おかだの光画部トーク[126]「神戸ITフェスティバル 2014」を終えて/岡田陽一

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,400文字)


前回ご紹介した「神戸ITフェスティバル2014」が無事終了しました。いまだ興奮冷めやらずという感じで、体も心もかなり疲れている状態ですが、それが清々しくもあり、少し淋しくもありという複雑な心境の数日間を過ごしています。

このイベントを運営側で参加した実行委員や、当日ボランティアのスタッフのみなさんも、きっと似たような心境でいるんじゃないだろうか。

毎回少しずつ良くなっている「神戸ITフェスティバル」。今年は、今までになかった子供向けコンテンツを打ち出し、実際に大勢の子供達が参加型イベントに集まって、たくさんの笑顔が見られたことは感動的でした。

兵庫県警のサイバー犯罪対策課の警察官が実行委員として参加してくださり、行政との絡みも色々と増えてきたことも、普段の仕事ではなかなか経験できない、自分的にはとても面白い出来事でもありました。

最終的には2日間でざっと1,700人の来場者だったようです。

そんな「神戸ITフェスティバル」というイベントに2回、がっつり関わって感じたことをつらつらと書いてみます。




まず、凄いと感心するのは、実行委員会にいるメンバーはそれぞれが何かのプロフェッショナルで、各自が自分が担当する仕事を誰に強制されることなく淡々とこなしているということ。

ここで重要なのは「誰に強制されることなく」という部分。参加している人間は全員無報酬のボランティアなので、この実行委員会には明確なヒエラルキーは存在しない。誰にも強制されることもないし、何をするかも自由。そんなぼんやりとした組織で、これだけ大きなイベントを、ゼロから作り上げていくには、一年間本当にいろんな出来事に遭遇する。

誰にも強制されることない組織ということは、逆に言えば何も決まらないということ。それはイベントとして成立させるには致命的で、何も決まらないまま時間だけが過ぎていく。何か月も費やして同じ所をぐるぐる巡る議論が続く。時には実行委員どうしで対立したりすることも出てくる。つらい思いもいっぱい経験する。

それでも、皆がどうやったらいいイベントができるか、自分たちが好きな神戸という街で何か役に立ちたいという目的は同じなので、誰に強制されることなく頑張ってしまう。

ヒエラルキーが存在しない中で、どう物事が進んでいくのかというと、オーガナイザーという役割がいて、どんなタスクがあって何をするべきかがスプレッドシートに列挙され、それらのタスクを、実行委員の面々が自分ができるものを担当する。

みんな、日々の自分たちの仕事が忙しい社会人なのに、どこにそんな時間があるんだろうと不思議に感じるほどいい仕事をする。

それでも足りないくらいのタスクとイベントの規模なので、当日の朝までギリギリまで精一杯準備している。短時間でこれだけのことが出来るのに、なぜこれが数週間前にできてないのかと思うが、これはこれで凄いことなんだと思うように切り替えた。

もっとクオリティを高める余地はまだまだたくさんあるので、2日目の最中に「反省点・気になった点」を淡々と書くスレッドを作った。それらをひとつひとつ改善していけば、次回はもう少しよくなるはず。

どれに参加しようか迷うほどの、多種多彩なセミナーやイベントやブースの数々。気になるセミナーや、参加したいものもたくさんあるのだが、実行委員で裏方で運営していると、どれにも参加できない。凄いジレンマだ。

参加無料のイベントなので、賢い人は運営側になんて回らずに、普通に来場者として興味あるイベントに参加するのだと思う。

実際、一年間このイベントのために費やす膨大な時間を、全く何の報酬もないボランティアで(無報酬ばかりか、交通費や会議やミーティングのための飲食費、その他経費は持ち出しの場合が多い)楽しいことよりは、むしろ精神的も辛いことの方が多い状態で、ふと冷静になって考えると「いったい何をやっているんだろう....」と思うこともある。

それでも、終わった後に感じる連帯感というか、仲間と成し遂げた感というのは、これまでの過程を一緒に体験して初めて共感できる感情だと思う。なんというか、「戦友」という感覚なのかもしれない。

普通に生活していたら、この人たちとこんな風に仕事することはないし、金銭が絡んでいない状態で、これだけプロフェッショナルな仕事を淡々とやってのける人たちと、絡むことができるのはとても光栄で幸せなことだと思うし、もし会社の仕事でなにか困ったことがあったら、一番にこの人たちに相談しようと思える。

「神戸ITフェスティバル」の実行委員のみなさんと一緒に、いろんな経験ができること。それはとっても素敵なことだなぁって思うので、性懲りもなくまた来年も、いろいろと文句を言いながら奮闘しているのだと思う。

最後に、ひとつ。わたしの担当している役割の中で、終了後に一番淋しく、せつなく感じることがある。

「Webサイトの実行委員紹介のページからわたしを削除しておいてください」とメッセージを受取り、それを実行する時がそれだ。

誰にも強制されない、何をするのも自由なボランティアで集まる集団なので、去るのもまた自由。準備中に心も体も疲弊して、このイベントが終わったら辞めようと思うのも無理はないし、それぞれ考えがあってのことなので、そのメッセージには何も返事をせずに、ただリクエストを実行する。

実は少し泣きそうになります。

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

イベントは大盛況のうち無事終了しましたが、後処理はまだまだ続きます。やらなきゃいけない残務がてんこ盛り。去っていく人もいれば、新しく参加してくれる人もいるので、次回に向けて徐々に始動していきましょう。

「神戸ITフェスティバル2014」に関わった多くのみなさん、ご来場くださったみなさん、本当にありがとうございました。