晴耕雨読[06]おかしかったらすぐ眼科
── 福間晴耕 ──

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辛気臭い話題になるが、デジクリ読者の方の多くは目を使う仕事に携わり、そろそろ目の衰えが気になる人も多いと思うので(失礼)、自分の目の病気のことをとりあげてみたい。

元々かなり視力が弱いこともあって、多少見え方が悪くても「また度が進んだのか」と思い放置していたのだが、気が付くとかなり右目が見えなくなっていた。それも、近視が進んだにしてはどうも見え方がおかしいのだ。

具体的に言うと、まだらに見えなくなっていると言うか、ある点を凝視していても微妙にぼやけて見えない箇所がある。それに左右の目を交互に瞑って気づいたのだが、明るさも違っているようなのだ。


さすがにちょっと心配になって眼科医に聞いたところ、緑内障で右目はだいぶ進行してしまっていると言う。どのくらい悪いかは気を使ってか教えてくれなかったが「これまでに気が付かなかったのですか?」と何度も聞かれたので、かなり進んでいるのだろう。

正直なところかなり凹んでしまったが、残念ながら緑内障で失われた視力は元には戻らない。薬や手術で進行を止めるだけである。幸い今は良い薬が出たので、昔なら手術しか方法なかった段階でも多くの場合は投薬だけですみ、症状が進行しないまま何十年も暮らせることが多いのが救いだろう。

そんな訳でデジクリ読者のために、似たような症状があったらすぐ眼科に行くことをお勧めしたい。

本などでは、緑内障は段々と周囲から視野が狭まってきて見えなくなると書かれているが、実際に体験した感じでは、段々と視野が狭まるというよりは、段々とはっきり見えない領域が、周辺からまだらに増えてくるというイメージに近い。

よく考えたら、網膜も一気にダメージを受けるのではなく段々と弱っていく上に、死んでいく時も櫛の歯が欠けたようにまだらに死んでいくので、段々とよく見えなくなっていくのは当然なのだろう。

ただそのお陰なのか、よく緑内障では失われた視力は二度と戻らないようにいわれているが、まだ死んでない網膜細胞に関しては効果があるのか、投薬し始めてから若干は視力が回復した気がする。

それから、緑内障というと高齢者の病気のイメージがあるが、割合は少ないものの20代からの発症例もあるらしい。いくら確率が低くてもハズレを引くときは引いてしまうので、まだ若いから大丈夫と思っている方も、一度は検診を受けてみるべきだと思う。

自分もそれなりに人間ドックなどに行っていたが、簡単な眼科検診では緑内障は見つからないことが多いので、もし心配な方は必ず視野検診というのを受けてみることをお勧めする。

これは時間にして30分程で済むもので、やることも中央の点を凝視した状態で周囲に現れる光る点に気づいたらボタンを押すという簡単なものだ。

自分が受けた時には、始まって何分もたっても一向に光る点が見つけられず、看護師さんからは「もう試験は始まっていますが、本当に見えませんか」と言われてかなり絶望したのを覚えている。

そんな訳で、何度も書くが、ぜひともデジクリの読者の皆さんは検診を受けて目を大切にして欲しい。

【福間晴耕/デザイナー】
フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
< http://fukuma.way-nifty.com/
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HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったのでインテリアを見たりするのも好きかもしれない。