KNNエンパワーメントコラム 激安ハワイ旅行にトライ──本当にこんな値段で旅行ができるか? 実験企画!
── 神田敏晶 ──

投稿:  著者:


KNN神田です。

2009年5月11日(月)からハワイにきています!
なんと価格は6日間で39,000円(でも…この価格にはワケがありました!)
選んだ旅行会社は、てるみ倶楽部さん
< http://www.tellmeclub.com/
>

はじめてのおつきあいとなります。いつもお世話になっているHISさんごめんなさい…。激安ツアーの理由を体験したかったのです。

5月9日のGW連休終わりだと、5日で32,800円。
飛行機代とホテル代とホノルル空港送迎があってこの値段は破格!
本当に、こんな値段で旅行ができるかの実験企画! のはじまりです。

最初は、Googleで「格安 ハワイ」で検索。
TOPと2番目はHISさん。
< http://www.his-j.com/dst/hawaii.htm
>
そして、3番目に旅行比較サイトのトラベル.jpさん
< http://www.travel.co.jp/
>
2009年5月8日発から調べて、一番安かったのが、上記のてるみ倶楽部さん



空席紹介・予約で申し込むと、値段の差が渡航出発時期によって違うことがわかる。5日間で32,800円、つまり1日にすると、6,560円。家賃と比較しても、東京で暮らしているのと変わらない価格だ。

コンドミニアムで指定してみると、なぜだか5万円以上する。なんと、6人一部屋でこの料金だったのだ。何だ。最初から6人でと明記すべきだ!
ちっとも最安値ではないではないかーい!

次に期間を6日間にして検索した。
ホテル指定なし、空港指定なし、で39,000円
これならば本当に安い!

成田空港使用料  2,040円
米国空港諸税   6,610円
燃油サーチャージ 4,000円
これらの合計が  12,650円(これらの金額も足せば高くなる)
合計で、51,650円なり。

最初からこの金額だと、触手が動かなかったけど、1日あたり8,608円。
海外旅行だし、サーフィンできると思えばやっぱり安い!

ただし、ハワイの場合、6日間といっても、時差が一番多く、初日は19時間得して、最終日は19時間損をする感覚に注意が必要だ。6日間といっても、現地泊では、4泊4日分である。5日間では、現地3泊3日と考えたほうがよい。日本の夜発便で、朝に到着するのはいいが、実は日本時間の夜が5時間も少ないから、下手をすると初日は寝てしまっておしまいになりかねない。

日本とハワイの時差 計算方法
< http://www.hawaiiantowns.com/time-difference/
>

こうやって、時差表を見ると一目瞭然だが、日本の18時のフライトでも、ハワイはすでに23時。機内食が出始めるのが深夜の1時前後くらい、それから映画見たり、のんびり過ごすのではなく、時差調整のためには、飛行機に乗った瞬間から現地時間で考えないと、到着してから大変なこととなる。

だから、時計は機内では、現地時間で表示しておく。というのも、飛行時間が8時間で、時差が19時間。つまり、18時のフライトでは、日本の明朝3時に現地到着する。現地時間でいうと朝の8時。5時間も夜が足りない。とにかく、日本からハワイに行くには、機内でさっさと眠るに限る。

それを考えると、機内での2回の食事は、不要というケースもありだろう。深夜の1時と、朝の7時に2回も起こされるからだ。それだけではない、機内に灯りがつくし、倒した座席を元に戻される。つまり睡眠が妨げられる。

こんな事なら、機内ミール不要の、超エコノミーコースがあってもいいと思った。乗ったら、リクエストがある以外、ノーメンテナンスでかまわない。料金も一緒でいいから、決して起こさないでほしい…。余分なサービスを省くのも、サービスのひとつだと思う。

ようやく決意を決めて、この激安ツアーでハワイに行く事になった…。
ネットで「WEB限定! 5〜7月ホテル充実 ホテル指定なしキャンペーン」で申し込み、請求書が届きました。39,800円+12,650円でした。

※米国空港諸税 6,610円+成田空港使用料2,040円+燃油サーチャージ4,000円から、52,450円の請求書かと思えば、違っていました!
※燃油サーチャージについてはこちら、実は75%が税金! なんと日本では空港整備財源です!
< http://knn.typepad.com/knn/2009/01/%E7%87%83%E6%B2%B9%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE76%E3%81%AF%E7%A8%8E%E9%87%91%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F.html
>

※米国空港諸税の明細はこんな感じ。911以降、いろんなところで不利益が増えています。
米国入国審査料  7USドル
米国税関審査料  5USドル
動植物検疫使用料 5USドル
空港施設使用料  4.5USドル
国際通行税    29USドル
米国空港保安料  5USドル-10USドル
< http://www.nta.co.jp/kaigai/tax/02_america.html
>
より参考

保険料金が、勝手に6,000円上増しされている金額、58,450円。当然、合計金額も違ってきます。ウェブ見積もりと請求金額が違うというところが、根本的にビジネス的に失格ですね。

さらに、「ご注意!米国渡航には、電子渡航認証が必要になります!」という文書まで。WEB限定の商品なんだから、かかる費用はすべて最初からWEBに掲載しておくのが常識だろう。HISでは、最初にすべて料金を見積もることができるのに…。

しかし、よく読んでみると認証代行で5,000円でできるというもの。基本的には自分でやるものらしい。「お客様ご自身で必ず申請してください」とある。しかしだ…、米国大使館、領事館へ問い合わせください、とあり、米国大使館、領事館のURLも電話番号もなし!!! あったのはこのURLだけだ。
< http://www.tellmeclub.com/esta/
>

おいおい、「てるみくらぶ」という会社は、ユーザーのキレ度をテストする会社なのだろうか? 今さらHISに切り替えるわけにも行かないので、他の書類にも目を通すと、

※ホテル指定なしのキャンペーンコースにお申し込みのお客様につきましては、ホテルの最終決定はご出発一週間程度前になります

と明記されていた文書だ。なんと、ハワイのホテルなのに、アンバサダーホテルでは、プールがないそうだ。代案のプールもない。しかも、ビーチまで徒歩で10分もかかる。

ambassador hotel
< http://www.ambassadorwaikiki.com/Japan/
>

ちなみに、通常だと1泊一部屋安いところで83ドルのホテルだ。4泊すると332ドル=約32,000円、ホテルのサイトには、プール改装中の話はまったくなかった…。これはマズイだろ!

この時点で、ホテルが「アンバサダー」にならないことを祈るばかりだ…。ホテルの最終決定を待つ事に…。待てよ…。なぜ、こんな文書を、「ホテル指定なしキャンペーン」の人たちに送ってくるんだろうか? アンバサダーになっても覚悟しておいくださいね…、という意味なのか? 説明が不十分だ。

その前に、出航72時間以内(3日前)に必要となる、電子渡航認証ESTAの手続きをGoogleで調べる…。

まずは、意味を調べるためにwikipediaへ
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=25260461
>

2009年1月12日から必要になったようだ。一度エスタでの認証を受けると2年間有効、ビザを持っていない人には必要。基本的にパスポートとヒモづけられる個人の電子情報と理解する。また、登録は無料ということだ。

しかし、Googleで検索すると、代行のページが、AdWordsで登場する。代行ページをトップに表示するのは、Googleの社是である、「Don't be Evil」の規定に反していないのか? しかも、法律で定めらている申請書類のページの検索だ。無料で申請できるページをトップで表示しないのは、Google社内でも問題にすべきだ。PayPerPost問題よりも、これはずっと邪悪なはずだ。

正式なサイトはこちらだ。くれぐれも間違わないように…と言いたいがニセモノの方が本物らしいからややこしい…。もう少し、アメリカ大使館は、デザインをしっかり作りこむべきだ。

アメリカ大使館、日本語解説ページ
< http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html
>

登録ページ
< https://esta.cbp.dhs.gov/esta/esta.html?_flowExecutionKey=_c667426E9-2448-2844-6E8A-AC32739191C5_k9B063B74-52AF-19C7-2418-3B0BD8ED62B8
>

解説ページと登録ページの、色づかいが違うのが一番うさんくさく見える。実際に登録する手間は、代行サイトのページでも同じだけかかるから、無料の上記のサイトで絶対にやるべきだ。しかし、途中まで代行サイトをテストしたが、代行サイトのほうが、ユーザビリティがいいのが問題だ。

そして、こちらがいくつかある代行サイトの事例
< http://www.estajapan.org/
>
よっぽどこちらの方がアメリカ大使館らしいから不思議だ。ドメインもこちらの方が格式が高く感じられる。

yahoo.co.jpでも、スポンサーサイトでトップに登場する。しかも、下のほうのクレジット「本ウエブサイトは代行サイトで、米国政府および米国大使館とは関係ありません」に気づく人は少ないだろう。
サイトのWWW以下のドメイン名(アドレス)をWho isで検索すると
< http://www.internic.net/whois.html
>
どうやら韓国系の企業のようだ…。

代行サービスを調べるのではなく、本来の本家の米国大使館の電子渡航認証の登録を急がねば!

ようやく準備OK! 全部で30分もあれば余裕な入力作業です。日本語でできました。パスポートを持っていて、アメリカに行く可能性がある人は入力しておいて損はないと思います。2年有効ですから。

その間に、てるみくらぶさんから入金がないということで電話を頂きました。
「てるみくらぶの○○ですが、今、お時間大丈夫でしょうか?」
「本日中の金額のご入金いただけましたでしょうか?」
と唐突に、おそろしく早口で聞かれるので…
「見積もり金額と請求金額」が違うのでどうしたらいいですか?」
と質問に質問で答える。
「おそらく保険金額かと思いますので、それを引き算してください」
と言われる。
「こちらに計算させるのではなく、本来支払うべき金額を教えてください」
と伝える。
「ちょっとまってくださいねー、えーと、えーと、金額分引いていただければ
いいんですが…」
「一応、会社なので、請求書の金額でないと困るんですが…」
とのヤリトリを行う。

最終的に、今晩中にコンビニから振込み、明日確認、午前中に発券して翌日の朝に必要書類が届くという段取りに…。そして、届いた書類には、やはり、プールなしのアンバサダーホテルでした。
しかも、飛行機はチャイナエアライン!
< http://www.china-airlines.co.jp/
>

チャイナエアラインって、スチュワーデスのスリーサイズまで掲載している、世界中で唯一の飛行機会社。それもまた、レポートしたいと思った…。

なんと、中国に出張にいった時、に驚いた!! スチュワーデスの名前、年齢、星座、身長、体重、スリーサイズまで明記されていてビックリしたことあがある…。もちろん、指名のシステムまではない。男性はカタログを手にとると、自分の座席の担当の方の、名札の名前からカタログをついついチェックしてしまう(笑)

チャイナエアラインの機内誌
< http://www.flickr.com/photos/kanda/3536517169/
>

これはボクの勝手な推測だが、中国では、フライトアテンダントがかつての日本と同じで、才色兼備が求められ、スタイルにもモデル級が要求されているのかもしれない。だから、当然、モデルコンテストのようなオーディションを勝ち残った人たちがはじめてなれる、あこがれの職業であったのではないだろうか? だから彼女たちも、このようなカタログ化されることに抵抗がないのかもしれない。

KandaNewsNetwork,Inc.< http://www.knn.com/
>
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by G-Tools , 2009/05/18