アナログステージ[28]淑女が悪女になる──MacBookの謀反/べちおサマンサ

投稿:  著者:  読了時間:7分(本文:約3,000文字)


おかしい。なにかがおかしい。新天地へ出向いたら、世間様と同じような休日が手に入ると確信していたし、時間にゆとりができて、デジクリの原稿も技術仕様書もゆったりと書けると、そう信じていた。

が! なんだ、なんだ? 時間にゆとりができるどころか、逆に切迫しているじゃないですか。環境としてまだ慣れていないとか、そういう次元ではなく、とにかくやることがありすぎる。と同時に、いままでは手がまわらなくても、アシさんに振れば、そつなくこなしてくれたことが......。

いまは自分ですべてやらなくてはいけない。これは辛いのと同時に、アシさんのGJ(Good Job)っぷりを再認識。オマケに、仕事中でもTwitterでツヰって遊んでいられたのも、有能なアシさんがいてくれたからこそ。「仕事中の隙間」がまったくなくなってしまった。唯一の娯楽だったのに......。

どうすれば、今までの環境を取り戻せるかを考えた答えは、とても簡単だった。右腕を育てればいい。ワタクシの社会順応が極端に乏しいのは本能だ。これはもう、どうしようもない。新天地だからといって、自分を変えることはしたくないし、そもそも転職したわけではなく、技術指導に出向している立場。

社内の空気はもちろん違うが、臭いは同じ人種の集まりなので、暫くは我慢して、はやくワタクシ色に染めてやろうかとニヤニヤしております。新天地の社長さんからも「べちおさん、お願いですから変なことは教えないでくださいね、ホント、宜しくお願いしますね」と念をおされたが、べつに変なことなんか教えませんって。ワタクシ、マジメですから。



●ジョブズさまジョブスさまジョブズさま

あんなに静かで穏やかだったMacBooKが、突然謀反を起こした。なにもしていなくても、更新しろだのセキュリティーが甘いからきちんとしろだの、デスクトップに使っていないアイコンがあるから整理しろだの、お節介の代表OS機とオサラバして数年、おしとやかで艶っぽいMacが突如、ウィーーーん! ガガガガガ......と、「いまからぶっ壊れてもいいかしら?」という具合でうるさくなった。

ファンがおかしくなっていることは分かっている。現に、ググる先生で「MacBook ファン」と入れただけで、出るわ出るわ。「おぉ、皆さん、ぶっ壊れて困っているんですね」と、勝手に、MacはOS Xになってから壊れない論を展開していたワタクシには衝撃だった。貞操を守っていた淑女が、ワガママな主に嫌気をさし、悪女へと移りかわったように映った。

とりあえず、Macが調子悪くなったり困ったことがあったら、「ジョブズさまジョブスさまジョブズさま」と唱えると、大概のことは直ってくれると聞いていたので、「ジョブズさまジョブスさまジョブズさま、お願いします、ジョブズさま」と唱えたところ、直るもなにも、ファンは変わらずブィーブィーいっている。

新天地へ出るまえに、新しいMacBook(Pro)を会社に買ってもらおうと企んでいたのだが、「修理にだせ」と言われゲンナリ。すでに新品のMacBookが買えるだけの金額を修理に費やしている。これ以上、このMacBookに金をつぎ込むのはイヤだ。

「新品じゃなくてもいいから、普通に使えるノート転がってない?」と打診するも、「ない」「ダメ」の一点張り。うぬぬ、「mixiって果物ですか?」とかほざいているキサマに、コンピュータが壊れるという感覚はないのかもしれないが、壊れるぞ、これだけハードに使っていれば、2年で壊れるんだぞ、消耗品なんだぞ。と言ったところで、変わらず。

「ケチだ。それとも何か、居なくなる人間につぎ込む金はないというのかね。キサマが使っている、新品同様の、そのノートでもいいんだけど。どうせWordしか使ってないんだから、どっかに転がっている98SEとかMeで十分でしょ? それちょーだいよ。っつーより、パソコンいらないでしょ? 書院で十分じゃね?」と言えるわけもなく、仕方なくブィーブィーうるさいMacBookを引きずっていくことに。

●書き出している最中に「何か」が邪魔する

ところが、ブィーブィーうるさいだけではなく、ついに、予告なしの電源落ちが多発するようになる。ParallelsでXPを立ち上げているときに、無情な電源落ちを喰らっていたので、「やっぱり、相当負荷が掛かるのかな......」と、XP(Parallels)をなるべく起動しないようにしていたのですが、OS Xで使っていても卑劣な電源落ちを喰らうようになったので、いよいよ買い替えを考え始めた。

ここまでくると、MacBookじゃなくても、普通に使えれば何でもいいや。という心境になる。プログラムを組んだりするのは、別のWin機を使っているので問題ないが、専用ソフトなどをインストールしているパソコンは、ネットを繋いではいけない。という、アングラなルールがあるので、どうしてもセカンド機は必要になる。

OSに依存することは殆どないので、それこそW2KでもLinuxでも何でも構わないのだが、シルクスクリーンの校正などは、WinよりもMacのほうが話が早かったりする。そのテのベンダーさんが皆、マカーさんということもあるが、実は、CAD描きでWinとMacで微妙な誤差があったりするのだ。

CADソフト自体、互換性があるようで、何気にメーカ誤差が激しいアプリも珍しい。だいたいは、どのCADソフトでも読み出せたりできるように、DXFで書き出すのだが、A社のCADで書き出したDXFをイラストレーターで開くと、知らない図面になっていたりすることもしばしば。

逆も同じように、イラストレーターで書き出したDXFをB社のCADソフトで開くと、文字化けはもちろんのこと、原型を留めていないケースがある。PDFで書き出したものも、DXFと一緒に必ず添付することになっているが、PDFがないと、本当に分からないことが数多くある。

Win-Winでも起こることなので、Win-Macとなると、それはもう図面ではなく、なにかの暗号メッセージになっている。ベンダーさんに提出するにも、元データがナスカの地上絵みたいになっていると、時間のロスにもなる。それを回避するためにも、やはりMacは必要なのだ。ベンダーさんがWinにしてくれると早いんですけど、なかなかそうもいかないし......。

ということで、数日前までいた会社に「ホントに困っているから、どうにかしてくれ......」と頼み込んでいる最中だったりします。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋。
< http://www.ne.jp/asahi/calamel/jaco/ >
< http://twitter.com/bachiosamansa > ←意味不明発言多数

ストレッチ体操なんぞを頑張っております/酒が飲めなくなってきてます/新しいギターが欲しいと言ったら、ヨメが真剣に怒ります/今月は、別れがたくさんで淋しいです/人形町の巨匠、お世話さまでした/お絵描き屋さん&文字書き屋さんでお馴染みのまつばらさんは、酒を飲まなくても咄家。面白いなぁ/G/Hさん(仮名)のヒゲは、なにかの生命体だと知った/大阪の姫様、いい写真はたくさん撮れましたか/広島にいっても、変わらず元気で頑張ってね。