アナログステージ[52]見えないからこそ言葉に表情を
── べちおサマンサ ──

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「あぁぁ...、べちおくん...、キミ、カワイイよ...、うっかりミスで会社に320万も損失を出すなんて、キミらしさが存分に発揮されているよね...、いいのいいの、ぜんぜん気落ちしていないキミを見ていると、なんだか、つまらないことでクヨクヨしている自分が情けなくなってくるよ......」

ということで、唐突に、中里さん(前話参照)から自分へコメントを出したところで、やってしまいました。基本設計仕様を勘違い(取り違い)していて、ボックスなどの板金ものから電気・電子の制御部品まで、ほぼ全部作り直しの、ワタクシらしかぬミスをしてしまいました。

会社に与えた損失は、ざっと計算して320万円。今回割り当てられた開発予算の3割をドブに捨てたようなものです。ほかの会社ではどうなのか分かりませんが、「エコロジー」を口実に、数年前から経費をケチっている会社では、当然のごとく、ミスの内容より金額で問題に。



言い訳をする気はさらさらないが、この場を借りて言い訳させてもらうと、あれだけ(今もだけど)仕事を押し込まれて、ミスるな! っていうほうがおかしい。どう考えても「可哀想、べちおくん...」を通り越している。

ワタクシも生身の人間でして、巨大なヘソをくっつけた、金色に輝くドロイドや、「ンポパ・ピポピポ」と、電子音で喋りならクルクル回っているようなドロイドではない。お魚も食べれば野菜も食べるし、外が雪なら寒さも感じる、生身の人間だ。

今回のミスは、ワタクシが設計してリリースした、装置オプションの延長でのミスなので、どうにもこうにも言い訳ができなかったり。まいったね。そもそも、ミスというものは、してから(発覚して)気が付くもので、「よーし、今日は、こことココとあそこを間違えよう!」なんて、予め計画していたものではない。

●電話越しに伝わるメンドクサイオーラ

つい先日、日本では入手が難しい部品を購入するのに、納期もないことから、うちの資材部が使っている、外資系の電子部品商社から購入した。しかし、着いた品物に間違ってパッケージされていたものが含まれていたので、問い合わせの電話をいれた。

対応していただいた女性は、品物が誤発送されていることを確認すると、いかにも「あー、めんどくせーなー、そんなもん知るかよ、アメリカに直接クレームいってくれない?」というような口調で対応し始めたのだ。

ワタクシが「なにやってんの? 倉庫管理とかできてないんじゃないの? いますぐ必要なんだから、アメリカ行って買ってきてよ」とケンカ腰で云ったわけではなく、「間違って入荷したものは、御社へお返しいたしますので、正規に発注している部品を別途発送していただけますか?」と、いたって普通のお願いをしただけなのだが、女性からメンドクサイオーラが電話越しに伝わってくるのだ。

日本では対応できないので、アメリカに報告して送ってもらうから、間違って入っていた部品の写真を撮ってメールに添付して送れと、なぜか口調が威圧的。『電話応対ではお客様に上から目線で喋るように』って社訓にでもなっているのだろうか。ただ間違っていた部品を交換して欲しいだけの問い合わせが、だんだん違うほうで腹が立ってきた。

そこの会社の社風がそうならば、精神衛生上、次からは別ルートで購入すればいいだけだが、対応してくれた女性に問題があるのならば、彼女の上司は、きちんと彼女を矯正してあげないと、会社としてダメージが広がる可能性もある。

電話を切ったあと、対応になにか腑に落ちないところがあったので、資材部に「○○(そこの会社)から、月どのくらい購入しているの?」と訊いてみると、平均して500〜600万くらいだと教えてくれた。

平均で500万くらいなら、「ちょっといいお客さん」レベルになるはずだけど、そこの会社では、1000万以上の買い上げがないと、『どうでもいい顧客』のリストにでも加えられていて、「電話対応は投げやりにするようなシステムになっているのか」など、余計な妄想が頭から離れなくなる。

電話でもインターネットでも、相手の表情が見えない「場所」で会話をやり取りするときは、相手に誤解を与えないように気を遣ったりするものだけど、最近はそうでもないのかな。直接会ったことがある知り合いならば、文字や言葉から相手の顔が見えたりするけど......。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
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○このままじゃ気がついたら夏になって、秋が来ていて、知らないうちに2012年になっていそうな/休みをとるのが難しいので、平日の帰宅時間を早めにしてゴロゴロしてみたり/←結局3日間くらいしかできなかったw