[3353] フィルムカメラ道・手抜きのすすめ

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《色んなものがデザインされるのを待っている》

■わが逃走[113]
 フィルムカメラ道・手抜きのすすめ の巻
 齋藤 浩

■電網悠語:HTML5時代直前Web再考編[199]
 流水プールは人生の香り
 三井英樹

■イベント・展覧会案内
 第6回iPhone ケース展 ─iPhone Creative Festa2012─
 illustration FILE EXHIBITION[イラストレーションの現場から]




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■わが逃走[113]
フィルムカメラ道・手抜きのすすめ の巻


齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20121018140400.html
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ほんとは先週の続きでドイツについて書こうと思っていたのですが、秋晴れの良い天気が続いていたため、ここは是非みなさんが昔使っていたフィルムカメラを押し入れから引っ張り出してお散歩に出かけていただきたいと思いまして、予定変更と相成りました。

フィルムカメラ道・手抜きのすすめ

なにかとフィルムカメラの素晴らしさを語っているが、肝心なことを書いていませんでした。

私は楽しく撮影した後、きちんと現像して焼き付けして、なんてことはやってない。いわば、フィルムカメラの面白いところだけ楽しんでいるのです。つまり、邪道です。手抜きです。

そりゃフィルム現像の工程や、暗室での作業はとてもクリエイティブなものですが、でもそんな時間も場所も金もねえ。廃液の処理もメンドウだしね。

そこで、オイシイとこだけ楽しんで、残りの行程はデジタル、という方法をとっています。それでも、デジカメで撮った写真とはまったく違う結果が味わえるのです。

今回はラクして楽しくフィルムカメラを使い、デジタルで気軽に現像(画像処理)、管理する『手抜きフィルムカメラ道』をご紹介します。ご紹介ってほどでもないか。

たぶん、このようにフィルム写真を楽しんでいる人はものすごく多いと思うのですが、オレはこうやってるぜ、ってことを今のうちに語っておこうと思った次第。

さて、『手抜きフィルムカメラ道』の大ざっぱな流れを見てみると、1.撮影→2.フィルム現像→3.スキャン→4.画像処理 てな感じです。では、順を追って説明しよう。

おっとその前にフィルムカメラを持ってない! というあなた!! あなたはものすごくラッキーです。なぜなら2012年の今は、すごいカメラとすごいレンズが嘘みたいに安く買える時代なのです。

中古カメラ屋さんやネットオークションを探せば、1970年代後半のミドルクラス一眼レフのレンズセットが10,000円以下で手に入ってしまいます。

ちなみに、デジタルとの違いを楽しむのなら、オートフォーカス以前の一眼レフと単焦点レンズのセットがオススメ。デジカメ+ズームレンズに慣れた目から、ウロコが50枚くらい落ちることうけあいです。

また、よく聞かれるのですが、「フィルムってまだ売ってるの?」...って、売ってますよ!!!! 余裕で売ってます。以前より種類は少なくなりましたが、カメラ屋さんでもAmazonでもちゃーんと買えます!!!!


1●撮影

『手抜きフィルムカメラ道』全4工程の中でもいちばん楽しいのが撮影でしょう。って、そりゃそうだよね。好きなカメラを持って素敵な被写体と出会い、シャッターを切る。まさに至福のひとときと言えましょう。

さてデジカメとフィルムカメラとの最大の違いのひとつに、撮影した写真がその場で確認できるかってことが挙げられます。

デジカメが出始めた頃は、その場で確認できるから失敗も減る、なんてことで皆が大喜びしたもんです。しかし、これにより人は失敗する自由すら奪われてしまったともいえます。

その時は失敗したと思ったものでも、後から見てみると貴重な記録写真になり得たり、味わい深い思い出となったりすることってけっこうあるものです。

また、確認できないから想像する。フィルムカメラは想像する余地が人間側に残されている機械なのです。

たとえば、モノクロフィルムを詰めて撮影する際、今見ているカラーの世界からモノクロの世界を想像してシャッターを切ります。色彩と階調の世界を、脳内で階調だけの世界へ変換して撮影するのです。

いままで主役と脇役との間にあった、彩度の関係がなくなったらどう見えるかな? と想像してみると、意外とトーンが似てしまい、主役が引き立たなくなりそうだ、なんてことがわかったりします。

では、どうすればいいか? ちょっと移動して木陰で撮ったら陰影に差が生まれるかもしれないぞ! てなことに気づいたりします。

この自分で気づける幸せってやつはフィルムカメラの醍醐味です。仮に気づけなかったとしてもそれは確実に経験値UPに繋がるし、そもそも失敗したらどうしようじゃなくて、失敗もクリエイティブのひとつなのだ! くらいな図々しさを持った方が、人生が楽しくなると言えましょう。

以下極端な例です。これらの写真は今年の冬、初めてライカで尾道を撮影したときのもの。ハイテンションだったためか、巻き戻し中にうっかり裏蓋を開けてしまい、フィルムを感光させてしまったり、最初の巻き上げが不足していたまま撮りはじめてしまったものです。

でも、デジタルじゃこんな表現できねえよ。ざまーみろ。
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/10/18/images/01 >
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/10/18/images/02 >

最近のデジカメは露出やピントだけでなく構図まで決めてくれるらしいが、フィルムカメラの良いところは、人間に自由があること。すべて自分の責任で撮影ができるってことだと思う。

こうして撮った写真は、明らかにデジカメと違う世界を写しているはずだ。そして、その世界はデータではなくネガとして実在してくれる。皆さんもたまにはカメラにフィルムを詰めて、散歩にでかけてください。お願いします。

2●フィルム現像

これを自分でやるとなるとタイヘンです。なので私はヨドバシに持ってきます。36枚撮りネガフィルム1本の現像代は500円ちょっと。同時プリントはしません。あくまでも現像のみ。

フィルムの種類にもよるけど、数時間から数日でUPするようです。この待ってる時間がイイ。ラブレターの返事を待つような感覚ともいえよう。

また町の写真屋さんにカラーフィルムの現像を依頼する場合、とくにカラーネガの粒子感が粗く出る傾向にあるような気がします。嘘か真か、像が出ないことを防ぐため、一般的なネガは若干高めの温度で現像するって聞いたことがあります。

ポジの場合はもともと粒子が細かいってのもあり、感度相応の印象に仕上がりますが現像に時間がかかる。

ちなみに、モノクロネガはカラーネガほど粗さは目立たないような気がしていたのですが、こうして比較してみるとたいして違いはないですね。印象の問題だったようです。

とはいえ、これは優劣の問題ではなく、味の問題とみた。プロラボに依頼すると、また違った結果になってくるかもしれません。

ISO100のカラーネガと、カラーポジと、モノクロネガを1350dpiでスキャンした例(部分)。空部分はディテールが少ない分、粒子感がわかりやすい。

< https://bn.dgcr.com/archives/2012/10/18/images/03 >
カラーネガ
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/10/18/images/04 >
カラーポジ
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/10/18/images/05 >
モノクロネガ

3●スキャン

現像UPしたら、スキャナで取り込む。ここでケチると残念な結果になる。5万円くらいのフィルムスキャナか、フィルムに対応したグレード高めのフラットベッドスキャナをおすすめします。一昔前の1/4程度の値段で手に入るんだから、一考の余地ありです。

最近は格安のフィルムスキャナもあるそうですが、くれぐれも貧乏人の銭失いにならないよう気をつけてください。

ちなみに、私はKONICA MINOLTAのディマージュスキャン5700というフィルムスキャナ(絶版品)を使っていますが、最近ではオーグのOpticFilmというフィルムスキャナが評判いいみたいですね。

スキャンする上で気をつけたいのは、極力素直に取り込む、ということです。私の場合、スキャナにある色調補正機能やキズ・ホコリなどの除去機能は使わない方が良い結果が得られました。

ここでは極力ニュートラルに取り込んで、後からまとめて調整します。ちなみに、モノクロネガをスキャンする際は、一旦カラーモードで取り込むとディテールが失われません。その後画像処理段階でモノクロにします。

またフォーマットはjpgではなく、TIFFなどの圧縮ナシ形式にしておいた方が現像時の自由度が上がります。

自分でスキャンせず、現像と同時にカメラ屋さんで画像データとしてCDに焼いてもらうのもアリだけど、店によってクオリティがかなり違うようです。色が転んでいたり、水平垂直があってなかったり、一律に補正がかけられて意図した表現と違っていたり。

とはいえ、自分のイメージにあった入力をしてくれる店が近くにあればベストと言えましょう。オレとしては、いろんなスキャナやスキャニングサービスを試して結果をまとめてみたいのだが、それは『手抜きフィルムカメラ道』の執筆依頼がどっかの出版社から来てからやることにする。

4●画像処理

さて、写真をデータ化しちゃえばこっちのものだ。Photoshop ElementsでもSILKYPIXでもデジカメ付属のオマケソフトでも、使い慣れた環境で自分好みに仕上げていけばいい。

スキャンされた時点で、写真はデジカメと同じ画像データになった訳だが、ピクセルだけでなく、不揃いの銀粒子で構成される世界には独特の深みがあるものだなあと驚かれることうけあいです。

好みの調子に仕上げたら、いつものデジカメで撮った写真と同じように管理して、iPodに入れて友達に見せびらかしたり、facebookにUPしたりしてください。インチキなデジタルフィルタで加工した写真に見慣れたほとんどの友達は、「こうして見ると、フィルムで撮った写真って、違うなあ!」と言うはずです。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■電網悠語:HTML5時代直前Web再考編[199]
流水プールは人生の香り

三井英樹
< https://bn.dgcr.com/archives/20121018140300.html
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体を壊してから、プールに通うようにしている。中学の時に水泳部だったのもあり、何だか懐かしい。毎回、入り口のところで礼をしそうになる。それは、中学の時に強制された名残ではなく、顧問の先生がそうしていたのを思い出すから。プールを神聖な場所としている姿が格好良かった。

公的なものなので、かなりお安い。夏場は400円/日、秋冬は300円/日。夏場であまりに混むと3時間制限をするらしいが、目撃したことはない。私は、基本的には、流水プールをグルグルと、長くても1.5時間ほど歩き巡るだけ。水の抵抗が足腰に心地良い。まったりした疲労感が、机とPCにしがみついて来た体に、これまた心地良い。

   志を立てるのに、老いも若きもない。
   そして志あるところ、
   老いも若きも道は必ず開けるのである。
   松下幸之助

そんなプールに、まさに老いも若きもが集まっている。凄い混雑には未だ当たっていないけれど、まさに赤ん坊から、かなりの高齢者まで、身障者も多い。ただ遊んでいる子ども達も多いけれど、体を癒そうと水の中にいる者も多い。そういう意味では、「志」がある。黙々と歩く姿は、時々感動すら誘う。



お安いと言っても、一周120mの流水プール、6コースの25mプール、幼児用のプール、更にウォータースライダー(40m/80m)、そして小さなジャグジー×2。贅沢と言えなくもない施設。無料で水泳教室や腰痛体操コースも開かれている。

そこに沢山の人が集う。一緒に歩いていると、こんなに年齢幅のある中に身を置くことがかなり稀だと何度も思う。街の雑踏の中よりも広い気がする。

赤ん坊は、一歳ちょっとあたりからいる。もちろんお母さんと一緒に。赤ん坊のためというよりは、お母さんのためのプールなのだろう。赤ん坊の泣き声が時々響き、シッカリとしがみつき、それをお母さんがまたシッカリと抱く姿は、なんだか美しい。既に憎たらしくなった我が子のそんな時代も思い出す。

そういえば、お腹の大きな妊婦さんもいるので、0歳以下からいることになるのかも。体重増加を最低限にと、頑張っていた妻を思い出す。そして、大きなお腹の妊婦さんが軽々と動き回れるのを見ながら、水の凄さを思わされる。重力から解放されるって、嬉しそうだ。きっと、重いんだろうなぁ、陸上では。

お腹の大きなオジさんも多い。年齢幅はあるけれど、概して男性は、そんな体系。大きさの幅は、妊娠数か月レベルから臨月を越えて双子が居そうな勢いのレベルまで様々。いやいや頑張ろうと思わされる(笑)。

もちろん筋骨隆々タイプも居る。大学生っぽい層と、逆に70〜80代位の二極化している。若い方の腹筋には驚かないけれど、高齢層の腹筋クッキリには、ちょっと感動を覚える。どういう生活をすれば、あんな体系を維持できるのだろうと考える。何か根本的な階段を踏み間違えて生きて来た気さえする。



オバさんも二極化している。プックリ派とストイック派。プックリ派は、まぁ体系もそうなのだけど、ゆっくりと駄弁りながら歩く方々は多い。全然避けてもくれないし、片側に寄るような配慮もないし、2〜3人で横一文字で歩く。ちょいジャマ。

見ていて全然プールという気がしない。全く普通の立ち話。それはそれで肩肘張らなくて良い。ちなみに、公式にはお化粧は落とすようにとも言われているけれど、全く水に顔をつけないでおしゃべりウォークもありなので、通り過ぎる度に化粧を感じる方も居る。

このプールのストイック派の代表は、ひたすらマラソンのように流水プールを走っている方(勝手に決定)。年齢的にはオバさんというよりオバアさんに見えるのだが、時々クロールもやっているので、真面目にトライアスロンでもやっているのかと思っている。

流水プールの水深は1m、そのオバアさんは150cm程度。だから肩のちょっと下あたりが水面。その状態で、まるで水がないかのように走る。殆ど陸上と同じリズムで。スタスタと走り抜いて行く後ろ姿に真剣さがにじみ出ている。その抜き方もマラソンの混雑時を想定しているような気配が漂う。健康増進のレベルではなく、何か競技なのだろう。



多くのオバアさんは、アクアエクササイズや水中ウォーキングに精を出している。珍しくGoogle先生で調べもしないで行ったので、生きる辞書として、色々と真似させてもらっている。

基本は足を思いっきり広げて歩く。その時手も思いっきり前後に振る。一歩一歩右左右左、体を上下させながら、手足を伸ばした時には首まで水に浸かるように歩く。これが結構力も使うし、足腰に良い。ストレッチとマッスルトレーニングを一緒にやる感じ。体がほてる。

足の出し方で、常に水の中にいるようにも出来るし、ひねりを入れたり、横向き蟹歩きをしたり、時には逆走(歩)することもある。水をジャバジャバと跳ねながら歩く時もあれば、波立たせぬように静かに歩く時もある。

自分で波を起こし、人の起こした波に揺らされ、急いだり、ペースを落としたり。一時間程度なら飽きないで集中して歩ける。

2時間ごとに強制休憩時間が10分はいるけれど、それ以外はまさに水の中でやれることしか出来ない。ネックレスなども禁止だが、デジタル機器系も駄目。

せめて耳付けイヤフォンで音楽でも聞きたいものだけど、きっと注意される(防水性のそれを持っていないので未検証だが)。水音で近づく人を感知したりもするので、何もないのが自然なのかもしれない。その分、歩くことに集中できる。

通うようになってから気がついたのは、陸上では変な癖の付いた歩き方をしていたこと。水中が故に体を支える必要がほぼないので、歩き続けると自然と力みがとれる。何も意識しない(多分)自然な姿勢で歩いている時間が生まれるようだ。

やることがないせいか、使っている筋肉を意識し易く感じる時もある。あ、今あこの筋肉が伸びているんだ。ここが突っ張るってことは、こーいう運動する時にはここを使っているのか。ぼんやりと考える。体って巧くできている。



常に自分のペースで歩ける訳じゃない。オバさんの壁が立ちはだかったり、やたらと密集している集団があったり、小学生がはしゃいでいたり。それらを適当に避けながら、時に早足で、時にやり過ごしたり。

あまりに五月蝿い子どもには一度注意もした、「もう少し回りを見なさい」。通行人を身の隠し所にしながら、追いかけっこをしていて、限度を越えていた。苛立ちよりもずっと冷静な言葉が口から出たのに、自分でも驚いた。

障害を持っている方とも出会う。プールへのスロープまで車椅子で来る方も居る。陸上ではまったく動けないようにしか見えないのに、水中では背泳ぎを始めてビックリしたり。

精神的なものを抱えている人もそれなりに来る。奇声をあげながらはしゃぐ方も何人か居る。水が何かを解放してくれるのだろうか。傍に来ると、ちょっと身構えはするけれど、そのはしゃぎ様は嬉しそう。

大きな傷跡を背中に残す人も見る。どう見ても事故っぽい人も、大きな手術の跡の人も。腕を抱えながら明らかにリハビリしている人も。それぞれの人生が少しだけ見える感じ。

若いカップルも、たまに見る。初々しい。中高生のグループのいる。男女混合で来ているのに、何だか気にしつつ分かれて行動しているのが、微笑ましい。子連れのお父さんもいるし、夫婦も居る。夫婦で話しながら歩く姿は、何だか良い感じだ。あんな老い方をしていきたいとも思う。



時間帯に依ってライティングも変わり、それで少し水の表情も変わる。基本的には自然光なのだけれど、夏の陽射しや夕陽、それに節電のためか控えめな照明が時間帯によって愉しめる。

秋めいて来た最近は、夕方に行くと、徐々に暗くなって行く様が人生っぽくて、それはそれで味がある。5時前には保護者同伴でない子ども達は帰される。うるささが一気に消える。

かすかにFM横浜が流れる中、一瞬夕陽の紅色が窓に広がる。それは長くは続かなくて、直にかなり暗くなる。今までの明るさを見たが故の暗さ。そして照明が灯されて行く。

水面を灯りが揺れる。見ていて飽きない。真昼の光も、夕方の照明も。そういえば、幾つも水画像を使ってサイトを作ったっけ。そういえば、こんな人達向けのサイト開発に関わったっけ。今考えている構想に、この人達は関心を示すだろうか。こんなペルソナかぁ。ネットから遮断された空間で、またネットの方向に頭が動く。

ネットは本当に人を社会を豊かにしたのか、そんな問いも浮かぶ。少しの工夫と配慮で、誰ともぶつからずに歩んで行くことは出来るんじゃないか。それも結構豊かに。

水の中を歩きながら、深呼吸する。いつだって、どこかへ通じる道が開かれている想いがする。先の松下幸之助の言葉をちょっと考える。そして、もう一つ昔巡り会った言葉も思い出す。

   これからはデザインの時代やで。
   松下幸之助

ウェブサイト、マルチデバイス、クラウド、ライフバランス、そして震災。これらが今の私のキーワード。色んなものがデザインされるのを待っている。

【みつい・ひでき】@mit | mit_dgcr(a)yahoo.co.jp
< http://www.mitmix.net
>
・今期の連載はあと1回
・明後日でbAを退社。お仕事ご紹介頂けると嬉しいです m(_"_)m

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■イベント案内
第6回iPhone ケース展 ─iPhone Creative Festa2012─
< http://www.iphone-caseten.com/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20121018140200.html
>
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会期:2012年10月19日(金)〜10月21日(日)10:00〜19:00 最終日18:00まで
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 入場無料
主催:iPhoneケース展事務局

内容:アーティストによるiPhoneケースを使用したアート作品のギャラリー展示と販売、iPhone写真展、iPhoneムービーシアター、アプリデベロッパーによるタッチ&トライ、トークステージ、アクセサリー・ケースメーカーによるブース販売、ビデオブロガーによる動画ワークショップ、ケース作り体験ワークショップほか

公式ホームページ < http://www.iphone-caseten.com/
>
Facebook < https://www.facebook.com/IPhonecaseten
>
Twitter @iPhone_caseten
横浜赤レンガ倉庫
< http://www.yokohama-akarenga.jp/hall_space/calendar1210.html
>

◇iPhone写真展

2009年7月、iPhoneで写真を楽しむユーザーたちの集い「iPhone x CameraTalk」がスタートした。メンバーのひとりであるKEN3TVは、今回のiPhone写真展のディレクター。「iPhone写真の魅力は、どんな人でも、素敵な日常写真を瞬時にアップ出来ること。撮影してすぐに、写真も気持ちを共有出来る。iPhoneは人とつながる"新しいカメラ"です」と語る。

今回はプロのカメラマン、著名な招待作家に加え、一般公募による展示も行い「iPhone写真なら、誰にでもチャンスが訪れる」魅力を最大限に発揮する展示になるだろう。

招待作家:トイカメラマン・雨樹一期、実験写真家・上原ゼンジ、作家・とまこ、携帯写真家・塚本修史、Instagram JAPAN代表・えんぞう、写真家・新納翔、デジタルクリエイター・ヒラヤマユウジ、iPhone写真ユニット「iPhone x CameraTalk(tsurujun、佐藤弥生、haru、KEN3TV)」などプロ&コアユーザーの作品を一挙展示。

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■展覧会案内
illustration FILE EXHIBITION[イラストレーションの現場から]
< http://tambourin-gallery.com/tg/exhibition/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20121018140100.html
>
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会期:2012年10月23日(火)〜10月28日(日)11:00〜19:00 最終日18:00まで
会場:タンバリンギャラリー(東京都渋谷区神宮前2-3-24 TEL.03-5770-2331)
企画・構成:Better Days

2012年に発行された『イラストレーションファイル』4冊の表紙を飾ったイラストレーターが競演。4人の仕事場の雰囲気が会場に再現され、そこに新作が展示されます。
出展:飯田淳/寺門孝之/上田三根子/緒方環

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編集後記(10/18)

●長尾和宏「『平穏死』10の条件」を読む(ブックマン社、2012)。平穏死とは言葉通りで「平穏に最期を迎える」ということだ。生命の終りには、死を先延ばしにする延命治療を受けない。なんだ、わたしの祖父母が自宅で穏やかに死んでいったのと同義ではないか。厚生労働省の人口動態調査によると、1970年代前半を境に、在宅死と病院死の人の数が逆転した。つい40年ほど前には在宅死が8割だったが、いまは病院死が8割になっている。そして、病院での「平穏死」は難しいという。

現実には、どの病院でも延命ばかりに力を入れ、緩和治療は後回しになる。その結果、多くの患者が「平穏」とはほど遠い状況で死を迎えている。「いくら平穏死を望んでも、簡単には叶わない時代に我々は生きている」のである。そこで、現役の町医者、内科医である筆者が、どうしたら平穏死できるかを、既に500人以上を在宅で看取った自らの経験にもとづき、10の条件をあげてまとめたのが本書である。

だが、「条件」とするにはちょっと違和感を覚える項目もあり、「心得」程度にしたほうがよかったのではないか、と本の編集経験のあるわたしは思う。これは版元の営業がつけたあざとい書名だ。非常に役立つ内容であることは確かであるが。

なかでも重要なのは「救急車を呼ぶ意味を考えよう」と「24時間ルールを誤解するな! 自宅で死んでも警察沙汰にはならない!」である。これは知らなかった! そして最重要なのは「看とりの実績のある在宅医を探そう」である。身近に在宅医を持たない限り、平穏死を与かれないのである。ああ、わたしも長尾先生のおられる兵庫県尼崎市に引っ越したい。自身が還暦以上の人、老齢の親がいる人は読んでおいたほうがいい本である。
わたし「♪ロムニーちゃん〜」妻「♪マロニーちゃん、だよ」(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893087770/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで見る(レビュー5件)

●モノクロ写真を撮影して、先生に「ネムイ」と言われたのを思い出した。構図はいいと思っていた。先生がPhotoshopで黒を黒に、白を白にしてくれた。そういうことかと理解した。撮る時に考えないといけないんだなぁ。/「もう少し回りを見なさい」。これがすっと言えるようになりたい。せいぜい「危ない」ぐらいだろうなぁ。三井さんほどの方だと、仕事殺到だと思う。次回はぜひ三井さんの守備範囲をPRしてくださいっ! セミナーもやって欲しい〜!

「iPhoneカメラで『背景をぼかした写真』を撮るには」という記事があった。近くのものをカメラに表示させ、長押しすると、水色の枠が点滅するので手を離す。と、「AE/AFロック」という文字が下に出てくる。AEは自動露出、AFはオートフォーカス。ピントは手前に合った状態なので、遠くの被写体に向けると、背景がぼけた写真になるというもの。

試してみたけど、露出まで固定されるので、室内で固定して窓の外を撮ろうとしたら真っ白になった。なかなか、いい具合にぼけてもくれない。コツがいるなぁ。少し暗めのところで固定して、露出オーバーさせるとトイカメラっぽくなって面白い。人物なら、きれいめに映りそう。美人Tipsとして覚えておこうっと。(hammer.mule)

< http://telas.jp/2690/
>
iPhoneカメラで『背景をぼかした写真』を撮るには