[4761] 最大の情報源は映画◇書店でKindle本の有無情報を知りたい

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《ほぼ電子本しか買わなくなってる僕》

■ネタを訪ねて三万歩[168]
 最大の情報源は映画
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[604]
 Kindle本の有無情報
 吉井 宏




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■ネタを訪ねて三万歩[168]
最大の情報源は映画

海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20190327110200.html

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花粉の季節到来と言うことで、例年どおり主治医に薬を処方してもらったのですが、例年よりも激しい状態のはずなのに、症状が軽くてなんだか拍子抜けです。もっとも、重い症状の友人を何人か知っているので、軽いに越したことはないですね。

●日増しに増えるネタ

さて、ほぼ毎日Blogにアップしているネタは、休日にまとめて作成したりするのですが、アイデアのメモを頼りに実際に作業をしてみると「ダメだ~」となることが5割。そのうち半分は実験不足だったりします。

実際に作成したネタも順番どおりに公開してしまうと、一部のソフトや方向性に偏ってしまうので、適度にばらけているのですが、長くて二か月ほど後の公開ということもあります。なかなかうまくいかないものです。

でも、ネタは日増しに増えています。相乗効果っていう感じですね。そして、「ダメだ~」となったネタの答えが、突然見つかったりします。やはり、躓いたら離れてみることも大切ですね。離れて遠くから観察することで、答えが見付けやすくなるようです。

アイデアの出し方が随分変わりました。昔はテレビや新聞、雑誌を見たりすることもありましたが、どれも見なくなって10年以上経ちますので、今はネットや散歩が、アイデア出しの一部を担っています。

散歩といっても、車で突然出かけるなんていうこともあるので、一般的な散歩とは少し違うかもしれません。

ネットはほとんどFacebookですね。Twitterはまだ使いこなせていません。ただ最近解ってきたことに、FacebookとTwitterの両方をやっている人でも、両方アクティブという方は多くないですね。

Facebookがメインの方、Twitterがメインの方と別れていますね。もちろん、いい悪いの話ではなく、相性のようなものでしょう。あと、どちらを先に始めたか? も影響しているでしょうね。

また、自分でも意外でしたが、昔の雑誌を見ることも刺激になります。雑誌といっても非PC系です。うまく説明できませんが、昔の写真アルバムを懐かしんで見返すような感覚です。

それと最大の情報源は、なんといっても映画ですね。前にもネタにしたように、映画館には行きません。基本的に人混みが嫌いなのと、隣りにマナー違反の人が来たりしたら(私の場合は確率が異常に高い)最悪なので。

とにかく映画館へ出かけるのは腰が重いので、もっぱらレンタルまたはネットです。もちろん時々「借りるのではなかった」と後悔しか出てこないような作品にも当たりますが、それはそれで刺激になっています。刺激がなくなったら、解らなくなったら終わりですかね。刺激が相乗効果を生むのです。

例えば、大昔の人は必要に迫られて道具を自作して、使い込んでいたわけです。それを別の人が改良して、使い勝手をよくするという流れですね。そして、異業種間でも「その道具はこちらでも使える」といった展開も当然出てくるわけです。

その考え方ってとても好きです。PCを酷使して仕事をしている者にとって、大切なのはちろんPCとソフトウェアなのですが、そうではない部分から、それらに繋がるアイデアを導き出す流れがとても楽しいのです。

もちろん、すぐにアイデアなんて出ないのですが、一連の流れがとても刺激になることは確かです。色々な具材の混ぜご飯状態が、相互に刺激し合うという感じですね。とても良好です。

●130回で初の告知ミス

ところが、遂に混ぜご飯状態ゆえのミスを犯してしまいました。

それは、今月の月例セミナーで勃発しました。正確には130回で初の告知ミスです。告知で「ZBrushCoreでUVマッピング」としてしまい、ギリギリになって気が付いたという大失態。

ZBrushCoreでは、UVマッピングの機能がありません。逃げ道としての、ポリペイントによるテクスチャー書き出し機能もありません。

結果、ZBrushCoreからペイント情報は書き出せないのです。もちろんZBrushやZBrushCoreで開く、あるいはOBJ形式のインポートであれば問題はありません。他の、例えばペイント3DやMixamoなどで開いたり、Wordに配置したりすると、ペイント情報がない状態の粘土細工になってしまいます。

セミナーではもちろん、告知に対するフォローを予定しています。

言い訳ではないのですが、私のセミナー用マシンにはZBrushCoreだけでなく、本家のZBrushもインストールされており、普段の作品はすべて本家ZBrushで作成したので、勘違いしてしまったようです。

それと、3Dをやっている人はある程度共通していると思うのですが、複数のソフトを使い分けていたりするので、余計に勘違いが発生しやすくなりますね。私の場合の使い分けは、以下の通りです。

モデリング(メイン)ZBrush
モデリング(サブ)modo, Fusion360
モデリング(補助)Blender, Strata Design 3D CX
ペイント処理(メイン)modo
ペイント処理(サブ)ZBrush
レンダリング(メイン)modo
レンダリング(サブ)Strata Design 3D CX

もちろん、この先もこの組合せが続くわけではありませんが、今はこんな感じです。しかし、何だかんだで25年も3Dやっていて、進歩がないのは我ながら笑えます。

で、とにかくZBrushCoreではUVマッピングが不可能な状況なので、せめてレンダリングだけでもということで、3Dレンダリング用として、あると便利な背景ベース(写真撮影用のテーブルもどき)を公開しました。

ZBrush系でこの形状作るのはちょっと面倒臭いので、Illustrator CC 2018とStrata Design 3D CX 8.0にてサクッと作成しました。OBJ形式なので、ほとんどの3Dソフトで読み込みことができます。

3Dレンダリング用背景ベース
https://kaizu-blog.blogspot.com/2019/03/3d.html


●今月のお気に入りミュージックと映画

"Hidden Figures" on Theodore Melfi in 2016(US)

邦題「ドリーム」。合衆国のマーキュリー計画の影の立役者であった三人の黒人女性にスポットを当てた伝記映画。60年代でもまだ有色人種への差別が法(条例?)のもとに実在していたわけです。

史実と違う部分もありますが、とにかく主演キャサリン・ゴーブル・ジョンソン役のタラジ・P・ヘンソン、ドロシー・ヴォーン役のオクタヴィア・スペンサー、メアリー・ジャクソン役のジャネール・モネイの三人が、とってもキュート。

ちなみにキャサリン・ゴーブル・ジョンソンは、今年100歳でまだ存命なのが凄いです。ところで、当初の邦題は「ドリーム 私たちのアポロ計画」だったそうです。担当者のアホさ加減が笑えます。マーキュリー計画よりもアポロ計画の方が有名だったからとか、そのまま確定していたら、世界の笑いものになっていましたね。

映画『ドリーム』予告A


"Amapola" by ?? at 2018(?)

アマポーラ(Amapola)は、スペイン出身の作曲家ホセ・ラカジェが1924年に発表したポップ・ミュージック。

きっかけは、ネットCMの「2045年のSAKURA」。色々なCMで使われていたので頭の中に残っていましたが、なんていう曲なのかを探すので苦労しました。なにせShazamでも引っかからなかったからです。

やっとの思いで曲を探り当てても、誰が歌っているのかが分らずプチイライラ。なにせ企業サイトの情報にも、楽曲関係はスルーされているのです。ご存じの方がいたら教えて下さい。

ということで、ボーカルが素敵なAmapolaを堪能しながら「2045年のSAKURA」を鑑賞するのをお奨めします。ただし、楽曲が完全に終わるまで画面から目を離さないで下さい。ちなみに、主演の高山沙織さんは、昨年公開された「2042年のクリスマス」でもアンドロイド役で出演していましたね。

2045年のSAKURA


2042年のクリスマス



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com

http://kaizu-blog.blogspot.com

https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu

https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu



ポストが大きい我が家には、毎日大量の投げ込み広告が挿入されてしまいます。新聞は取っていないので、郵便物が届いたときに開けて回収するのですが、100%その場でゴミ箱行きです。印刷に絡んでいる仕事をしているので複雑な気持ちではありますが、要らないモノはいらないですからね。

ただし、ただ捨てるのではなくて、資源ゴミ用の箱に入れてまとまったら放出です。少しは地域の役に立っているというわけです。しかし、いつも不思議に思うのは、チラシの広告効果ってどのくらいなのでしょうね。昔演劇をやっている教え子から聞いた話では、1000通配れば一人来てくれる計算だとか……。

●4月の画像処理セッションは4月18日を予定しています。
~Photoshopの活用【パターン作成と組合せ述】~

参加は無料で、どなたでも参加できます。詳細は以下のサイトでご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/


講演内容:Photoshopでパターンを作成する手順のお復習いと、応用処理としての組合せ手法を整理します。Illustratorで作成したパターンの、取り込み時の注意点も整理します。

・元サイズと展開
・Illustratorからの取り込み
・基本パターンと組合せ
・カラーリング調整と描画モード


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■グラフィック薄氷大魔王[604]
Kindle本の有無情報

吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20190327110100.html

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先日、書店で面白そうな本を2冊見つけた。Kindle版が出てるかどうか、検索すりゃいいんだけど店内でスマホを使いたくない。外に出て確認することもあるが、今回は面倒だったのでそのまま買った。帰ってから検索したら、2冊ともKindle版があったorz

紙の本は、Kindle版(というか電子本)の有無をオビにでも記載してほしい! 書店に並ぶ本に「Kindle版あります」って記載されてたら、そこで買わないのは明らかだもんね、無理もない。けど、一消費者としてはそう思う。

「店外で確認するのが面倒」「書名を忘れたり検索すること自体忘れる」などで、結局は紙の本も電子本も買わないことが多い。せっかく出会った本なのに。

電子本を出さないのは出版社や著者の自由だから、そこに文句はない。こちらには自炊という手段がある。ただ、自炊する手間と時間がかかる分、「紙の本は電子本より安くていいんじゃないか?」という感情も、ちょっとだけある。まあ、「電子本はもっと安くていいんじゃないか?」と相殺されるがw

ところで、ほぼ電子本しか買わなくなってる僕が、本屋に行く理由や心づもりには以下のようなものがある。

・未知の本と出会える
・平積みの新刊などで世の中の動向がなんとなくわかる
・ペラ見、チラ見で面白そう! って買いたくなる衝動を楽しめる
・紙の本を買わなすぎて近所の本屋がなくなると困る
・電子版がないとわかっている紙の本は当然その場で買う

などなど、僕なりに紙の本や書店を尊重して利用しているつもりなのに、紙の本側からは電子本ユーザーへの配慮がほとんど見えないのがツラい。

たとえば、「電子本を店内で買えば1割安かったり、ポイントが割り増しでもらえ、書店には報奨金が支払われる」のような、現実的な方法はないのかな。「書店でレジを通してコードを発行してもらい、後でネットで買う」とかでもいいし。

電子本が増えていく中で書店もしっかり残すなら、そんな方法しかないんだろうけど、現実にそういう方向に行ってないとすると、むずかしいんだろうなあ。前に言ってた、「書店は出版物のショールームとして生き残れる」はどうなんだろう?


【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com

http://yoshii-blog.blogspot.com/


MySpaceのユーザーの楽曲データが消失したニュース。2007年ごろに僕もひととおりページを作った。しかし、あまり使わないうちにTwitterにのめり込み、存在自体すっかり忘れてしまった。自分のページが残ってるのは確認できたけど、サインインしようとしたら、なぜかできなかった。

最近、Flickr無料会員は容量1TBから1000枚に制限され、超過分の写真が消去されるという話もあった。Googleマップの仕様変更も。どんなサービスでも突然に縮小されたり消えたりすることもあり得る。一つのサービスに頼り切らず、バックアップや他サービスの併用など心掛けねばと。

○吉井宏デザインのスワロフスキー、新製品がいくつか出ました。

・見ざる聞かざる言わざるの「三猿」
https://bit.ly/2UF4LzF


・フクロウHOOT、踊りたい気分! 「HOOT LET’S DANCE」
https://bit.ly/2Dc6p4Z


・恋に落ちたフクロウHOOTたち「HOOT WE ARE IN LOVE」
https://bit.ly/2BlyBC4


○MyMiniFactory
3Dプリンタ用のデータを売ってます。
https://www.myminifactory.com/users/Yoshii



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編集後記(03/27)

偏屈BOOK案内:なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか 〜韓国人による日韓比較論〜 シンシアリー(その2)

2018年12月23日、韓国「国民日報」に興味深い記事が掲載された。「韓国社会は、公共の利益や価値、あるいは他の個人や集団への共感も配慮も失い『万人の、万人による闘争』だけが残ってしまったと、専門家たちは指摘する」「韓国人は、人権や平等より『公正』だけを不思議なほど強く求める。それも、実は自分と他人との上下関係を明確に分けるためにすぎない」……大変だね〜。

4〜5年前から韓国社会では「孝道契約書」なるものが話題だ。親が子に財産を贈与する条件として、子の親孝行を契約として強制できるようにしておくことだという。「親孝行」と「契約」は逆の概念ではないのか。単に「親孝行します」「親を扶養します」じゃダメ、そんな生ぬるい書き方では、いざという時、子を告訴できない。具体的内容でないと、契約違反したかどうか判定できない。

「一か月に小遣い(親の生活費)を○万ウォンずつ差し上げます」「同じ家で扶養し最もいい部屋を親が使うようにします」「年○回の旅行費用を出します」など細かく書く必要がある。親と子の間でこんな契約が流行る国は韓国しかない。韓国は定年が早い。その後は「家をやるから親孝行しろ」と、子に頼るしかない。だが、財産だけもらっておいて、親を虐待する事例が後を絶たない。

だから「契約」を強いるようになった。いざというとき、子を告訴するため。最近の韓国社会では高齢者と若者の間にも「嫌悪」し合う問題が起きている。韓国人の家族関係は「位階秩序」、日本で言う「ヒエラルキー」の塊である。高齢者は若者を息子、娘としか見ていない、というのだ。だから可愛がる、という意味ではない。高齢者に対して「下」としての立場になれと要求する。

若者たちが高齢者に席を譲らなかった場合、高齢者から出てくる定番の抗議が、「息子、娘のようなお前たちが座って、親のような私が立っていて、これでいいのか」である。高齢者に席を譲るのはよいことなのはわかるが「席を譲らなかった奴は高齢者から叱られるべきだ」はやめてくれと若者たちはいう。

韓国国会では「親不孝者防止法」なる法律が係留(通過も棄却もされていない)中である。俗に「親不孝者の食い逃げ防止法」と呼ばれている。親の財産を相続した子が、親をちゃんと扶養しない、虐待したりすると財産の相続をキャンセル(財産の権利を親に戻す)できるが、その条件を緩和する法案である。親不孝者が多すぎて、法による制裁を強化しなければならないという議論だった。

「息子は大泥棒、嫁は小泥棒、娘はかわいい泥棒、孫は強盗」というジョークが現実のものになった韓国。親不孝という言葉を人に話すこと自体、もはや気まずい世の中になった。「親孝行は契約でなんとかする問題ではない」としながら、「親不孝を法律で防止する」しかないという素っ頓狂な国家である。

韓国の若い世代の趣味文化は「アイドル」(韓流スターなど)「映画」(映画館で観ることに限られる)「オンラインゲーム」(パソコンとスマホ)だけ、50〜60代の趣味は事実上「登山」だけである。趣味を楽しむ文化が育っていないから、趣味にお金を使わない。ネット関係では世界一のインフラを持つと自慢している。だが、Amazonがない。その市場にお金が回っていないからだ。

韓国人は「お金」の問題に対しては、もはや解決を諦めているようにも見える。韓国の若者たちの不満は「なんで私は稼げないのか」ではなく、「なんで私は大金持ちの子に生まれなかったのか」なのだ。そして「お金は大好き、大金持ちは大嫌い」だ。韓国社会は本物の「不幸」に落ちているようだ。(柴田)

なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか 〜韓国人による日韓比較論〜
シンシアリー 扶桑社 2019
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/459408172X/dgcrcom-22/



●Google Maps(GMap)続き。水場の補足。この水場はGMapや、Appleのマップアプリにはないものなのだ。なのでポケモンGOはOpenStreetMapベースだと思っている。

航空画像で見るとちゃんと存在しているが、建物の影になっていて、水場には見えない。すぐそばに、その半分ぐらいの約1.5m幅の水路があるけれど、こちらには影がかかっておらず、GMap、Appleともに記載されている。

といったことから、GMap(やAppleのマップ)は航空画像から書き起こしているように思う。もうひとつ言うと、うちの近所にある大きな木が並んでいる通路は扱いが小さいのだが、開けている場所の狭い通路は、私有地にもかかわらず大きく表示されている。この私有地の通路はゼンリンの時にはなかったんだよなぁ……。(hammer.mule)