デジクリトーク 僕の創作の原点─それは映画/ラジカル鈴木

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●とりあえずイラストレイタアだけど

イラストレーターをやっいますが、出版や広告の媒体用に頼まれたヴィジュアルをMacで描く仕事だけでなく、他にも様々なコトをやってきました。そして今もやっています。時々ですが、企画展等では立体に絵具でペイントしたり、グッズに絵やデザインを付けたりなどもします(今までに手がけたものの一例:実物大の牛のオブジェ、ミニチュアカー、靴、だるま、カスタムフィギュア、扇子、団扇、ジーンズ、Tシャツ、タンブラー、傘、時計、エコバック、マグカップとソーサー、etc...)。

印刷媒体の仕事はほぼ100%、CGと言っていいので、たまに絵具をいじるとすごく新鮮。そして、Macの普及までは元々は手で描いていたのに、筆やペンの使い方が、そしてデッサンが、下手クソになっていたりして、コリャヤバいと感じ、そんなときは、また手で描かなきゃあなあ、といつも思いました。


で、7月に、こっそりとオール手描きのドローイングだけの展覧会をしました。今年に入ってからコツコツと描いていたモノクロの作品、40点ほど。イラストレーションかどうかは気にせず、描きたいものを自由に描いた。以前のようにちゃんと描けるようにと、リハビリという意味もあったかもね。

仕事を離れ、かなり内面をさらけ出した内容だったので、案内する先も慎重でした。下手すると、従来の作風に別れを告げたのかと誤解されかねなかったので。しかし、手でこれだけまとまった作品を描いたのは、実に15年ぶりくらいではなかったか。とっても楽しかったし、意外やリアクションも良く、様々な感想や意見やフィードバックやアドバイス、叱咤、激励、反応、今後どうしたら良いかのアイデアを沢山いただきました。なのでコレらは、これからも続け、またコッソリと発表します。使用する目的がないから、イラストでなく純粋なアートなんでしょうか、コチラは。

それから、文章を書く仕事。上手いか下手か、質は別として、僕は絵同様に文を書く(キーを打つ)のがまったく苦にならず、いくらでもスイスイ書けます。本業ぢゃあないという気楽さは、絵よりもあったりします。僕のメインテーマは、映画、そして近年はダイエットや健康関係(笑)。

ダイエットに関しては、四年前に23kg痩せた経験があるので、それを中心に書いてます。'05から'06の一年間、出版社のWeb上で連載を持っていて、連載終了後に本にして出版の予定でしたが、その会社の事情によって計画は一時停滞中。上手くいけば今年中くらいに刊行できるかも(?)という感じですが。

それから、旅行ルポの仕事もちょっとしたり。自分にとって新しい刺激に素直に感動し、面白がるし、食べること、呑むこと、美味しいモノをこよなく愛していますから、僕が書くとゼッタイ面白いですよ〜と、自信あり。

●映画との出会い

映画は、小学生の頃初めて映画館に行き、またTVの名画劇場の面白さにハマって以来、マニアからすればそんなに沢山の数を見ているワケではないけれど(自分はどの程度のマニアか?)、現在に至るまで愛してやみません。劇場は兄が「燃えよドラゴン」1973、「ジョーズ」1975や「スターウォーズ」1977などの話題作を観て来て興奮して話すもんだから、それで自分も行ってみたのが最初。どの作品も驚きに満ちていましたね〜、しかし子供に「エクソシスト」1973や「キャリー」1976「サスぺリア」1977はむっちゃショックでしたが!

'80年代、中学生のときにはチラシ(今で言うフライヤーですね)ブームというのがあって、小遣いをプラモデルに半分、あとの半分をチラシを買うのに全部はたいていました。友人とコレクションを競い合い、そして自分が生まれる前の名画などにも興味を広げ、どんどん深みにハマっていきました。

'60年代の作品のが最も人気があって、例えば「大脱走」1963のリバイバル一度目の正方形のチラシなどは、当時でも希少で1万5千円もしました。中学生にはキビしい値段でしたが、なんとか入手。結果、アメリカン・ニューシネマを中心としたチラシを約400枚ほど収集、それらは今でも手元に大事に持っています。自慢は、「めまい」1958「007危機一発」1964「夜の大走査線」1967「真夜中のカーボーイ」1969(どれも初公開当時のモノ)あたりかな。順番が前後しちゃって、実際に映画を見れたのがだいぶあとだったりもして。

中学の頃、すでに部屋にモノクロのTVがあったので、深夜の映画放映なども見放題。イケナイ作品を含め、あらゆるタイプのを片っ端から見てました。映画というのは、どんなジャンルでも常に人間が主人公であり主題です。僕の絵のモチーフが常に人である、というのは、この頃培われた人間への興味が根っこなんですな。また、コミックは好きだったけど、何故かアニメーションはそれほど好きではなかった(ルパン三世など少しを除いて)。僕はファンタジーよりもリアリティのほうが好きなのです。

幼少の頃から将来は、絵を描く仕事になりたいと思ってて、そしてそれらが融合し、現在があるワケです。映像関係の仕事へ……という道もあったのかもしれませんが、結局行かなかった。友人の8mmで撮る自主製作映画を手伝ったり、ちょっとだけ出演したりしましたけど、それだけ。今は文章を書くことで映画の周辺にいられるので、それだけでも幸せなんです。

デジクリの十河さんの映画がテーマの連載は、誇大なデータに裏付けられた分析と、情感溢れ余韻の残る読後感にいつも唸っております。毎回楽しみにしていて、じっくりと読ませていただいています。あのような深みのある文章は、まだ僕には書けませんし、完全に文章にシフトでもしないと無理なことでしょう。

●新たなるコラム

イラストレーターですから映画のコラムも似顔絵などとセットという場合が多いのですが、一時期、三つの媒体で同時にやっていました。好きが高じで始めましたが、さすがに月三つだとそれだけに追われてしまう。目星をつけて試写に行き、ハズレて(面白くなくて)また見に行って、また送られてきたDVDやビデオをも見て……もうずっと映画漬け。それらがいま終了し、新たに月一回でひとつ始まったので、そのくらいだったら丁度良いスタンスでしょうか。

以前やっていたもので、まだWeb上で見られるのはこちら。「このアクトレスに、ふぉーりん・らぶ!」全42回。
< http://moura.jp/liter/radical/001/ >

< http://moura.jp/liter/radical/042/ >

ロードショウ公開に合わせて(のちに関係なくなり)、好きな女優に焦点を当て、キャリアや私生活を追いながらあれこれネチネチと出演作品や軌跡、遍歴、生涯を分析するというもの。一時期、紙媒体の雑誌とも同じ内容が連動していました。同時進行の三つの連載のうちでも、コレを一番楽しんでいたので、もうちょっと続けたかったんですけどねー。最初と最後の回のtext量の違いに、どのくらい気合いが入り、ノッていたかが、お判りいただけるかと思います。どこかで再開できないかしらん?!

そして、今年6月15日から始まったのが、この連載。現在4回。
「この2人が最高! スクリーンの★ベストカップル」
< http://www.asahi-mullion.com/column/cinema/ >

新しいキリクチは何が面白いか考えました。この歳(40才)になって、男と女、カップルが面白いんではないか? と思いついたのです。男女のアレコレ、メロメロ、トロトロ&ドロドロなど。映画の最大のテーマはなんたって愛(と憎しみ)ですもんね。ネタには事欠かないはず。往年のあの大スターの共演から、現在最もホットなカップルまで……スペンサー・トレーシー&キャサリンヘップバーンよりブラピ&アンジェリーナ・ジョリーまで。

本当のカップル、本当の夫婦の共演、また、共演したことがきっかけで火がついちゃった二人、スクリーンの中だけの最高のコンビ……銀幕と外の違いは如何に? こんなカップル、あんなカップル、めくるめくラブ&ヘイト・ワールドへようこそ! あなたのスクリーン・ベストカップルは?! という内容。今後も乞うご期待です。

●めくるめく来日記者会見

そんな仕事をしているので、各映画会社、宣伝会社から試写状が多量に届くわけですが、ときにはスターや監督のPR来日記者会見の案内も来ます。こんなときは単なるそのスターのいちファンであることを丸出しで、たとえ記事に書くチャンスがあんまりないとしても、思わず出かけちゃいます。そりゃあ、スターをナマで見る機会なんか、なかなかないですからね。記事に書けなかった場合はその感動を、自分のサイトの日記に作品のURLごと載せたり、人に喋ったり、またこうやってメルマガなんかに情報を流したりしていますから、決して無駄にはしていませんよ、映画会社さん!

最新情報はこの秋公開の、力作と評判の「グッド・シェパード」のプロモーションで「ブロンクス物語」'94以来13年ぶりにメガホンを執った名優・ロバート・デ・ニーロの来日会見!!
< http://www.goodshepherd.jp/ >

製作・出演も兼ねているむっちゃ気合いの入った作品だから、インタヴュー嫌いの彼も重い腰を上げたのだろう。8月8日お昼、会場の六本木に出向く。本当に来た〜!! あのトラビス・ビックルや若きビトー・コルレオーネやジェイク・ラモッタや、ルパート・パプキンやヌードルスやアル・カポネやレナード・ロウやジェームズ・コンウィやマックス・ケイディを演じた、アノ本物の彼がいま目の前に!!

信じられない、やっぱむっちゃカッコイイ!! ジャケットは矢張りアルマーニ、オーソドックスなブルージーンズに、茶色の革靴。気難しいイメージの彼だったが、温和でシャイでキュートなオジサンでした。背はさほど高くはなかったかな。還暦を超え、髪はだいぶ白かったが、それがなんともナイスミドルな、優しさと余裕を醸していました。

今まで、シャーリーズ・セロン、ハル・ベリー、チョン・ジヒョン、エマニュエル・べアール、キャサリン=ゼタ・ジョーンズ、チャン・ツィイー、伊藤美咲、ユン・ソナ、エロディー・ブシェーズなんかの会見に行き、ナマで見て、声を聞いています。そう、連載のせいもあって女優ばかり〜。

ジョニ−・デップや、ヨン様、タランティーノ監督の案内もいただいてましたが、モチベーションが上がらず行かなかった。ファンが聞いたらむっちゃもったいないんでしょうねー。しかし僕は女優専門ウォッチャ−……でしたが、デ・ニーロはヤハリ別格!! 最も尊敬する俳優・アーティストですからね〜 僕の中の神様のうちの一人を拝めた、素晴らしい日となりました。

そんなワケで、嗚呼、いまだに寝ても覚めても、まだ映画の中。

【らじかるすずき/イラストレーター】radical@big.or.jp
他の趣味は、音楽(主にソウル・ファンク・レゲエ・ロック・そして映画音楽)鑑賞、バンド活動は今は休止中、洋楽カラオケ、飲み歩る記・食べ歩る記(ハイからロウまでジャンル問わず(日々の選択にギャップがあるほど面白いですね)、それから、あんまり行けてませんが旅行(NY、パリ、バンコク、ソウル等を愛します)、そして当然のことでありますが、アート鑑賞、等。
< http://www1.big.or.jp/%7Eradical/diary.html >

●ラジカル鈴木さんのデジクリトーク
・近ごろ徒然に思うこと 〜 ヤハリ 〜 Think different.(1998/06/27)
< http://bn.dgcr.com/archives/19980627000000.html >
・ニューヨークに行く(1)歩き過ぎで足にはマメが2つも(2000/07/18)
< http://bn.dgcr.com/archives/20000718000000.html >
・ニューヨークに行く(2)黒田征太郎さんにお会いする(2000/07/21)
< http://bn.dgcr.com/archives/20000721000000.html >
・ニューヨークに行く(3)変なモンいろいろ買ってきましたネ(2000/07/22)
< http://bn.dgcr.com/archives/20000722000000.html >
・灼熱のタイ紀行II(前編)アジア本格デビュー(2003/04/02)
< http://bn.dgcr.com/archives/20030402000000.html >
・灼熱のタイ紀行II(後編)ハイテンション・ナイト!(2003/04/07)
< http://bn.dgcr.com/archives/20030407000000.html >

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RADICAL―ラジカル鈴木作品集
ラジカル鈴木
新風舎 2001-12

by G-Tools , 2007/10/02