KNNエンパワーメントコラム 2010年5月10日(月曜日)アップルiPadの「micro SIM」戦略始まる!/神田敏晶

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KNN神田です。

Appleはやってはいけないことをやってしまった...。
4月下旬に発売予定だったiPadの日本国内販売を、5月下旬に延期してしまった。

iPad、日本発売を5月末に延期 2010/4/15 0:54(日本経済新聞)
< http://j.mp/caORLM >

「米国で4月3日に発売して以来、見込みを大幅に上回る売れ行きで、製品の供給が追いつかないためという」
「iPadの米国での販売台数は、発売後1週間で50万台以上と事前予測を大幅に超えた。このため今後数週間は供給が需要に追いつかない」

つまり、米国の売上が好調で、日本の発売分まで米国に回してしまった...ということで、日本の発売が延期になったと記事から推測できる。

Appleという会社は、プロセスはどうあれ、今までどおおり、結果としては4月下旬にしっかり販売してくれるものと信じきっていただけにこのニュースはショックだった。これでは、平気で、発売日の約束を破るマイクロソフトと全くおんなじだ(笑)。

さらに、アップルのサイトから気になる言葉を見かけた...。



5月末発売
5月10日先行注文開始
< http://j.mp/d5UbEc >

なぜ、5月10日の注文開始なのか? それは価格発表が伴うからだ...。4月末ではなく、5月10日という、たったの数週間だけど、価格が発表できない「何かがある」としか考えられない。恐らく、この4月末から5月頭にかけての、日本の3G通信キャリアとアップルとの熾烈な交渉は、後の歴史が解き明かしてくれることだろう。

通常、普通の会社の感覚であれば、4月下旬の発売を延期であれば、せめて、注文くらいは、発売予定日である4月下旬から注文を開始するはずだろう。しかも、お詫びとして、4月13日(火)に発表/発売をはじめた「MacBookPro」を先行発売させていただきますというコントロールも、4月14日(水)にもできたはずだ。不思議でならない。MacBookProの発売も合わせて、予約が始まるものと期待させて、期待を落としたのだから...。

< http://www.apple.com/jp/news/2010/apr/14ipad.html >
2010年4月14日 報道発表 Appleは本日、以下の声明を発表いたしました。

 Appleは、iPadを発売後最初の一週間で50万台以上出荷いたしましたが、予想をはるかに超える需要があり、より多くのお客様がiPadを実際に手に取って見られる中、今後数週間にわたって私どもの供給を超える需要があるものと思われます。また、iPad 3Gモデルにつきましても、4月末の納期分に対し数多くのご予約をいただいております。

 このような驚くべき米国内での強い需要に直面し、iPadの米国外での発売時期を1ヶ月延長して5月末とするという困難な決断をいたしました。5月10日(月)に、米国外での販売価格を発表し、オンラインでの予約受け付けを開始いたします。iPadの発売を待ち望まれていた米国外の多くのお客様には、このニュースに失望されることと思いますが、iPadがかくも米国で大成功を収めているという発売延期の理由を聞いてご了解いただけることを希望いたします。

このアップルからの報道資料によると、4月末の米国のでの注文分の3Gモデルが、今回の延期の原因のように受け取れる。すると、おそらく、日本での5月10日(月)(※2010年5月9日(日)の午前零時過ぎから...)、規定の数の予約を受付け月曜日の午前中には、先行注文完了という状況になりそうだ。

米国でのWi-Fi+3Gモデルは、通信キャリア(AT&T)から購入するのではなく、端末から直接通信キャリアにアクティベートするようだ。価格体系は2種類で、こちらから選択できる。

【1】本体価格+250MBまで 14.99ドル(月額)
【2】本体価格+無制限 29.99ドル(月額)

支払いは、クレジットカードなので、iPadから申し込みができる。日本ではどうなるのだろうか?

iPadの周波数はこうだ。
# UMTS/HSDPA(850, 1900, 2100 MHz)
# GSM/EDGE(850, 900, 1800, 1900 MHz)

日本ではソフトバンク3Gか、NTTドコモのFOMAのいずれかのネットワークしか利用できない(auは通信方式が違う。e-mobileは対応周波数帯域が異なる)。

ソフトバンク3G基地局倍増計画のインパクト
< http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/mobile/20100330_357746.html >

なので、可能性としては、ソフトバンクかNTTドコモとなる。

iPadの3G+Wi-Fiモデルでは、「micro SIM」という通常の携帯電話のSIMよりも小さい、新しい規格のSIMカードを採用。「micro SIM」を供給するのは、米国ではAT&Tのみ。他の通信キャリアも「micro SIM」というハードルさえクリアできれば、いつでもiPadに対応できる。

iPad の「SIMフリー戦略」は、日本の携帯業界も変えてしまうのか!?
< http://iphonefan.seesaa.net/article/139895458.html >
ドコモ山田社長「iPad、前向きに取り組みたい」
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/29/news065.html >

iPhoneでパートナーシップを組んだソフトバンク、SIMロックフリーで「micro SIM」経由でのドコモのFOMAネットワークの可能性が残されている。

さらに、日本通信 三田聖二(元・アップルジャパン社長)社長のツイート
< >
Nihon Tsushin (JCI) will provide 3G connection to iPad when it is
released at the end of May. Otanoshimi.....:-)

ドコモのSIMカードを提供している日本通信の社長のツイートだけに、気になるツイートだった。
< http://www.bmobile.ne.jp/sim/index.html >

iPhone販売で手を組んだパートナーとしてのソフトバンクを、アップルも簡単には裏切れない。iPad潜在ユーザーは、iPhoneを一番ソフトバンクで購入しているユーザーだからだ。

5月10日(月)の先行注文発表のシナリオは4つ。

【1】ソフトバンクから、iPad用micro SIM対応 これが一番自然!
【2】ソフトバンク&NTTドコモ(日本通信)micro SIM対応 ハイブリッド型
【3】NTTドコモ(日本通信)micro SIM対応 これは可能性がかなり低い
【4】アップルによる3G MVNO(仮想移動体通信事業者)micro SIM対応

いずれにせよ、アップルは、micro SIMという選択によって、通信キャリアを顧客が選べるという立場を取ることによって、世界の通信キャリアに対して強気な商売ができることは確実だ。もちろん、6月に販売が噂されている「iPhoneHD」もmicro SIMを採用することにより、圧倒的な圧力を世界の通信キャリアにかけていることは確実だろう。

さらに、iPadやNext iPhone「iPhoneHD」でmicro SIMが圧倒的に普及すれば、通信キャリアの販売方法は大きく変革を遂げることだろう。

iPadは、ゲーム端末、テレビ、ネット、ブラウザ、ブックリーダーを変えるだけでなく、通信の世界を変えてしまう可能性を秘めている。それは、アップルが、いつ通信キャリアになっても世界の誰も驚かないことを物語っている。

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