おかだの光画部トーク[9]初心者向けデジカメ入門:1 カメラを選ぶ《その8》アートなレンズ
── おかだよういち ──

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前回は、単焦点レンズのオススメを紹介しました。今回は、とてもアーティスティックで味のある写真が撮れる、おもしろい特徴のあるレンズを挙げてみます。

レンズの紹介と言いながら、最初に紹介するのはレンズではなく、カメラキャップです。しかし、ただの蓋ではありません。ピンホール写真が撮れるカメラキャップです。

ピンホールとは針の穴の意味で、レンズの代わりに、直径0.2〜0.5mm程度の穴を使います。この針穴を通った光は、センサー面で像を描きます。何故そうなるかの理屈は、文章だけでは難しく長くなるのでここでは省きますが、写真の原点なので興味があれば、"ピンホール写真"で検索すれば作例も含め色々な文献が出てきますので調べてみてください。Flickrなどの写真共有サイトでも"Pinhole"で検索すれば作例も多く出てきますので参考になります。
< http://www.flickr.com/groups/95279410@N00/
>



さて、ピンホールの特徴は以下の3つです。
・鮮明ではない柔らかく優しい画像になる。
・近くから遠くまで均一に写る。
・センサーに届く光量が少なくシャッターを開ける時間が長い。

これらの特徴から、ピンホールで撮影した写真は、なんとなく夢で見るような幻想的な印象を受けます。古くから楽しまれてきているピンホール写真ですが、デジカメになってからは現像やプリントをして確認する手間が要らない事で、とても身近になり誰でも楽しめるようになりました。

Kenko[ケンコー]ピンホールカメラレンズ02 ピンホール撮影 一眼レフ用ピンホール写真にハマると、この穴を自作して自分なりのお気に入りピンホールを追求するようになるのですが、いきなり自作するのも大変なので、購入する事ができます。レンズやフィルターなどカメラ周辺機器メーカーの"Kenko"から出ているものや、
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0017T4UWM/
>
ピンホールカメラキャップ専門のネットショップ"ピンホール写真本舗"など。
< http://ph-style92.ocnk.net/
>

値段も手頃で、普段使うレンズとは全く違う、のんびりとした贅沢な時間を楽しめるアイテムじゃないかと思います。

次に紹介するのは、"Lensbaby"。サイトに「写真の世界にクリエイティブなスパークを巻き起こす不思議なレンズ」とコピーが書かれている通り、とてもアートで楽しい写真が撮れるおもしろいレンズです。

レンズベビーオリジナル、レンズベビー2.0、レンズベビー3Gと進化しながら何種類か出ていますが、原理はどれも同じ。ピントリングが付いていない代わりに、全体が蛇腹になっいます。その蛇腹を指でぐねぐねと伸ばしたり縮めたり傾けたりして、フォーカスが合う位置を自在に操作します。すると、通常ではありえないようなピントの合い方になって肉眼では見た事もないようなおもしろい写真が写ります。

さらに、ハート型や☆型、某ネズミ型など自分で好きな形の絞り穴を作ってはめ込む事で、点光源がその穴の形になるのでイマジネーションを膨らませてファンタジーな光のアートを写す事もできます。
< http://s-style-arts.info/index.php?ID=307
>

Flickrでも、世界中の多くの人がこのおもしろいレンズを楽しんでいるようです。
< http://www.flickr.com/search/?q=lensbabies
>
ふつうのレンズでは絶対に撮れないし、同じような効果を後からPhotoshopで加工しようとするとかなり時間もかかるので、ひとつこんなオモチャを持っておくとバリエーションが広がって楽しいかもしれません。
< http://lensbaby.jp/
>
< http://www.lensbabies.jp/feature.html
>

ケンコー LENSBABY  コンポーザー フォーサーズマウント用 LBCO 085595最近、レンズベビーコンポーザーという、蛇腹ではなくボールベアリングで光軸を変える新しいタイプのものもリリースされているようなので、今度試してみたいと思います。
< http://www.kenko-tokina.co.jp/news/2008923news.html
>
< http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_gw?url=search-alias%3Daps&field-keywords=LENSBABY+COMPOSER
>

前回までのレンズと違って、トイカメラ風に"ちゃんと撮れない感"を楽しむ事もできるのもレンズ交換が可能な一眼レフならでは。どんな風に写るか分らない、一期一会的な偶然性を撮影するのも、デジカメだったら躊躇なく気軽にいくらでもシャッターを切れますので、いい作品と出会う確率も高くなります。そんな感じのゆるい写真も素敵ですよ。

※カメラの機種によっては、露出計が動かなかったりシャッターが切れなかったりと、機能しないものもあるかもしれないので、ご購入の際は所有しているカメラで使えるかどうかご確認の上検討してください。

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >
あっという間に2月も終わりますね。3月に発表が噂の、新しいMacのデスクトップラインナップが気になる今日この頃。