KNNエンパワーメントコラム ウェブ3.0型社会の到来/神田敏晶

投稿:  著者:  読了時間:6分(本文:約2,700文字)


KNN神田です。

現在、ウェブの世界は2.0というひとつの分岐点によって、進化の段階からさまざまな融合を繰り返し、新しい価値を生み始め、そのうちのいくつかはすでに「ウェブ2.0バブル」としての淘汰がすでにはじまっている。

ウェブ1.0型社会では、それまで限られたメディアからの情報を受身の立場で受信してきたことが、いつでも好きな時にニュースを見たり、必要な情報を検索して探し出すことができるようになった。必要な商品は自由に検索し、いつでも好きなときに、垣間見ているだけではなく、自由に発注もできるようになった。しかしこの発注作業は、ECなどのショッピングにおいては、企業の基幹業務システムのデータエントリー部分をすべて代行し、自ら働かされている状態であったともいえる。

まさにウェブは、ユーザーがなんでもできてしまう、いや、なんでもやらなければならない「究極のセルフサービス」でもあったのだ。かつて留守番電話やFAXたちが提供してくれたサービスを、ウェブを通じてユーザーが自ら進んでより協力的に参加しているだけなのである。ウェブ1.0は、リアルの社会をネット社会にリプレースしたことによって起きた社会変化であった。


そして、ウェブ2.0型の社会になり、ユーザーは積極的にウェブによる情報発信をおこない、情報を公開すればするほど便利になるというひとつの法則性に気づきはじめた。有名ブロガーはマスメディアを凌駕しはじめ、広告宣伝などのバイアスがないだけ、さらにユーザーの信頼を獲得していく。

すでにコミュニティは、地域をさすドメインな言葉ではなくなり、嗜好性や思考、趣味が似ている人たちが自由に世界のどこからでも集うことのできる空間やメディアへと変化しつつある。

そして、ロングテールは、ますます個人の趣味の多様性を深め、限りない選択型の社会を促進していく。世界のありとあらゆるものを商品棚に並べて販売することさえも可能としている。今までに価値が認められなかったものも、オークションなりブログに掲載されることによって、RSSや検索により圧倒的大多数の目にとまり、新たな価値を創り、貨幣と交換され始めることとなった。

価値の交換は有史以来、物品によってなされたり、貨幣の流通によるその移動によって意味づけがなされてきた。しかし、現在、全資産の貨幣を物質的に視覚化することは不可能となっている。銀行に預けられた、引き出すことのできる価値へと姿を変えているからだ。

しかし、ボクの実際の貨幣は銀行にも存在しておらず、実は銀行のために他の企業などに融資され、別の意味で働らかされている。そしてボクにはその僅かな利息が還元されているだけだ。その貨幣をATMで夜間出し入れする手数料だけで、それら利息は消え去ってしまうのも皮肉な話だ。

オークションによって、自分の所有する貨幣以外の価値も認められ、代替通貨である、ペイパルやポイントマネーによって、空気抵抗のない貨幣に代わる価値も誕生している。しかし、100年も前に整備された法律によって、空気抵抗がネット社会においてまで、ますます加重されているのが現状だ。

ウェブ2.0は、空気抵抗の少ないウェブで理想のウェブ2.0型社会を、世界同時進行で刻々と構築中である。その代表的な企業が、たまたまグーグルなだけのである。彼らはオープンソース技術を用いて、オープンユースなサービス環境を提供することによって、次の理想社会を構築している。

しかし、その万能と思われ、やっかまれている彼らでさえ、リアル社会との歩み寄りは慎重にならざるをえない。それはリアル社会が必要以上に彼らを警戒しているからだ。

次のウェブ3.0型社会においては、ウェブだけではなくリアルな社会との相互の歩み寄りが非常に重要だ。単にデリバリーや効率化だけのネットワーク利用なのではなく、ネットワークやウェブで構築された文化や社会を、リアルな現実社会へと、今度はリプレースする必要があるのではないだろうか。

それらは、リアルな社会で日々営んできた人類が個人として、コミュニティとして、企業として、政府として、国家として、もっと、どのようにしたら便利になるのか? もっと快適にするのはどうしたらいいのか? もっと安全にするためにはどうしたらいいのか? という発想を、小さな利権にとらわれずに、地球的、いや宇宙的規模で理想を掲げ、そこからダウンサイジングした計画を真剣に考えなければならない時期なのである。

ただ単に便利で面白いだけではなく、広く伝播するためには、すばらしく、人に伝えたくなるようなことでないといけない。人間的な崇高な志は、人類に共感されやすいものだ。

リアルな現実社会は、たくさんの問題を抱えている。また、ウェブの社会もたくさんの問題を抱え始めた。人類の歴史の進化は、まさに問題を解決してきた歴史なのでもある。それらを、リアルとウェブが歩み寄ることによって解決できることは多々あるはずだ。


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