[5020] #stayhome生活が明けた◇小川てつオくん◇新型コロナウイルスが変える社会

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《「マスクをつけることがエチケット」という考え方》

■装飾山イバラ道[268]
 #stayhome生活が明けた
 武田瑛夢
 
■Scenes Around Me[72]
 小川てつオくんのこと[6]
 「劇団耳だれ?」報告会(2000年4月)
 関根正幸

■crossroads[87]
 新型コロナウイルスが変える社会・衣
 若林健一
 



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■装飾山イバラ道[268]
#stayhome生活が明けた

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20200602110300.html

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5月の終わり、緊急事態宣言が解除になった。素直に嬉しい部分と、まだこれからも気を引き締めていこう思う部分がある。

心の状態では、一段落したというか、気をつけるべきポイントが分かってきたのがよかった。どう戦えばいい相手なのかまったく分からない頃とは違うのだ。

とはいえ、人と関わる生活を行っていたら感染リスクはなくならない。必ず治る薬というのもまだ見つかっていない。できるだけ感染を避ける方法と、多くの感染者に有効性が認められる治療方法が見つかり始めているというだけだ。

そして、家族や友を失った方、今年に期待していたもののほとんどすべてが吹き飛んでしまった方、生活に危機が迫っている方がいるという現実がある。誰もが感染症の流行で奪われるものが、これほど多いとは思っていなかったのではないだろうか。

思えば昨年は、今後来る危機に備える討論番組のテーマは、AI時代について語られることが多かった。AIによって仕事が奪われることばかりを気にしていたような気がするのだ。

一部ではパンデミックを予想したり、警告していた動きもあったけれど、それは私がYouTubeの都市伝説系チャンネルに興味があるから、多くを目にするのかと思っていた。どこに本当のことが警告されているのかって、分からないものだ。

●空間の共有

テレワークや一人作業が増えて、ある程度この方法でこなせることも分かった。

テレビでは過去のコンサート映像や、傑作集などを放映。私はコンサート映像を見て、昔あった当たり前のことになんとも言えない贅沢を感じた。

アーティストが作る音楽の世界を、ファン全員が一体感を感じて飛び跳ねている。同じ場所で。失って初めて、なんて贅沢な時間だったんだろうと感じた人も多いかもしれない。

「喜び」という経験には、周りに同じように楽しんでいる人がいてくれるということ、これが重要なポイントだったのだ。

もし大金持ちで遊園地を貸し切ることができたとしても、少人数ではつまらない。歩いている時に空を走るジェットコースターの絶叫が聞こえてくる感じが、心地よい臨場感なのだ。楽しんでんなー、知らない人たち。という感じだ。

そして外食は文化なので、どうにかその良さを残したい。普通に焼き鳥屋さんに行くだけでも、自炊とは違った光景が目の前に広がるのだ。最近まったく行っていない、焼き鳥屋さんを思い出す。

焼き鳥が炭火の上で次々に焼かれていくのを見ているのが楽しい。メニューからは選ばなかったけれど、次はあれだなと狙いを定める。

食事が始まった人、盛り上がっている人、お会計の人。それぞれの人の動きの中で、自分たちも存在する時間の流れそのものが楽しいのだ。活気の中に存在する贅沢。

大勢の人間たちがいて、それぞれの大事な人と自由に過ごす空間に、自分もいられるのはとても幸せなことだ。

これからは新しい方法で、安全に距離を保って、空間を共有する方法を見つけなければならない。

●新しい空間に世界中のアイデアを

NEWSで見た、テーブルの上から個々の透明シールドが降りているフランス人デザイナーの「PLEX'EAT」が素敵だ。

「PLEX'EAT」Christophe Gernigon
https://www.axismag.jp/posts/2020/05/206976.html


暗い雰囲気が多かった防御のためのグッズの中で、これなら外食の楽しさが戻ってきそうと感じられた。注文が殺到しているという。

パーテーションもインテリア性の高いクリアなものが、どんどんデザインされていくと思う。

そのうちネックレスやヘッドフォン程度のサイズで、マスクに変わって空気を浄化してくれる装置が出ないだろうか。

夏用のサンバイザーが、ほぼフェイスシールドに近い形状なので、良さそうなものを探しているところ。今年はどんな夏になるのだろうか。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


ティーツリーにハマっていることは、以前もお話した。そこでティーツリーオイルが染み込んでいる楊枝というのを買ってみた。抗菌効果もあるし、さっぱりして好き。でも夫は、余計な味はいらないと言う。シナモン味も買ってあるのにな。


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■Scenes Around Me[72]
小川てつオくんのこと[6]
「劇団耳だれ?」報告会(2000年4月)

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20200602110200.html

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大分前の連載に書いた通り、1999年9月に小川恭平・てつオ兄弟は「劇団耳だれ?」を結成し、自転車で高円寺岡画郎を出発、3か月くらいの間、テント泊をしながらパフォーマンスを行いました。

https://bn.dgcr.com/archives/20170829110100.html


劇団耳だれ?は初日に生田緑地まで移動、その後、鵠沼海岸を経て、最後は熱海にたどり着きました。

恭平くんとてつオくんは、劇団耳だれ?で行ったパフォーマンスを報告するため、2000年4月に上野公園で報告会を行いました。今回はその報告会で撮影した写真を紹介します。

なお、熱海から戻った後、てつオくんたちはしばらくの間、当時上野公園内に存在したテント村でテントを張って暮らしました。

劇団耳だれ?や上野公園での経験があって、てつオくんは代々木公園でテント生活を行うようになったと思われます。

https://live.staticflickr.com/65535/49951761328_eaa28b3931_c

報告会には岡画郎界隈をはじめ、大勢の人が集まりました。写真は舟久保(あなるちゃん)さん。

https://live.staticflickr.com/65535/49952259691_df55517fdf_c

劇団耳だれ?で起こったことを話すてつオくん。奥に恭平くんも写っています。

https://live.staticflickr.com/65535/49952263701_4954fe3aef_c

遊具に取り付けた劇団耳だれ?の説明板です。子供が遊具によじ登っています。斜めから撮影しているのは、お客さんが遊具の近く座っていて、正面から撮れなかったためだと思います。

説明板の右の方に大きく書かれている、聶耳(ニエアル)は戦前の中華民国の作曲家です。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/聶耳


劇団耳だれ?は藤沢市内で聶耳記念碑を見かけて、耳つながりで関心を持ち、パフォーマンス作品を発表したとのことでした。

https://live.staticflickr.com/65535/49951764783_b96b7e232b_c

報告会の途中で、恭平くんは服を脱いでワンピースの水着姿になり、お客さんを巻き込んだパフォーマンスを行いました。

何のきっかけでパフォーマンスを行ったか、詳しいことは思い出せませんが、水着姿は聶耳が鵠沼海岸で海水浴中に亡くなったことにちなんだものだと思います。

https://live.staticflickr.com/65535/49951766808_730f21e1cc_c

報告会の後、小川兄弟は劇団耳だれ?で移動に使用した自転車で、テント村から私が暮らしていたアパートまでやって来ました。

てつオくんはそのまま、3週間ほど私のアパートで居候しました。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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■crossroads[87]
新型コロナウイルスが変える社会・衣

若林健一
https://bn.dgcr.com/archives/20200602110100.html

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こんにちは、若林です。

前回(5月19日)の記事で、新型コロナウイルスの影響で変わるであろう社会を、人間生活の基本である衣・食・住に加えて育(教育)・働(労働)・楽(娯楽)の6つの軸で考えてみるとしていました。
https://bn.dgcr.com/archives/20200519110100.html


今回は、その一回目で「衣」について考えてみたいと思います。

おさらいになりますが、新型コロナウイルスがもたらすインパクトは、新型コロナウイルスを念頭においた短期の変化(半年〜1年ぐらい)のものと、新型コロナウイルスに限らない、長期にわたって根付いていく変化の二つがあると考えていますので、それぞれに分けてまとめています。

■「衣」に関する短期の変化

「衣」に関する直近の変化としては、「マスクやフェイスシールドの着用」があるでしょう。当面はこれを避けては通れないでしょう。それがどれぐらいの期間になるかはわかりませんが、少なくとも1年ぐらいは続くと思います。

しかし、普段シャツを着てパンツをはくように、未来永劫マスクを着用するのがあたり前になるのかというと、そうは思えない。今でもマスクをしたままの生活に不便さを感じている方が多いと思いますし、その我慢をいつまでも続けられるものではない。

マスクをしているのがあたり前の社会というのは、防犯の意味でも問題があるでしょう。たとえば、コンビニエンスストアの場合だと、以前はヘルメットを着用したままの「顔を隠して入店」というのは嫌がられていたのですが、今は「マスクを着用して入店」するのがマナーになっています。

これも直近ではやむを得ませんが、ある程度落ち着いてくればまた見直しがされると思います。

これらのことから、今は「マスク・フェイスシールドの着用」が必須になっていますが、短期の取り組みで終わるだろうと考えています。

■「衣」に関する長期の変化

マスクの着用常態化については短期で終わると考えていますが、ある程度「マスクをつけることがエチケット」という考え方は、定着していくのではないかと思います。

新型コロナウイルスだけでなく、冬になれば風邪やインフルエンザなどのリスクが毎年発生します。私は電車に乗る機会が多かったので、この季節になるとマスクを着けて外出することが多かったのですが、咳やくしゃみをしながらもマスクをしていない人は一定数いました。

そういった方々が、これからはマスクを着用するようになるのではないか(なってくれたらいいな)と思います。

「衣」に関するもうひとつの長期の変化として、「学校の制服と会社に着ていくためだけの服」は、今後減っていくだろうと考えています。

「会社に着ていくためだけの服」というのは、会社勤め以外の方にはわかりにくいかもしれませんが、通勤のためだけに着るスーツやビジネスカジュアルみたいな服で、普段着として着ないものをさしています。

制服に関してはすべてがなくなっていくわけではありません。今まさに活躍している医療従事者の制服のように、機能や役割的に意味があるものがなくなることはありませんが、学校の制服のように服そのものに機能や役割がないものがなくなっていくでしょう。

学校の制服って「不要不急」のなにものでもない。他校の生徒との見分けをつけやすくするためであれば、制服以外の方法も考えられますし、制服って価格も高いものが多いので、わざわざこれを着なければならない理由はないと思います。

ましてや、これからは学び方ももっと多様化していくはず(ここについては、育のところで述べます)その中での制服の役割は、もっと希薄になっていくでしょう。

「会社に着ていくためだけの服」も「学校の制服」と同じで、リモートワークのような働き方が増えれば、そのコスト感は増すばかりになります。

制服やスーツ、ビジネスカジュアルを、やめるべきと言っているのではありません。それらを着たい人は着ればいいのであって、学校や会社に行く時の衣服を誰かに(時には同調圧力で)決められるようなことは、なくなっていくという意味です。

「毎日決まった服の方が、服を考えなくていいから楽」という考え方もあるでしょう。それも、自分で自分の制服「マイ制服」を決めればいいだけのこと。誰かが決めたものを着る必要なんてないはずですよね。

新型コロナウイルスが人間の「衣」に与える影響として、マスクのように半ば強制されるものがある一方で、着るものを選ぶ自由も増えるのではないかと思います。


【若林健一 / kwaka1208】
https://crssrds.jp/aboutme/



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編集後記(06/02)

●偏屈BOOK案内:古森義久「モンスターと化した韓国の奈落」

いま文在寅政権下の韓国からは、不当、無法、理不尽としか呼びようがない、濁流のような反日のうねりが押し寄せている。なぜこれほど日本への悪意や敵意が広がっているのか。日本から見た韓国、あるいは日韓関係という二国間の文脈での韓国論は多くあり、読んで必ずうんざりさせられてきたが、この本は韓国を読み、特徴を探る視座にアメリカという存在を据えたのが特長である。

トランプ政権下のアメリカからみて、韓国とはどういう国家なのか、アメリカにとって文在寅政権は何を意味するのか、アメリカは日韓対立をどうみるのか。韓国にとってアメリカは、日本以上に重要な国である。アメリカに建国を支えられ、朝鮮戦争では救われた経緯さえある。負や怨の感情をぶつける相手ではない。そんな立場のアメリカが韓国をどう見ているか、じつに興味深い。

日本から見えにくい韓国の実像虚像も、アメリカからはまる見えという側面がある。一方で、アメリカの韓国への認識や批判が、日本のそれと驚くほど似ているという側面もある。トランプ政権が文政権をどう見ているか。これも知りたい。これまた意外なほど日本の文政権観と一致する部分が多いという。文大統領は国際的にも孤立、といっても過言ではない状態に追い込まれている。

アメリカの韓国考察の実態を深く感じるのは、韓国の人口動態についての論評である。「文在寅政権は北朝鮮との宥和に国家資源を注ぐよりも、自国内の人口減少や社会の危機に対処しないと、破局的な結果を招くだろう」と警告している。韓国は世界でも最低の出生率を記録し、高齢層の貧困化や自殺者の急増など社会の破綻の兆しが現れている。だが文政権はその危機対処を怠っている。

文在寅政権の前、中国政府は韓国を叩きに叩いた。韓国が米軍の新鋭ミサイル防衛システムTHAADの配置を決めたときだ。まったく理不尽な韓国いやがらせの措置だったが、文在寅大統領が登場して中国への事実上の全面屈服をした後に収まった。文政権の中国追従は、改めてトランプ政権の不満や不信を煽る結果となった。さて、韓国はなぜ反日なのか、ワシントンからみた実相とは。

これまで反日の根源は、日韓併合による朝鮮半島の統治が原因とする考察が主流だった。要するに非は日本側にあるという認識だ。ところがアメリカ側では「韓国の反日感情の原因は決して日本側にはないのだ」という分析がアメリカ人学者から公表されていた。「韓国官民の反日傾向は病理的なオブセッション(脅迫観念)であり、原因は歴史だけではない」という辛辣な分析であった。

2015年に政治学者ロバート・ケリー氏が「ナショナル・インタレスト」など雑誌数誌に発表した「なぜ韓国はここまで日本に妄念を抱くのか」という論文で「韓国は反日を歴史とか植民地支配を原因だと主張するが、本当は朝鮮民族の正当性をめぐる北朝鮮との競合の道具として使っているのだ」と指摘する。

この場合の正当性とは、民族や政権が適切だと広く認められるための価値を有する資格だといえる。とすると、韓国の反日は日本の過去や現在の言動にかかわりなく存在するということになる。要するに、韓国民の自己の正当性主張は本来なら北朝鮮に対して向けられるべきなのに、日本叩きがその安易な代替行為となっている、というのだ。日本を持ち出すのは、偏に朝鮮民族の正統性主張の競争では北朝鮮にはとても勝てないからだ。そうだったのか!(柴田)

古森義久「モンスターと化した韓国の奈落」 2019 ビジネス社
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/大阪市の抗体検査に応募したものの、選ばれなかった。残念。3,000人という大規模募集だったし、使い続けているアプリ内での応募だし、選ばれるものと思っていたら、約57,000人が応募したんだって。

ここ数年、インバウンドが増えて、外国語をよく耳にしていた。近所にはクラスター感染した病院、PCR検査をしている病院がある。

去年は、家人が変な咳をしていたし、今年に入って私も何度か体調を崩していたので、軽症感染で抗体持っていたらいいな〜なんて思っていたよ。

「『日本はなぜ死亡者数が少ないか』専門家会議が挙げたいくつかの要因」という記事を読んだ。

諸外国は将来の感染者を探すという前向きな調査をしており、日本はそれに加えて遡った調査もし、感染連鎖を見逃さないことに力点が置かれていた。そのことで新型コロナの感染特徴が見えてきて、3密などの対策メッセージを効果的に送ることができたのだ、と。(hammer.mule)

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厚生労働省『1万人の抗体検査』始まる…大阪府では6月3日から
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200601/GE00033267.shtml


「日本はなぜ死亡者数が少ないか」専門家会議が挙げたいくつかの要因
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc1a4e821587b7fd8b98b6bc0c21826bc07bca89