[5136] 東京コンパクト散歩の巻/2020年を振り返る~テレワークな生活~

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《人間ドック受診するのが実は怖い》

■わが逃走[272]
 東京コンパクト散歩の巻
 斎藤 浩

■もじもじトーク[141]
 フォントおじさん、2020年を振り返る
 その1 ~テレワークな生活~
 関口浩之



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■わが逃走[272]
東京コンパクト散歩の巻

斎藤 浩
https://bn.dgcr.com/archives/20201203110200.html

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電話をひとりひとりが持ち歩くようになり、その電話にカメラが組み込まれるようになったと思ったら、あっという間にコンパクトカメラの存在意義がなくなってしまった。

あの黒い板を一般的には電話と呼称するが、実際あれを電話として使うことは稀だ。厳密にいえば、携帯型パソコンなのだろうが、広告においては、ほぼカメラとしてアピールされている印象すらある。

さて、機能としてのカメラとモノとしてのカメラは違う。モノとして、私は電話よりカメラが好きなのだ。これはもう、ただ好きか嫌いかという話であり、理由なんかない。

つまり、カメラマンと電話マン、どちらに憧れるかといえば誰がなんと言おうとカメラマンだ。なので、私は電話のように携帯しやすいカメラを持ち歩いている。

このカメラを手にいれてから2年と数か月が経つ。それまで所有していたものと比べると、ズームの倍率は格段に上がったが、解放値は格段に下がった。

画像もシャープさに欠けるように思う。記録写真用と考えていたので文句は言わないが、以前のカメラの鋭敏で味わいのある描写がやけに懐かしくなるから困る。

ちなみにSONY RX100M3からLeica C-LUXに買い換えたのだが、ブランドと見た目を優先して大枚を叩いたため、後悔していると認めるのがクヤシイのである。

ちなみにC-LUXはパナソニックのナントカいうカメラのOEMらしい。じゃあ、パナソニックのナントカなら後悔しなかったかといえば、そもそも買おうという気にならなかった。だってカッコ悪いんだもん。

つまり使いこなせてないのだ、きっと。そう思い、積極的に持ち歩こう週間と銘打って、出かける必要が生じた際は、必ずC-LUXを持っていくことにしたのだった。

まず微妙にピンが甘い印象をなんとかしたいと思い、マニュアルフォーカスを使うことにした。オートフォーカスを信用しないわけじゃないが、AFエリアを狭めたところで、ピンの合う“幅”はカメラ任せになる。

なので、責任の所在を自分の目としたほうが気分的にラクになると考えた。

つぎに、RAWデータの設定を「圧縮ナシ」にした。これこそが“イマイチ写真”量産の元凶だったようだ。

買ってからずっと、圧縮アリのRAWで撮っていたことにまったく気づかなかった。同じ1インチセンサーなのに、RXと比較してなぜこうもラチチュードが狭いのかと疑問だったのだ。

これはカメラのせいでなく、自分のせいだった。で、いろいろと撮ってみた。結果はというと……。前よりはイイかも。

これは明らかに非圧縮RAWのおかげだと思う。Lightroomで現像する際も、格段に自由度が違う。またAFに頼らない撮影方法も、私の撮り方(というか被写体)に向いていたようだ。

●日本橋界隈
https://bn.dgcr.com/archives/2020/12/03/images/001

ギャラリーの帰り道。このあたりは幅の広い道が多く、また歩行者が渡れる交差点も限られているようで、どうにも赤信号に当たる確率が上がる。休日なので人も少ない。自然に歩調も緩んで、オモシロイ物件に気づく確率も上がるのかもしれない。

このカメラは絞りの選択肢は少ないが、ズームの倍率がスゴい。寄らなきゃ損とばかりに思い切り迫ってみると、リズミカルな抽象画が切り取れた。

おお、寄るって楽しい。しかもマニュアルでピントを合わせると、けっこう納得がいく。望遠はとくに前後のフォーカスの差がでやすいのでMFにして正解。

●直線と曲線
https://bn.dgcr.com/archives/2020/12/03/images/002

Twist,Twist,くねくねハイウェイ、つっぱしって Twist,Twist,つむじまがり… 東京ラッシュ!

ハナ歌まじりにシャッターを切る。普段は見過ごす高架のスキマまで寄れる。購入後2年目にして、ようやくこのカメラが楽しくなってきた。

●トラスと球体
https://bn.dgcr.com/archives/2020/12/03/images/003

上野広小路界隈。球体のマウント部分がカッコイイ! と思うのだった。360mm相当、絞り8、1/500。コンパクトカメラとしては充分な性能じゃないか!

この2年間、画角の自由度をもっと活かして写真を楽しむべきだった! といまさらながら反省する。とにかく、「寄れる」のだ。

●白い四角形
https://bn.dgcr.com/archives/2020/12/03/images/004

「アートパラ深川」の帰り道、不思議物件に出会う。看板の痕跡だとしても、ずいぶんと美しく丁寧な仕事である。
展覧会を観た後なだけに、ミニマルアートがこんなところに! と思わずカメラを構える。そして寄る!
360mm相当、絞り7.1、1/1000。

●東富橋
https://bn.dgcr.com/archives/2020/12/03/images/005

門前仲町界隈。

トラス橋を見上げる。リベット周囲の塗装のハゲもきちんと解像、逆光のツブレもなし。

欲をいえば、光学的にあと一歩シャープな絵になってほしかったが、これはこれで味があるのでよしとする。それにしてもトラス橋って機能美だなあ。換算でだいたい85mm域。

こうしてみると、やはりこのカメラは望遠がオモシロイと思う。今までほとんど使わなかった領域だし、それほど必要とも思ってなかったけど、なかなか奥が深いものよ。しばらくはこの領域を楽しみつつ、さらなる使い方を探っていこうと思う。

そしてやはり散歩は楽しい。


【さいとう・ひろし】
saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■もじもじトーク[141]
フォントおじさん、2020年を振り返る
その1 ~テレワークな生活~

関口浩之
https://bn.dgcr.com/archives/20201203110100.html

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

今年の「もじもじトーク」は残すところ、あと2回。今回と次回で、2020年を振り返ってみようと思います。

ということで、今回は「フォントおじさん、2020年を振り返る その1 ~テレワークな生活~」をお送りします。

今年は、新型コロナの関係で、リモートワーク中心のライフスタイルに変わりました。以前よりも、少し時間がゆっくり流れるかなと思っていましてが、そうではありませんでした(笑)

みなさんの2020年はいかがでしたか……。

●コロナ前とコロナ後

コロナ前よりも、コロナ後のほうが、仕事の量が増えました。片道1時間の通勤は、地下鉄ラッシュアワーと重なり、好きではありませんでした。苦痛でした。

でも、いま思うと、その1時間が、チェンジペースになるので、行動の区切りをつけることができていたのです。良くも悪くも。

現在、家で一日中、仕事ができる環境になっています。仕事がたまると、15時間とか20時間とか、パソコンの前に張り付いてしまうことがあります。

昨年まで、35年間の習慣として、望むと望まないにかかわらず、朝8時に家を出て、20時ぐらいに帰りの電車に乗るという生活のリズムを刻んでいました。

僕は、ずっと一般企業に勤務していますが、自営業気質なので、仕事が軌道に乗ると楽しくなってしまい、時間を気にせず、ずっと仕事に没頭しちゃうのです。

自分の仕事のコントロールが下手なのかもしれませんが、今年は(今までも?)、仕事し過ぎた気がします。来年こそは、余裕をもったライフスタイルにする所存です!

●運動不足を痛感した一年

1か月前から、ウォーキングを定期的に行う生活を開始しましたが、まだ継続しています。すごいでしょ!

初週は週5回ペースで河川敷をウォーキングしましたが、仕事の合間に時間を捻出することが徐々に厳しくなり、週3回のペースになりました。

この習慣を長く続けるためには、張り切り過ぎないほうがいいですよね。専門家の意見として、「ウォーキングは、週2、3回のペースが良い。長く続けるのが大事」と書かれていました。それを読んで安心しました。今後も長~く継続したいと思っているので、週2、3回のペースにしよう。

そうそう、ランニングシューズやウェアも少しずつ、揃えちゃいました。早歩きウォーキングをするのには、テニスシューズよりも、明らかに、ランニングシューズのほうが心地よいです。そして、綿100%のテニスウェアよりも、速乾性の高い生地のウェアのほうが扱いやすいですね。

自分の早歩きの歩幅を測ったら平均値で85cmでした。早歩きの理想の歩幅は「身長×0.45」と言われています。僕は身長175cmなので、175×0.45=78.75cmになります。日頃から人より早く歩くほうなので、ちょっと広めの歩幅なのかもしれません。

いつものウォーキングコースで、歩数計で測ってみたら7,000歩でした。7,000歩×85cmなので、約7kmを毎回、ウォーキングしたことになります。7kmって結構な距離だと思います。

これにより、健康が改善されることを期待しています。

●健康がいちばん

新型コロナウィルスにかかって死亡している人の7〜8割が、「60歳以上の高齢者で基礎疾患がある人」だそうです。

そうです。私、該当者なのです。ことし6月の誕生日で60歳を迎えました。パチパチパチーー! 還暦になって特に感想はないです。単なる人生の通過点だと感じました。

さて、この7か月間のリモート生活で、基礎疾患を発症しつつあるのです。1か月前の血液検査で、いろんな値が悪化していたのです。体調が悪い自覚症状はないですし、薬で対処する前に、自力で健康改善を目指しています。

今週、人間ドックがあるので、血液検査で改善される可能性もあるので、次回の「もじもじトーク」で続編を書こうと思っています。

でも、1か月の生活改善で、血液検査の結果は変わるものだろうか……。期待していると、ダメな時のショックが大きいので、「多少良くなることを期待する」ぐらいで臨みたいと思います。

●過去の成功体験があるので……

10年前に、食生活記録(レコーディングダイエット)で、半年間で10kgの減量に成功して、血液検査のさまざまな数値が改善したことがあります。

そんな成功体験があるのですが、かかりつけの懇意にしている医師から「10年前の基礎代謝と60才の基礎代謝は違うよ。体も知らず知らずに老化しているからね」と、笑顔で淡々と解説されました!

うん、そうだよね。肝に銘じよう……。

以前のレコーディングダイエットではカロリー計算重視でした。それでも成功しました。

今回、かかりつけ医師のアドバイスで、「摂取カロリーよりも、炭水化物と糖分、そして運動を重視」するレコーディングダイエットに切り替えました。

皆さん、こんな方程式があるの知っていました?

炭水化物−繊維質=糖分

ご飯、パン、麺類は一食分で、糖分40〜50gはあります。繊維質も少ないので、ほとんど糖分です。でも、これを抜くダイエットはリバウンドを招くので、控えるとしたら1割減らすとかがいいらしいです。

副食や副菜の内容で糖分の差が出るので、主食以外のおかずをどうチョイスするかも考えるようになりました。

あとは、「昼間なら、ケーキとかおやつとか、大丈夫だよね」とか「夕食の後、お煎餅一枚ならいいよね」とか、思っていましたが、その考えは、当面、捨てました。

さて、いろいろと頑張っているのですが、今週の人間ドック受診するのが、実は怖いです……。

ウォーキングするようになって約1か月、炭水化物と糖質を意識するようになってまだ2週間なので、そんな簡単に改善することはないと思っていますが、少しだけ期待してみましょう!

●今年、一番、ダウンロードされた資料(フォント講座)

今年は、セミナーや勉強会、授業する機会は、昨年よりも少なくなりましたが、オンライン講義は15回ほど実施しました。毎回、資料を作成していますが、今年、一番、ダウンロードされた資料を「もじもじトーク」の読者の方へ、プレゼントします。

第40回リクリセミナーWebデザイントレンド in 大阪
https://bit.ly/36tfTbD


では、また、お会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
関口浩之(フォントおじさん)

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1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現SBテクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この25年間、数々の新規事業に従事。現在、活字や文字の楽しさを伝えるフォント伝道師(エバンジェリスト)、フォントおじさんとして活動。


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編集後記(12/03)

●偏屈BOOK案内:外山滋比古「100年人生七転び八転び『知的試行錯誤』のすすめ」さくら舎 2019
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4865812024/dgcrcom-22/


100年人生を謳いあげながら、2020年7月30日、惜しくも96歳で没。専門は英文学だが、言語学、修辞学、教育論、意味論、ジャーナリズム論など広範な分野を研究、多数の評論を発表。「知的」が冠の本を、わたしは何冊も読んだ。筆者は「これまでを振り返って、よそごとのように綴ったのがこの本」だという。

全6章で、各章扉にある原稿用紙に書かれた筆跡はご本人のものだが、知的とはほど遠いヘタヘタなのにはガックリした。わたしは昭和の庶民だから「いろはがるた」で遊んだ。江戸時代、文化の中心であった三都(江戸、京都、大阪)は、それぞれ違ったいろはがるた(ことわざのアンソロジー)を持っていたと筆者は説く。

犬も歩けば棒に当たる(江戸系)、一寸先は闇(京系)、一を聞いて十を知る(大阪系)。さらに、門前の小僧習はぬ経を読む(江戸系)、餅は餅屋(京系)、桃栗三年柿八年(大阪系)。まことに多彩多様で、ユーモアがある。そして衆知であることわざには、みんなが考えたぬくもりがある。わたしが遊んだのは江戸系だけでなく、京系も大阪系もごっちゃだったと思う。三通りあったとは知らなかった。

食べたものを噛むのも口の大切な働きであるが、よく噛むと頭脳を刺激して頭の働きをよくする。もっと重要なのは、声を出すと、頭の働きだけでなく、体の健康をよくする。声を出すことが運動効果があるという点である。寺の僧侶たちは朝晩、大声でお経をあげて、運動不足を解消している。

元気だった和尚が引退すると、急に弱って……となる。学校の教師も、在職中はピンピンしていたのに、退職するとあっというまに亡くなるケースがかなりある。声を出さなくなったからであろう、というのが外山説。さらに論を進めて、うまく口を使えば、頭もよくなる、という妙な理屈も先生のお考え。

「日本人は本を読むことをありがたがるが、気のおけない人たちと心ゆくまでおしゃべりをすると、その間だけ頭がよくなるらしい。これは研究に値するテーマで、人口知能(AI)に対抗する一法となるかもしれない。口の力は、広く、多岐にわたる。それを見のがしているのは、いかにも惜しい」……??? この本は、読んでいて日本語そのものと、理論展開がビミョーなのが気になる。

はっきりいうと、なにを言ってるんだこの先生は、とあきれるくらいボケたことを書いている。先生に機嫌よくしゃべらせて、ときどき合いの手を入れて煽り、延々としゃべらせる。その音声をテキスト化して、先生の原稿らしく体裁を整えたのがこの本、と想像するがいかに。まるまる外山滋比古が書いたのなら、お粗末につき引退勧告だ。と思ったが、その人はすでにいない。(柴田)


●楽天モバイル続き。iPhoneだと通話録音できないと嘆いていた家人にも契約させた。同時購入した機種は「OPPO A5 2020」。

ほぼ機種代分のポイントがもらえるというキャンペーンがあって、使用料は一年無料だし、スピードに関しては許容範囲内だし、サブ機にならいいんじゃないか、良かったら契約継続またはMNPすればいいしと思ったのだ。

購入後、2日で届き開通。キャンペーン要件である「楽天LINK」での通話とSMS送信をした。念のため、明細ページのスクリーンショットを撮っておいた。

2ヶ月後の10月末に、キャンペーンの一部である「事務手数料」「オンライン手続き」「被紹介」のポイントがついた。紹介者である私にも紹介ポイントがついた。続く。(hammer.mule)