<ジャケ買いして悔いなし>
■装飾山イバラ道[10]
ロートレック展 六本木ムーラン・ルージュ
武田瑛夢
■気になるデザイン[9]
Gem Collectionのカバーに潜んだ謎
津田淳子
■音喰らう脳髄[45]
謝意謝意謝意(あめあられ)
モモヨ
■セミナー案内
JPC定例セミナー『ミス・ロス・トラブルを撲滅しよう!』
■装飾山イバラ道[10]
ロートレック展 六本木ムーラン・ルージュ
武田瑛夢
■気になるデザイン[9]
Gem Collectionのカバーに潜んだ謎
津田淳子
■音喰らう脳髄[45]
謝意謝意謝意(あめあられ)
モモヨ
■セミナー案内
JPC定例セミナー『ミス・ロス・トラブルを撲滅しよう!』
■装飾山イバラ道[10]
ロートレック展 六本木ムーラン・ルージュ
武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140400.html
>
───────────────────────────────────
ロートレック展を見るために、東京ミッドタウンのサントリー美術館に行ってきた。広々とした空間のとてもリッチなビルに、心も躍る。
< http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol01lautrec/
>
エスカレーターで上ると天井から吊るされたロートレックのポスター。するどくこちらを見据える女性がかっこいい。顔に描写の密度を集中させて、周囲をさらりと描いたような、すばらしく大人っぽい画風。力んで描いてないように見せて、最適な頃合で仕上げられている。
私は高校で美術科だったのだけれど、ロートレックはその頃から大好きだった。油画専攻で美大受験をするために予備校へ通っていたので、ピカソやクリムト、ルドンなどの画集を集めて参考にした。考えてみれば相当贅沢だけれど、当時は巨匠を参考にすることに躊躇はなかった。最高のものを見た方がいいに決まっているのだ。
ロートレックの作品は美大受験を志す者にとって、学ぶところが非常に多い。何と言っても人物の動きや表情を瞬時に捉えているので、時間制限のある受験で必要な狙いを定めたスピーディな描写は憧れだったのだ。
今回の展覧会でも、厚紙にグァッシュ(絵の具)をダイレクトに塗る手法の作品が多かった。人物のスケッチを、厚紙の地色を生かして絶妙な塗り残しで仕上げている。
私も若い頃に油絵の具でこの手法のものをたくさん描いた。いわゆる油彩クロッキー。布のキャンバス地は値段が高く、時間をかけて塗り重ねるタイプの絵に向いている。一方厚紙は値段が安いわりに豚毛などの硬いブラシでもしっかりと絵の具をのせることができて適度に吸い込みも良いので、すばやく筆を走らせるクロッキー、スケッチ類にはもってこいなのだ。
クロッキーのスピードで(一枚を10分程で)描くわけだから、厚紙は一日に何枚も用意する。この方法はお金がない受験時代にもとても経済的。乾けば重ねて保存もできる。
ロートレックは裕福な家庭に生まれているけれど、彼の描写のスピードを生かすためにも厚紙が向いていたのだと思う。
そして絵の題材とされたきらびやかなパリの夜の世界は、なんと魅力的なのだろう。展示されていた当時の写真や動画から、人々の娯楽にかける情熱に驚く。店の象徴となる赤い風車や、巨大な象の人形、店内装飾、着飾った人々。
ロートレックは多くの女優を描いたけれど、その顔がその内面をストレートに捉えたものだったことから、時には嫌がられることもあったという。きれいに描いて欲しい女心はわかる。でも私がもしその時代にいたら、女優に耳打ちしたい。「描いといてもらわなきゃ損。もしかすると100年後にあなたの顔がポスターやハンカチになっているかもしれないから。」
実際に、今回は女優のプリントされたハンカチをおみやげに買った。展覧会記念グッズだ。当時の有名な女優だから絵になっているけれど、ロートレックの絵だから東京のミッドタウンでハンカチになったのだ。
今回の展覧会はグッズが充実していてグッズ好きには楽しい。買ったのはクリアファイルとか、ハンカチとか、メモとか。ファンシーグッズ的でもある。ロートレックの絵は計算された黒のシルエットが美しいので、遠目が効いて力強くて商品にプリントしてもとても映える。
そしてロートレックと言えばリトグラフのポスター作品。初期の印刷技術が生かされている。私は多摩美時代に油画専攻だけれど、3、4年で版画クラスを選択して卒業制作がリトグラフだった。なんだか時代は違うのに、絵を学ぶって通る道は狭いのかな。
版画は最初から構図を決めて作っていくので、スケッチとは少し温度が異なる作業になる。ある意味計画性がないと辛くなってしまう。紙相手に色をすり重ねるのは、思いつきや偶然性ではないステップを踏んだ作りこみの世界だ。
そういう職人的な割り切りもうまいのが、ロートレックの凄さだと思う。ポスターだから絵に文字も入り、もちろんグラフィックデザインでもある。その文字の魅力も遊び心満載だし、時代を感じさせてかっこいい。絵、版画、グラフィックデザイン。今の時代に彼が人気があるのも納得だ。
展覧会の終盤は晩年の作品が展示されていく。病床の彼の写真もある。なんと37歳でその生涯を終えたというのには、今更ながらショックだった。自分はもうその歳を過ぎている。
受験の頃こそ、昔の偉い画家だと思って画集にかじりついていたけれど、全作品が37歳までに作られたものだったのだ。それはあまりにも若いし早い。
日本の美術も好きで、浮世絵や美術品に影響を受けていたというロートレック。本人が殿様のような日本の衣装で写真に写っているのも有名。後ろを通り過ぎた女性が「コスプレだ」とつぶやく(笑)。
世界のいろんなところが多様に美術を生み出して、それぞれが影響しあっていたのは今も昔も変わらなかったんだな。
旅行でちょうどパリに行く予定になっていたので、東京のロートレック展を先に見た。このコラムが掲載される時には、実際のパリのムーランルージュにも行って来たはず。トラブルがなければ。想像と実際にはどのような違いがあるか確めたい。
【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
ロートレックの時代は日本では江戸から明治へと変わる頃。100年ちょっとでこうも時代が変わると思うとおそろしい。
装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>
「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>
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■気になるデザイン[9]
Gem Collectionのカバーに潜んだ謎
津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140300.html
>
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みなさんは、長崎出版から刊行されている「Gem Collection」という、海外ミステリシリーズの小説をご存知だろうか?
--
海外ミステリ〈ジェム・コレクション〉
英国本格クラシック・ミステリを軸に、新本格・ハードボイルド・サスペンスなどジャンルを広げ、他国の作品も随時取り上げていきたいと思います。Gem〈ジェム〉はもともと宝石・宝玉を指しますが、他にも珠玉・逸品などの意味があり、深い味わいをもった言葉です。歴史のなかに潜んでいるGem〈ジェム〉となる名作を、これから日本に紹介していきたいと思います。ご期待ください。
< http://doremifa.net/nagasaki/
>
--
私はもともとミステリが好きだったこともあるのだが、このシリーズは、相も変わらず書店店頭でジャケットに惹かれて、「なんかおもしろそう」と思って買ったものだ。シリーズ7冊目までが第1期、8冊目からが第2期として、現在まで12冊が刊行されている。
私が最初に目にしたのは1冊目『証拠は語る』。茶色い未晒クラフトの上に、アルファベット(伏せ字多数)がグルグルと渦巻き状に白で印刷され、背には銀の箔押しがズバッとされている。シンプルながら、なんだか謎が頭の中をグルグルまわりそうなストーリーを予感させてくれ、ミステリ好きの私に、非常におもしろそうだ、という期待を抱かせてくれた。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860951425/dgcrcom-22/
>
読んでみると、予感通りにおもしろく、またシリーズ2冊目以降もずっと買っていたのですが、4冊目、エリザベス・フェラーズの『嘘は刻む』に「海外ミステリGem Collectionは、カバーと帯に仕掛けがしてあります。第7回配本で謎が解けます。」と書いてあるではないか! なにーっ!? そんなしかけが施されているとはまったくわからなかった……。
7冊目まで揃ったところで、表紙をすべて1列に並べてみたり、カバーを重ねて透かしてみたり、帯にある絵柄を繋ぎ合わせるように並べてみたり……といろいろと試してみたのですが、わからない……。内容自体も最後を読むまで、犯人やなぞがわからないことが多々あったのですが、カバーと帯に潜んだ謎は、答えがないだけに、自力で解くしかない。
じっくり見たり、遠くから眺めたり、並べてみたり、煮たり焼いたりしてみたけど、一向にわからず。悔しくて着物の袂をキィーっと噛み締めていたら、あるとき「本の雑誌」で謎解きされていて、サッとこころのつかえが取れたものの、自力で解けなかった悔しさが今も残ります。はい。
でも、内容でも楽しめ、そしてカバーや帯でも楽しめる。そんなブックデザインもいいよなぁ、と思いつつ、7冊すべて揃えないとわからない謎、ということで、すべて買ってしまう私。出版社の思惑にまんまと乗ってしまったのか!?ということを思わないでもないが、内容がおもしろかったし、これだけ楽しめたから、まぁいいか。
ちなみにこのシリーズ、第2期のブックデザインもすばらしいです。またもやジャケ買いしてしまいました。どうやらこの第2期のカバーにも謎が潜んでいるそうで、「今度こそ自力で解いてやる!」と鼻息荒い毎日です。てへ。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
あの表紙はなんなんですか! と言われることが多い、『デザインのひきだしvol.4』。Gem Collection同様、ジャケ買いして悔いなし、と思ってもらえてたらいいなぁ。新刊『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』も好評発売中です。
最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>
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■音喰らう脳髄[45]
謝意謝意謝意(あめあられ)
モモヨ
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140200.html
>
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今年も桜の時節となった。例年、寿命がどうたらとかごたくを並べる季節である。その前兆というか、今年は、愚痴を垂れ流す前におおきく体調をくずした。
他人の体調不良など、読んで楽しいものじゃないので、ここでは詳らかにしない。とにかく体調不良であちこちに迷惑をかけたのは確かだ。で、そうした被害者の中にはデジクリの編集に携わっている皆さんがいる。もちろん読者のかたがたもいる。そうした方のためにあれこれと症状を並べて、平身低頭、とにかく謝意を雨あられと振りまきたいところではあるが、今は遠慮しようと思っている。
だいたい、私は病気を観察するのが大好きで、というより、そんな野次馬親父を脳内に飼っていて、少しでも珍しい病にかかったり症状をていしたりすると、その親父がもぞもぞと起動して、あれこれと分析をはじめ、観察し、あるいは実験をするのである。たとえば、点滴速度と手足の角度、位置との相関関係を実証的に検討したりもする。
娘が小学校にあがる直前の話だから今から六年前になるが、ひょんなことから病院送りになった。その時のことである。腕をベットの外側、床近くまで垂らすと、点滴のスピードが倍増することを発見。それを面白がって眺めていたら、予定所要時間の半分で点滴を終えてしまった。
むろん体によいはずがない。こめかみが膨張したような気がして目玉が破裂しそうだったし、看護師さんにも思いっきり叱られた。しかし、点滴というものが高低差に左右されるものであることを実証したことが妙にうれしかったものだ。それも、かの親父の仕業である。
とにかく、病気になれば、むしろ筆まめになるのが私の常なのだが、今回は、思うところあって遠慮させていただく。なにしろ桜がちらほらとほころびかけている季節。そのうえにお彼岸である。
関東地方は、先週末の雷雨以来、不気味なほどぽかぽか陽気が続いている。ここのところ昼寝をするのに最適な陽気である。であれば、少々風流に染まりたいではないか。
先日、裏通りを歩いていたら、塀のうえを歩いていた猫が梅の花の香りをかいでいるのを見かけた。猫ですらそんな調子だ。人間が風流をめでずしてどうする。そのうえに、かの病院送りの年に入学した娘が、この春、小学校を卒業するという個人的事情もある。卒業といっても、所詮は直後に入学が控えている。何がめでたいのか、何がめでたくないのか、定かではないものの、それなりにTPO(のようなもの)は尊重したいと思っている。というか、複雑な心境なのである。
私の病気はさしたる問題ではないものの、世の中の病理については、そうも言ってられない。あれやこれやと相当に深刻だ。国内を見ても陰惨な事件が続き、海の外では飢餓や殺戮がくりひろげられている。思えば、娘たちは、そうした惨状の後の世界を生きていかなければならない。それを思うと、めでたいのか、めでたくないのか、さらに判断がつかなくなる。
それでも生きていく、そして自分なりの決着をつけるのが人間なのだろう。彼女が成長した果てのある春の日に、咲く桜、散る桜に目をとめて、春の日差しを美しいと感じられればいい。そんなことを思う、呆けた春の昼だった。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/
>
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■セミナー案内
JPC定例セミナー『ミス・ロス・トラブルを撲滅しよう!』
〜ミスを発生させないフロー&ミスを発見するツール〜
< http://www.jpc.gr.jp/jpc/seminar/080327.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140100.html
>
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<主催者情報>
デジタル制作の環境が整い、利便性やスピードの向上が進む一方、逆にミスが多発したり、チェックを二重化しかえって人手が増えた、なんてことはありませんか? 自動化によるヒューマンエラーの排除や、デジタル校正ツールを活用した校正作業の効率化など、リスクを低減するソリューションは確実に進化しています。
今回のセミナーでは、デジタルワークの基本を見直し、ミス排除のポイントを確認すると共に、リスクを低減する各種ソリューションをご紹介致します。
主な対象者:ライター、編集者、デザイナー、プリプレスなどの制作・印刷関係者、ミス・ロス・トラブル・印刷事故でお困りの方、防止策を検討中の方、その他、Webサイト・ドキュメントデータ制作など校正業務に関わる方
日時:3月27日(木)13:30〜17:15(13:00受付開始)
会場:アップルジャパン株式会社セミナールーム(東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティータワー32F)東京オペラシティビル直結
< http://www.apple.com/jp/employment/overview.html
>
参加費:JPC会員無料、一般参加者5,000円
入会のご案内:< http://www.jpc.gr.jp/jpc/join/index.html
>
◎プログラム
13:30〜14:20(50分)
「デジタルワークの基本を見直そう!ミス排除のポイント確認」
株式会社カムロックシステムズ デジタルワークフロー・アドバイザー 百合智夫
14:30〜15:10(40分)
Adobe InDesign CS3(Win版)上での本格的な文章校正も実現
「言葉のミスを防止しよう! 入力・校正支援ツールのご紹介」
株式会社ジャストシステム 法人ビジネス部 村尾昌浩
15:20〜16:10(50分)
制作プロセスを自動化・緻密なデジタル校正を実現
「制作のミスを防止しよう! プロセス自動化・PDF校正ツールのご紹介」
株式会社Too.(講師:調整中)
16:20〜17:00(40分)
曖昧検索エンジン「EyeMine」搭載!ゲラとPIR後データも比較
「修正のミスを防止しよう! デジタル比較検査ツールのご紹介」
株式会社GTB プロダクトディレクター 山田豊
17:00〜17:15(15分)総括・質疑応答
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■編集後記(3/18)
・「200 PHOTOGRAPHERS 2008 フォトグラファー200人の仕事FILE」を眺めている。玄光社のお家芸FILEシリーズにフォトグラファー編が加わった。一人当たり見開き2ページで、顔写真、連絡先、パーソナルデータ、仕事の写真が整然と並ぶ。写真は2点から8点まで、制作スタッフ一覧も掲載されている。平均5点としても1000点は収録されていて大変なボリュームである。そんなに量があっても、やはり一覧性のある紙の本は扱いやすい。ブラウジングも快適だ。広告で見たことのある写真や、ポートレートは見ていて楽しい(とくに若い女性)。パーソナルデータの欄はなかなか興味深い。非常に幅広い年齢の人が収録されている。たぶん一番若いのは1977年生まれ、今年31歳かな。何人かいる。生年を書かない人が、高年齢者や女性を中心に少なからずいる。だからもっと若い人がいるかもしれない。高年齢者は、もう何10年も写真で飯を食っている著名な人が多い。パーソナルデータの情報が少なすぎる人には不満が残る。たとえば「パリと東京を拠点に活動中。」「福岡生まれ。ガンバリマス。」「20 02年帰国。」「1960年生まれ。200年株式会社×××設立。」これだけでは、どんな人なのか分からない。この人は読者をなめているのか、とさえ思う。各人のWEBサイトに詳しく出ているのかもしれないが、FILEというスタイルの本ではパーソナルデータの情報量は揃えた方がいいと思う。
この本は、各メディアのクリエイターや雑誌編集者にとって「写真家のデータベース」として重宝する。掲載されたフォトグラファーは、自身のプレゼンテーションに使える(同時に、ほかのフォトグラファー=ライバルも意図せずに紹介してしまうことにもなるが)。月刊「コマーシャル・フォト」では2002年から、毎年6月号で編集部が今後さらなる活躍を期待する100人を選び、「100 PHOTOGRAPHERS」を特集してきた。人数は100人なので、毎年の人選には年齢制限を加えるなどして入れ替えをしてきたという。そのためデータベースとしての利用では、古い「100 PHOTOGRAPHERS」を持ち出す必要もあり不便ではあった。そこで、これまでの「100 PHOTOGRAPHERS」に掲載したフォトグラファーを中心に、編集部が独自の視点から200人を選んだのが、今回の大冊「フォトグラファー200人の仕事FILE」である。なお、最新版の「100 PHOTOGRAPHERS」は5月15日発売の月刊「コマーシャル・フォト」6月号とあわせれば、最新のデータベースになる。いまでは多くのフォトグラファーがWEBサイトを持っている。すべてにリンクできれば、データベースの使い勝手はさらに向上する。しかし、紙の本ではリンクが不可能である。そこで「フォトグラファー200人の仕事FILE」サイトをつくって、すべてにリンクをはれば最強である。紙のデータベースを補強するシカケ、いいと思うが。(柴田)
< http://www.genkosha.co.jp/np/detail.do?goods_id=773
>
掲載フォトグラファー名一覧
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4768302580/dgcrcom-22/
>
アマゾンで見てみる
・『デザインのひきだしvol.4』。本屋で見てぶっ飛びました。即買い決定。津田淳さんという人がいるのかと本気で思いました……。/普段の行動が信用を生む。モモヨさんはきっちりされていて、ごくたまに連絡が遅れることがあると、緊急事態だと慌てふためく編集部。/確定申告、最終日に滑り込み。出金伝票類(領収書は一枚ずつ出金伝票に留めている)は、毎月マメに経理ソフトに入力していたので、そのあたりでは慌てていなかったのだが、経理ソフトから出力した損益計算書や貸借対照表を見ると実態に即していない気がして、原因解明のため時間をとられてしまった。一番大きな原因は減価償却。年末の減価償却入力を忘れていたのだ。未消却残高が違っていても申告はできるが、気になりはじめるとダメ。気になって過去の申告書類を見直しはじめたり、過去分も含めてレジスタ出力して突き合わせ。雑費にまわしていた経費で気になるものは科目を作ったり、経理ソフト以外でも毎年大まかなもの、減価償却などの確認できるようにエクセルにまとめたり。青色申告専用ソフトならこういうのも揃っているのかな。/国税局サイトの申告書類作成コーナー。半角で入れても全角に変換してくれたら楽なのになぁ。郵便番号入れると住所の途中まで出てきたら楽だよなぁ。(hammer.mule)
< http://www.tibethouse.jp/
> 昨日忘れてた
ロートレック展 六本木ムーラン・ルージュ
武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140400.html
>
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ロートレック展を見るために、東京ミッドタウンのサントリー美術館に行ってきた。広々とした空間のとてもリッチなビルに、心も躍る。
< http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol01lautrec/
>
エスカレーターで上ると天井から吊るされたロートレックのポスター。するどくこちらを見据える女性がかっこいい。顔に描写の密度を集中させて、周囲をさらりと描いたような、すばらしく大人っぽい画風。力んで描いてないように見せて、最適な頃合で仕上げられている。
私は高校で美術科だったのだけれど、ロートレックはその頃から大好きだった。油画専攻で美大受験をするために予備校へ通っていたので、ピカソやクリムト、ルドンなどの画集を集めて参考にした。考えてみれば相当贅沢だけれど、当時は巨匠を参考にすることに躊躇はなかった。最高のものを見た方がいいに決まっているのだ。
ロートレックの作品は美大受験を志す者にとって、学ぶところが非常に多い。何と言っても人物の動きや表情を瞬時に捉えているので、時間制限のある受験で必要な狙いを定めたスピーディな描写は憧れだったのだ。
今回の展覧会でも、厚紙にグァッシュ(絵の具)をダイレクトに塗る手法の作品が多かった。人物のスケッチを、厚紙の地色を生かして絶妙な塗り残しで仕上げている。
私も若い頃に油絵の具でこの手法のものをたくさん描いた。いわゆる油彩クロッキー。布のキャンバス地は値段が高く、時間をかけて塗り重ねるタイプの絵に向いている。一方厚紙は値段が安いわりに豚毛などの硬いブラシでもしっかりと絵の具をのせることができて適度に吸い込みも良いので、すばやく筆を走らせるクロッキー、スケッチ類にはもってこいなのだ。
クロッキーのスピードで(一枚を10分程で)描くわけだから、厚紙は一日に何枚も用意する。この方法はお金がない受験時代にもとても経済的。乾けば重ねて保存もできる。
ロートレックは裕福な家庭に生まれているけれど、彼の描写のスピードを生かすためにも厚紙が向いていたのだと思う。
そして絵の題材とされたきらびやかなパリの夜の世界は、なんと魅力的なのだろう。展示されていた当時の写真や動画から、人々の娯楽にかける情熱に驚く。店の象徴となる赤い風車や、巨大な象の人形、店内装飾、着飾った人々。
ロートレックは多くの女優を描いたけれど、その顔がその内面をストレートに捉えたものだったことから、時には嫌がられることもあったという。きれいに描いて欲しい女心はわかる。でも私がもしその時代にいたら、女優に耳打ちしたい。「描いといてもらわなきゃ損。もしかすると100年後にあなたの顔がポスターやハンカチになっているかもしれないから。」
実際に、今回は女優のプリントされたハンカチをおみやげに買った。展覧会記念グッズだ。当時の有名な女優だから絵になっているけれど、ロートレックの絵だから東京のミッドタウンでハンカチになったのだ。
今回の展覧会はグッズが充実していてグッズ好きには楽しい。買ったのはクリアファイルとか、ハンカチとか、メモとか。ファンシーグッズ的でもある。ロートレックの絵は計算された黒のシルエットが美しいので、遠目が効いて力強くて商品にプリントしてもとても映える。
そしてロートレックと言えばリトグラフのポスター作品。初期の印刷技術が生かされている。私は多摩美時代に油画専攻だけれど、3、4年で版画クラスを選択して卒業制作がリトグラフだった。なんだか時代は違うのに、絵を学ぶって通る道は狭いのかな。
版画は最初から構図を決めて作っていくので、スケッチとは少し温度が異なる作業になる。ある意味計画性がないと辛くなってしまう。紙相手に色をすり重ねるのは、思いつきや偶然性ではないステップを踏んだ作りこみの世界だ。
そういう職人的な割り切りもうまいのが、ロートレックの凄さだと思う。ポスターだから絵に文字も入り、もちろんグラフィックデザインでもある。その文字の魅力も遊び心満載だし、時代を感じさせてかっこいい。絵、版画、グラフィックデザイン。今の時代に彼が人気があるのも納得だ。
展覧会の終盤は晩年の作品が展示されていく。病床の彼の写真もある。なんと37歳でその生涯を終えたというのには、今更ながらショックだった。自分はもうその歳を過ぎている。
受験の頃こそ、昔の偉い画家だと思って画集にかじりついていたけれど、全作品が37歳までに作られたものだったのだ。それはあまりにも若いし早い。
日本の美術も好きで、浮世絵や美術品に影響を受けていたというロートレック。本人が殿様のような日本の衣装で写真に写っているのも有名。後ろを通り過ぎた女性が「コスプレだ」とつぶやく(笑)。
世界のいろんなところが多様に美術を生み出して、それぞれが影響しあっていたのは今も昔も変わらなかったんだな。
旅行でちょうどパリに行く予定になっていたので、東京のロートレック展を先に見た。このコラムが掲載される時には、実際のパリのムーランルージュにも行って来たはず。トラブルがなければ。想像と実際にはどのような違いがあるか確めたい。
【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
ロートレックの時代は日本では江戸から明治へと変わる頃。100年ちょっとでこうも時代が変わると思うとおそろしい。
装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>
「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>
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■気になるデザイン[9]
Gem Collectionのカバーに潜んだ謎
津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140300.html
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みなさんは、長崎出版から刊行されている「Gem Collection」という、海外ミステリシリーズの小説をご存知だろうか?
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海外ミステリ〈ジェム・コレクション〉
英国本格クラシック・ミステリを軸に、新本格・ハードボイルド・サスペンスなどジャンルを広げ、他国の作品も随時取り上げていきたいと思います。Gem〈ジェム〉はもともと宝石・宝玉を指しますが、他にも珠玉・逸品などの意味があり、深い味わいをもった言葉です。歴史のなかに潜んでいるGem〈ジェム〉となる名作を、これから日本に紹介していきたいと思います。ご期待ください。
< http://doremifa.net/nagasaki/
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私はもともとミステリが好きだったこともあるのだが、このシリーズは、相も変わらず書店店頭でジャケットに惹かれて、「なんかおもしろそう」と思って買ったものだ。シリーズ7冊目までが第1期、8冊目からが第2期として、現在まで12冊が刊行されている。
私が最初に目にしたのは1冊目『証拠は語る』。茶色い未晒クラフトの上に、アルファベット(伏せ字多数)がグルグルと渦巻き状に白で印刷され、背には銀の箔押しがズバッとされている。シンプルながら、なんだか謎が頭の中をグルグルまわりそうなストーリーを予感させてくれ、ミステリ好きの私に、非常におもしろそうだ、という期待を抱かせてくれた。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860951425/dgcrcom-22/
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読んでみると、予感通りにおもしろく、またシリーズ2冊目以降もずっと買っていたのですが、4冊目、エリザベス・フェラーズの『嘘は刻む』に「海外ミステリGem Collectionは、カバーと帯に仕掛けがしてあります。第7回配本で謎が解けます。」と書いてあるではないか! なにーっ!? そんなしかけが施されているとはまったくわからなかった……。
7冊目まで揃ったところで、表紙をすべて1列に並べてみたり、カバーを重ねて透かしてみたり、帯にある絵柄を繋ぎ合わせるように並べてみたり……といろいろと試してみたのですが、わからない……。内容自体も最後を読むまで、犯人やなぞがわからないことが多々あったのですが、カバーと帯に潜んだ謎は、答えがないだけに、自力で解くしかない。
じっくり見たり、遠くから眺めたり、並べてみたり、煮たり焼いたりしてみたけど、一向にわからず。悔しくて着物の袂をキィーっと噛み締めていたら、あるとき「本の雑誌」で謎解きされていて、サッとこころのつかえが取れたものの、自力で解けなかった悔しさが今も残ります。はい。
でも、内容でも楽しめ、そしてカバーや帯でも楽しめる。そんなブックデザインもいいよなぁ、と思いつつ、7冊すべて揃えないとわからない謎、ということで、すべて買ってしまう私。出版社の思惑にまんまと乗ってしまったのか!?ということを思わないでもないが、内容がおもしろかったし、これだけ楽しめたから、まぁいいか。
ちなみにこのシリーズ、第2期のブックデザインもすばらしいです。またもやジャケ買いしてしまいました。どうやらこの第2期のカバーにも謎が潜んでいるそうで、「今度こそ自力で解いてやる!」と鼻息荒い毎日です。てへ。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
あの表紙はなんなんですか! と言われることが多い、『デザインのひきだしvol.4』。Gem Collection同様、ジャケ買いして悔いなし、と思ってもらえてたらいいなぁ。新刊『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』も好評発売中です。
最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
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■音喰らう脳髄[45]
謝意謝意謝意(あめあられ)
モモヨ
< https://bn.dgcr.com/archives/20080318140200.html
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今年も桜の時節となった。例年、寿命がどうたらとかごたくを並べる季節である。その前兆というか、今年は、愚痴を垂れ流す前におおきく体調をくずした。
他人の体調不良など、読んで楽しいものじゃないので、ここでは詳らかにしない。とにかく体調不良であちこちに迷惑をかけたのは確かだ。で、そうした被害者の中にはデジクリの編集に携わっている皆さんがいる。もちろん読者のかたがたもいる。そうした方のためにあれこれと症状を並べて、平身低頭、とにかく謝意を雨あられと振りまきたいところではあるが、今は遠慮しようと思っている。
だいたい、私は病気を観察するのが大好きで、というより、そんな野次馬親父を脳内に飼っていて、少しでも珍しい病にかかったり症状をていしたりすると、その親父がもぞもぞと起動して、あれこれと分析をはじめ、観察し、あるいは実験をするのである。たとえば、点滴速度と手足の角度、位置との相関関係を実証的に検討したりもする。
娘が小学校にあがる直前の話だから今から六年前になるが、ひょんなことから病院送りになった。その時のことである。腕をベットの外側、床近くまで垂らすと、点滴のスピードが倍増することを発見。それを面白がって眺めていたら、予定所要時間の半分で点滴を終えてしまった。
むろん体によいはずがない。こめかみが膨張したような気がして目玉が破裂しそうだったし、看護師さんにも思いっきり叱られた。しかし、点滴というものが高低差に左右されるものであることを実証したことが妙にうれしかったものだ。それも、かの親父の仕業である。
とにかく、病気になれば、むしろ筆まめになるのが私の常なのだが、今回は、思うところあって遠慮させていただく。なにしろ桜がちらほらとほころびかけている季節。そのうえにお彼岸である。
関東地方は、先週末の雷雨以来、不気味なほどぽかぽか陽気が続いている。ここのところ昼寝をするのに最適な陽気である。であれば、少々風流に染まりたいではないか。
先日、裏通りを歩いていたら、塀のうえを歩いていた猫が梅の花の香りをかいでいるのを見かけた。猫ですらそんな調子だ。人間が風流をめでずしてどうする。そのうえに、かの病院送りの年に入学した娘が、この春、小学校を卒業するという個人的事情もある。卒業といっても、所詮は直後に入学が控えている。何がめでたいのか、何がめでたくないのか、定かではないものの、それなりにTPO(のようなもの)は尊重したいと思っている。というか、複雑な心境なのである。
私の病気はさしたる問題ではないものの、世の中の病理については、そうも言ってられない。あれやこれやと相当に深刻だ。国内を見ても陰惨な事件が続き、海の外では飢餓や殺戮がくりひろげられている。思えば、娘たちは、そうした惨状の後の世界を生きていかなければならない。それを思うと、めでたいのか、めでたくないのか、さらに判断がつかなくなる。
それでも生きていく、そして自分なりの決着をつけるのが人間なのだろう。彼女が成長した果てのある春の日に、咲く桜、散る桜に目をとめて、春の日差しを美しいと感じられればいい。そんなことを思う、呆けた春の昼だった。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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今回のセミナーでは、デジタルワークの基本を見直し、ミス排除のポイントを確認すると共に、リスクを低減する各種ソリューションをご紹介致します。
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日時:3月27日(木)13:30〜17:15(13:00受付開始)
会場:アップルジャパン株式会社セミナールーム(東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティータワー32F)東京オペラシティビル直結
< http://www.apple.com/jp/employment/overview.html
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参加費:JPC会員無料、一般参加者5,000円
入会のご案内:< http://www.jpc.gr.jp/jpc/join/index.html
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◎プログラム
13:30〜14:20(50分)
「デジタルワークの基本を見直そう!ミス排除のポイント確認」
株式会社カムロックシステムズ デジタルワークフロー・アドバイザー 百合智夫
14:30〜15:10(40分)
Adobe InDesign CS3(Win版)上での本格的な文章校正も実現
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15:20〜16:10(50分)
制作プロセスを自動化・緻密なデジタル校正を実現
「制作のミスを防止しよう! プロセス自動化・PDF校正ツールのご紹介」
株式会社Too.(講師:調整中)
16:20〜17:00(40分)
曖昧検索エンジン「EyeMine」搭載!ゲラとPIR後データも比較
「修正のミスを防止しよう! デジタル比較検査ツールのご紹介」
株式会社GTB プロダクトディレクター 山田豊
17:00〜17:15(15分)総括・質疑応答
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■編集後記(3/18)
・「200 PHOTOGRAPHERS 2008 フォトグラファー200人の仕事FILE」を眺めている。玄光社のお家芸FILEシリーズにフォトグラファー編が加わった。一人当たり見開き2ページで、顔写真、連絡先、パーソナルデータ、仕事の写真が整然と並ぶ。写真は2点から8点まで、制作スタッフ一覧も掲載されている。平均5点としても1000点は収録されていて大変なボリュームである。そんなに量があっても、やはり一覧性のある紙の本は扱いやすい。ブラウジングも快適だ。広告で見たことのある写真や、ポートレートは見ていて楽しい(とくに若い女性)。パーソナルデータの欄はなかなか興味深い。非常に幅広い年齢の人が収録されている。たぶん一番若いのは1977年生まれ、今年31歳かな。何人かいる。生年を書かない人が、高年齢者や女性を中心に少なからずいる。だからもっと若い人がいるかもしれない。高年齢者は、もう何10年も写真で飯を食っている著名な人が多い。パーソナルデータの情報が少なすぎる人には不満が残る。たとえば「パリと東京を拠点に活動中。」「福岡生まれ。ガンバリマス。」「20 02年帰国。」「1960年生まれ。200年株式会社×××設立。」これだけでは、どんな人なのか分からない。この人は読者をなめているのか、とさえ思う。各人のWEBサイトに詳しく出ているのかもしれないが、FILEというスタイルの本ではパーソナルデータの情報量は揃えた方がいいと思う。
この本は、各メディアのクリエイターや雑誌編集者にとって「写真家のデータベース」として重宝する。掲載されたフォトグラファーは、自身のプレゼンテーションに使える(同時に、ほかのフォトグラファー=ライバルも意図せずに紹介してしまうことにもなるが)。月刊「コマーシャル・フォト」では2002年から、毎年6月号で編集部が今後さらなる活躍を期待する100人を選び、「100 PHOTOGRAPHERS」を特集してきた。人数は100人なので、毎年の人選には年齢制限を加えるなどして入れ替えをしてきたという。そのためデータベースとしての利用では、古い「100 PHOTOGRAPHERS」を持ち出す必要もあり不便ではあった。そこで、これまでの「100 PHOTOGRAPHERS」に掲載したフォトグラファーを中心に、編集部が独自の視点から200人を選んだのが、今回の大冊「フォトグラファー200人の仕事FILE」である。なお、最新版の「100 PHOTOGRAPHERS」は5月15日発売の月刊「コマーシャル・フォト」6月号とあわせれば、最新のデータベースになる。いまでは多くのフォトグラファーがWEBサイトを持っている。すべてにリンクできれば、データベースの使い勝手はさらに向上する。しかし、紙の本ではリンクが不可能である。そこで「フォトグラファー200人の仕事FILE」サイトをつくって、すべてにリンクをはれば最強である。紙のデータベースを補強するシカケ、いいと思うが。(柴田)
< http://www.genkosha.co.jp/np/detail.do?goods_id=773
>
掲載フォトグラファー名一覧
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4768302580/dgcrcom-22/
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・『デザインのひきだしvol.4』。本屋で見てぶっ飛びました。即買い決定。津田淳さんという人がいるのかと本気で思いました……。/普段の行動が信用を生む。モモヨさんはきっちりされていて、ごくたまに連絡が遅れることがあると、緊急事態だと慌てふためく編集部。/確定申告、最終日に滑り込み。出金伝票類(領収書は一枚ずつ出金伝票に留めている)は、毎月マメに経理ソフトに入力していたので、そのあたりでは慌てていなかったのだが、経理ソフトから出力した損益計算書や貸借対照表を見ると実態に即していない気がして、原因解明のため時間をとられてしまった。一番大きな原因は減価償却。年末の減価償却入力を忘れていたのだ。未消却残高が違っていても申告はできるが、気になりはじめるとダメ。気になって過去の申告書類を見直しはじめたり、過去分も含めてレジスタ出力して突き合わせ。雑費にまわしていた経費で気になるものは科目を作ったり、経理ソフト以外でも毎年大まかなもの、減価償却などの確認できるようにエクセルにまとめたり。青色申告専用ソフトならこういうのも揃っているのかな。/国税局サイトの申告書類作成コーナー。半角で入れても全角に変換してくれたら楽なのになぁ。郵便番号入れると住所の途中まで出てきたら楽だよなぁ。(hammer.mule)
< http://www.tibethouse.jp/
> 昨日忘れてた
- 200フォトグラファーズ2008 (コマーシャル・フォト・シリーズ)
- 玄光社 2008-03-07