[4975] エセー物語(エッセイ+超短編)◇バーチャルワールドとVTuber

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《現実同様の体験ができる仮想空間へダイブする未来は近い》

■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[45]
 その駄洒落、洒落ですよ◇洒落の練習
 超短編ナンバーズ タカスギシンタロ

■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[46]
 春眠暁を覚えず◇襲眠
 超短編ナンバーズ たなかなつみ

■晴耕雨読[58]
 バーチャルワールドとVTuberの話
 福間晴耕
 



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■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[45]
その駄洒落、洒落ですよ◇洒落の練習

超短編ナンバーズ タカスギシンタロ
https://bn.dgcr.com/archives/20200319110300.html

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◎エッセイ

「その駄洒落、洒落ですよ」

ことば遊びをすべて、「駄洒落」でひとくくりにしてしまう風潮がかなしい。普通の人の場合はそれでもかまわないが、噺家やお笑い芸人、アナウンサーなど、言葉のプロが安易に「駄洒落」という言葉で済ませてしまうのはどうかと思う。そもそも言葉遊びにはいろいろな種類があるのだ。

かつて有線放送に『うまいねどぉーも川柳道場』という番組があった。噺家の柳家小ゑん師匠が選者をつとめる、江戸の川柳と言葉遊びのコンテンツだった。有線放送では珍しい聴視者参加型の双方向番組で、投稿で賑わっていた。

じつはわたくしこの番組の初代横綱でした(自慢です。すみません)。そんなわけもあって、どうも言葉遊びについてはひとこと言いたくなってしまうのでありました。

「雑俳」という言葉をご存じだろうか? 川柳や洒落などで競い合う江戸の言葉遊びの総称だ(落語にも「雑俳」というのがありますね)。その式目は川柳や洒落のほかにも地口、語呂合わせ、都々逸、ものは附などがあり、あげればきりがないほど。

そんな中で、とりあえず「洒落」と「地口」の違いくらいは知っておいてほしい。そうすれば「笑える」「笑えない」以外にも、言葉遊びには評価軸があるのだということをご理解いただけると思う。

まず「洒落」だが、これは言葉の冒頭で洒落てほしい。つまりよくある「そんなシャレやめなシャレ」というのは「され→シャレ」と、言葉の最後の部分で遊んでいるので、きちんとした洒落ではなく、これこそ駄洒落なのである。

雑俳は言葉を用いた競い合いである。であるから、選考の基準をそろえるため、共通のお題の元に競い合う。たとえば洒落で、お題が「病気に関する一切」だとしたら

「ウィルスを使う(居留守を使う)」は冒頭で遊んでいるので洒落だが「風邪引いちゃってくしゃみが止まらないんですよ、ワクチン!(ハクション)」は正式の洒落ではないことになる。

ちなみに、なぜ言葉の冒頭で洒落るのか。詳しい理由は雑俳の本にも書いていない。個人的な考えだが、やはり競い合いに関係しているのではないだろうか。

言葉の真ん中や最後で洒落てしまうと、言葉遊びとは関係ない部分の内容や面白さが入ってきてしまい、評価の軸がぶれてしまう。純粋に言葉遊びで勝負するために冒頭で洒落るのだと、個人的には理解している。

さて、洒落で注意していただきたいのは、冒頭で洒落るというほかに「同音はだめ」というルールである。やはりお題が「病気に関する一切」だとしたら

「痔エンド(ジ・エンド)」というのは、冒頭で遊んではいるものの、読みの音がどちらも「じ」で同じ。よって、洒落としては認められないということなのです。

以上が洒落(正式には洒落附)の説明でした。もうひとつ「地口」も知っておいてほしい。

地口は大辞泉によれば「ことわざや成句などに発音の似通った語句を当てて作りかえる言語遊戯」である。別の言い方をすれば、「成句の一部またはすべてを変えて違う意味の言葉にする」という遊びということ。

これだけだとわかりにくいと思うので、例を挙げます。「ことわざ一切」というお題だとすると、ことわざを元に、作り替えることになります。

 「Uberの耳に念仏(馬の耳に念仏)」
 「木を見てウォーリーを見ず(木を見て森を見ず)」
 「尻に目移り(尻に目薬)」
 「ニコニコバーン(猫に小判)」

と、こんな感じになります。文頭で洒落る必要がないので、洒落附より自由度が高いと思います。これらは(出来不出来は別として)地口という言葉遊びなのですが、区別なく「洒落」と言っている人も多いのではないでしょうか?

以上、言葉遊びにおける「洒落」と「地口」でした。言葉遊びには「おもしろい」「つまらない」以外にも「ルールにのっとった形であるかどうか」という評価軸があることをぜひ知っておいていただきたいと思います。

ちなみに、現時点でWikipediaの「地口」の項目は間違っておりますのでご注意ください。地口附と無駄口附がごっちゃになってしまっています。

参考文献『雑俳諧作法』(佐藤紫蘭/葉文館出版)『奥の近道』
(篝火舎心亭編著/扶桑社)

雑俳諧作法
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4897161444/dgcrcom-22/


奥の近道
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594005640/dgcrcom-22/



◎超短編

洒落の練習

「洒落ヲ教エテクダシャレ」
たぬきがタローのもとを訪れた。
「洒落を覚えてどうするんだい?」
「ミジンコサンヲ喜バセルノサ」
タローはしばし考えると、紙と鉛筆を持ってきて何か書きはじめた。

「いらっしゃいませ」
扉の開く音がしたが誰もいない。ミジンコサンが首をひねりながら店に戻ると、いつのまにか二人の男がテーブルに着いていた。
「ははあ、タローさんが言ってたたぬきときつねね……」

ミジンコサンは何食わぬ顔であやしい男たちに水を出す。男たちはちらちらとメモを見ながら注文した。
「角煮入レテ飾リタイ」
「豚の角煮ですね」
「味噌煮ハマッテサア大変」
「サバの味噌煮ですね」
「サラダ十勇士」
「サラダですね」

ミジンコサンが料理を持ってくると二人の男は無言で食べた。そして「馬勝ッタ牛負ケタ」と言いながら帰っていった。

しばらくするとノックの音がした。ミジンコサンが扉を開けたが、そこには誰もおらず、ただ桃の花が置いてあるだけだった。

花に添えられた紙にはたどたどしい文字で「桃おなかいっぱいです」とあった。


【タカスギシンタロ】

超短編専門フリーペーパー『コトリの宮殿』編集長、電子書籍版元「うのけブックス」代表。松本楽志とともに「超短編マッチ箱」のサークル名で文学フリマに参加している。
『ピアノ』(電子書籍/うのけブックス) 
http://www.amazon.co.jp/dp/B01AI36HX2



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■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[46]
春眠暁を覚えず◇襲眠

超短編ナンバーズ たなかなつみ
https://bn.dgcr.com/archives/20200319110200.html

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◎エッセイ

「春眠暁を覚えず」

とれなければとれないで不調のもととなり、とりすぎたらとりすぎたで問題になるもの、なーんだ。食事やら太陽光やら何やら、解答になりそうなものは山のようにあるけれども、とりあえずここでは、睡眠が正答ということにしておこうと思う。春ですし。

眠るのが不得意になってからもうかなりになる。たぶんそのせいで睡眠負債が込んでいるのだろう、いわゆる「寝落ち」ということも日常的に経験するようになった。おかげで、映画館で映画を観るのがとても怖い。暗闇とクッション性の高い椅子というかけあわせが素晴らしいのだろう、ものすごく穏やかに眠りに入っていってしまう。それなりの代金を払いながら眠ってしまうというのも恐怖なら、眠っているあいだにいびきや寝言で周囲の人たちに迷惑をかけてしまうのではないかというのも恐怖。どんなに面白い映画であろうが関係なく、苦もなくすとんと寝入ってしまい、目覚めたときにはもうどんなに目を凝らしてもストーリーを追うことができなくなってしまっているという。困ったもんです。

映画と同じぐらい寝落ちしやすいのが、読書中。最初は真っ直ぐ机に向かって読み始めるのだけれども、そのうちにだらだらと姿勢が崩れていき、横になって読んでいるあいだに、手に持っていたものがばたんと身体の上に落ちてきた衝撃で目が覚めて、寝ていたことに気づく。そのときにはもうどこまで読んだかわからなくなっており、かなり遡って再読し始めるのだけれども、気づいたときにはまた寝入ってしまっており、いつまで経っても読了できないという。家で本を読んでいる分には、寝落ちしようがどうしようが、誰かに直接迷惑をかけるようなことはないので、時間さえ気にする必要がなければ安心して眠ってしまっていいということにしているのだが、どうなんだろう。

若いときには枕元に電気スタンドを持ってきて、その灯で文庫本を読むというのが常だったのだけれども、電子書籍に手を出してからは、電気スタンドを持って移動する必要がなくなったので、どこでも気軽に寝転んで読む癖がついてしまった。青空文庫のおかげで、十代のときに読み散らかして面白さがわからないままほってしまった近代文学にも気軽に手を出せるようになり、いま読み返したらめちゃくちゃ面白いやん! などと気づいたりもして楽しい思いもしながら、日々寝落ちを繰り返している。春ですし。

そんなこんなで、やる気のない本読みだとか、ものぐさな書きもの修行中の超短編やだとかを名乗っている者です。時折こんなふうに参加できたらいいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。


◎超短編

「襲眠」

ひょいとやって来て取り憑かれる。重さはないが温かみは感じる。意味なく身体がぽかぽかしてきたら、そこにやつが来たサインだ。

本を読んでいるときであればわかりやすい。追いかけている文章の意味がつかみづらくなるのが最初の予兆。それから徐々に文字が追えなくなる。気づくと何を読んだかわからなくなっている。元に戻って無駄に読み返すということを繰り返しているうちに気づく。

やつがいる。

別段悪い奴ではない。むしろ身体には優しい。平穏も安心も提供してくれる。もたらされるのは充分なリラックスと安息の時間だ。

けれども、やつは時もところも選ばない。ヒトとしての常識がまったくない。そこはヒトでないから仕方がない。やつに抵抗することはできない。仮に少しのあいだできているように思えたとしても、そんなのはまったくの気のせいだ。すべての抵抗に意味はない。

気づいたときには穏やかな水底にいる。そして、もう浮き上がりたいとも思わない。

あるいは、永遠に。


【たなかなつみ】
tanakanatm@gmail.com

作品集:『夢見る人形の王国:いつかどこかのものがたり(超短編集)』
(kindle版)
website:たなかのおと
note:https://note.com/tanakan



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■晴耕雨読[58]
バーチャルワールドとVTuberの話

福間晴耕
https://bn.dgcr.com/archives/20200319110100.html

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去年の5月に「いまVTuberとVRChatが面白い」というタイトルで、VRのトレンドについて紹介したがその続編。
https://bn.dgcr.com/archives/20190315110100.html


前回は主にVTuber(バーチャルYouTuber)とVRChatについて書いたが、その後どうなったかについて書いてみたい。

VTuber(バーチャルYouTuber)については、あれから数は更に増えついに1万人の大台を超えた。とはいえ、前回の記事では初期のインターネットのように、新規参入者がどんどん入ってきて、次々と新しい出来事が起きている活気に溢れた状況だと書いたが、よくも悪くも、今は一段落した感じがする。

スマホを使って誰でも簡単にキャラを作って、配信できるようになったおかげで、新しくVTuberを始める人は今でもどんどん増えてるし、活躍の場も広がって入るのだが、人が増えた分競争は激しくなった。

今では大手企業のバックアップを受けて売り出しても人気が出ずに、半年も経たないうちに活動を止めるケースも目につくようになってきた。また、ブームに乗って企業がVTuber事務所を立ち上げて参入したものの、ろくにサポートもなくて配信者とトラブルになったり、果ては会社ごと消滅するケースさえ耳にする。

個人でやるにはいくら誰でも簡単に出来るようになったとは言え、やはりちゃんとお金が取れるレベルのことをしようとすれば、手間も時間もそしてお金もかかり、なかなか厳しいのが現状だ。

今後は多くの人が参入できるものの、本当にそれで利益を出して食べていけるのはほんの一握りという状態になっていくのだろう。

だがバーチャルになったおかげで、これまではYoutuberのようなことをしたくても出来なかった多くの人が、参入できるようになった。多くの才能が発掘されただけでなく、バーチャルの利点を生かして場所や時間にとらわれない、新しいイベントの形が生まれつつあるのは面白い。

ちょうどいま、新型コロナウイルスで多くのイベントが中止になっているが、VTuberが参加しているいくつかのイベントは、場所をネット上に変更し、リスナーと直接リアルタイムでやり取りできる、TVやインターネット動画ではできない新しい形の番組が作られつつあるのだ。

もし興味がるなら、是非ともcluster(クラスター)やVARK、SHOWSTAGEといったキーワードで検索してみて欲しい。

そして、もう一つのヘッドセット(パソコンだけでも参加することは可能)をつけて、仮想空間上でチャットや散策ができるオンラインサービスのVRChatの方だが、こちらも一時の爆発的なブームは一段落して、ユーザー数は頭打ち状態になっている。

新規参入者はそこそこ増えているものの、途中で止める人もいてユーザー数自体はそれほど増えていないのだ。とはいえ、去年の爆発的なブームのときはサポートが完全に追いつかない状態だったのに加えて、いわゆる荒らしもユーザー数増加に紛れて増えてしまったせいもあり、よくも悪くも無法状態といって良い状態だったが、一段落したおかげで落ち着いて遊べるようになってきた。

また、VRChatの他にも類似のサービスも多数出てきただけでなく、VTuberのところでも触れたcluster(クラスター)や、ニコニコ動画の3D配信版とも言えるバーチャルキャストなども、VTuberやバーチャルイベントの番組を配信する機能だけでなく、VRChatのような仮想空間で複数のユーザー同士が集まったり、共通の体験が出来るプラットフォームの機能を取り入れ始めたのも面白い。

またVRゲームもガルガンティアやNostosのような、仮想現実大規模多人数オンライン(Virtual Reality Massively Multiplayer Online)ゲームを目指した多人数協力プレイ機能を取り入れて、単にゲームをするだけでなく仮想空間で複数のユーザー同士が、様々なことができる生活の場になり始めている。

いつかこれらは融合して、ゲームやラノベに出てくるような視覚聴覚のみのVRゲームではなく、マトリックスのように5感すべてで没入できる、大人数参加可能な仮想空間上のプラットフォームになるのだろう。

既にVRChatの上では、多くのフォースと呼ばれるユーザーグループが作られて、毎日のように様々なイベントが行われて、単なるチャットというよりも、一つの共通体験をする場所になり始めている。

その中にはVケットのような、多くの企業も協賛する一大イベントとなっているものや、仮想空間の強みを生かして現実には体験できない様々なワクワクするようなイベントを行っている団体もある。

例えば自分も参加している天文仮想研究所というグループでは、メンバーが作った仮想空間上のプラネタリウムやロケット、人工衛星を使って360度全天を使ったプラネタリウム体験や、目の前に原寸大であるロケットの打ち上げを見ることができるのだ。
・参考:グランドツアー2020 天文仮想研究所 VSP #天文仮想研究所
 https://togetter.com/li/1478912


今は機材の制約や参加できる人数に制限があるものの、これらはいずれ技術が解決するのは間違いない。ラノベや映画で語られていた、現実同様の体験ができる仮想空間へダイブする未来は、もう目の前に来ている。

福間晴耕(Seikoh Fukuma)
CONTACT:
fukuma@kw.netlaputa.ne.jp


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編集後記(03/19)

●偏屈BOOK案内:小林吉弥「復刻 田中角栄の知恵を盗め」

筆者は昭和44年12月、田中角栄が自民党幹事長として300議席を獲得、圧勝した総選挙から、平成5年12月に死去するまでの23年間、田中を取材し続けた。この本は約30年前に出版されたものに手を加えたものだが、今でも充分通用する「人間学ノート」である。男というものは、自分を仕事上生かしきってくれた者を慕う。わたしにそんな上司はいなかった。そんな上司にはなれなかった。

田中が人を魅了した大きな武器は天性のとてつもない「記憶力」である。小学校の恩師、青年時代に同じ職場にいた同僚など関わりあった人のフルネームなどはもちろん、上京した日時、訪問先の住所など正確に思い出す。田中は芸事百般で、持ち歌1000曲、歌詞の3番まで完璧。地元の道路、橋、トンネルなどの竣工日時、予算などもすべて記憶していた。とくに数字には抜群に強かった。

幹事長時代、日経新聞に「私の履歴書」を連載していたが、出てくる数十年間の日時は日記に頼ることなく、すべてそらで綴られた。各地の影響力のある人物の経歴、選挙区事情は完璧に把握していた。冠婚葬祭に関しては熱心で、総理の激務の最中でもこれを果たし、無役になっても葬式には必ず参列した。

そして演技ではなく人の不幸に一緒になって涙する人物だった。予備調査で故人のデータを頭に入れているから、田中の挨拶で同じものは一つもない。相手の身分、地位に一切関係なく対応する天性の人たらしだった。相手の奥さんを攻略する手際もあざやか。また、下の者ほど、「落ち目の相手」ほど大事にした。だから誰もが「オヤジさんのためならなんでも」と思うのは当然だ。

警視庁麹町署の大きな任務が首相官邸の警護。署員は歴代の首相に仕えてきたが、田中の人気が一番で、「田中さんのためなら、何かあったときにはいつでも命を投げ出せる」と言っていた署員は決して少なくはなかった。伝統ある料亭関係者の間では、戦後の政治家の中で一番歓迎されたのは角さんだ。芸者はもとより、玄関番に至るまでもれなく感謝の言葉と「心づけ」を渡していた。

田中には「10倍の哲学」といわれるものがあった。同じカネを使うにも、常識をはるかに超えたカネを積んでみせた。年間数千万円の大臣機密費(交際費)を、自分のためには一切手をつけず、すべてを次官以下に任せて自由に使わせた。身銭も切る。盆暮れに「私的ボーナス」を次官、局長から課長クラスまで包んだ。カネを渡すことで一切の見返りを要求しない。こんな上司欲しかった。

田中の演説、スピーチは老若男女、誰にもわかるようにできている。「一体感の構築」に集約される。スピーチの書き起こしが掲載されているが、じつにわかりやすい。田中は一切の悪口というものを嫌った。忌むがごとく嫌った。田中番の記者が万博の日本館がお粗末だと口にしたとき、血相を変えてその記者を一喝した。「自分の国の悪口を言うな。そういうやつはオレは大嫌いだッ」。

田中は44歳で大蔵大臣に就任した。大蔵省の役人は舐めてかかった。田中は猛勉強で、大蔵官僚が一週間かかって読む財政資料をたった一晩で読み切った。田中は天才だから財政、予算編成をすべて理解した。結局、田中を恐れるアメリカと、嫉妬に狂った日本の政治家、官僚によって潰されてしまうのだから、この本は総理になる前までの話。わたしは田中角栄が大好きである。(柴田)

小林吉弥「復刻 田中角栄の知恵を盗め」 2017 主婦の友社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4074244098/dgcrcom-22/



●全部、駄洒落だと思ってた!

/日本一高いビル「あべのハルカス」のライトアップ。オープンまでの日数をカウントダウン表示していたり、クリスマスにはツリーだったりしたが、普段は何もなし。

昨日はニコちゃんマークになっていた。洗濯物を取り入れながら見つけて、なんだかほっこりしてしまった。新型コロナ関係なのかな。慌てて写真を撮って、家族らにLINEしたよ。

ハルカス公式ツイッターを見つけた。「少しでも多くの方に笑顔になっていただけますように……」とのこと。前日は反転ニコちゃんだったらしいが、わからなかったわ。(hammer.mule)

ニコちゃん


前日の反転には気づかなかったわ〜


あべのハルカス公式Twitter
https://twitter.com/abenoharukas