方。実績や費用目安などを教えてください。zacke@days-i.comまで。

小柳奈穂子さんのインタビュー第四回目。来年の「ルパン三世」のことから。

「私がひそかに狙っているのが、『非公認戦隊アキバレンジャー』という特撮番組」。これは「『スーパー戦隊シリーズ』をパロディーにしたもの」で、「自分のところの特撮シリーズをネタにして、セルフパロディーをここまでやってのける東映さんがすばらしい」「懐の深さと、パロディー作品を本気で作っている面白さ」

「演出家として、誰にどの役をあてるかというのは、計算と言えば計算」だけれど「それ以上に生徒の本能が舞台を成立させてしまうのがタカラヅカ」「脚本を渡したら、『後は自由にやってね』という感じ」

「新人時代に、劇団にお願いしてお休みをもらって、野田秀樹さんが主宰されていた『NODA MAP』に半年間、お世話に」「舞台というものは冷静にしていても作っていけるものなんだな、と認識」「演出家は稽古場で大きな声で怒らないとダメなのかとか、生徒にはプレッシャーをかけないとダメなのかとか、迷っていた」(hammer.mule)

< http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140908/270936/
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タカラヅカの生徒たちを動かす3つのこと