KNNエンパワーメントコラム AppleのTime Machineに感激!/神田敏晶

投稿:  著者:  読了時間:6分(本文:約2,900文字)


KNN神田です。

それは突然やってくる…。いや、兆候は、顕著にあらわれていた。

先週の週末くらいから、メインのiMac24インチが、恐ろしく文字入力の反応が遅くなり、検索するだけでも、相当文字を打ち込んでからも数秒待たされる状態。テキストがクラウドにいって戻ってきてから表示されるという感覚。

直近のインストール挙動といえば、FireFoxのアップグレード、アドオンでdeliciousをインストール。iWork'09の再インストール、さらにDropBoxなど、もしかして、Eye-Fiかな…? あまりにもいろんな"方々"が出たり入ったりしているので、病原菌の主を発見しづらい。



一時の問題かと思っていたが、ますます調子が悪い…。「ピー」という空虚な音が鳴ったり、一瞬黒い幕がおりてきて、リスタートしてくださいという…、さらにあやしくなった。

そして昨日、ついにOSとアプリがどっさりはいった内蔵のHDDがまったく起動しなくなり、デスクトップには大きく「?」だけが、空虚に点滅している。何度リスタートしてもなおらないので、パッケージ版のOSからリスタートすることにする。

そこで期待したいのが、Time Machineだ。しかし、Time Machineそのものも何度となくエラーが出ていたのも、少しは気になるが…。

半年ほど前、Samsung製の1TBの7200回転HDDが8,000円で買えたので、350GBをTime Machineに設定し、残りをデータに割り当てていたことが保険となった。

Time Machineの設定は、MacのLeopard OS10.5を使っている人ならば、無償である。このソフトが無償というのはすごいと思う。今まで何度となくバックアップソフトを試してみたが、とにかく面倒くさい。Time Machineは、ものぐさなボクでも使えるので、普通の人ならばもっと便利だろう。

バックアップの重要さは、バックアップのしやすさではなく、データがぶっ飛んでから、それが復旧できて初めて実感できる。それまでは、単なる350GBの保険としてしか認識できていなかった。

今回は、楽ちんなバックアップだけでなく、稼働させてみて改めて感動の逸品だと思った。設定しているアプリケーションは、一か月前のものを使うことにし、データは本日のたった2時間前のデータを呼び戻すという、過去の世界のいいとこどりができる仕組みとなっている。これはすごい!

クラウドコンピューティングがもてはやされ、何でもクラウドサービス化傾向にあるが、一か月間くらいの大容量バックアップが自宅でできてしまうというのが、このTime Machineのいいところだろう。

はじめて復旧機能を稼働させる時のインタフェースは、一瞬ドキドキするけど、一度使えばかなり安心だ。これで、もう手放せなくなる。過去へさかのぼる気分がとても斬新だ。みるみるうちに、懐かしいデスクトップに変わっていく。

たった一か月前の当時のデスクトップだけでも、なんだか懐かしい気がしてきた。一年ごとに自分のデスクトップの写真を撮影しておくと、自分自身の成長の姿が、歳を重ねた今でも実感できるのかもしれない。オマケで、昨年の今日のデスクトップみたいな機能があってもいいと思った。昨年の「本日のデスクトップ」とかが見えると、仕事を比較できるとともに、発想支援となる業種はあるだろう。

ちょっとお値段の高い「TimeCupsule」を購入しなくても、Time Machineは機能するので、Macの人は外付けHDDを買えば、内蔵HDDをそのままUSB外付けでバックアップできるから、将来ド感激する日がやってくることだろう。

これぞ、まさしく未来の理想の「勝手コンピューティング」だ。「勝手によろしくやっておいてくれる」という機能が重要だ。

コンピュータ、マルチメディア、ネットといろいろトレンドの波はやってきたけれど、ユーザーにしわ寄せがかかることが多すぎる。もっと楽で、怠惰で、快適なコンピュータ環境が必要だ。Time Machineは、無料でこんなことを、まさに勝手にやってくれている。

Appleは、iLifeやiWorkを売る前に、Time Machineを販売すべきだろう。むしろTime Machine Proとして、mac.comビジネスの年額課金をこちらと併せ持つことも視野にいれるべきだろう。

これで市場が40億円相当ありそうだと思った頃に、必ずMicrosoftが当然のように参入してくるので、動向を注目しておきたい。Microsoft一流の、あと出しジャンケン「プロフェッショナル仕事の流儀」だ。ほんと、ムカつくマーケティング手法(怒)。

Microsoftが、セキュリティの有料サービスを開始した時は、誰のために今まで、セキュリティソフトを購入していたのかと、独占禁止法の問題よりも頭にきたものだ。まぁ、Appleの「Macならばウィルスにも安全!」というセールストークも間違ったプロモーションだと思う。振込め詐欺がより潜在顧客の多い層のところを狙うのと同じだから、Macだと振込め詐欺にも相手にされていないくらいのシェアなんだと理解しておいたほうがいい。

しかし、我々ユーザーは、Appleのシェアを気にする必要はない。Appleに一番つぶれてもらって困るのは、独占禁止法と長いつきあいをしているMicroSoftなのだから。

だからAppleが安泰という訳でもない。そもそも、この2社の独占体制はITの歴史的に見ても実に長すぎる政権である。GoogleやFaceBook、ASUSといっても、ハードウェアやシステムソフトで影響を及ぼしていない。デスクトップ版のアンドロイドを、GoogleとASUSあたりが組むとおもしろいことになりそうだが…。

スティーブ・ジョブズなきアップルも、企業としては非常にリスクがある。彼一人で動かしているわけではないが、企業、サービス、製品、ブランドの象徴としても重要だ。

いま一番、Time Machineを贈って喜ばれるのは、アップル社なのかもしれない。あなたなら、いつの時代のアップル社にTime Machineしたい?

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