[3363] Web担当者の資質と未来

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《Webこそが起業の姿勢を鮮明に打ち出せる舞台だ》

■わが逃走[114]
 父の思い出 の巻
 齋藤 浩

■電網悠語:HTML5時代直前Web再考編[200]
 Web担当者の資質と未来
 三井英樹




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■わが逃走[114]
父の思い出 の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20121101140200.html
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こんなタイトルだと父はもう死んでしまったかのように思えるが、ありがたいことにウチは両親共々いたって元気である。

父は某大手百貨店に定年まで勤め上げ、引退後は趣味の版画なんか制作しながら悠々自適の生活を送っている。実にうらやましいご身分である。

昔から父は主義主張が数分ごとに変わったり、ひとにものを尋ねておきながら答えてる最中にいなくなったり、ひとがテレビを見ているとチャンネルを回しただけでどっか行っちゃったり、「はひふへほ」が言えなかったり、三本締めができなかったり等々、変わった人だった。

しかし、いずれオレが大人になったらそんな父のこともわかるようになるだろうとも思っていたのだが、一向に理解できないままこのオレも40代半ばにさしかかろうとしている。

そんなオレもこのところ記憶力がおぼつかなくなってきたので、ここらで少しずつ父のことをまとめておこうと思ったのだった。

他人の父のことなんざどーでもいいとお思いでしょうが、そもそもこの『わが逃走』自体がどーでもいい話の積み重ねというコンセプトなので、何卒そこんとこよろしゅうに。

●父の睡眠

父は部屋の電灯(100W)及び枕元のスタンドライト(100W)をこうこうとつけながら、テレビとラジオを大音量で流していないと寝られない。周囲ががやがやしていないと落ち着かないらしい。

いつだったか父がぐっすりと寝ていたので、せめて見てないテレビくらい消してもよかろうと思いスイッチを切ったところ、その瞬間にパカッと目を開き、寝られないじゃないかと言ったのだった。

また父は寒がりでもある。冬はパジャマの上にシャツを着て靴下をはいてから電気敷布と電気毛布に挟まれ、さらに羽毛布団にくるまって寝るのだ。

ベッドの脇にはパネルヒーターを置き、顔のすぐ脇にスタンドライトがあるもんだから顔を真っ赤にして汗をかいている。しかし本人曰く、寒いのだそうだ。確かにサイタマの一軒家は都心の集合住宅よりは寒いと言えなくもない。しかし、しかしなのである。

高校受験を控えた冬のある晩、オレは部屋を暖めようと電気ストーブの電源を入れた。その途端ブレーカーが落ちて家中真っ暗になったのだ。

部屋をギンギンに明るくしながらラジオをとテレビをつけて電気敷布と電気毛布にくるまりつつパネルヒーターの熱を受けて汗だくで熟睡していた父は、その途端飛び起き、よけいな電気は使わないようにと言い残して部屋へと戻っていったのだった。

ブレーカーを復旧させつつ、どうにも理不尽と思わなくもないオレであったことを、まるで昨日のことのように思い出す。

●父の電話好き

父は電話が好きだ。こう聞いて長電話を楽しむ父親の姿を想像する人は健康的である。しかしオレの父は通話が大嫌いなのだ。電話が鳴っても絶対出ようとしなかったし、ひとが電話をしていても早く切るように急かす。

では何が好きかといえば、電話機本体が大好きなのである。もちろんケータイが普及するずっと前のことだから、この場合の電話機本体とは固定電話を指す。黒電話にノスタルジーを感じるとかそういう価値観でもないらしく、プラスチック製のごくごく一般的なごくごく普通の電話機を好んだ。

80年代後半がとくにマイブームだったらしく、なにかというと新しい電話機を買ってきてはひとりで納得していたのだ。

形状が好きなのであれば電話線に繋がなくてもいいように思うのだが、常に使える状態で眺めるのが好きらしく、頻繁に付け替えてはひとり悦に入っていた。

そしてある日ついに、よせばいいのに自分の部屋に電話を引くと言い出した。電話を引いたところで出ないしかけないんだから無駄であると、母とオレがいくら止めても聞く耳を持たない。結局、家族の反対を押し切ってベッドの脇に電話を設置したのだ。

父は早寝だ。夕食の後30分もしないうちに気がついたら寝ている。そのかわり異常な早起きで、4時〜5時には起きてくる。ひとりで勝手に起きるのなら文句は言わないが、仕事で疲れて帰ってきてようやく寝付いたオレの部屋に入って来て、朝だよと報告するのはやめてほしかったと今でも思っている。

さて電話の話の続きだが、電話線を電話機に繋げば当然かかってきた電話は鳴るわけで、異常な早寝の父は電話が鳴る度に起こされ、その都度激怒していた。しかし、夜の8時にかかってくる電話を非常識だと言う方が非常識だとオレは今でも思っている。

そういえば30年ほど前のある晩、父が父の実家に電話をするとすでに祖父は床に入っており、こんな時間に電話をかけるなんて非常識だとこっぴどく怒られたらしい。夜の7時半に寝ている方が非常識だとぼやいていたが、オレは血は争えないと思ったのだった。

●父の言語感覚

オレは父から名前を呼ばれたことがない。父は(本人曰く)江戸っ子なので「はひふへほ」が言えない。なので「ひろし」が「しろし」になる。しかし「しろし」も言いにくいので、物心ついた頃から「チロ」と呼ばれている。

それが日常すぎて全く気にしていたなかったオレであったが、40も半ばに近づこうとする今になってよくよく考えてみれば、犬みたいな呼ばれようだな。

まあそれはいいとして、父は一度認識してしまった言葉(とくに名詞)は間違っていてもそのまま訂正できずに、死ぬまで使い続ける傾向にある。

たとえば初めてスキャナーというものを目にしたとき、最初にそれを"キャスナー"と覚えてしまった。以後、何度となく訂正しても父は未だそれをキャスナーと呼ぶ。

アクセルペダルのことも何故か最初に"アクセサルペダル"と覚えてしまったため、ずっとアクセサルペダルのままである。そのくせ"アクセル"のことはちゃんとアクセルという。後ろにペダルがつくと"アクセサルペダル"になってしまうのだ。

さらにJリーグが発足した頃に覚えた言葉が"トックリハット"。もちろんハットトリックを誤って覚えてしまったのだ。

まあ言い間違えの構造はわからなくもない。昔NHKのアナウンサーがカンボジア難民のことを「ナンボジアかんみん」と言ってしまったことがあるが、それと同様、音の前後が入れ替わってしまったのであろう。

間違えてしまう気持ちはわかるが、しかしそう言い続けることには理解できない。数年後気づいたのだが、どうやら本当にわざとではなく、心からトックリハットだと思い込んでいるようなのだ。

しかしトックリにもハットにも意味があるので、聞かされる方は余計わけがわからなくなる。あまりに変なのでいつになく激しく訂正をしたところ、こんどはハットリトックと言いはじめた。

なにやら韓国料理のようであるが、トックリハットじゃないと思い詰めた結果なのであろう。「トックリハットじゃない」ではなく「ハットトリックである」と覚えた方がラクだろうに、父の脳の構造上、そのような記憶法はむずかしいらしい。

以後、父は"ハットリトック"と"トックリハット"とを適宜入れ替えながら発言しているが、決してハットトリックとは言わない、というか言えないのだった。

なお、誤って覚えてしまった言葉で最も長期間に渡って使われ続けているのが、『バイバス』だ。オレが物心ついたときからずっとバイパスはバイバスなのである。

国道17号バイバスとか保土ヶ谷バイバスとか、迂回路はすべてバイバスになる。そのくせその下に"手術"という言葉が来ると普通に「バイパス手術」と言う傾向にあるので、父の中でどのような基準があるのか理解に苦しむ。

中学生の頃だったか、母に「なぜ父さんは訂正しても頑にバイバスと言い続けるのだろう?」と尋ねたところ、「耳が悪いのよ」と一蹴された。

絶対そんなはずない、あれは耳というより脳の病気なんじゃないかと食い下がると、「もういいのよ。それにね、隣のおばさんはバイパスのことをパイパスって言うのよ。パイパスよりバイバスの方がましでしょ。がまんしなさい」と言い捨てると、そのまま掃除機をかけながら隣の部屋に行ってしまった。

論点のすり替えだとも思ったが、それよりも『パイパス』という言葉のインパクトが強すぎてそれ以上何も言えなかった。

高校生になったある日の午後、家の前で隣のおばさんに会ったのであいさつをしたところ「ひろちゃん、パイパスに出る道の脇にファミレスができたのよ」と言われ、うわ、ホントにパイパスって言ってるーと驚愕したあの日のことは今も鮮明に覚えている。

変なのはオレの父だけじゃないんだと安心していいのかどうなのか、なんとも不思議な感覚の夕暮れ時。空は美しい薄紫色だった。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■電網悠語:HTML5時代直前Web再考編[200]
Web担当者の資質と未来

三井英樹
< https://bn.dgcr.com/archives/20121101140100.html
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出版のあてなど微塵もないのだけれど、原稿を書いている。最初はWeb制作者向けのノウハウ本のつもりでキーを打ち始めた。今までやって来たことの総集編というイメージで、Webプロジェクトを進める上での大切なポイントの俯瞰図みたいなもの。でも書き進めるうちに、イヤイヤと方向性を変える。Web担当者向けの本こそ必要なんじゃないのか、と。

 「2017年までに"マーケティング部門のIT予算"がIT部門を上回る」
  米ガートナーが提言する4つの破壊的なITパワーの衝撃
  EnterpriseZine < http://enterprisezine.jp/iti/detail/4283
>

私は幸運にもこれまで、発注者側にも制作側にも属して生きてこれた。最近は作る側というか、お仕事を頂く立場で生きて来たけれど。上の言葉は、その発注元が大変動を起こすということ。お金の降りて来る道が変わる。

Webが、PhotoshopとHTMLで出来ていた時代は遥か遠い昔で、今はマルチデバイスとITとビックデータ(解析)で出来ているように感じる。「ユーザ体験」は重視されつつあるけれど、リッチな体験というよりは、スピーディーな体験が求められている。「いつでも何処ででも」、そういう言葉で示すなら、原点回帰しているとも言える。

けれど、戦略立案の部分で経営に段違いに深く絡まった感は否めない。情報を社会に流す意味合いが変わって来た。だから、発注者のキャスティングが変わると言われれば、合点も行くし、反論はない。

合点はいくが、不安が募る。制作会社にいた頃は遠慮して表立っては言わなかったけれど、私はWeb担当者の質がこの10年で上がったように感じていない。恐らくは、求められる資質が広がったためだろうけれど、ここに大きなボトルネックがあるように感じていた。この地殻変動の先に、果たして明るい未来が待っているのだろうか。



私が今考えている、Web担当者の資質は以下の6つ。どれも必須の資質だし、今までご一緒させて頂けた、感動的Web担当者はそれぞれ独自のスタイルですべてを持っていた。

 ▼Web担当者の持つべき6資質:

 1)チームを編成し装備を整え、険しい山頂を目指す、登山隊のリーダー
 2)24時間365日、店内の全ての商品に気を配り続ける、コンビニ店長
 3)パーティから夜食ごはんまで、贅沢な食材/アリモノででも
  最善の食卓を目指す、料理人
 4)技術/チーム/個人/タイミングを見極め、伸びるものを伸ばし
  切るべきを切る、剪定師
 5)様々な事柄を様々な人に分かってもらえるよう、
  言葉を選び伝える、通訳者
 6)常にアンテナを張り、求めない人の所へも行きかねない、
  おせっかいお見合いオバさん

もちろん、独力で全員に成り代わるのは至難の業。だからこそパートナーが必要。登山隊のリーダーに、ザイルパートナーやシェルパが必要なように、短期ではなく、長期にわたって適切なアドバイスと阿吽の呼吸で仕事を任せられる人材。

それも、知識(Interigence)/技術(Technology)/表現(Expression)という3つの分野で。それに自社の戦略(Strategy)が揃って「SITE」になるために。

最近誤解しているんじゃないかと思うのは、これらの資質を外注が持てば良いと思っている人が増えて来ている点。金を出すからサービス規定通りに任せて「後はよろしく」と思っている人たちが少なからず居る。

有料サービスとして提供されているものが、ちゃんと機能するのは当たり前なので間違ってはいない。でも、何か大切な要素が欠落して行く兆しを感じる。

額に汗し種を蒔く者が喜び収穫をする、それがドラマの主人公の姿だ。主人公がリーダーシップも発揮せず、便利なサービスを買って組立てて、ビジネスに成功する。その成功の裏にはインドの重労働子ども達がいるかもしれないし、どこぞの劣悪な工場労働者がどれだけいても気にしない...そんなドラマに感動する人は余りいない。

だから、企業の描く「企み」の主人公が、外注さんという設定はあり得ない。その企業の中の人でないと、どう考えても困る。そうでない状況を、空洞化と呼び、盛んに問題視して対策を練り打っている分野だ。

ドラマでは、様々な障害に足をすくわれつつ、本質的なことと格闘しながら成長して行く姿が心を揺さぶる。でも、これは絵空事だからではないと思う。実際にも期待されている姿ではないだろうか。極論すれば、どのプロジェクトだって「プロジェクトX」だ。



顧客やユーザへの関与という言葉が使われ始めた。「関与」した結果を、快く受け入れて欲しいと願うのであれば、継続的な関係がどうしても必要だ。

関与され反発される場面をイメージするには、ろくに個性も見てもいない教師が生徒に関与してくるような場面を想えば良い。常に親身に傍に居てくれる者の言葉でないと、人はなかなか受け入れない。それは誰かにお任せしてしまうような状態ではなく、真剣に本人が傍に居るという状況を指す。

そう考えると、やはり主人公には頑張って頂かないとしょうがない。Web制作者は黒子でしかない、助演男優賞/助演女優賞しかありえない。種蒔きも刈り取りも苦労も喜びも、全部主人公あってのものなのだから。「苦労は部下や外注、名誉は俺」のような残念な輩が主人公では、悲劇過ぎて救いがない。

この景気低迷のさなかに、日本の企業が求めている道は、こうした苦労を厭わぬ顧客へ寄り添う道しかないように思う。ダメダメUIのWenサイトで苛立っていたのは、実はUIやユーザビリティにではなく、こんな画面でお客対応しているつもりになっている企業そのものへだったのかもしれない。姿勢自体が問題なのだ。

だとしたら、やはりWebはその最右翼に位置する。もうデカい看板を立てる流れはないだろう。テレビ離れが叫ばれているのに、CM大投入も少し的を外している気がする。

Webこそが姿勢を鮮明に打ち出せる舞台だ。WebでITの力を活用しながら、細やかなサービスや配慮を提供して行く日本企業。そしてそれは日本だけでなく世界でも通用する品質。それが本来かつ望まれる姿だろう。



Web担当者の質をとやかく言う前に、作り手の品質を上げろよとも自覚する。でも、車の片側のタイヤを装甲車並みにしても、他方がそうでもなければ、全体としてはヘビーな戦地には赴けない。両方が相まって強まって行かなければならない世界だ。

そして、制作者側には競争が分かり易いけれど、担当者側には師も少ないし、育てる道は未だあまり整備できていない。根本的に情報共有できていない部分が多いのだろう。競合他社を育て、敵に塩を送るようなものになりかねないからだ。

でも、競合に対する意識は、Web制作者だって同じだった。でも驚くほどアッケラカンと公開しながら、この業界は成長して来たのも事実だ。それを受けてか、徐々に状況は変わって来ている。

発注者側の共通の土台作りに関しては、共同で整備しても良いのではないか、という機運が見える。それが、企業ウェブ・グランプリなどの動きを後押ししている。

 Japan Web Grandprix | 企業ウェブ・グランプリ
 < http://www.web-grandprix.jp/
>



広報部や情報システム部が主体だったWeb戦略が、経営戦略室やマーケティング部のようなところにシフトしつつある。だから他社の人に話せないことも増えて行く。でも共通の部分もある。

発注者を巻き込んだウネリの中で、Web界で語られる言葉すらも増々変わるだろう。Webがこれまで同様変化し続けることを覚悟するようにと言われているかのように感じる。

これまで、このコラムでは、現状を悲観することが多かった。高村光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」を引用して、ボロボロな業界を嘆いたこともした。でも、次なる大変革の先には少し薄日がさしてきている気もない訳ではない。それは確実に若い目が伸びて来ているせいでもある。

私はエンジニアとデザイナが幸せに共存できることを願って、この業界の端っこにしがみついているけれど、デザイナともエンジニアとも分類できない人たちが明らかに育っている。

下記のように「PhotoshopはWebデザインツールではない」と言い切る姿などは、爽快にすら感じる。そりゃそうだと振り返りつつ、何を七面倒臭く考えていたんだろうと、目を開かされる。

 ▼最近見つけて感動したプレゼン(場所が広島というのにも感動)
 "HTML5 Web Design Workflow"
 < http://www.slideshare.net/gaspanik/html5-web-design-workflow
>
 "IAから見たWebの世代遷移と、html5時代のIAについて"
 < http://www.slideshare.net/yukiyakushijin/20121022-ia-meetshtml5short
>

時代は進み、業界としては明らかに苦しくなって来てはいる。でも、こんがらがって来た仕組みを何の苦もなく飛び越えて行く若者たちがいる。

しかし、考えてみれば、我々の世代だって、黎明期に様々な仕組みを平気な顔して壊して来た。お役所的な規則でがんじがらめの会社に入り込み、「ささっと公開しちゃいましょうよ」と、スーツ姿の部長らに、ジーパンで臆面もなく口にしてたものだった。

きっと何人もがヒヤヒヤし、苦虫をつぶしたような感じを受けた者も居ただろうけれど、爽快感を感じてた人たちも居たはずだ。何を七面倒臭く考えて来たんだろう、と。



話を本に戻そう。Web制作者向けの本は沢山ある。Photoshopの使い方や、Dreamweaverの秘技、どうすれば100本ノックを防げるのか、PMの極意まで、百花繚乱だ。でも、それをすべて会得できたとしても、バラ色の未来が待っている訳ではない。やはり両輪で育って行かないと業界としてヤバい。

今は個人で電子書籍で出す方法だってだいぶ簡単化して来た。まとまった原稿が誰かや何かを支える役目を負えるかもしれない。会社から離れたこの時期、諸々のことを整理する時間にしようと決めた。何らかの形にできればと思っている。



今期の連載はずっと「言葉」を冒頭に出して進めて来た。最後は最後に言葉を持ってきたい。自分がやれる「善行」とは何だろうと考えながら。色んな善行が重なり合って、次世代の扉が明るく開くと信じつつ。

 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
 それでもなお、良いことをしなさい。
 ケント・M. キース < http://www.amazon.co.jp/dp/4152084391
>
 それでもなお、人を愛しなさい─人生の意味を見つけるための逆説の10カ条

【みつい・ひでき】@mit | mit_dgcr(a)yahoo.co.jp
< http://www.mitmix.net
>

・現在フリーというかプータロー。お仕事に誘って頂けたら幸いです m(_"_)m

・ついに、200回目。断続的ではありましたが、200本、とにかく投げさせて頂きました。約10年、長かったぁ。誰が受けてくれてるのかと不安で、編集長とデスクと私しか読んでないんじゃないかとか目線を下げた時期もありましたが、また一区切りの時となりました。

私にとってこんなに一つのことを継続したのは、結婚生活くらいじゃないだろうか。......もしも可能なら、どちらも続けて行けたらと思っています。復帰した時には、よろしくお願いします。再見。

▼最近使っているツールの諸々:

1)RSS:TwitterのRSS仕様が変更になってドタバタ
【旧】http://twitter.com/statuses/user_timeline/●.rss

【新】http://api.twitter.com/1/statuses/user_timeline.rss?screen_name=●


2)Diigo < http://www.diigo.com/index
>:日々のスクラップ用で活用
【長所】容量制限がない(=その分Evernoteは自作メモ置き場として活用)
【短所】絵が貼付けられず文字のみ、無料版だと広告が消せない(許容範囲)
 ※数日前にドメインハイジャックされてて大慌てしてました、今は大丈夫。

3)IFTTT < https://ifttt.com/
>:諸々RSS→Diigoとして主に活用

4)Chrome AddOn:Copy URL+ < http://goo.gl/fScDx
>
 オプション設定で、「${sURL} ← ${title}」などと登録して活用。
 他にもtitle/urlなどを加工できるものはあるけれど、これは2バイト文字可。

5)Chrome AddOn:Cloud Save < http://goo.gl/Uugo8
>
 Google+ Picasaなどに画像を保存できるもの。Picasaは、ほぼ容量無制限
 に近いので超便利。何でも放り込んでしまう。

▼NAVERまとめで遊んでいるので、その辺りもご報告を:

1)【Kindle上陸】本気Amazon、キンドル投入。ベゾスCEOご自慢
  最良H/W搭載サービス始動! - NAVER まとめ < http://goo.gl/rAv8g
>
  → 待ちに待ったKindleの紹介、一覧性としてはまぁまぁかと思うんだけ
   れどアクセス増に繋がらなかった。でもKindle愛しているからOK。

2)【海外ドラマ】バトルスター・ギャラクティカ/Battlestar Galactica
   - NAVER まとめ < http://goo.gl/ziVus
>
   → 関連する情報が分散されているのが不満だったし、自分が見たのは
    どれだっけとか探すのが面倒になって作成。Google先生は引っ掛けて
    もくれません。きっとそんな「見つけられないコンテンツ」が山ほど
    あるんだろうなと気付かせてくれたモノ。

3)【iPhone地図】ついにiOS責任者辞任、続く混乱?、迷子のApple頑張れ!
   - NAVER まとめ < http://goo.gl/7UvZF
>
   → じゃあ速報的に出したらどーよ、と思って作ったもの。最終的にアク
    セスを集めたのは、これを作って2時間後くらいにできたもの。しかも、
    観点は、「地図アプリ」ではなく「Appleの危機」。しかも辞任する方
    への思い入れが伝わって来る内容。愛情でもスケールの違いでも完敗。

4)【iPad mini】小さなiPadか、大きなtouchか?、ホンマに使えるんは
  コッチやろ!? - NAVER まとめ < http://goo.gl/PWwYa
>
  → 大阪弁CMを見てタイトルを変えたけれど、やはり視点が不安定です。
   最終的にアクセスを集めるモノは、やはりキチンと作られている。
   でも、これを作ったおかげでiPad mini欲しくなりましたw。

本当に編集の勉強になるサービスです > NAVERまとめ
※公開しなくてもアカウント作るだけでも勉強になります。
・拙い文書をお読み下さり、本当にありがとうございました。

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編集後記(11/01)

●前にも書いたが、読売新聞の夕刊「よみうり寸評」と朝刊「編集手帳」が毎日の楽しみ。418字と458字のスペースに、それぞれ段落を意味する◆をいくつか入れて、文字をぎっしり隙間なく詰め込む。漢字が多い時は黒々と、かなが多い時は白っぽく見える。強烈な批判、みごとな諧謔、初めて聞く面白いエピソードなど、いつもうまいなあ、すばらしい芸だなあと感心している。なかでも意地悪な評論が大好きである。最近では10/30の「よみうり寸評」。

<明日への責任><明日の安心>は大いに結構だが、20回も聞かされれば、もう結構と言いたくなる◆そう語る人が<明日をも知れぬ身>だったりすれば、なおのこと。(略)<巳年までドジョウとぐろを巻くつもり><「近いうち」そば屋だったら潰れてる>──所信表明を報じたきょうの本紙朝刊の別の面には、こういう時事川柳が載っている。そのまま演説への感想と思ってもいい◆<「近いうち」>の約束が定かでない人の言う<明日>も同じことではないかと思うと、美辞麗句も重みがなく、演説も興ざめだ。

読売のサイトにあれば誰でも読めるのだが(かつては読めた)今は「YOMIURI PREMIUM」に登録が必要だ。新聞を購読していれば月額157円とお安い(朝日は1000円とお高い)。過去一年分の記事も検索し放題、キーワード登録で毎日配信される記事の中から該当する記事を自動でピックアップしてくれる。なかなか重宝そうだから登録しようと思う。一方「朝日新聞デジタル」は有料会員の加入が伸びず、それを増やすため全社を挙げて取り組んでいるんだとさ。

今日の「編集手帳」は藤本義一がテーマ。「思春期の遠い昔、藤本さん『11PM』で"大人の世界"をのぞき見ては胸をドキドキさせた一人である。」という筆者。わたしもそうでしたよ。年齢が近い人なんだな。昨日の国会、代表質問のテレビ中継を見ていたが、首相ホントに朗読がうまいなあと感心した。(柴田)

●三井さん、200回ありがとうございました! 三井さんの本、読みたいです。お仕事の話、聞きたいです。情報収集の仕方やツールの使い方も面白かったです。熱いコラムを読み、自分も頑張らなきゃなと思いました。私はテンパると夜中にいろんな人の名前を呼ぶことがあります。誰々さんなら一瞬で解決なんだろうなとか、ああわからないとか、もうやだよ〜とか思う時に。「三井さん、助けて〜!」と言うこともありました。こころが折れそうな時に。またぜひお願いします!!

『yPad 3』を買った。デジタル好きだし、フリックは早くから取り入れていて、iPhoneでもそこそこメモはとれているにも関わらずだ。スケジュールはGoogle Calendarを利用し、iCal・iPhone・iPadと同期してる。これはチームで動いている時に簡易サイボウズになる。あの人は今日は外出で忙しいんだなとか、私はこの日は予定があるからセミナー入れないで〜と書いておくことによって、調整できて重宝する。定期的なスケジュールは、繰り返し設定しておくと便利。

予定の告知方法は、メール・webブラウザ・iPhoneやiPad、Macの「通知」などがあり、時間は追加できる。単位は週間・日・時間・分。私の場合は1週間前、前日に来週のスケジュールを知り、3時間前も連絡があるので忘れていても対処できる。あとは1時間前、10分前にも。集中して仕事をしていたら、通知すら見逃し聞き逃しするから、何度も告知させる必要があるのだ。こういうのは紙にはできない。続く。(hammer.mule)

< http://www.bunpei.com/index.php/10/20/notes/ypad/
>
開発経緯。そうなの、書いた方が早い時や俯瞰したい時があるの。汚く使えるものが欲しいの。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023311316/dgcrcom-22/
>
yPad 3は10/19に発売された。付録も好き。書体見分け表、文字サイズ・角丸見本など
< http://www.morning-garden.co.jp/kikaku/kikaku2.html
>
マンガ手帳は使わないとわかっていても気になる。
< http://www.mitsubai.com/tokyo/detail/tk021503.html
>
2013年も出るのか!