前回に引き続き、ホワイトバランスについてもう少し勉強しましょう。
ホワイトバランスとは、どのような光の下でも適切な白に写るように、光源の色温度に合わせて基準を調整するデジカメ特有の機能です。
最近のデジカメは賢いので、AWB(オートホワイトバランス)の設定でほぼ問題なく、普段はあまり意識する必要はありません。では、どういうシチュエーションでホワイトバランスのことを考えるのでしょうか。
ホワイトバランスとは、どのような光の下でも適切な白に写るように、光源の色温度に合わせて基準を調整するデジカメ特有の機能です。
最近のデジカメは賢いので、AWB(オートホワイトバランス)の設定でほぼ問題なく、普段はあまり意識する必要はありません。では、どういうシチュエーションでホワイトバランスのことを考えるのでしょうか。
食べ物屋さんで写真を撮る時を想像してみてください。ちょっと薄暗い照明の、いい雰囲気の居酒屋さんで、出てきた料理や同席した友達を撮ります。多くの場合、雰囲気を大切にする料理屋さんは暖色系の照明を使っています。中にはキャンドルが灯っているお店もあります。料理は暖色系の照明で見た方が美味しく感じますし、食欲も進みますから、青っぽく色かぶりすることだけは避けたいところです。
料理の色の正確な再現よりも、場の雰囲気を写したい場合、ホワイトバランスはオートではなく、白熱灯や電球でもなく、太陽光にしてみます。その場の色温度で合わせてしまうと、せっかくの暖かい照明の雰囲気が白く写ってしまうからです。イカのお刺身は白く写らないのですが、その場の電球やキャンドルの色が反射した暖かい色で、雰囲気を残したままの色で写ります。もちろん、料理の色を厳密に再現したい場合は、ホワイトバランスを設定すれば白いものは白く写ります。
結婚式の披露宴の撮影などでも同様で、その場のキャンドルライトの暖かい光の雰囲気を再現したい場合などは、ホワイトバランスをその場の色温度に設定せず、太陽光の設定で撮るとよいでしょう。
同じ食べ物屋さんでも、雰囲気を気にしていないところでは話は違います。蛍光灯の下では料理はあまり美味しそうに見えませんから、そのまま写真に写しても残念な結果になってしまいます。蛍光灯は、青や緑っぽい光が被るので、赤いマグロのお刺身も青緑が被さってどす黒く写ってしまいます。ですから、蛍光灯の時はホワイトバランスを合わせて、さらに微調整ができる機種であれば、ほんの気持ち赤く転ぶ程度に設定しておくと美味しそうに写ります。
このように、被写体の色を正確に再現したい場合と、その場の雰囲気をそのまま写したい時、さらに意図的に色をコントロールしたい時に、ホワイトバランスの調整を意識します。
スナップ写真ではなく、ネットショップに掲載する商品の写真や、商品カタログに載せる写真などブツ撮りでは、特に正確な色の再現が必要です。そこで、前回ご紹介したホワイトバランスを合わせるアイテムを使ったり、グレーカードを使ったりして、色味と露出の基準を取ります。

< http://www.colorvision.jp/modules/articles/article.php?id=29
>
< http://item.rakuten.co.jp/cc-circus/spyder-cube/
>
18%ニュートラルグレーと白と黒が塗られた立方体を、商品の撮影時に被写体に写し込むことで、Photoshopなどの画像修正ソフトを使い後から色や明るさなど補正する場合に、作業が簡単にできるようになります。
平面のグレーカードよりも、立体のSpyderCube方がよりその場の光線の具合に合った調整ができるので、より正確な編集が可能です。商品撮影をすることがよくある人は、作業時間を大幅に短縮できますから、ひとつ持っておくといいかもしれません。
【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >
なかなか梅雨明けしない関西ですが、明日の日食は大丈夫なんでしょうか? めったに体験出来ないので晴れて欲しいですね。太陽を撮るのはちゃんとした装備や機材がないと危険で難しいので、欠けた太陽ではなく道に落ちた木漏れ日を撮影するといいかもしれませんよ。