KNNエンパワーメントコラム 1人10万2000円の定額給付案/神田敏晶

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KNN神田です。

ボクは基本的に、麻生総理の「定額給付」案に大反対だ。配布の方法などではなく、一人あたり1万2000円ずついただいたところで、社会も経済も何もかわらないからだ。財源から2兆円が消え、タンス預金30兆円が32兆円に増えるとしか考えられない。

夫婦2人で子供2人の4人家族の世帯だと、6万4000円の定額給付となる。夫婦で2万4000円、子供が8000円増し(18歳以下と65歳以上は8000円増し)の2万円×2で4万円という計算。6万4000円あれば、一ヶ月分の家計には役立つかもしれないが、翌月からは以前と同じである。子供は、ニンテンドーDSの本体を購入しておしまいとなる。

しかも、給付時期は必ず衆議院解散前になることだろう。政府からではなく、自民党、公明党の与党からいただいた感を植え付けたいからだ。しかし、これで3年後に消費税をあげられてはたまったものではない。ほんの数ヶ月で、給付金分は再回収されてしまうことだろう。



定額給付はいらないから、消費税をあげるなと言いたい! また、「国民に問うべきだ」としか、反対しかしない野党の議員にも文句が言いたい。だったら、代替案を提案しろと!

ボクが首相の立場なら、同じ給付をするのであれば、1万2000円ではなく、12万円と10倍の額面にする。予算は20兆円になるが、経済対策費用の27兆円と同じ効果が出せると考えている。先ほどの4人家族ならば、64万円の給付となる。これだけのまとまった金額がもらえれば、欲しかった液晶テレビを買うことも検討できるだろうし、円高なので、一家で海外旅行でもという気になる。もしかすると、車やマンションの頭金にという使い方も発生する。

また、FX投資や、株安だから株という選択もあるだろう。独身男性であれば、12万円あれば、一度は高級ソープへでも行ってみたい。女性であれば、高級ホテルのエステを受けてみたいなんて夢も実現できる。

1万2000円では、日常の延長策にしかならないが、12万円ならば、ちょっと大胆な消費行動が持てるのである。大事なのは、消費ひきしめの援助策ではなく、市場にお金が積極的に流通することが経済対策なのである。

また、麻生さんの給付の一番の問題点は、配布した後のことが何も条件づけされていないことだろう。
ボクが10万2000円の給付をする際には、条件が2つある。
1)この給付には、一年以内の使用期間の限定と領収証が必ず必要となる。
2)そしてもう一つの条件が確定申告だ。

1.は必ず、給付金が領収証のもらえるものに回る。一年以内に領収証が必要となるので、この一年に何を購入すべきかとして、情報を集める。特集雑誌が売れ、ネット検索が盛んになり、まずメディア関連が盛り上がり、消費材メーカーに注目が集まる。領収証は、10万2000円あたり、5枚以内とすると、2万4000円以上の消費材が5つも動く。もちろん、車などの購入、マンションの頭金にあてるということも可能となるだろう。

消費を証明した領収証が必要なので、銀行などへの預金は駄目とするが、投資はOK!とする。どうしても消費にまわしたくない人は、株式投資などに運用すればいい。おそらく、10万2000円では足りなくなり、タンス預金も導入することとなり、株式の景気をもりあげることとなる。税金がタンス預金をひきだすきっかけとなるのだ。

もちろん、景気対策のための給付金なので、申告分離課税の譲渡税を発生させない法案を臨時で通すのだ。景気対策なので、本当は、株式の譲渡税は、経済成長率がマイナスの場合は発生させてはいけないと思う。これで、日本人のお金の機能を殺してしまうタンス預金癖を変えられるのかもしれない。

そして、2の確定申告がもっとも重要だ。サラリーマンで、自分が一生懸命働いて得たお金を満額もらっている人は皆無である。自分のサラリーを、天引き後給料の額面で考えている。自分の裁量で自由になるお金だからだ。むしろ、フリーランスや自営業の人は、税金ってこんなに払わなくてすむんだ! と驚く場合が多い。それはなぜか? 確定申告をしているからだ。

もしかすると、サラリーマンも確定申告をすると、自分の稼いだ給与を取り戻すことができるからだ。個人事業主として赤字があればだが…。いつの時代も、税金はものを言わぬ人から毟り取っている。せめて、今回の定額給付分を確定申告することになれば、税金の税務署と住民票の役所のデータがリンクされることとなる。すると、高額の定額給付を拒否している人のリンクをたどれば、さらに巨額の脱税の姿も見えてくるのではないだろうか? 経費をかけずに脱税が見えてくるのだ。

通常サラリーマンは、天引きされた給料はしかたがないとあきらめているが、確定申告の仕方によっては節税できる。むしろ、確定申告をすると、払わなくてもいい税金を搾取されるとわかり、その使われ方にも興味を持つ。誰が俺の血税を使っているのかも知りたくなる。

実際に日本の税金は、官僚たちが運用しているが、その税金の流れのルールを決めるのは政治家だ。本当に自分の政党が正しい、王道であれば、国民全てが自分で確定申告することによって、税金についての理解が自然と深まるだろう。すると税金の使われ方に関心を持つ。

そして、正しい政治家を選ぶ事だろう。それが、本当の国民参加型政治だと思う。選挙の投票率もあがるだろう。これこそ、本当の国民の声ではないだろうか。衆愚政治ではなく、税金をキチンと使うべき政治家、政党を選ばなくてはならないということを教えるチャンスでもあるのだ。

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by G-Tools , 2008/12/01