[5188] YouTube Premiumを試す/小川てつオくんのこと(19)

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《これはクセになるほどの快適さだ》
 
■装飾山イバラ道[283]
 YouTube Premiumを試す
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[88]
 小川てつオくんのこと[19]
 エノアールカフェで撮った写真[3](2006年)
 関根正幸
 



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■装飾山イバラ道[283]
YouTube Premiumを試す

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20210316110200.html

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以前から気になっていた、YouTube Premiumを試してみた。YouTubeはだいたい数秒の広告を見れば無料なのだから、無料のままで良いと思ってきたけれど、一切中断されない世界もきっとイイに違いない。

映画を一本見る時も、広告の有無で全然気持ちの入り込みが違うものだ。しかし、YouTube的な短い動画でも、違いを感じるものだろうか。

現在は、YouTube Premiumの無料トライアル期間中。個人用メンバーシップは月額1,180円で、ファミリー用は1,780円。

使ってみると、これは癖になるほどの快適さだ。広告スキップのボタンを押さないで済むし、見たい動画から動画へとスムーズに移ることができる。

K-POPのチャンネルを見ていたら、女性グループの一人が、実はある曲のハミングの部分を自分が歌っているといって、ラララ♪と歌ってくれた。私はすぐにその歌の公式MVに飛んで確かめてみた。確かに同じ人の声のように思った。

今聞いたばかりのハミングの声を、別の動画と聴き比べる。ただそれだけのことだけれど、この間に広告動画を挟まなくて良いのだから素晴らしい。

この例は歌だけれど、ダンスやモノマネや、比べると楽しさが広がる動画は意外に多いものだ。広告のないYouTube Premiumなら、ふたつの動画間でよけいな音も画像も挟まずに楽しむことができるのだ。

広告をすべて否定するわけではないけれど、今までは見たくない写真や情報に嫌な気分になっていたこともあった。以前は、探している情報を見たいので動画の後半へと早送りすると、また広告が再生されることも多くて、急げば急ぐほと余計な情報を見させられていたように思う。

これがもう、まったく無いのだ。あたりまえなのだけれど素晴らしい。

動画ってただ目的もなく見ている時ほど、広告効果はあるのかもしれない。心がそちらに引っ張られて、なんとなくその商品が欲しくなってきたりする。実際に購入しちゃったことあり(泣)。

夫に聞いてみたら、CMの情報に気をとられることはそもそもないから、邪魔にならないらしい(笑)。やはり仙人かも。

●TVのCMとの違い

夫とTVを見ていて、CM中に私が「今のCMの人って誰々?」と聞いたりすると、「見てなかった」と言われる。おそらく、CM中に興味のスイッチをOFFにすることが可能な人なのだ。私の話も、聞かずにOFFなのかもしれないな(笑)。

しかし、TVのCMって実は私は嫌いじゃない。今が旬の売れているタレントを知ることも出来るし、クオリティの高いショートムービーのような価値がある。短時間にまとめる演出も面白いものが多いし。そういったクオリティでないと採用されない、お金のかかった世界という感じ。

一方YouTubeの広告は残念なものが多い。ネガティブなことをなるべく言わない私でも、最近の広告の演出にはがっかりしている。見る人に合わせて変えているらしいから、私の属性や嗜好が悪いのだろうか。メイク動画やあらゆるジャンルを見ているのだけれど。

YouTubeの広告動画にはなかなか癖が強かったり、インパクトを重視した遠慮のないものが、あまりにも多いような気がするのだ。TVとは予算も対象もまるで違うので、同じようには比べられないけれど。

人の悩みを解消するグッズを売るために、悩みを強調したアニメや、誇張した写真。体型やニオイに新しい造語をつけて呼びながら(たまに叫びながら)、それを解消できると誘導するもの。

最近の動画コンテンツそのものには、使う用語や表現にだいぶ注意が求められているらしいのに、広告動画はなんと自由すぎるのだろうか。これが嫌で動画を見なくなる人もいそうだ。

もはや、WEBの広告にもそういったもので溢れているから、スルーできるものはスルー。しかし動画は、やはり音と画像で目に入ってくる分、影響も大きい。

私はアプリもゲームも無料のものが好きだけれど、よく使って恩恵を感じているなら有料でもいい。ゲームも購入する。対価を払う価値を感じるなら試して、不要になったらやめればいい。

やめるのもめんどくさくなる問題も確かにある。今回は、ちょっとお試し中の側からの良さをお伝えしてみました。実際に使ってみてのまとめはまた後日。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


今年は花粉症の症状はそんなに出ていない。マスクとメガネで防いでいるからかも。鼻の中にぬって、花粉をシャットアウトできるタイプも買ってみた。ほんのりミントの香りで快適。私はマスク内鼻呼吸を心がけているので、これで鼻のフィルター機能がアップするといいなぁ。


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■Scenes Around Me[88]
小川てつオくんのこと[19]
エノアールカフェで撮った写真[3](2007年〜2008年)

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20210316110100.html

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前回に続いて、代々木公園内のテント村にあるカフェ、エノアールで撮影した写真を紹介します。

以前の連載に書いたように、私はこの頃たびたびエノアールに遊びに行きましたが、写真を撮ったのはイベントや展示がある時に限られました。2007年は、ゴールデンウィーク中に撮影したものしか写真は見つかりませんでした。

2007年4月30日

https://live.staticflickr.com/65535/51031055192_c763249201_c

セーラー服の襟の部分にテープで「自治」という文字を貼り付けているのは、いちむらみさこさんだと思います。

この前日、私は秩父に出かけたのですが、秩父からトンボ帰りでエノアールに立ち寄ったのは、事前にいちむらさんから告知をもらっていたのだと思います。

ただし、この日いちむらさんがパフォーマンスを行ったのか、単にこのコスチュームでエノアールのホストを務めたのかは、覚えていません。

2007年5月5日

https://live.staticflickr.com/65535/51031054792_8cb686d08e_c

この日は抵抗食の会がエノアールにやってきました。

抵抗食の会は2000年代の後半にデモや集会に食事を提供していました。

https://teikoshoku.exblog.jp


ブログにはこの日の告知はありませんが、エノアールの企画か若しくは、代々木公園で同日に行われたイベントに合わせて、食事を作ってきたと思われます。

写真の通り、キャベツの葉に料理をくるんで、その上にフェルトで作ったアルファベットを付けています。

ただし、キャベツの中に何を仕込んであったか、アルファベットの選び方に何か意味があったかについては、これもまた覚えていません。

https://live.staticflickr.com/65535/51031055062_672d999c9a_c

同じ日に撮った写真ですが、中央に写っているのは、てつオくんたちが「ナイトさん」と呼んでいた猫で、この頃エノアールに出没していました。

当初、私は猫の名を「ナイトーさん」と聞き間違えていたのですが、黒猫だから「ナイト」だったのでしょうか。

2008年6月8日

前回予告したジェラルドの展示の写真が出てきました。

https://live.staticflickr.com/65535/51030953651_be9140096e_c

時系列的には、この前に取り上げた方がよい写真はありますが、次回の「246表現者会議」でまとめて紹介します。

https://live.staticflickr.com/65535/51030953376_9ec16a4ce4_c

着飾ったジェラルド

https://live.staticflickr.com/65535/51030225838_ed4f5f05f4_c

ジェラルドの展示を見にきた人達で賑わっています。

この日ではありませんが、2006年6月24・25日に行われた展示の告知メールが見つかったので紹介します。

『おもしろフランス人アーティスト、ジェラルドの展覧会をエノアールcafeで開きます。ジェラルドに会ったのは、2年前くらい。

自転車で、よくふらりとエノアールに遊びに来てました。たまに、赤いランドセルを背負って。作品を作りながら世界中を旅しているようです。

ジェラルドの「どこでも自転車 ハローゴミ」展。関西、中国地方へ自転車で出かけた彼の凱旋展示です。2日だけなので、見逃さないで!! 夕方からDJイベントアリ』

私の告知ですが、4年ぶりに写真展を行うことになりました。1990年代から2010年代までの記録写真を展示する予定です。

会場:サロンほし(台東区浅草橋2-5-8)
会期:2021年5月13日(木)〜5月23日(日)
料金:1000円(ワンドリンクオーダーとお通し2品付)

開場時間:緊急事態宣言が解除された場合、平日18時〜23時、休日・祝日15時〜20時を予定していますが、緊急事態継続の場合は変更も有ります。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な、自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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編集後記(03/16)

●偏屈BOOK案内:ハオ・ジンファン「人之彼岸」早川書房 2021
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4153350516/dgcrcom-22/


ヒューゴー賞「折りたたみ北京」著者によるAIテーマ短編6編と、エッセイ「スーパー人工知能まであとどのくらい」「人工知能の時代にいかに学ぶか」を収録。まずは人工知能ブームの火付け役「アルファ碁」の話から始まる。

アルファ碁は人工知能の潮流の中で、最も典型的なテクノロジーの集積だ。筆者は、アルファ碁の勝利は人工知能全体の希望であり、その課題はあらゆる人工知能にとってのボトルネックとなるという。アルファ碁のすごさと、現在それが直面している、人工知能全体の発展見通しについて概観する。

囲碁は、おそらくは人間が最も知能を必要とする高等なゲームだ。アルファ碁が囲碁のチャンピオンになっただけなら、世界規模で大ブームは起こらなかった。アルファ碁のインパクトは、自ら高速学習が可能なところにある。

機械には大きく分けて二種類ある。一つは人間が考案した方法や学問を機械に教えることで、機械がそれをマスターするもの。もう一つは、原始データを機械に与え、機械自らが自ら熟考、自分に相応しい方法を導き出すもの。

弟子として師匠に従うだけなら、何も恐れることはない。しかし、自らが腕前を磨いて師匠以上の腕前になり、師匠にも理解不能な手法を編み出したとしたら(実際そうなった)。碁を打つことしかできないのなら、恐れるほどのものではない。だが、この学習能力により別のこともできるとしたら。

「囲碁はただの最初の例に過ぎず、同様のアルゴリズムを用い、少し改良を加えれば、金融・投資、契約書チェック、販促策定、ニュース執筆などができるようになる。わずか数年の間に、すでにあらゆる分野で人工知能が誕生しているのだ」

現在人工知能の分野における脅威論のストーリーは、以下のようなものだ。わたしは、これらの映画はすべて見ている。

1)人工知能復讐物語。人工知能擬人路線だ。「ウエストワールド」や「エクスマキナ」など。
2)人工知能暴走物語。やや残酷な「ウォーリー」といったところ。
3)スーパー人工知能が人間を遥かに凌駕し、人間を一掃する。「ターミネーター」や「アトリックス」の中のスーパー人工知能対人間の構図だ。

リアルなことをいえば、人工知能にとって電力システムの直接制御は完全に可能である。人間を殲滅することよりもたやすく、スマートな方法である。おそろしい現実だ。

「いかなる種も私たちの精神世界を破壊することはできない、わたしたち自身が放棄しないかぎりは。それだけだ。わたしが未来に関して唯一心配していることは」と結ぶ。みごとだ。(柴田)


●『その女、ジルバ』続き。

他にも好きなドラマはあるんだけど、ジルバは最初なんじゃこりゃ? からスタートして、ないわ〜からの、ああそういう……うん、そっか〜、という振り幅が大きかったドラマ。その分、心に残っている気がする。

そもそもタイトルの『その女、ジルバ』からは、『その男ゾルバ』しか連想できず。映画見たことも読んだこともないんだけど。

原作は2019年「手塚治虫文化賞」のマンガ大賞に選ばれてるんだって。(hammer.mule)

その女、ジルバ
https://www.tokai-tv.com/jitterbug/


原作マンガ
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091850243/dgcrcom-22/


東海テレビの描く骨太人間ドラマ『その女、ジルバ』ヒットの背景
https://www.oricon.co.jp/news/2185521/full/


「負け組」のためのドラマと評される「その女、ジルバ」の本当の価値
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_604ae992c5b6cf72d0952b10

うーん、わかりやすい