[5090] 使い捨てカメラの再評価◇LEDディスプレイモジュール◇議論の苦手な日本人

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《「わかるわかる」「あるある」の集大成》

■再評価大百科[002]
 使い捨てカメラを再評価する
 吉田貴之
 
■クリエイター手抜きプロジェクト[633]IoT Orange pico編 
 LEDディスプレイモジュールを使う
 古籏一浩

■映画ザビエル[100]
 議論の苦手な日本人
 カンクロー
 



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■再評価大百科[002]
使い捨てカメラを再評価する
吉田貴之
https://bn.dgcr.com/archives/20200928110300.html

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「使い捨てカメラ」は、1980年代から90年代にかけて一世を風靡したインスタントカメラの俗称です。デジカメが普及し、さらにスマホが普及した今、使い捨てカメラが活躍するシーンは少なくなりました。

◇使い捨てカメラ登場の背景

カメラは腕時計や自動車と並び、高級な機械、憧れの機械の代名詞でした。それは現在もかわっておらず、少しこだわってカメラを買おうとすると、すぐに数十万円のお金が消えていってしまいます。

また、カメラは「お父さんの道具」の色が強く、機械に苦手な女性や子供からは敬遠されることもしばしばありました。コンパクトカメラなどの登場で低価格化や簡易化は進みましたが、それでも「高額な機械」と「難しい操作」のハードルは越えられるものではありませんでした。

◇「写ルンです」の大ヒット

1986年に富士フイルムが発売した「写ルンです」は、フィルムにレンズをつけただけの「レンズ付きフィルム」ですが、その低価格とシンプルな操作で大ヒットとなりました。カメラの操作で最難関ともいえる「フィルムの交換」が省かれていることがポイントで、利用者はカメラのメンテナンスや、落下の心配、盗難の心配をすることなく、気軽に撮影する方法を手に入れました。

◇写真を手軽に

写真を気軽に撮影したいという要求は、使い捨てカメラの登場以降も追求され、デジカメの普及や、携帯電話やスマホの普及に繋がりました。現在、誰もがスマホで撮影するように、使い捨てカメラを片手に出かける姿がたくさん見られたのです。そんな使い捨てカメラも、2000年代になるとデジカメの普及に押され、その市場を縮小していくことになります。

◇デジカメの進化

初期のデジカメの登場から20年以上が経過しました。その間、カメラの性能はどんどん進化しており、明るく鮮明な画像を何千枚も撮影できるようになりました。しかも、カメラ専用機ではなく、電話に付属したカメラでさえ、同様の進化を遂げています。

この状況を指して「『カメラ付き電話』というよりも『電話付きカメラ』なのでは」と評する人もいます。今では、カメラの性能がスマホの売上を左右するまでになりました。

◇味わいを楽しむ

そんな状況で、撮影枚数が少なく、画質もアナログ、すぐにシェアしたり加工したりできない「使い捨てカメラ」の登場するシーンがあるようには思えません。しかし、その「ちょっとした不便さ」を愛する人達もいるようです。

フィルム写真特有の、味わいのある画質が好き、という方がいます。また、撮影毎にフィルムを巻き上げる、ちょっとした「儀式」を楽しんでいる向きもあるようです。

また、最近のスマホで当たり前になっている「背景をぼかす」ことをあえて避け、全てにピントが合った状態の不思議な写真を面白いと感じる人もいます。また、撮影枚数の制限をポジティブに受け止め、一回の撮影に全力を向けるトレーニングツールとして使うことも可能です。

◇盗難に備える

修学旅行や遠足、林間/臨海学校など、子どもたちが集団で出かける際、高額なスマホやデジカメを持たせるのを避け、使い捨てカメラを推奨する学校もあるようです。たしかに、余計な心配をひとつ減らすことができるので、子どもに限らず、大人であっても海外旅行などでは利用しても良いかもしれません。もちろん、モノの価格以上に、撮影した思い出の方が価値があるはずなので、なくさないほうが良いのは当然です。

◇電気がいらないことを活かす

使い捨てカメラには、基本的に、電池やバッテリーが不要なのも長所の一つです。確実に撮影しなければいけない場面では、旧型の機械式カメラを持ち込むというカメラマンがたくさんいます。どんな場所でも撮影できる使い捨てカメラは、過酷な自然と相まみえる「エクストリーム」な状況で力を発揮するかもしれません。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
https://www.idia.jp/

腕時計ポータルサイト:腕時計新聞
https://www.watchjournal.net/


兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。


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■クリエイター手抜きプロジェクト[633]IoT Orange pico編 
LEDディスプレイモジュールを使う

古籏一浩
https://bn.dgcr.com/archives/20200928110200.html

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今回は、Orange pico(Orangino)による、キーボードからのリアルタイム入力について説明します。

Orange BASICでは、リアルタイムキー入力を行う命令は二つ用意されています。ひとつは古くからのBASICユーザーにはおなじみのinkey() です。もうひとつはOrange BASICにしかない、kbstatus() です。

まずは、おなじみのinkey() を使ってみましょう。inkey() はリアルタイムに、キーボードからの入力を受け付けています。キーボードからの入力があると、押されたキーのコード(文字コード/アスキーコード)を返します。65なら英大文字のAが押されたことになります。押されたキーコードを、そのまま画面に表示してみましょう。

10 k=inkey()
20 print k
30 goto 10

runと入力し実行すると、押されたキーのコード(番号)が画面に表示されるはずですが、実際のところ速すぎて見えません。そこで、ウェイトを入れておきます。以下のように、プログラムを変更してから実行します。

10 k=inkey()
20 print k
30 pause 100
40 goto 10

すると、押されたキーのコードが画面に表示されていきます。なお、何もキーが押されていない場合は0になります。また、SHIFTキーやCTRLキーなどの修飾キーは、inkey() で入力されたかどうかを調べることはできません(英大文字小文字の文字コードで判別するという手はありますが)。

押されたキーのコードではなく、対応する文字にして表示することもできます。押されたキーの文字コードから、通常の文字に変換するにはchr$() を使います。古くからのユーザーには、これもおなじみの命令です。chr$() は、文字コードが0の場合は何も表示しないので、ウェイトは不要です。

10 k=inkey()
20 print chr$(k);
30 goto 10

入力されたキーに応じて、処理することもできます。カーソルキーで画面全体をスクロールさせる場合は、以下のようになります。scrollは画面全体、もしくは画面の指定した範囲をスクロールさせます。なお、IchigoLatteのように画面をリング状に(閉じられた空間。端までスクロールしたものが、反対側から出てくる)スクロールさせることはできません。

10 k=inkey()
20 if k=30 then scroll 3
30 if k=31 then scroll 2
40 if k=28 then scroll 0
50 if k=29 then scroll 1
60 goto 10

Orange BASICには、inkey()以外にkbstatus()という、リアルタイムキー入力を検知できる命令があります。SHIFTキーやCTRLキーも検知でき、さらに左右のSHIFT、CTRLキーを区別してくれるので、ゲームにはもってこいです。

特に同時キー入力を検知できるので、ゲームで使うならinkey()よりもkbstatus()の方が向いています。ちなみに、他にもジョイスティックからの入力を検知する命令もあります。

kbstatus()は同時キー入力に対応するため、ビットごとに対応キーが決まっています。最下位ビットからの対応は、以下のようになっています。なお、カッコ内は対応するビット値を10進数で表したものです。

(1)カーソルキー左
(2)カーソルキー右
(4)カーソルキー上
(8)カーソルキー下
(16)スペースキー
(32)SHIFTキー左
(64)SHIFTキー右
(128)CTRLキー左
(256)CTRLキー右

先ほどのカーソルキーで、画面をスクロールさせるプログラムを、kbstatus()を使ったものに書き換えると、以下のようになります。

10 k=kbstatus()
20 if k&4 then scroll 3
30 if k&8 then scroll 2
40 if k&1 then scroll 0
50 if k&2 then scroll 1
60 goto 10

実際に動かしてみると、一瞬で画面がスクロールしてしまいます。どうも速すぎるようです。そこで、以下のように適度にウェイトを入れます。

10 k=kbstatus()
20 if k&4 then scroll 3
30 if k&8 then scroll 2
40 if k&1 then scroll 0
50 if k&2 then scroll 1
60 pause 50
70 goto 10

kbstatus()は同時キー入力ができるので、inkey()と違いカーソルキーを同時に押すと、斜めにスクロールします。

応答速度や同時キー入力が可能な点からしても、ゲームであればkbstatus()を使う方がよいでしょう。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


今年はコロナウイルスの関係で夏祭りは中止でした。私の地区だと夏祭りに続いて、9月に秋祭りがあります。で、今年は祭典委員なので準備をしないといけません。が、実質神事しかないので、殆ど準備するものがないという状態。

人が集まるのは駄目なので、子供相撲や子供神輿、皆で食事(弁当)するなど全部なし。祭典委員は一生に一度しか回ってこないサイクルなのですが(次は90歳とかになっちゃう)まあ、これはこれで、ずっと記憶に残りそうなお祭りになりそうです。

・創って学ぼうプログラミング
https://news.mynavi.jp/series/makeprogram


・8K/4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/


・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/



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■映画ザビエル[100]
議論の苦手な日本人

カンクロー
https://bn.dgcr.com/archives/20200928110100.html

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◎作品タイトル
12人の優しい日本人

◎作品情報
公開年度:1991年
制作国・地域:日本
上映時間:116分
監督:中原俊
出演:相島一之、塩見三省、梶原善、林美智子、二瓶鮫一、村松克己、豊川悦司

◎だいたいこんな話(作品概要)

裁判員制度が導入される以前の日本に、もしも欧米のような陪審員制度があったら、という設定の中で繰り広げられるコメディ。

夜の国道でトラックにはねられ死亡した男性を、路上に突き飛ばしたとして男性の別れた妻は殺人の容疑をかけられた。

その裁判に無作為で選ばれたのは、事なかれ主義で会議の苦手な極めて日本人らしい12人の陪審員。被告人が若くて美人だったことから同情する意見が多く、概ね無罪に票が集まり審議はすぐ終わるかに見えた。ところが討論好きのサラリーマン陪審員2号が、無罪の根拠をひとりひとりに問いただしたことで、議論は二転三転していく。

その中で終始一貫して無罪を主張する2名は、よりによって論理的な説明が苦手で、ただ直感としてそれを譲ることを拒否し続ける。あわや評決不一致にもつれ込みそうになりながらも、満場一致の評決にたどり着こうと奮闘する陪審員たちの姿が描かれている。

映画「十二人の怒れる男」のパロディ作品であり、三谷幸喜が自らが主催する劇団、東京サンシャインボーイズのために書き下ろした同名戯曲の映画化。

◎わたくし的見解/論理的な偏見 VS. 言葉にできない感覚

12人の陪審員は、いかにも三谷幸喜脚本らしいコミカルなキャラクターに仕上がっていますが、同時に日本人は確かにこの12パターンで構成されているのかも知れないと思えるほど、「わかるわかる」「あるある」の集大成です。

例えば、ある意味、物語の中心とも言える、始めから終わりまで無罪を主張した、シニアに近いおばさんとおじさんに代表される、感覚を言語化できずに損する人。

その対極にいる、社会的地位も高く自らの論理的思考に自負もあることで、そうではないタイプの人に高圧的な態度をとってしまう人。

他には、自ら考察を深めることが苦手で人の意見に流され続ける、付和雷同の凡例みたいな人。また、同様に考えられないことを誤魔化すために、多忙などを言い訳にして思考と議論を放棄する人。

そして作品のもう一つの核である、一貫して有罪を主張する陪審員2号は、しっかりと論拠を次々と積み上げながらも、実は結論ありきで思考停止の最たる形。議論の成立を拒むエセ議論好きを象徴するかのような存在です。

物語の終盤で、2号が本物の議論好きである(他者の意見に耳を傾けながら、自らの意見の方向を見定められる)他の陪審員から、「あなたは議論をしたいんじゃなくて、自分の意見を押しつけたいだけでしょ」と諭される一幕は、胸がすく思いでした。

論理的(ロジカル)であることの最大の落とし穴は、前提が間違っていると答えも間違ってしまうということ。

本来はニュートラルな立ち位置から審議しなければいけないのに、陪審員2号は妻に裏切られた自分の境遇を被害者に重ねて、自分の不幸とは無関係の被告人を有罪と決めつけた「前提」で論理を組み立ててしまいます。

対して無罪を主張する2人は、裁判中の供述の中で「何かがおかしい」と気づき、決して根拠のない思い込みではないのに、それを上手く表現できずに苦悩します。最終的に、思わぬ人物が彼らに救いの手を差し伸べて、審議が急展開していく様子は愉快痛快。

久しぶりに鑑賞しても「ジンジャーエール!」のくだりから何から、とても楽しい作品だったのですが、若かりし頃には気づけなかった新たな発見もありました。

議論に不向きな2人を助けてくれる人の存在で「優しい日本人」のタイトルにふさわしい結末に落ち着きますが、対して現実はやはり厳しいものです。

「言葉にならない」が、まかり通るのは美しい歌声の小田和正だけで、言語化できる力は大切だと痛感しました。それによって自分を守れるだけでなく、誰かを助けることもできるのだと本作では見せつけられた気がします。

また、ロジカルであることも大事ですが、批判的思考(クリティカルシンキング)も忘れてはならないと実感しつつ、やっぱり裁判員のような役割は荷が重すぎて、避けられるものならば全力で避けて通りたいと、極めて日本人らしい私自身は思ったのでした。

【カンクロー】info@eigaxavier.com
映画ザビエル
http://www.eigaxavier.com/



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編集後記(09/28)

編集部より:本日より、スマホ対応のため罫線と改行位置を変更しました。いかがでしょうか。

●「後からどう言われてもかまいませんが、本稿を書いている9月8日現在、『2020年の日本におけるコロナ騒動、とんでもないバカ騒ぎだったんじゃね?』と感じております。海外は別として、日本では、陽性反応が出た人数が人口の0.06%程度のウイルスに全国民が怯え、『ただの風邪』論者は人でなし扱いされて糾弾されたのですから」と中川淳一郎が「デイリー新潮」で書いている。

まったく同感である。小林よしのり「ゴーマニズム宣言 コロナ論」が大ヒット中だ。私も読んだ。時間をかけてじっくりと。我慢強く。コマ割りされて情報ガンガン詰め込みの、彼の漫画スタイルがとても苦手だ。文字だけだったらどんなに読みやすいか。それじゃ「ゴーマニズム宣言」にならないのだが。

中川は小林と「週刊ポスト」でコロナについて対談して、「コロナは大したことがない」「『羽鳥慎一モーニングショー』をはじめとしたテレビ番組が過度に恐怖を煽った」という点で意見の一致をみた。玉川徹と“コロナの女王”と呼ばれる白鴎大学の教授・岡田晴恵、この変なペアがテレビで煽りに煽っていたらしい。わたしは正午のNHKニュースしかちゃんと見ないから、知らんわ。

「ゴーマニズム宣言」に出てくるこの二人の振る舞いはひどいものだ。東京都の抗体検査で新型コロナ感染率がわずか0.6%だったという情報が出ると、岡田は「99%の人は罹っていない。だから流行はまだ来ていないと!」と断言、玉川も「まだまだこれからだ」と煽る。流行してもいない病気の恐怖を3か月以上煽り続け、緊急事態宣言が出て国民に自粛を強い、自殺者まで出したのに。

二人のデマが「経済と文化と社会」を破壊した罪を、自身は全く自覚していない。データを無視して恐怖を煽り立て、洗脳された国民は新コロを殺人ウイルスだと思いこまされた。二人が他局の番組とは比較にならない程、徹底して新コロの恐怖を煽りまくったことで、大層な視聴率を稼いだ。朝からテレビ見てる高齢者や主婦の不安はいかばかりか。他局もワイドショーやニュースで追随。

テレビはコロナ恐怖一色。3か月以上、そんな報道が続き日本中がコロナパニックに襲われた。二人の狂気が番組を支配し、日本の死者が少ないというデータ等をすべて無視、「このまま何もしないと1000万人が感染する」とまでいう。これは完全に人災だ。二人の罪は限りなく重い。このような根拠のない情報の広範囲にわたる拡散と、それに伴う社会の混乱を「インフォデミック」という。

しかし、1000万人ならインフルエンザと変わらない。4/13に岡田は「今のニューヨークは2週間後の東京です。地獄になります」と言い切った。その予言は外れた。すると二人は、RCP検査で感染者を炙り出し、全員を隔離せよと言い出す。これからやってくる前代未聞の大不況。その元凶がこの二人。ノーベル賞の山中伸弥や本庶佑まで洗脳されて、RCP真理教の信者になるという悲報も。

テレ朝社員の玉川徹は「0.6%しか感染していなかったということになると、まだまだこれからだということになる!」と断言。二人は「東京も2週間後はニューヨークになる!」と人々を脅かしていたくせに、感染者がやけに少ないとなると予防線を張り出した。言うに事欠いて「流行はまだ来ていない」ときた。コロナ禍騒動は二人の悪質な煽りから起こった。これは人災だ。(柴田)

小林よしのり ゴーマニズム宣言 コロナ論 扶桑社 2020
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594085636/dgcrcom-22/



●おかげで、皆が予防したんだと思うんですが……。ねずみ算は怖い。日本人は、湿気の多い国で、衛生面にうるさいのであります。あと、パーティー文化じゃないのも幸いしてますよね。

/デジクリサイト常時SSL化の続き。これが静的HTMLで作られたサイトなら、はいは〜い、って移動するんだけど、CMSなので環境が違うと、動かない可能性が出てくる。

動かない=解決できるかどうかわからない、対応にどれだけの時間を費やすことになるかわからない、ということで、まとまった日数が取れないと取り組めない。

なので先送りしていたら、期限を切るわよ、そちらで移動しなかったら勝手に移動させるわよ、などと宣告されてしまう。

移動先のサーバにデータを移し、トライアル・アンド・エラーを重ねて、あとはいつ移動するかだけになった。続く。(hammer.mule)