KNNエンパワーメントコラム オープンソース化で第二のウェブ構築をめざすセカンドライフ/神田敏晶

投稿:  著者:  読了時間:6分(本文:約2,500文字)


KNN神田です.

CENTによれば、2007年1月08日、セカンドライフがブラウズソフトウェアをオープンソース化すると発表した。
< http://japan.cnet.com/special/media/story/0,2000056936,20341080-2,00.htm >

セカンドライフWiki(英文)
< https://wiki.secondlife.com/wiki/Participating/ >


3D仮想空間で話題を独占しているセカンドライフが、ついにブラウザソフトをオープンソース化すると発表した。さらに、サーバーソフトウェアもオープンソースで公開するという。

セカンドライフは、3Dアバターによる仮想空間を設計し、約280万人もの登録居住者、3か月以内に約100万人がアクセスし、常時約2万人が接続している(2007年01月現在)サイバーワールドだ。

セカンドライフは、CGアバターのおかげで、3Dゲームとよく誤解されるが、立体的で直感的になったWWWと解釈したほうがボクは正解だと思う。バーナーズ・リー博士が設計したWWWの空間に、Webアプリケーション上で擬似体感できる世界が構築されている。しかも、その世界の通貨が現在の通貨と両替ができるようになったところが新たな経済社会を生み出す可能性を見せているので、話題になっている。

しかし、現状は、1994〜5年の頃のWWWの世界と酷似している。モザイクブラウザで灰色の画面に青いリンクだけのHTMLサイトを見た時のようなものだ。しかし、その世界の可能性は、10年を経た今、すべての人が理解している。

そう、セカンドライフも第二のウェブになりえる可能性を秘めている。しかしだ。WWWは誰かの所有物でなかったところが進化の重要な要素であった。セカンドライフはリンデンラボという単一企業の商業的成果物である。その単一企業のサービスが世界的に認められるとすると、グーグルのような特殊な例を除いて、あまり考えられるものでもない。すでに、第二、第三のセカンドライフをめざしている企業の動きも世界的に現れている。

セカンドライフの社会自身も、居住者が増え、オブジェクトが増えるたびに、昨年から、パフォーマンスの劣化や長期にわたるシステムダウンなどの事故が増え始めてきた。

セカンドライフが生み出した、WWWの拡張した世界をさらに進化させるためには、どこかで単一企業としての縛りから解放する必要を感じていた。もしくは、W3Cで新たな3D空間の規格を制定し、多くの企業や参加者が構築できる機会が必要であると感じていた。

そんな時にこのオープンソース化の発表を知り、非常に安堵の思いである。リンデンラボは、マイクロソフトではなく、グーグルの道を選んだのだ。

マイクロソフト時代のビジネスは、作ったものを販売して、買った人から代価を得る。グーグル時代のビジネスは、作ったものを無料で配布して、第三者から代価を得る。第三者は現在は広告主だが、そこからのブレイクが次なるグーグルの進化だ。

そして、リンデンラボが今回、オープンソース化することにより、サードパーティーと呼ばれるさまざまなサービスが展開される可能性が広がった。第2、第3の新規参入のセカンドライフよりも、このセカンドライフというプラットフォームでビジネスをしたほうが誰にとっても、てっとり早い。

オープンソースに深くコミットしているグーグルも、セカンドライフに自由に便利なサービスを提供できるだろうし、アップルにしても、マイクロソフトにしても、すべての企業に門戸を公開したことになるだろう。

インタビューにもあるように、リンデンラボが継続するために、ドメイン登録や検索ビジネスなどの収益確保は誰にでも安易に想像がつく。むしろ、セカンドライフ内の自治政府として、セカンドライフ内ビジネスに税金をかけ、治安やルールの整備をおこなう運営政府としての課金も成立することだろう。

実際に米国では、本物の政府が課税対象として法案を思案中ということなので、セカンドライフの進化にはますます注目度が集まる。

ボクの印象では、パチンコの景品を現金に換えたときに課税されるようなイメージなので、あまり好ましくはないが…。

ともかく、セカンドライフのオープンソース化に大拍手を送りたい。そして、第二の体感できるWWWの拡張世界で、新たな体験をしてみたいと心から願う。


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