デジタルちゃいろ[06]英語でのコミュニケーションあれこれ
── browneyes ──

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前回のチャダさんとジェロ(何故かいつもチャダさんだけ「さん」づけになる...)の話からの続きというか関連というか。日本語で頑張る異人さんを思うに、ふと、じゃあ逆はどうよ? みたいなコトを度々思ったりします。

日本語はかなり学習難易度の高い言語だって言われてるけど、ジェロにしてもチャダさんにしても、いやいや有名無名問わず日本で日本語を操って頑張ってる外国人、いっぱいいますよね。予め日本語勉強してから日本に来るわけでもなく、えいや! って日本に来てしまってから徐々に学んでく人も多いし、不法滞在の3K労働者で、日本滞在約5年の間に小学三年生レベルの漢字まで独学で覚えた人も知人の中にはいました。

最近、「ソーシャルブックマークの被ブックマーク数が伸びる記事はまとめサイトと英語学習もの」みたいな記事をどこかで見かけました。なるほど確かにそれ系のサイトはやたらと目にするし、需要があって供給があるんでしょうね。

でも、でもですよ、前々から思ってるんですが、コミュニケーションの道具として使う分には極端な話、中学英語で充分に賄えるんじゃないかなぁ、そうでもないのかな。「勉強そのものが目的」というなら別だけど。




ワタシはちょいちょい英語を使います。使えます、じゃなくて使う。LRの識別に弱い日本人らしく、時に「拍手する(clap hands)」を「手にウンコ(crap hands)」とか書いて大笑いされたりするけどお構いなしに使う。恥かいて覚えた言葉は忘れないので笑われたもん勝ち、くらいの勢いで使う。

最近何人か、面白い形で海外の人たちと関わってる日本人がいます。どちらもネットでしか知らない方なのですが。

一人はiPhoneの写真─いわゆる iphoneography─ですごく素敵な作品を作ってる方。ずっと「英語が苦手」と言いつつも、あまりに作品が素晴らしすぎて、海外の方からのリアクションがすごい。そして、短文ながら一生懸命返信するぎこちない英語に、ご本人の人柄も垣間見えたりするがゆえ、周りの英語圏の人たちも苦手な英語については惜しみなくサポートしてあげる。

そんなこんなで、海外サイトでネット経由のインタビューや、フィーチャーアーティストなどにも次々取り上げられてく。ここ最近はfacebookを見ていても、以前より着々と自分の言葉として英語を使い始めてて、英文も少しずつ長くなってきてて、すごく微笑ましい。

もう一人は印度映画が大好きで、鉛筆デッサンで印度映画の贔屓の俳優さんを描いてはTwitPicに画像を上げている方。この方も「英語はからきし」と言ってましたが、現地の人からかなり好評で、一時は俳優さん本人が彼女の似顔絵をTwitterのアイコンにしたり、あちらのショウビズ系情報サイトやfacebookの俳優さんのページに彼女のデッサンコーナーが出来たり、うろ覚えだけど確か、現地の雑誌だかTVだか、オフラインのメディアでも取り上げられたりしたんじゃなかったかな。

彼女の場合は、今でも自ら英語で意思表示はあまりしていないものの、もの凄い数の印度人フォロワーさんに「あの俳優も描いて!」みたいなコトを言われて描いたり描かなかったり、コミュニケーションは充分成り立ってます。ネットスラングや略語込みで、読解力はすごく上がってるんじゃないかなー。

上の両名の例だと、英語以前にとっかかりとなるものがビジュアル系の作品なので、通常よりは敷居が低かった、というコトはあると思います。でも、そこで言語の壁を壁と感じるかどうかが、好きなモノに対して一歩広い場所に踏み出すかどうかだし、踏み出してしまえばその後のステップは勝手に楽しんで踏んでいけるようになるもんだなーという好例に思えました。

もしも、自分が発信する側として伝えたいコンテンツがあるわけじゃないけど、英語のブラッシュアップはしたい、でもコミュニケーションの機会がない、という人はいくつかある各国語学習SNSを使えばいいのかもしれない。実際に使ったことがあって、悪くなかったのはLang-8とLive Mocaかな。ワタシ自身は学習系SNSは余程暇で気が向かないとやってない(せいぜい半年にいっぺんペース)けど、それでもそこ経由で何人か友達にはなったかな。

これらのSNSを使う上でキモなのは、自分が学習する側になって「教えて下さい!」で待ちに入るんじゃダメ。ユーザー同士で添削出来るサービスでもあるので、日本語学習者の書いた日本語に英語使って添削してあげる。勝手に。

共通の話題が日本語なんだから敷居も低いし、相手も添削してくれる人にはメリット感じるから、その後のコミュニケーションにも繋がりやすい。俄然、機会の宝庫になる。添削しても何のリアクションもしてくれない人も多々いるけど、それでも英語を使って何かを説明する、というトレーニングにはなるから自分も損する訳じゃない。

なんて書きつつも、反面、最近はネットを通して国内外で実は相当数な日本人が、英語どころか色んな言語で頑張ってるのが見えて来てたりもする。印度のマイナー言語を解する人もいれば、アラビア語で日常を暮らしてる人もいる(そんな人たちが家に居ながらにして視覚化されるっていうのもインターネットってすごい)。なので要は、英語に限らず、内向きの日本人と外向きの日本人との差が広がってるのかな、とも思ったりする。

どちらが是とも非とも思わないし、国内にだってまだまだ知らないコトが沢山ある。その辺を忘れはしないけど、それでもワタシ自身はやや外を向いていたい派なんでしょうね。

□Lang-8
└< http://lang-8.com/
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□Livemocha
└< http://www.livemocha.com/
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■今回のどこかの国の音楽

□Noori & Saieen Zahoor "Aik Alif"
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先週末、パキスタンのCoke Studioというパキスタンとは思えないクオリティの高さを誇ってた音楽番組を愛でる集いが、渋谷で開催されたので行ってきました。そこで一曲目を飾ったのがこの曲。このイベントでは、ピックアップされた曲すべてに日本語訳ありという素晴らしさ。

前半で目を引く凄いいでたちのおじさんが、Saieen Zahoorという有名なSufiシンガーで、後半のイケメンがパキスタンポップス(というかロック)界のパイオニアとも言われるNooriさん。

前にも触れた通り、隣国印度より実ははるかにポップロックな音楽は良グループを量産してるパキスタンですが、そういった若者層の音楽と伝統音楽を見事な形で融合させ続けたこのCoke Studioという番組は、ホントにどの曲もはなぢ出ます。しかも、全曲YouTubeで公開、MP3データも本家サイトで無料放出、SoundCloudでも一通り聴けます。

よく、電子音楽系の人がトライバルミュージックをmixするコトはありますが、土着系ラヴのワタシはどうもアレが今ひとつダメで、この、どちらかというと伝統音楽に現代音楽がキレイに寄り添う感じというか溶け込む感じはかなり好きなんですよね。

こちらでの紹介はAik Alifだけに留めときますが、止まらなかったのでコッチに記憶してる限りイベント当日流れたもの纏めときましたので、万が一興味を持った酔狂な方はどうぞ。ロック寄りなのもあれば、更に土着臭たっぷりなものまで入ってます。

□Coke Studio Tokyo! imperfect archive - browneyes loves tribal music
└< http://tribalmusic.posterous.com/coke-studio-tokyo-imperfect-archive
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【browneyes】 dc@browneyes.in
日常スナップ撮り続けてます。アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつなんでも屋。
立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes
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皆さんそうなんでしょうが、つくづく今年は色々なコトのある年でしたね。これを書いている今日も、北朝鮮のあの方が亡くなったとかなんとか。世界的、社会的な大きなニュース以外にも、私的なところでも様々な変化の多い年でした。決めきってはいないんだけど、個人的な来年の目標は「ブレない」コトかな、なんてぼんやりと思ってます。その為にもひとつひとつの事象について、今まで以上に色々な視点から考えられるようにしていきたい、かな。