素人の私がスマホアプリを作った訳
── 斎藤治年 ──

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私は今までキャラクターのライセンス関連の事業を、35年ほど続けてきました。今でもライセンスに関する企画・コンサルティングなどの仕事をしています。仕事の多くは版権元へ出向いていき権利を預かる交渉や、ライセンスを使って商品を作るメーカーでの打ち合わせなどです。

今でこそコロナ禍で直接の対面交渉は少なくなってきていますが、キャラクターの需要は少なくなるどころか、増える一方です。

すでに組織の中でのそれらの仕事は引退し、私はライセンスエージェントとして自社で活動しています。これもまた人と会い、お互いの信頼を確認した上で成り立つ仕事になります。

60代半ばを過ぎて、アプリのような専門知識が必要なものを、まったくの素人である私がなぜ作ったかをお話したいと思います。




私はもともとメモ魔でした。なぜなら忘れっぽいからです。

いろいろな人に会い、いろいろな会議に出てもメモを取らないと、その場で思いついたアイデアや、重要な事柄を忘れがちです。長い経験で色々痛い目にあい、その経験則から「メモは取ったほうが良い」と結論づけました。

メモ帳も色々経験しました。いちばんはじめはシステム手帳でした。ページごとに同じテーマのメモを書き、後でページを関連付けて入れ替えれば効率的ということではじめました。

これは結構長続きしましたが、ページを入れ替えることで時系列がおかしくなり、ページを探すことが多くなるというデメリットもあります。またシステム手帳は非常に重くなりがちです。

次に一般的なノート。マージンをつけて左側に日付やキーワードを後で検索しやすく工夫しました。次第にRHODIAへのメモを長く続けて、小さめなメモに慣れました。

そして、メモ魔時代の半ばから続けてきたのが、「自分にメールする」ことです。「自分にメールする」とは、どういうことだと思いますか?

メモ帳にメモが書けるシチュエーションを考えてみましょう。メモがある、ペンがある、両手が使える、また書く時間があるという必要があります。つまり、会議室でテーブルに座っているとき、電車などで座れているとき、自宅にいるときなどに限られます。

一方メモを書きたいシチュエーションはどうでしょう?

会議中に出てきた、覚えておく必要がある言葉やスキームや人物や場所、もしかしたらお店の名前、約束の時間……たくさんあります。

会議中でなくても、昼休みに同僚と交わした会話、電車での中吊り広告、テレビでのニュースやタクシーの運転手からの情報……

つまり、書くことができる状況は少なく、書く必要がある事柄は多いということになります。

そして携帯電話が出てきて、自分がGmailにアカウントを作ったタイミングで、メモ魔と同時にメール魔となったわけです。

メモしたい事柄はいつ発生するかわかりません。上述のように移動時間に絶対忘れたくないアイデアも浮かびます。その時にメモが書ける状況にない時に自分にメールをします。

会社にいる時に「あ、今日は奥さんの誕生日だった!」とかは、会社員あるあるというぐらいみなさんも経験あるのではないでしょうか。マーフィーの法則でそのようなときは決まってメモができない。

もしメモができる状況で「今日は奥さんの誕生日」と書いたところで、そのメモを自宅に帰った時に見る確率はどうでしょうか?

かばんの中に入れっぱなしとかだと、その「せっかく思い出した」のに残念な結果となります。

自分にメールする行為は
(1) 大事なことを後で何回も確認できる
(2) 必ずリマインドできる
(3) 場合によっては会議中、交渉中に相手に対し失礼がない
ということになります。

そしてGmailにメールすることが習慣づきましたが、少しその頻度が増えたことで、「メールを打つのって面倒だな」と思うようになったのです。

スマホのGmailアプリを開き、宛先に自分のメールアドレスを打ち込み、キーボード表示を消して送信ボタンを押す……という作業が煩雑に感じるようになりました。

仕事仲間で食事をすることが多いのですが、そんな話をしていると「もっと便利なアプリがあるのでは?」と言われ、いくつかメモアプリを使ってみましたが満足しませんでした。

そして同じ人から「アプリ作っちゃおうよ!」との提案があり、「開発できる人紹介するよ」とのことで、思い切って自分が出資者となり自分の思いを共有してくれる二人の仲間とともに「自分が使うためのリマインドアプリ」を作ってしまったというわけです。

今は公開してApple、Andoroidで入手可能です。

私は最近メモを取りません。その代わり会議中、会話中スマホを手放しません。まぁ、多くの人がそうでしょうが。

使って便利なことは、先方が私が知っているだろうという前提で会話に出てくる「〇〇社長」とかの人物です。私はその名前を送信しておき後でネットで調べたりします。

また、会話の本題とは違うレストランの名前などは、わざわざメモ帳を出すのも変なのでスマホからそのアプリで送信しておきます。

そのアプリを作るときに決めたコンセプトが、「できるだけタップ数が少なく送れること」だけです。

そして、できたのが
(1) 起動するとすぐに書き込める
(2) 書きかけをいつでもすばやく送信できる
(3) 使用方法が簡単で直感的
(4) 操作が軽い
(5) 音声入力なら簡単に文章作成
というものです。

■私が作ったアプリ「超簡単メモ送信無料アプリ RemindMe」
Android→ https://bit.ly/2YtMavR
iOS→ https://apple.co/2Sw8eSv


【斎藤治年】

株式会社ハル・クリエイティブ・スタジオ 代表取締役。これまで40年間キャラクター関連の仕事。ライセンス関連は35年。
https://www.halcreativestudio.info

今はライセンスのエージェントとして、自分の会社で日本とヨーロッパのコンテンツを複数扱っている。趣味はアートの制作やオリジナルのハンドメイドの照明器具制作、インテリアの制作など。音楽はソウルミュージックが好き。特にソウルバーへ行ったりディスコで踊るのが大好物。