おかだの光画部トーク[34]露出補正ってなんだ? その1
── おかだよういち ──

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GWのお休みがあったので、しばらく間が空いてしまいました。前回予告した通り、今回は露出補正について説明します。では、少し露出についてのおさらいから。

カメラに内蔵されている露出計は、どんな明るさの被写体でもすべて、反射率18%のグレーとして値を出しています。だから、画面全体が真っ白な被写体を撮影すると、見た目よりも暗く写りますし、画面全体が黒い被写体を撮影すると、見た目の印象より明るく写ります。

前回の「露出ってなんだ?」ではその辺の難しい感じのことを書いてますので、わからなくなっちゃった人は復習してみてください。ではここから露出補正について......。

カメラ自身は、その被写体が白いものなのか黒いものなのかは知らないですから、露出計で計測した数値に対して人間が判断して調整してやる必要があります。それが露出補正です。

デジタル一眼レフやコンパクトデジカメには、もちろん露出補正機能が付いています。最近では、携帯電話のカメラでも付いているものが多くなってきたようです(トイカメラやiPhoneデフォルトのカメラなど、露出補正機能が付いていないものもあります)。



多くの場合、+/−と印字されたボタンを押しながらダイヤルを回すことで補正をします。+の方向に回すと明るさが増し、−方向に回すと暗くなります。

+に(明るく)補正するということは、具体的に何をするのかというと、今出ている露出値よりも明るくするわけですから、より多く光を取り込む必要があります。絞りを変えずに明るくしようとすると、シャッターを開ける時間をより長くすればいいですし、シャッターを変えない場合は、絞りをもっと開ければ光量は増えます。

例えば、絞りF5.6・シャッタースピード250の露出値で+1(1段明るく)補正する場合、絞りをF5.6→F4にするか、シャッタースピードを250→125にします。

ここで注意しなければいけないのは、光を多く取り込むために、シャッタースピードを遅くするとブレる可能性がより大きくなりますし、絞りを開けるとより被写界深度が浅くなります。実際にプラス補正する時は、手ぶれやピントに注意が必要です。

次は逆の−に(暗く)補正する場合を考えてみましょう。露出計が出した露出値よりも暗くするわけですから、取り込む光を少なくします。絞りで調節する場合はより穴を小さく、つまり絞り込めばいいですし、シャッターで調節する場合は、より速いシャッターを切ればいいわけです。

例えば、先程と同様の、絞りF5.6・シャッタースピード250の露出値で−1(1段暗く)補正すると、絞りF5.6→F8またはシャッタースピード250→500になります。

マニュアルモードであれば、絞りかシャッタースピードを撮影者が自分で調節して補正するのですが、絞り優先やシャッタースピード優先モードなどの場合は、+/−と表示された露出補正ボタンとダイヤル操作で、モードに応じてカメラが絞りかシャッタースピードを調節してくれます。

コンパクトデジカメや携帯カメラのように、液晶モニタに被写体を映して撮影するカメラの場合は、補正量に応じてモニタに映る画像も明るくなったり暗くなったりしますから、イメージがつかみやすいはずです。

難しく感じるのは一眼レフで、ファインダ内ではレンズを通った光をそのまま見ています(生の光がそのまま目に届いています)。当然ですが、補正設定したところで数字が変わるだけで、実際に見ているものの明るさが変化しません。液晶やファインダー内に表示される情報の、露出目盛りのゲージに補正量が表示されますので、それを見ながら補正します。

露出補正の説明だけで、まるまる一冊本が出ているくらいなので、なかなかこの程度の説明では理解しにくいと思います。露出計の特性や測光モードなど、露出補正に欠かせない内容がまだまだありますので、次回も露出補正の説明が続きます。

○WCAN 2010 Photograph Workshop

ここでひとつお知らせをさせてください。来週末、5月22日(土)名古屋で「WCAN 2010 Photograph Workshop」というワークショップを開催します。会場は、名古屋駅からすぐ近くの愛知県産業労働センター・ウインクあいち。

WCAN(ダブキャン)とは"Web Creators Association Nagoya"の略で、普段はWebにまつわる内容のセミナーを中心に開催しています。Webのコンテンツとしても写真や撮影を勉強は大切なので、Webデザイナーやディレクターを対象に写真やカメラ、撮影の基礎のレクチャーから、実際に参加者も撮影しながら学ぶ感じでワークショップを考えています。Webに関係なくとも、写真の勉強がしたい人なら誰でも大丈夫ですので、もし興味がある方がいらっしゃいましたら、是非下記サイトからご参加ください。

イベント概要
< http://2010.wcan.jp/photograph/event/
>
セッション内容
< http://2010.wcan.jp/photograph/session.html
>

【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >
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>

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