おかだの光画部トーク[12]初心者向け被写体別撮影 Tips:2 結婚式の撮影を頼まれたとき(準備編)
── おかだよういち ──

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前回の「桜を撮ってみよう。」から2週間、今年は開花後の寒の戻りで花冷えが長く続き、例年よりも満開まで時間がかかっているようです。わたしの住んでいる兵庫県の瀬戸内海側では今週、見ごろを迎えています。

桜も満開、ウキウキ楽しい春になると、何かとおめでたい話もあちこちから聞こえてきます。わたしの周囲でも何組か、この春ご結婚されるようです。そこで、今回は春の結婚式シーズンに向けて結婚式での撮影のTipsや注意点などの話をしてみましょう。



今までにわたしも、フィルムの時代から何組もの結婚式・披露宴の撮影を依頼されて撮ってきました。しかし、何度経験しても、デジカメで撮影するようになった今でも、ブライダルの撮影は緊張してお腹が痛くなります。なんと言っても、やり直しはきかないし、失敗しても写ってませんでしたでは済みませんから大変です。

そんな結婚式・披露宴の撮影ですが、正式に依頼されてメインで撮る場合と、ゲストとして出席して、大勢の参列者のひとりとして撮る場合があると思います。結婚式場やホテルなどでは、専属のカメラマンやブライダル撮影の業者がついている場合がほとんどで、外部の人間がメインで撮影するとなると、高額な持ち込み料金がかかったりするので、通常はメインでの撮影を頼まれることはあまりないと思います。そもそも、この連載は初心者向けと題しているので、出席者としてサブで撮ることを考えてみましょう。

サブとはいっても、本気で撮ると後で物凄く喜ばれるので、それなりにポイントを押さえておくことが大事。そのためにまずしっかりと準備をして、シミュレーションしておきましょう。

まず、前日にちゃんとバッテリーとメモリのチェックをしておきます。バッテリーは必ずフル充電して、出来れば予備をひとつ買い足しておくと、いざという時も安心です。会場には充電用のACアダプターも持って行くとより安心です。予備のバッテリーを使う時は、なくなった方をその場で充電しておくと、その後も躊躇なく撮れますから。

そして、メモリも同様に予備を持っておくと枚数を気にせずに撮影できますから、必ず準備しておきましょう。最近では大容量のSDやCFもかなり安くなってきていますので、何枚あっても無駄になりません。これで、とにかくいざという時に電池がなくて撮れないとか、メモリがいっぱいでこれ以上撮れないなどいう失敗は回避できます。

ここで、プロはもう何台か予備のカメラを準備していきます。精密な電子部品のかたまりのカメラですから、突然壊れることがあるかもしれないからです。バッテリーもメモリも完璧でも、カメラが壊れて電源が入らないという状況は悲惨すぎます。更にわたしの場合、車に機材を積む時は後ろのトランクではなく後部座席にします。もし道中後ろから追突されたら、トランクよりもまだ被害は少ないと思うからです。とにかく、それくらい「撮れない」という失態を避けるよう準備します。

メインで撮影ではない場合は、そこまで考えなくてもいいと思いますが一応、写ルンです的なレンズ付きフィルムくらいは、デジカメがトラブった時のバックアップ用に鞄に入れておくとよいかもしれません。

レンズも汚れていないか、しっかりチェックしておきましょう。招待状などを参考に、事前に会場の様子などを調べておくと、持って行くレンズのチョイスに役立つかもしれません。屋外での挙式の場合もありますし、屋内のチャペルの場合もあります。また特別な演出で、キャンドルライトの中での挙式など、撮影にかなり難しいシチュエーションもあります。披露宴も暗い室内だったりガーデンパーティだったり様々なので、現場で驚かないように、出来ればどんな感じの挙式・披露宴かを予め聞いておくといいでしょう。

当日、式次第や披露宴の進行表などが配られたらしっかり確認して、次に起こる出来事を予め把握しておけば、大事なシーンを逃さずしっかり対応できます。

わたしもブライダル撮影でまだ経験が浅かった頃、前撮り(挙式とは別の日に時間を取って撮影)で、チャペル内でも撮影していたので
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3420012860/in/set-72157615670331003/
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光の具合や明るさなど勝手に「こんな感じか。」と決めてしまってたのですが、挙式当日、チャペルのドアから中に入ってびっくり。

なんと、キャンドルウエディングで真っ暗なチャペル内にキャンドルの明かりだけという、とってもロマンチックな雰囲気でした。今だったらいつでもISO感度を自由に変更できますが、当時フィルムでの撮影だったので、かなり焦りました。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3420013062/in/set-72157615670331003/
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暗いチャペル内での挙式撮影をなんとか切り抜け、披露宴会場に入ってみるとこれまたびっくり。新郎の好きな海の中のイメージの演出になっていて
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3419204793/in/set-72157615670331003/
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フィルムではどんな色に写るのかよくわからない色温度で、現像があがってくるまで不安でずっとお腹が痛い状態が続きました。事前にしっかりチェック!がとても大切だと痛感しました。(※以上のサンプルはフィルムをスキャンしたものなので正確に表現できてない部分もあります。)

という感じで、今回は準備だけで終わってしまいましたが、結婚式に限らずあらゆるイベントに通じることだと思います。子供の入学式や運動会、その他やり直しが利かないいろんな行事で撮影する場合には、しっかり準備をしておくと余裕をもって撮影に臨めます。

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
okada@s-style-arts.com
< http://s-style-arts.info/
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