【前回のあらすじ】
健康促進グッズの製造・販売をしている腹肥商事は、社長の山本と微妙なアイデアマン、相川の二人で切り盛りしている会社。山本社長はダイエットDVDを企画するも、身の危険を察知した相川に逃げられてしまう……。
「社長、ここ数日、まったく電話がかかってきませんね。」
「うむ、アメリカの経済事情がわが社にまで影響を及ぼすとは……」
「いや、まったく関係ないと思いますよ。ん? まつばら博士から電話だ。なんで携帯のほうにかけてきたんだろ。もしもし、相川です、お世話になっております。その節はいろいろとお世話になり、ありがとうございました。え?ハイ? 本当ですか? 申し訳ございません、すぐ確認いたします、ハイ、わざわざスミマセン……」
《まつばら博士からの一本の電話。なにやら相川の様子がおかしい》
健康促進グッズの製造・販売をしている腹肥商事は、社長の山本と微妙なアイデアマン、相川の二人で切り盛りしている会社。山本社長はダイエットDVDを企画するも、身の危険を察知した相川に逃げられてしまう……。
「社長、ここ数日、まったく電話がかかってきませんね。」
「うむ、アメリカの経済事情がわが社にまで影響を及ぼすとは……」
「いや、まったく関係ないと思いますよ。ん? まつばら博士から電話だ。なんで携帯のほうにかけてきたんだろ。もしもし、相川です、お世話になっております。その節はいろいろとお世話になり、ありがとうございました。え?ハイ? 本当ですか? 申し訳ございません、すぐ確認いたします、ハイ、わざわざスミマセン……」
《まつばら博士からの一本の電話。なにやら相川の様子がおかしい》
「シャチョさん、シャチョさん。会社に電話すると、女性オペレーターが音声ガイダンスでサービス中みたいですよ。」
「何を言っているのか分からんが、そんなサービスは申し込んでないけど。まつばら博士のことだ、この年末の忙しい時期に、またトンチンカンなことを喋って、構ってほしいだけじゃないのか。」
「全然ヒマですけどね。ちょっと、携帯から会社に電話してみますね。」
『おかけになった電話番号は、現在、お客さまの都合により……』
「シャチョさん、シャチョさん、会社の電話、止められてますよ。」
「なんだと? どうりで電話が鳴らないわけだ、ハッハッハ。」
「ハッハッハじゃないですよ! 会社の電話止められてどうするんですか! 仕事にならないじゃないですか、早くコンビニに行って払ってきてくださいよ。」
「スマン相川くん、5千円貸してくれんかね。」
《どうやら電話料金未払いで止められてしまったようです。大丈夫なんでしょうか、この会社》
「従業員のボクがこんなことを言うのもおかしな話ですが、やる気あるんですか? 電話を止められてる会社なんて聞いたことがありませんよ。今月の売上げが幾らか知っていますか? 20万円ですよ、にじゅうまん。どうやってボクの給料を払うつもりですか!」
「まぁまぁ、相川くん、落ち着きなさい。」
「落ち着いてられませんよ! 従業員に電話代を借りる社長なんて、初めて見ましたよ。新しい商品も開発しないで、本当に潰れちゃいますよ!」
「それよりもだな、先日、凄い発見をしてしまったのだ……」
「なんスか、どうしたんスか? くだらない言い訳は聞きませんよ。」
「話すよりも、とにかく見たまえ。」
《パソコンのモニターに向かい始める山本。凄いものって、もしかして…。》
「昼からエロ動画とかは勘弁してくださいよ。」
「これを見たまえ、相川くん! < http://spysee.jp/べちおサマンサ
>」
「うわ、なんですかこりゃ? 有名人だったんですか、彼?」
「ワタシもびっくりしたのだが、なぜか存在している。」
「しかも、イメージ画像が石川さゆりのジャケットじゃないですか。」
「それよりもここを見たまえ! タグが歴史上の人物になっておる。」
「何時代の人だったんですか……。何をやって、歴史上の人物になったんですか……」
「おそらく、勝手に登録した隠れファンか恨みをもった人物が、『ぷぷ、歴史上の人物に設定しておいてやれ、ブフフ。』とやったんじゃないかと睨んでおる。面白いけどね。」
「フリッツ・フォン・エリックと知り合いだったんですかね。」
「知り合いなわけないでしょ。」
《消すのも面倒なので、そのまま放置することにしました。》
「OtakuワールドのGrowHairさんを見ると、< http://spysee.jp/GrowHair
>
まぁ、イメージ画像はまともだとして、キーワードの組織・団体に注目。」
「カメコ……。」
「カメコのNPO法人でも設立したような勢いを感じるだろ? それに羅列してあるキーワードをよく読んでみたまえ。」
「……。際どいですね。ところで、なんですか、コレって。」
「あのひと検索 SPYSEE(スパイシー)といってな、次世代の検索エンジンらしいのだ。出始めた頃から知ってはいたが、まさか、べちおサマンサが検索でヒットしてくるなんて思いもよらなかった。」
「確かにびっくりしますね。」
「著名人に限らず、個人でも調査・分析を依頼すると登録されるらしい。現に、一般サラリーマンのべちおくんが出てくるくらいだからね。」
「勝手に調査依頼されると、某検索エンジンのプライバシー問題のような騒動が起こりそうな予感ですね。」
「確かに。相川くん、次にこの人のを見たまえ。」
《誰かが自分のことを勝手に登録しても、きちんと運営側で削除対応はしてくれるようなので、自分を見つけてしまったら冷静に対処しましょう。》
「うわ、永吉さんじゃないですか。< http://spysee.jp/永吉克之
>な、永吉さんって女性だったんですか? しかもアイドルみたいですけど…」
「熱烈な地下ファンが多い永吉さんは、どこかインテリジェックで、いつも窓から遠くを眺めている寡黙な男のイメージがあるでしょ?」
「ありますね。近寄りがたいオーラがありそうですもんね。」
「まさか、酔っ払ってエスカレーターにズボンの裾が巻き込まれそうになったり、躓いて電車の券売機に顔面を殴打した永吉さんを想像できるかね?」
「できませんね。」
「そのイメージを打破した画像だ。」
「この画像って、ご本人は知っているんですかね?」
「わからん。わからんが、ワタシは何もしていないぞ。それで、繋がりはまだまだ続くのだよ、相川くん。ここから柴田編集長へ飛んでみたまえ。どうだね、このイキナリな圧倒感は!< http://spysee.jp/柴田忠男
>」
「これはインパクトありますね…。大相撲大全集〜昭和の名力士〜ですか……」
「実は、柴田編集長のイメージ画が選択されていなかったので、ワタシが勝手にメイン画像を変更してみたのだよ。ハッハッハ」
「怒られますよ……」
「それよりも気になる項目に気が付かないかね。」
「え? どこですか?」
「ここだよ、ココ。」
「あ。『柴田忠男がメイド喫茶に行った』って最新ブログの紹介ですね。柴田編集長も行くんですね、メイド喫茶。やっぱり、オムライスにケチャップで『自転車萌えキュン』とか書いてもらうんですかね。」
「これはもう、変なタイトル付けて変なこと書けなくする、戒めシステムに近い環境だ。名前を変えて地下に潜らないといけない時代の到来だよ。」
《セマンティックウェブの技術は、まだまだ発展途上。これからに期待です》
「面白いなと思ったのが、テレビSPYSEE。< http://spysee.tv/
>地域、時間帯を選択すると、その地域の放送されている内容から、出演者や関係者が表示される。出演者をクリックしてその人のページに飛ぶと、プロフィールなどの情報はもちろん、関連動画まで埋め込まれているサービスっぷり。まさに至れり尽くせり。ウチも、このきめ細かい仕事を見習わないとな。」
「うち、健康促進グッズ会社ですよ。なにを夢みているんですか。それより、今回はまともなネタですね。」
「今年最後だからねぇ。ビシっと決めないとね、ビシ! っと。」
「ビシ! っと決めるなら、会社の電話代くらい自分で払ってくださいよ。」
「ところで、相川くんはお正月の予定はあるのかね? なければ、家に来ないか? 8年前に、妻が出産でお里帰りしたまま帰って来なくて寂しいんだよ。去年、あまりにも戻ってこないので、心配になって妻の実家に迎えに行ったら、実家ごと引越していてね。行方が分からないんだ。」
「SPYSEEで探してみたらどうですか?」
【べちおサマンサ】 pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマー兼、ナノテク業界のR&D。
・mixiで誕生日のお祝いコメント&メッセージをたくさんいただき、ありがとうございました。今年はいろいろな人たちから支えられた一年だと感謝しております。来夏頃に、感謝の気持ちをたくさん込めて、アーティスト、クリエイター、ミュージシャンたちと、小規模ながら異種コラボの開催を計画しております。
・2008年度の『アナログステージ』は今回が最後です。来年はデジタルネタも含め、ギリギリな裏話を綴れればなぁ……と。読者様の健康とご多幸を横浜から祈りながら、来年も宜しくお願い申し上げます。良いお年をお迎えください。