《日本語がまったく通じない留学生》
■ネタを訪ねて三万歩[161]
OSの環境だけで3Dが作れてしまう驚き
海津ヨシノリ
■グラフィック薄氷大魔王[576]
「板タブが苦手な自分のための注意事項」他、小ネタ集
吉井 宏
■ネタを訪ねて三万歩[161]
OSの環境だけで3Dが作れてしまう驚き
海津ヨシノリ
■グラフィック薄氷大魔王[576]
「板タブが苦手な自分のための注意事項」他、小ネタ集
吉井 宏
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■ネタを訪ねて三万歩[161]
OSの環境だけで3Dが作れてしまう驚き
海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20180829110200.html
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●疲労困憊の8月
8月前半は採点祭り。正直一番嫌な時期です。
もちろん、一覧表の名前を隠して学生番号だけで採点する無感情主義を貫いていますが、欠席ゼロなのにレポートを未提出だったりする学生が出てくると、本当に厄介です。
とりあえず確認のメールをして、返事が来た場合、正当な理由であれば再提出を求めるのですが、その再提出の期限を一週間も無視して、音信不通になる学生がいるのですよ〜。
それでも再確認して採点しないと、後々面倒な事になるのが今のご時世。一番疲れます。あと、日本語がまったく通じない留学生もなんとかして欲しいです。
頑張って片言の英語で説明しようとするも、日本語よりも通じない悪夢。もしかすると、私は壮大な罰ゲームの真っ只中なのかも知れませんね。しかも抜けられない……とか。
そんなこんなで、今年は特に疲れてしまう8月の始まりでしたが、事件が発生しました。
今月7日、25年来の女友達が先月26日に、外出先で突然他界されたと知って呆然としてしまいました。愛猫の死の三週間後だったので、まるで後を追うような形でした。もう一匹残されてしまった猫が心配ですが、とにかく細かい事がまったくわからないのです。
彼女とは気心が知れていたので、クローズなセミナーではアシスタントをお願いしていました。年に一回程度会った時は、喫茶店にて五〜六時間は当たり前ぐらいの勢いで盛り上がるほど、波長の合う方でした。
ある時など、昼過ぎに遊歩道で缶コーヒー飲みながら世間話していて、気が付いたら終電間際だったということもありました。
とにかく勉強熱心で、誰からも愛される素敵な方でした。なにより人一倍、健康に気をつかっていた方なので、今も信じられません。
最後に会ったのは2016年の1月21日でした。久しぶりに会っておしゃべりしようと約束していたのですが、約束は叶わぬ夢となってしまいました。人生は本当に残酷ですね。
暗くなってしまうので省きますが、実は7月は色々と面倒で暗い事件が私の周りで多発した月でした。私は嫌なコトは先に済ませるのがモットーだから、というわけではありませんが、実は今月末にはちょっと素敵なコトが控えていました。
難産で二か月延びててしまった近著の発売も今月末です。きっと、今月末月から良いコトが沢山控えているような気がして、いつになく秋がとっても楽しみです。
●Windows10標準搭載ソフトで3Dデータ作成
さて、今回はここからが本題です。ほぼ毎日Blogで一発ネタをアップしているのですが、MS-Wordでガチャガチャやっているうちに、挿入メニューに[3Dモデル]という項目を発見しました。
いつからあったのだろうか? と反省すると同時に「なにこれ?」と、最初はあまり期待していなかったのですが、これ、かなり遊べます。
まず、デフォルト環境で幾つかのデータがHDD上とネットに用意されているので、配置するだけのお手軽さ、配置後は3Dデータをグリグリ動かせるのです。
残念ながら、Mac版にこの機能はありません。ただし、Windows版で3Dテータを埋め込んだファイルを、Mac版で開くと動かすことは出来ませんが、配置した状態はキープされています。
キープと言えば、やはりWindows版だけなのですが、WordとPowerPointでフォントを埋め込むことが出来ます。フォントを埋め込んだファイルをMac版で開くと、フォント名だけは確認出来ますが、フォントは正しく表示されません。
MS-Officeに関して、Mac版は正直アウトですね。禁則処理も出来ないのでは、使い物になりません。
話を戻すと、私は基本的にMacとWindowsを同じように使っていましたので、本当に気が付かなかったのですが、この3D機能には更に奥深いコトが隠されていました。
なんと、Windows10に標準で搭載されている、3D Builderとペイント3Dという二つのソフトで、3Dデータが作れてしまうのです。
もちろん、他の3Dソフトで作成したデータも活用できます。OBJ形式で書き出せば、読み込むことができるからです。読み込んで色を付けたりして3MF形式で書き出せば、WordやPowerPointに貼り付けることができます。
OSの環境だけで3Dが作れてしまうのは本当に驚きです。実はこれが私のマイブームになっていたりします。Blogでも随時ネタをアップしていますので、興味のある方は覗いてみてください。
Officeを使うだけがパソコンの目的ではありませんが、どうもこの同じではないという点がひっかかります。
Appleは既にmacOS 10.14 MojaveでOpenGL/GL ES、OpenCLを非推奨化すると宣言しています。将来的にこれらの対応はなくなってしまうでしょう。
そうすると、現状の3Dやゲーム関係はかなり面倒な事になりそうです。もちろん独自に開発したMetalを推奨という流れなのでしょうが、だとすればWindowsやLinax環境はどうなるのか? 本当に気になるところです。
確かにFlash問題などは先見の明がありました。それと同じような流れに将来成るのかはまだ誰にもわからないのではないでしょうか……。
■今月のお気に入りミュージックと映画
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"Kubo and the Two Strings" on Travis Knight in 2016(USA)
邦題「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」。ストップモーション・アニメーションの映画やコマーシャルを制作するライカによる、4本目の長編作品。
物語は、封建時代の日本を舞台に、左目を盗まれた、魔法の三味線を操る主人公のクボを中心に、ニホンザルとクワガタムシを仲間に、邪悪な叔母そして左目を奪った祖父の月の帝を倒す宿命を課せられる……。
とにかく、キャラクター設定がとてもいいです。で、完全に日本の世界なのです。細部もかなり丁寧に日本を研究して作られており、見ていて違和感はありません。ただし、邪悪な叔母達の衣装が少し非日本的だったのは、何か意味がありそう。
とにかくアニメーションなので、吹き替えで見てみようかと思ったのですが、"アトミック・ブロンド" のシャーリーズ・セロン、"インターステラー" のマシュー・マコノヒー、"グランド・ブダペスト・ホテル" のレイフ・ファインズ、"ドラゴン・タトゥーの女" のルーニー・マーラ、"スタートレック" のジョージ・タケイ……という豪華声優陣を見て、字幕スーパーで鑑賞しました。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』予告編
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"While My Guitar Gently Weeps" by Dario Marianelli at 2016(Italy)
ダリオ・マリアネッリが歌う「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」で流れるエンディング曲。まさかの……今年デジタルリマスター版が出るビートルズのホワイトアルバムに収録されていたジョージ・ハリスンの名曲 "While My Guitar Gently Weeps"。しかも和楽器(三味線?)使っている感じでとても神秘的。まっ、三味線が泣いているって曲はないですからね(^o^)
Regina Spektor - “While My Guitar Gently Weeps” - Official Video
The Beats - While My Guitar Gently Weeps
【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com
http://kaizu-blog.blogspot.com
https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu
https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu
街中から銭湯がどんどん消えてしまっています。色々としかたがないのかも知れません。460円という料金は、いくら都が援助しているとは言っても厳しい金額です。
実は私が最後に銭湯に行ったのは、直ぐ近所にあるのにもかかわらず、15年ほど前です。直線距離にして40m、道路を歩いても100mの距離なのです。
プライムビデオでみつけた「昼のセント酒」が面白かったので、ちょっとした銭湯ブームかと思っていましたが、そんなに甘くはなかったのかも知れません。
何だかんだと日本人から、日本人らしい文化が少しずつ消えてしまっているようで悲しいですね。コンビニに行けば妙な仕草のお辞儀をされるし……、どうも文化を大切にしない風潮が蔓延しているようで、情けないと感じる今日この頃です。
■9月の画像処理セッションは9月16日を予定しています。
〜Illustratorの基礎【キャラクター作成3】〜
詳しくは以下でご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/
講演内容:Illustratorの基本ツールの組合せだけで、キャラクターを作成する方法を整理します。基本図形で構成することで全体像を整理します。全体像に微修正をすれば、キャラクターが生まれてきます。
・ベース形状と展開
・中心点操作とレイヤー
・グループ化と非解除
・Animateへの展開
※Blogの一発ネタコーナーが混乱を極めてしまいましたので、三分割しました。
そのうち五分割かも……
▽Adobe, Other Art Tools: Tips
http://kaizu-blog.blogspot.com/2018/08/adobe-other-art-tools-20180813.html
▽3D, Other Movie, Photo: Tips
http://kaizu-blog.blogspot.com/2018/08/3d-other-movie-photo-20180812.html
▽Office, Editor, OS, Font: Tips
http://kaizu-blog.blogspot.com/2018/08/office-editor-os-font-20180731.html
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■グラフィック薄氷大魔王[576]
「板タブが苦手な自分のための注意事項」他、小ネタ集
吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20180829110100.html
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●板タブが苦手な自分のための注意事項
何十回も書いてるけど、液タブやiPadで描いた後に板タブに戻った時の、「ぜんぜん描けない」「翼をもがれた」感にがっかりする。普段は板タブでもそこそこ描けてるはずなのに、液タブを使った瞬間に慣れがリセットされて初心者に戻ってしまう。
板タブで描きにくいのはほとんどの場合……
・適切に拡大表示、回転表示するのをさぼっている
・板タブの垂直軸の回転角度微調整が不十分
・手に余計な力が入っている
・ペンを動かすスピードが速すぎる
あと、下向きの弧を描くときなどに脇の開け具合や肩全体の構えがテキトーだったり、摩擦の調整の不徹底やペン先の摩耗も原因。ドローイングは長時間やることが多いから、四六時中、全部に注意してられないってのもある。
液タブだけでやれば、上記の注意はほとんど関係なくなる。ただし、液タブは姿勢が固定されて疲れるし、首も痛くなる。いつも摩擦の具合が気になってしまうし。それで、板タブで描くのを徹底中。板タブは姿勢がホントにラク。
シャカシャカ描くと気持ちいいけど、無駄に10本のストロークを描くより1本のストロークをじっくり描くほうが速くて確実。でも、手が動きたくてジリジリするんだよなあw
肩から大きく手をブンブン振り回して、素早く描きたいのにできないのが窮屈。大型の液タブならブンブン振り回して描けるかと思ったら、やっぱ摩擦が不自由で思い通りにいかなかった。
プレシジョンモードを使いこなすと、拡大表示せずに手をブンブン振り回せるんだけど、一つの板タブの中で手を動かす距離感が二つ以上できちゃうと、慣れ的にマイナス。
僕みたいに26年もやってていまだに板タブに苦労する人がいる一方で、ぜんぜん違和感なく描ける人も多いのがクヤシイ。短いストローク中心の絵なら、比較的ラクな気がするけど。なんで描けるのか不思議。デュアルディスプレイでFavoのSで大丈夫って人もいたしw
●あらためて紙に描く
とか言いつつ、紙とボールペンで半日ドローイングやってたら、やっぱ首が痛くなった。小型サイドテーブルを目の高さに上げ、角度をつけて描いててもこうなる。長時間できないし、翌日も首の違和感が残る。
A4の紙にびっしりのアイディアスケッチは魅力的に見えるし、その紙の束が溜まっていくのも楽しい。アイディア出しの記録が残るのもイイ。
しかし、そろそろ紙もやめて、板タブオンリーにしていくほうがいいな。紙の記録としては、プリントすりゃいいわけだし。
(「紙に描いて日付とサインを入れておけば、自作のアイディアである証拠になる」が紙にドローイングする動機のひとつだったのだが……。よく考えたら、日付はいつでも入れられるから、証拠にはならないかも。同じ鉛筆やペンなら科学的に証明できそう? )
●がらんどうのABC
数か月前まで青山ブックセンターだった場所の写真。
うわああ、無い……。これはさすがにヤバイ。ズシンと来る。
デザインの本や洋書の画集などを買うため、上京前の88年頃から行ってたイエナ書店や嶋田洋書はずいぶん前になくなった。青山ブックセンターは上京後からだけど、最近は「もうここしかない」感があった。
六本木に行く用事ができると「ABCに寄れる!」って喜んでた。しかし、10年前に本の大処分をしてからは大きな本が買いにくくなり、ABCに寄る機会があっても手ぶらで帰ってくるようになってた。
表参道店はまだあるのね。近くのピンポイントギャラリーで個展をした時に、何度か行ったことがあるきり。1998年だから20年前だ!w
http://www.aoyamabc.jp/store/
1995年頃に、最初の本「Painterワンダーランド」を出した時、新聞のベストセラー欄に載り、「青山ブックセンター調べ」って書いてあってうれしかったなあ。
そういえば渋谷のタワーレコードの本屋も、10年くらい行ってない。まだあるよね?
●ビッグバード、AppleMusicから消える
Apple Musicで見つけて、めちゃくちゃお気に入りになって繰り返し聴いてた、セサミストリートのビッグバードが歌う「ABC-DEF-GHI」。
セサミストリートのオリジナル音源が、Apple MusicどころかiTunesストアからもごっそり消えてる! ビッグバードの他にも、エルモの歌とかお気に入りいっぱいあったのに orz
アメリカのiTunesストアには、何事もなかったかのように並んでる。
AmazonミュージックにもSpotifyにも見当たらない。
Youtubeには「ABC-DEF-GHI」以外にも代表的な歌はアップされてる。アルバムにあったのは1972年のバージョン。
1969年
1972年
1980年
Apple Musicで配信が中止されるアルバムは普通にいっぱいあって、リストがグレーになって聴けなくなる。
オムニバス的に編集されたアルバムは、残った曲がそれぞれ一枚のアルバム扱いになって、リストがゴチャゴチャになることも。
ダウンロード販売に誘導するならまだしも、影も形もなくなっちゃうのは非常に困る。
●ピッタリ賞!
すっごいくだらないんだけど、Photoshopでアイディアスケッチをいっぱい描き、不要なものを消して長方形にまとめてクロップ。提出用にA4サイズの比率に整えるため解像度を確認したら……ほぼA4だった!w
【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/
そういえば、88年頃の東京の洋書店巡り。高田馬場駅近くのビルのたぶん二階か三階に大きな洋書店があったはずだけど、何だったかわかんないや。芳林堂書店の洋書売り場だったのかな。
っていうか、ネットもないのにどうやって調べてそこへ行ったんだろ?
・スワロフスキー「招き猫」と「HOOT HAPPY BIRTHDAY」も出ました。
https://bit.ly/2qWbmZh
・rinkakインタビュー『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
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編集後記(08/28)
●引っ越して来た家にまつわる怖い話、という映画は少なくない。一軒の家とセットがあれば済むので、安上がりだからだろうか。「ウィズイン/恐怖が棲む家」を見た(2016・アメリカ)。お約束通りの家族形態で、主演の女子高生ハンナの両親の片方は義理の関係である。父親のジョン、再婚相手のメラニー、彼らは新婚夫婦のようにベタベタで、無神経で、なんだかいやな感じである。
この母親が微妙に意地悪で、というのならまたかいと思うが、幸いそんなことはない。引っ越して来たというのがミソで、何かあるならこの住宅そのものにあるのだろう。原題が「CRAWLSPACE WITHIN」だから、“狭い空間の範囲内で”なにかが起きるということだ。つまり家の中に怪異の原因がある。何かいる。
父親は好人物のようだがずぼらで、この家を買うときに不動産業者から開示された情報を、10年以上前のことだからと家族に話していなかった。前に住んでいたのは三人家族で、借金を踏み倒して失踪したということになっていたが、実は妻と娘を殺して切断した夫が首を吊って死んだ事件があったのだ。そのことは、ハンナがネット動画で見つけた。ガレージには前住人の持ち物があった。
前の家で派手なパーティーやらかし、飲酒で逮捕され二か月の外出禁止になっているハンナはたいてい留守番。家の中では、なにか違和感を覚えることがある。飼い猫のモンティは、写真を飾った壁が気になるそぶり。屋根裏から鳴いている声が聞こえたりする。そのうち登場しなくなる。どうなったのか不明。
ガレージを整理していて、前住人一家の写真を見つける。家族三人の背後の家の窓に誰かいるようにも見える。家の中では、物が消えたり、移動していたり、扉の開け閉め音が聞こえたり、床がきしむような音や、口笛のような変な音が聞こえたりする。ハンナがシャワーを浴びるとき、室内に手形を見つけた。
なくなったと思ったムービーカメラカメラが出現した。映像をチェックすると、両親の寝姿、ハンナの寝姿が撮られていた。何者かが侵入し撮影したのだが、警報器があるから外部からは入れない。この映画を見ている者は、天井裏から下りてきて、室内を徘徊し、冷蔵庫も開ける男がいることを知っている。
面倒くさい奴が隣家の鍵屋だが、じつは浮浪者で不法に住んでいるのだった。留守中のハンナの家に勝手に侵入する。ハンナが戻って来て着替えるのを、当然覗き見する。何者かが男の頭に袋を被せ、殴打して殺し、屋根裏の隠れ部屋に運ぶ。ハンナの秘密の彼氏トミーも拉致される。ハンナの父親が何者か(やはり前住人一家の隠された一人、デイビッドだった)に首を絞められ気絶する。
デイビッドは神出鬼没、この家は壁一枚でなく、二枚のあいだに空間がある無駄な構造、天井裏もどうなっているかはっきりしないが、とにかくデイビッドが潜む空間がいっぱいというワンダーランド。10年以上前から一人で潜んでいたってことだが、食事や排泄をどうしていたんだ。たぶん猛烈に臭いはずだ。とかなんとか真面目に考えてはいけないらしい。救いようのない結末……。でも、上からテキストが下りてくるエンド・クレジットはうまいな。(柴田)
「ウィズイン/恐怖が棲む家」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B071NZD13C/dgcrcom-22/
●リサイクル業者からの電話。固定電話に片っ端からかけているのだと思う。いまだに固定電話のある家って、年配者だけだろうし。
前にも書いたけれど、履かなくなった靴を買いますタイプ。家まで来て、他にもあるだろと物色されるんだって。
自ら招き入れたわけだから「押し買い」ではないし、訪問販売でもないので、クーリングオフはない。変な業者だとわかった時点で、強く断れる人じゃないと、利用は難しいよね。
電話口で「そういう靴はない」「興味はない」と言っても、「ブーツ一足ぐらいはありますよね、昨日は800円で買い取ったんですよ」と食い下がってくる。たくさん電話しているんだもん、ノウハウ貯まってるよね。
今のところ、即座に電話を切ってくれる返答は「自分でフリマやってますので」であった。メルカリが話題になってくれていて良かった。(hammer.mule)
■ネタを訪ねて三万歩[161]
OSの環境だけで3Dが作れてしまう驚き
海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20180829110200.html
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●疲労困憊の8月
8月前半は採点祭り。正直一番嫌な時期です。
もちろん、一覧表の名前を隠して学生番号だけで採点する無感情主義を貫いていますが、欠席ゼロなのにレポートを未提出だったりする学生が出てくると、本当に厄介です。
とりあえず確認のメールをして、返事が来た場合、正当な理由であれば再提出を求めるのですが、その再提出の期限を一週間も無視して、音信不通になる学生がいるのですよ〜。
それでも再確認して採点しないと、後々面倒な事になるのが今のご時世。一番疲れます。あと、日本語がまったく通じない留学生もなんとかして欲しいです。
頑張って片言の英語で説明しようとするも、日本語よりも通じない悪夢。もしかすると、私は壮大な罰ゲームの真っ只中なのかも知れませんね。しかも抜けられない……とか。
そんなこんなで、今年は特に疲れてしまう8月の始まりでしたが、事件が発生しました。
今月7日、25年来の女友達が先月26日に、外出先で突然他界されたと知って呆然としてしまいました。愛猫の死の三週間後だったので、まるで後を追うような形でした。もう一匹残されてしまった猫が心配ですが、とにかく細かい事がまったくわからないのです。
彼女とは気心が知れていたので、クローズなセミナーではアシスタントをお願いしていました。年に一回程度会った時は、喫茶店にて五〜六時間は当たり前ぐらいの勢いで盛り上がるほど、波長の合う方でした。
ある時など、昼過ぎに遊歩道で缶コーヒー飲みながら世間話していて、気が付いたら終電間際だったということもありました。
とにかく勉強熱心で、誰からも愛される素敵な方でした。なにより人一倍、健康に気をつかっていた方なので、今も信じられません。
最後に会ったのは2016年の1月21日でした。久しぶりに会っておしゃべりしようと約束していたのですが、約束は叶わぬ夢となってしまいました。人生は本当に残酷ですね。
暗くなってしまうので省きますが、実は7月は色々と面倒で暗い事件が私の周りで多発した月でした。私は嫌なコトは先に済ませるのがモットーだから、というわけではありませんが、実は今月末にはちょっと素敵なコトが控えていました。
難産で二か月延びててしまった近著の発売も今月末です。きっと、今月末月から良いコトが沢山控えているような気がして、いつになく秋がとっても楽しみです。
●Windows10標準搭載ソフトで3Dデータ作成
さて、今回はここからが本題です。ほぼ毎日Blogで一発ネタをアップしているのですが、MS-Wordでガチャガチャやっているうちに、挿入メニューに[3Dモデル]という項目を発見しました。
いつからあったのだろうか? と反省すると同時に「なにこれ?」と、最初はあまり期待していなかったのですが、これ、かなり遊べます。
まず、デフォルト環境で幾つかのデータがHDD上とネットに用意されているので、配置するだけのお手軽さ、配置後は3Dデータをグリグリ動かせるのです。
残念ながら、Mac版にこの機能はありません。ただし、Windows版で3Dテータを埋め込んだファイルを、Mac版で開くと動かすことは出来ませんが、配置した状態はキープされています。
キープと言えば、やはりWindows版だけなのですが、WordとPowerPointでフォントを埋め込むことが出来ます。フォントを埋め込んだファイルをMac版で開くと、フォント名だけは確認出来ますが、フォントは正しく表示されません。
MS-Officeに関して、Mac版は正直アウトですね。禁則処理も出来ないのでは、使い物になりません。
話を戻すと、私は基本的にMacとWindowsを同じように使っていましたので、本当に気が付かなかったのですが、この3D機能には更に奥深いコトが隠されていました。
なんと、Windows10に標準で搭載されている、3D Builderとペイント3Dという二つのソフトで、3Dデータが作れてしまうのです。
もちろん、他の3Dソフトで作成したデータも活用できます。OBJ形式で書き出せば、読み込むことができるからです。読み込んで色を付けたりして3MF形式で書き出せば、WordやPowerPointに貼り付けることができます。
OSの環境だけで3Dが作れてしまうのは本当に驚きです。実はこれが私のマイブームになっていたりします。Blogでも随時ネタをアップしていますので、興味のある方は覗いてみてください。
Officeを使うだけがパソコンの目的ではありませんが、どうもこの同じではないという点がひっかかります。
Appleは既にmacOS 10.14 MojaveでOpenGL/GL ES、OpenCLを非推奨化すると宣言しています。将来的にこれらの対応はなくなってしまうでしょう。
そうすると、現状の3Dやゲーム関係はかなり面倒な事になりそうです。もちろん独自に開発したMetalを推奨という流れなのでしょうが、だとすればWindowsやLinax環境はどうなるのか? 本当に気になるところです。
確かにFlash問題などは先見の明がありました。それと同じような流れに将来成るのかはまだ誰にもわからないのではないでしょうか……。
■今月のお気に入りミュージックと映画
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"Kubo and the Two Strings" on Travis Knight in 2016(USA)
邦題「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」。ストップモーション・アニメーションの映画やコマーシャルを制作するライカによる、4本目の長編作品。
物語は、封建時代の日本を舞台に、左目を盗まれた、魔法の三味線を操る主人公のクボを中心に、ニホンザルとクワガタムシを仲間に、邪悪な叔母そして左目を奪った祖父の月の帝を倒す宿命を課せられる……。
とにかく、キャラクター設定がとてもいいです。で、完全に日本の世界なのです。細部もかなり丁寧に日本を研究して作られており、見ていて違和感はありません。ただし、邪悪な叔母達の衣装が少し非日本的だったのは、何か意味がありそう。
とにかくアニメーションなので、吹き替えで見てみようかと思ったのですが、"アトミック・ブロンド" のシャーリーズ・セロン、"インターステラー" のマシュー・マコノヒー、"グランド・ブダペスト・ホテル" のレイフ・ファインズ、"ドラゴン・タトゥーの女" のルーニー・マーラ、"スタートレック" のジョージ・タケイ……という豪華声優陣を見て、字幕スーパーで鑑賞しました。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』予告編
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"While My Guitar Gently Weeps" by Dario Marianelli at 2016(Italy)
ダリオ・マリアネッリが歌う「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」で流れるエンディング曲。まさかの……今年デジタルリマスター版が出るビートルズのホワイトアルバムに収録されていたジョージ・ハリスンの名曲 "While My Guitar Gently Weeps"。しかも和楽器(三味線?)使っている感じでとても神秘的。まっ、三味線が泣いているって曲はないですからね(^o^)
Regina Spektor - “While My Guitar Gently Weeps” - Official Video
The Beats - While My Guitar Gently Weeps
【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com
http://kaizu-blog.blogspot.com
https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu
https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu
街中から銭湯がどんどん消えてしまっています。色々としかたがないのかも知れません。460円という料金は、いくら都が援助しているとは言っても厳しい金額です。
実は私が最後に銭湯に行ったのは、直ぐ近所にあるのにもかかわらず、15年ほど前です。直線距離にして40m、道路を歩いても100mの距離なのです。
プライムビデオでみつけた「昼のセント酒」が面白かったので、ちょっとした銭湯ブームかと思っていましたが、そんなに甘くはなかったのかも知れません。
何だかんだと日本人から、日本人らしい文化が少しずつ消えてしまっているようで悲しいですね。コンビニに行けば妙な仕草のお辞儀をされるし……、どうも文化を大切にしない風潮が蔓延しているようで、情けないと感じる今日この頃です。
■9月の画像処理セッションは9月16日を予定しています。
〜Illustratorの基礎【キャラクター作成3】〜
詳しくは以下でご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/
講演内容:Illustratorの基本ツールの組合せだけで、キャラクターを作成する方法を整理します。基本図形で構成することで全体像を整理します。全体像に微修正をすれば、キャラクターが生まれてきます。
・ベース形状と展開
・中心点操作とレイヤー
・グループ化と非解除
・Animateへの展開
※Blogの一発ネタコーナーが混乱を極めてしまいましたので、三分割しました。
そのうち五分割かも……
▽Adobe, Other Art Tools: Tips
http://kaizu-blog.blogspot.com/2018/08/adobe-other-art-tools-20180813.html
▽3D, Other Movie, Photo: Tips
http://kaizu-blog.blogspot.com/2018/08/3d-other-movie-photo-20180812.html
▽Office, Editor, OS, Font: Tips
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■グラフィック薄氷大魔王[576]
「板タブが苦手な自分のための注意事項」他、小ネタ集
吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20180829110100.html
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●板タブが苦手な自分のための注意事項
何十回も書いてるけど、液タブやiPadで描いた後に板タブに戻った時の、「ぜんぜん描けない」「翼をもがれた」感にがっかりする。普段は板タブでもそこそこ描けてるはずなのに、液タブを使った瞬間に慣れがリセットされて初心者に戻ってしまう。
板タブで描きにくいのはほとんどの場合……
・適切に拡大表示、回転表示するのをさぼっている
・板タブの垂直軸の回転角度微調整が不十分
・手に余計な力が入っている
・ペンを動かすスピードが速すぎる
あと、下向きの弧を描くときなどに脇の開け具合や肩全体の構えがテキトーだったり、摩擦の調整の不徹底やペン先の摩耗も原因。ドローイングは長時間やることが多いから、四六時中、全部に注意してられないってのもある。
液タブだけでやれば、上記の注意はほとんど関係なくなる。ただし、液タブは姿勢が固定されて疲れるし、首も痛くなる。いつも摩擦の具合が気になってしまうし。それで、板タブで描くのを徹底中。板タブは姿勢がホントにラク。
シャカシャカ描くと気持ちいいけど、無駄に10本のストロークを描くより1本のストロークをじっくり描くほうが速くて確実。でも、手が動きたくてジリジリするんだよなあw
肩から大きく手をブンブン振り回して、素早く描きたいのにできないのが窮屈。大型の液タブならブンブン振り回して描けるかと思ったら、やっぱ摩擦が不自由で思い通りにいかなかった。
プレシジョンモードを使いこなすと、拡大表示せずに手をブンブン振り回せるんだけど、一つの板タブの中で手を動かす距離感が二つ以上できちゃうと、慣れ的にマイナス。
僕みたいに26年もやってていまだに板タブに苦労する人がいる一方で、ぜんぜん違和感なく描ける人も多いのがクヤシイ。短いストローク中心の絵なら、比較的ラクな気がするけど。なんで描けるのか不思議。デュアルディスプレイでFavoのSで大丈夫って人もいたしw
●あらためて紙に描く
とか言いつつ、紙とボールペンで半日ドローイングやってたら、やっぱ首が痛くなった。小型サイドテーブルを目の高さに上げ、角度をつけて描いててもこうなる。長時間できないし、翌日も首の違和感が残る。
A4の紙にびっしりのアイディアスケッチは魅力的に見えるし、その紙の束が溜まっていくのも楽しい。アイディア出しの記録が残るのもイイ。
しかし、そろそろ紙もやめて、板タブオンリーにしていくほうがいいな。紙の記録としては、プリントすりゃいいわけだし。
(「紙に描いて日付とサインを入れておけば、自作のアイディアである証拠になる」が紙にドローイングする動機のひとつだったのだが……。よく考えたら、日付はいつでも入れられるから、証拠にはならないかも。同じ鉛筆やペンなら科学的に証明できそう? )
●がらんどうのABC
数か月前まで青山ブックセンターだった場所の写真。
https://twitter.com/hnaomilk/status/1030113616081514498
うわああ、無い……。これはさすがにヤバイ。ズシンと来る。
デザインの本や洋書の画集などを買うため、上京前の88年頃から行ってたイエナ書店や嶋田洋書はずいぶん前になくなった。青山ブックセンターは上京後からだけど、最近は「もうここしかない」感があった。
六本木に行く用事ができると「ABCに寄れる!」って喜んでた。しかし、10年前に本の大処分をしてからは大きな本が買いにくくなり、ABCに寄る機会があっても手ぶらで帰ってくるようになってた。
表参道店はまだあるのね。近くのピンポイントギャラリーで個展をした時に、何度か行ったことがあるきり。1998年だから20年前だ!w
http://www.aoyamabc.jp/store/
1995年頃に、最初の本「Painterワンダーランド」を出した時、新聞のベストセラー欄に載り、「青山ブックセンター調べ」って書いてあってうれしかったなあ。
そういえば渋谷のタワーレコードの本屋も、10年くらい行ってない。まだあるよね?
●ビッグバード、AppleMusicから消える
Apple Musicで見つけて、めちゃくちゃお気に入りになって繰り返し聴いてた、セサミストリートのビッグバードが歌う「ABC-DEF-GHI」。
セサミストリートのオリジナル音源が、Apple MusicどころかiTunesストアからもごっそり消えてる! ビッグバードの他にも、エルモの歌とかお気に入りいっぱいあったのに orz
アメリカのiTunesストアには、何事もなかったかのように並んでる。
AmazonミュージックにもSpotifyにも見当たらない。
Youtubeには「ABC-DEF-GHI」以外にも代表的な歌はアップされてる。アルバムにあったのは1972年のバージョン。
1969年
1972年
1980年
Apple Musicで配信が中止されるアルバムは普通にいっぱいあって、リストがグレーになって聴けなくなる。
オムニバス的に編集されたアルバムは、残った曲がそれぞれ一枚のアルバム扱いになって、リストがゴチャゴチャになることも。
ダウンロード販売に誘導するならまだしも、影も形もなくなっちゃうのは非常に困る。
●ピッタリ賞!
すっごいくだらないんだけど、Photoshopでアイディアスケッチをいっぱい描き、不要なものを消して長方形にまとめてクロップ。提出用にA4サイズの比率に整えるため解像度を確認したら……ほぼA4だった!w
【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/
そういえば、88年頃の東京の洋書店巡り。高田馬場駅近くのビルのたぶん二階か三階に大きな洋書店があったはずだけど、何だったかわかんないや。芳林堂書店の洋書売り場だったのかな。
っていうか、ネットもないのにどうやって調べてそこへ行ったんだろ?
・スワロフスキー「招き猫」と「HOOT HAPPY BIRTHDAY」も出ました。
https://bit.ly/2qWbmZh
・rinkakインタビュー『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
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編集後記(08/28)
●引っ越して来た家にまつわる怖い話、という映画は少なくない。一軒の家とセットがあれば済むので、安上がりだからだろうか。「ウィズイン/恐怖が棲む家」を見た(2016・アメリカ)。お約束通りの家族形態で、主演の女子高生ハンナの両親の片方は義理の関係である。父親のジョン、再婚相手のメラニー、彼らは新婚夫婦のようにベタベタで、無神経で、なんだかいやな感じである。
この母親が微妙に意地悪で、というのならまたかいと思うが、幸いそんなことはない。引っ越して来たというのがミソで、何かあるならこの住宅そのものにあるのだろう。原題が「CRAWLSPACE WITHIN」だから、“狭い空間の範囲内で”なにかが起きるということだ。つまり家の中に怪異の原因がある。何かいる。
父親は好人物のようだがずぼらで、この家を買うときに不動産業者から開示された情報を、10年以上前のことだからと家族に話していなかった。前に住んでいたのは三人家族で、借金を踏み倒して失踪したということになっていたが、実は妻と娘を殺して切断した夫が首を吊って死んだ事件があったのだ。そのことは、ハンナがネット動画で見つけた。ガレージには前住人の持ち物があった。
前の家で派手なパーティーやらかし、飲酒で逮捕され二か月の外出禁止になっているハンナはたいてい留守番。家の中では、なにか違和感を覚えることがある。飼い猫のモンティは、写真を飾った壁が気になるそぶり。屋根裏から鳴いている声が聞こえたりする。そのうち登場しなくなる。どうなったのか不明。
ガレージを整理していて、前住人一家の写真を見つける。家族三人の背後の家の窓に誰かいるようにも見える。家の中では、物が消えたり、移動していたり、扉の開け閉め音が聞こえたり、床がきしむような音や、口笛のような変な音が聞こえたりする。ハンナがシャワーを浴びるとき、室内に手形を見つけた。
なくなったと思ったムービーカメラカメラが出現した。映像をチェックすると、両親の寝姿、ハンナの寝姿が撮られていた。何者かが侵入し撮影したのだが、警報器があるから外部からは入れない。この映画を見ている者は、天井裏から下りてきて、室内を徘徊し、冷蔵庫も開ける男がいることを知っている。
面倒くさい奴が隣家の鍵屋だが、じつは浮浪者で不法に住んでいるのだった。留守中のハンナの家に勝手に侵入する。ハンナが戻って来て着替えるのを、当然覗き見する。何者かが男の頭に袋を被せ、殴打して殺し、屋根裏の隠れ部屋に運ぶ。ハンナの秘密の彼氏トミーも拉致される。ハンナの父親が何者か(やはり前住人一家の隠された一人、デイビッドだった)に首を絞められ気絶する。
デイビッドは神出鬼没、この家は壁一枚でなく、二枚のあいだに空間がある無駄な構造、天井裏もどうなっているかはっきりしないが、とにかくデイビッドが潜む空間がいっぱいというワンダーランド。10年以上前から一人で潜んでいたってことだが、食事や排泄をどうしていたんだ。たぶん猛烈に臭いはずだ。とかなんとか真面目に考えてはいけないらしい。救いようのない結末……。でも、上からテキストが下りてくるエンド・クレジットはうまいな。(柴田)
「ウィズイン/恐怖が棲む家」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B071NZD13C/dgcrcom-22/
●リサイクル業者からの電話。固定電話に片っ端からかけているのだと思う。いまだに固定電話のある家って、年配者だけだろうし。
前にも書いたけれど、履かなくなった靴を買いますタイプ。家まで来て、他にもあるだろと物色されるんだって。
自ら招き入れたわけだから「押し買い」ではないし、訪問販売でもないので、クーリングオフはない。変な業者だとわかった時点で、強く断れる人じゃないと、利用は難しいよね。
電話口で「そういう靴はない」「興味はない」と言っても、「ブーツ一足ぐらいはありますよね、昨日は800円で買い取ったんですよ」と食い下がってくる。たくさん電話しているんだもん、ノウハウ貯まってるよね。
今のところ、即座に電話を切ってくれる返答は「自分でフリマやってますので」であった。メルカリが話題になってくれていて良かった。(hammer.mule)