万年思春期
── 木村きこり ──

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「木村さん、ご無沙汰&突然ですいません。定期的にオンライン原稿を書いてみませんか?」

フェイスブックを久しぶりにチェックしていたところ、こんなメッセージが来ていた。デジクリで執筆なさっている海津ヨシノリ先生からだ。私と先生の出会いは某美大でデザインを専攻している友達が「面白い授業があるよ」と誘われもぐりで入った時だ。私はその時油絵を専攻していて作品が行き詰まっていたので、気分転換も兼ねて授業を見学していたのだった。先生は教授だった。それからもう約8年経とうとしている今、このような依頼が来たのはなんだか不思議な気持ちである。



もともと私は「文字を書くこと」に対してとても抵抗があった。漫画家と美術家の二足のわらじで生活していこうと心に決め、活動を開始した18の頃から小説家志望や趣味で「文章」を書く人間に多く出会った。しかし、どの人ともなんだか馬が合わなくなりSNSでケンカしてしまうことが多く、ケンカの際に言われた言葉が私の心に突き刺さり、度々脳内でリフレインしている。

この原稿執筆の依頼を受けたのは、そんな自分が文章を書くことにより少しでも創作の幅を広げるとともに、トラウマを乗り越えたいからであった。

タイトルの「万年思春期」という言葉は、私の造語である。小説家志望たちに嫌われた時「あの子は今もまるで思春期の中学生のようだ」と、聞こえるように陰口を言われた。その時の言葉を思い出した時、「中学生のよう、だなんて勉学に励んでいるあの子たちに対して失礼じゃないか!」とひっそりと家で一人怒り、そして「どうせ私は情緒が不安定で反発心が強いまま人生を過ごしていきますよー、だ」と開き直った。

そもそも「思春期」でいることを悪いと思っていないのだ。自分自身と向き合い悩み、時には親や社会に反発する。それのどこが問題なのか。(暴力や非行に走ることは除外する)

少々話がずれてしまった。とにかく私は月一ペースでデジクリに文章を書くことになった。どんなことをこれから書き進めていくのかは分からないが、概ね趣味・仕事含めたマンガやアートの話や、日常で起こったことにたいしての疑問などを自分なりに考え書いていこうと思う。これからどうぞよろしくお願い致します。

☆10月から連載を開始します。今回は予告編。お楽しみに。(編集部)