[5165] 緊急事態宣言中の日常/オブスキュアで撮った写真の落穂ひろい

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《これを順応と言うのだろうか》

■装飾山イバラ道[281]
 緊急事態宣言中の日常
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[86]
 オブスキュアで撮った写真の落穂ひろい
 関根正幸




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■装飾山イバラ道[281]
緊急事態宣言中の日常

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20210209110200.html

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2021年の2月に入ったいま、緊急事態宣言中の日常について書いてみたい。

色々な我慢にも慣れてきた。買ったものは消毒するのがあたりまえになったし、人ごみを避けて歩く習慣も身についた。コロナのなかった頃と比較して、変わってしまったあれこれを嘆くことも減った。

これを順応と言うのだろうか。今の時代、川へ洗濯に行かなくても、井戸の水を汲まなくても、狩りをしなくてもいい。色々な消毒液も手に入るようになって、シュシュッとこまめにやっていこうと思う。

ドアノブにスプレーすると抗ウィルス効果があるという、スプレー剤を買ってみた。コーティング系だ。効いているかどうかはまったくわからない商品だけれども、何だか良さそう(笑)。

ただ、今までは除菌ウェットティッシュなどでマメに拭いていたので、併用したら薬のコーティングも拭き取ってしまうのかもというジレンマ。どっちかにせい! と自分に言い聞かせる。

必要なことを絞り込むという意味では、人間関係や趣味や、必要経費を見直している人が多いのかもしれない。私もそうだ。昨年はジムをやめたりする一方で、オンラインサロンへ入会する人も多かったかもしれない。

コロナ禍の不安から参加し過ぎたオンラインサロンのどれかを、いまは整理している人もいる頃だろうか。私もひとつやめた。オンラインサロンの月会費って安いけれど、結局自分の使える時間は限られている。複数参加はそれぞれへの関わりが薄くなっていくのだ。

高齢の母の運動不足解消に、新しい箒を買った。「シリコンほうき」で検索すると出てくるシリコン製の商品。軽くて汚れにくそうで、母も気に入ってくれた。新しいモノっていいいですよね。

ごみ捨ても、気をつけなければウィルスのリスクが高い気がする。共同のごみ置き場や、ドア付きのごみ入れなど。人が触ったものに触れる回数はそれなりにある。

高齢者はごみの量も少ないので、今は私がごみを捨てている。親が遠方に住んでいる方は大変だと思う。

マンションのエレベーターは、私と同じ時間帯に使う人は多くない。たまに居合わせると、同乗しないで「お先にどうぞ」を今も続けているけれど、皆スムーズに移動してくれる。察しが良くてありがたい。

昨年は、母の薬を処方箋薬局から宅配便で送ってもらっていた。今は自分で、毎月薬を取りに行っている。薬局のドアは常に開いていて、建物の外で待っていても自分の番だと気付きやすい。

それぞれの気の済むような使い方を、皆が分かり合って放っておいてくれる優しさ。日本で暮らす良いところを見つけながら、暖かい季節を待ちたい。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


最近「スプラトゥーン」をしていると、Nintendo Switchが高温になったという警告が出て、止まってしまうことがある。

共に戦っていた仲間の画面からは、私のブキのマークの上にバツ印が付き、「落ちた」状態に。負けるとは限らないけれど、試合は人数不利となり申し訳ない。解決せねば。

どうやら、Switchのファンが劣化しているらしい。だいぶ使ってきたのだ。修理も考えたけれど、外付けの小さいファンを差し込む二千円ほどの器具が見つかり、それを使って様子を見ている。温度表示も出るし、今のところ大丈夫。

ゲーム機も自分も、熱くなりすぎないようにしなければ。


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■Scenes Around Me[86]
オブスキュアで撮った写真の落穂ひろい

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20210209110100.html

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今回、新たな写真をアップ出来なかったため、これまでflickrにアップしていた写真を何枚か紹介します。

2000年7月1日 オブスキュア引越し記念パーティー

この日、オブスキュアが目黒区の都立大学に移転した直後で、パーティーを開きました。オブスキュアギャラリーが駒場寮内にあった時からそうでしたが、パーティーに入って外国人のお客さんが多く来ていました。

https://live.staticflickr.com/65535/48687905196_4b1df98769_c

写真は2階への階段を撮ったもの

https://live.staticflickr.com/65535/48688077057_ca56b2818f_c

2001年5月3日 この日のパーティーではターンテーブルの上にアルコールランプを載せて回転させているのが面白く、数秒シャッターを開けて写真を撮りました。

https://live.staticflickr.com/65535/48599231937_af8ac05ec3_c

2001年5月 オブスキュアの応接間

https://live.staticflickr.com/65535/48599093641_6a3e372eea_c

2001年7月11日頃 この日は安彦幸枝さんが、近くのアパートの屋上でテニスコーツのさやさんを撮影するというので、同行しました。奥の方に鷹野依登久くんが写っています。

https://live.staticflickr.com/2353/2500481729_1a6ee253a0_c

2007年2月 上の写真に比べて大分後の撮影になります。プリンタの左にいる猫(くま)はお婆さん猫になったようですが、安彦さんが今でも飼っているそうです。

https://live.staticflickr.com/2011/1646047867_439eae57ef_c


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な、自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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編集後記(02/09)

●偏屈BOOK案内:中野信子「ペルソナ 脳に潜む闇」講談社現代新書 2020
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065214440/dgcrcom-22/


筆者は脳科学者、医学博士、認知科学者、美人! 団塊ジュニア。

「あらかじめ失われた人間たち」多数の中に埋没することを運命づけられた世代で、生まれてからずっと透明な存在で、「失われるどころか、そもそも誰にも求められていなかった」と怨みがましくいう人である。

ポジティブに言うなら「私たちこそが、それまでの価値観から抜け出すことのできた最初の世代だ」とも。

団塊ジュニアとは1971年〜1974年生まれで、いま42歳〜45歳、バブル崩壊、就職氷河期に遭遇した不運の世代である。この本はある種の自叙伝で、読者は筆者の記憶の闇に潜っていくことを強要される。

あまり楽しい内容ではない。セクハラなんて腐るほどあった、アカデミズムは時代遅れの男性原理の象徴、世間の成功と人生の満足度は違う、など怨みまがしい記述は筆者らしくない。

日本人にとって最も恐ろしいものは、権威と権力ではなくて、世間であり空気だ。それを緩和するために伝統的に笑いを使ってきた民族である。

やはりかなり独特な文化だなと感じたのは、ポスドクとしてパリに引っ越してすぐ。たとえば、コロナの病状について日本人は、気まずさを和らげようと、笑顔を浮かべ「私、もう死ぬかと思った」と話す。海外の人はそれを奇妙に感じる。

日本に育った日本語話者であれば、その笑顔の理由は分かるはずだ。よく見かけるし、理解できないことでもないが、外国人には理解できない。

筆者も空気を読まないドイツ人に、第二次世界大戦の日本のオトシマエについて、直球で攻められスリリングだった。日本人ははっきりものを言わない、という指摘もあった。

それに対し、日本語にはNoという単語は事実上存在しないと説明した。

確かにYes/Noに対応する、はい/いいえという単語自体は存在する。だが、いいえ、と口語の会話の中で使うことは殆どないのではないか。

実際、友人同士の会話の中で「いいえ」などと答える人がいたら、怪訝な顔をされるであろう。

「じゃあ、Noと言いたいときはどうするのか? と聞かれたので、そういう時に私たちは、ただ黙るんだよ、といったら、Oh! というどよめきが起きた」。

「空気」という概念や、同調圧力の強さについても語った。外国語でこういう比較文化論雑談が楽しくできるなんてうらやましい。

笑顔には2種類あるという。おかしくて思わず笑ってしまうボトムアップ型と、社会的な場面に合わせて笑
顔を作るという、脳内プロセスとしては意思が笑えと命じて笑いを演じる、トップダウン型の笑いである。儀礼的で、周囲の空気に配慮した表情のみの笑い。

とかく「日本人の笑顔」は誤解されやすい。

単純に、あなたの敵ではない、友好的に接したい、というメッセージを伝える以上の機能を持ってしまっているため、欧米人だったら絶対に笑わない状況下でも、仮面の笑顔で処理してしまう。それが日本人の方略だという。そんな作戦考えたこともないけどなあ。

「日本人の笑顔は単なる感情表現ではなく、社会性を形成する重要な要素であり、相手に対する礼儀や思いやりでもあり、自分の心を守るための戦術でもある。おかしいわけではないけれども、笑う、という行為は、日本社会で生きていくためには欠かせないスキルのひとつなのだろう」。

そう言われれば、そうかもね。今まで考えたこともなかったわ。(柴田)


●airCloset続き。アイテムごとに、気に入ったかどうか、サイズ感はどうかなど項目ごとに評価や自由記入欄があり、それを送信すると次回のスタイリングの参考にしてくれる。

返送手続きは、そのアイテム感想欄の下にあるボタンを押し、返送方法を選ぶだけ。方法は様々で、宅配だとヤマトと佐川があった。そうか、こういうのもサイトで完結させるんだ。

この手続きを踏まずに自分で返送したら、費用は自分持ちになる。佐川急便を選び、集荷希望日と時間を指定。メッセージ欄もある。決定ボタンを押すと、送り状No.が表示された。

送り状はこちらで作る必要なし。着払い。準備は袋に服を入れて剥離紙をめくって接着するだけ。袋はサイズ60に収まるようになっていた。続く。(hammer.mule)

airCloset
https://www.air-closet.com

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