アナログステージ[129]巡礼から得る新しい空気と心
── べちおサマンサ ──

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コンニチハ。菜の花が、スーパーの野菜売り場に並び始めて、ニコニコなべちおです。葉の花のおひたしを食べると、春が目の前で準備しているようで、寒波な夜も心はポカポカ。

菜の花といえば、定番のカラシあえも美味しいですが、軽くボイルした菜の花と、縦に切ったエリンギを豚ロースの薄切りに巻いて、軽く蒸し焼きにして、ポン酢につけて食べるのも美味しいです。

さてさて今回は、昨年から後記の駄文で綴っている『懺悔道中膝栗毛』を、ツアー最終日のレポートということで、メインにもってきました。興味ないかたには、まったく面白くもなんともないネタです。

内容が少しコアなのと、デジクリの趣旨から遠く離れているネタなので、メインにもってくるのもどうかと悩んだのですが...。というのも、メインよりも後記のほうがボリューミーになってしまったという、裏事情もあるんですけどね。

そのコアなネタというのは、昨年の11月に満願(結願)した、関東三十六不動尊霊場巡りという、不動明王さまオンリーの巡礼の旅を、数回に渡ってレポートしているものです。

今回掲載予定だったネタは、次回にスライドさせるとして、今回のレポートをお読みになる前に、再度、注意点を記載しておきます(特別にデリケートな話でもないのですが、念のため)。



寺社巡りを始めた所以は、以前のコラムをチラっとご参照いただくとして、道中記というよりは、「こんなお寺(神社)でした」と、軽めの雑記でございます。熱く語ることもありませんし、笑いをとるようなネタでもありません。

・アナログステージ[119]デジタルから離れて懺悔と健康を祈る
< https://bn.dgcr.com/archives/20140826140200.html
>

お寺を紹介するときは、山号と寺号(院号)、仏像マニアなゆえ、いつもはご本尊さまだけ記載しておりますが、今回は、不動明王さまオンリーなので、あえて記載しておりません。宗派や諸々の札所番なども省略しております。

・関東三十六不動霊場会・公式ホームページ:
< http://tobifudo.jp/36fudo/index.html
>

●懺悔道中膝栗毛 ─ 十編(ツアーファイナル)

ではでは、11月1日から3日までの、関東三十六不動尊ツアー、最終日です。

・高幡山 明王院 金剛寺(高幡不動尊)

お寺さんの内容は以前に書いておりますが、軽くおさらい。高幡不動は、関東三大不動のひとつと数えられており、土方歳三の菩提寺としても有名です。宿泊した宿からお寺まで、歩いて数分なので、チェックアウトを済ます前に参してきました。

二度寝をしたものの(前話参照)、8時半ころにはお寺さんに到着し、山門の目の前にある不動堂では、タイミング良く朝の護摩供が始まっておりました。

朝は、地元の参拝者が多いようで、地域に密着したお寺さんだと、改めて認識。ちょうど菊の展覧会も開催されており、珍しい菊がたくさん並んでおりました(花には詳しくないので、見た目のままで)。

・田無山 総持寺(田無不動尊)

今回のツアーで何回目になるか分からないのですが、またもや駐車場トラップに嵌ってしまい、お寺さんの周りをグルグル。やっと駐車所の入り口を見つけて車を停めると、なにやら法事の準備でバタバタと慌しい。「タイミングが悪いときに来てしまったか」と躊躇うも、ここ数日で身につけた図々しさを発揮し、勤行を済ませて庫裏へ。

本堂右後ろに佇む、妙見堂。その堂に祀られているのは、初めて目にする『妙見菩薩』のお名前が。若い住職さんにご朱印をいただき、妙見菩薩さまについて尋ねると、いろいろ丁寧に教えてくださいました。まだまだ知らない仏さまがいるんだなぁ。

・亀頂山 密乗院 三寶寺(石神井不動尊)

アホなカーナビに誘導されて到着したものの、地元民しか通らないような道をくねくねと走ってきました。なんなの、このカーナビ。普段は殆ど使うことがないから鈍っているのか。

ナビの愚痴はどうでもいいとして、着いたお寺さんはとても重厚感があふれ、「天台のお寺さんなのかな?」って思うも、真言系のお寺さんでした。

単にオイラの内での比較になるんですけど、天台のお寺さんは、とてもシックな佇まい。余分な装飾はせず、「必要であるもの」だけが存在しているような。

本堂で勤行を済ませ、観音霊場用の札を持っていたので、観音堂で納札。大師堂へ向かう道すがら、お砂踏みがあったので、お参りしてきました。

・寶勝山 蓮光寺 南蔵院(志村不動尊)

アホナビに誘導されながら到着したものの、またもや駐車場トラップ。なんなの。着いたのは、どうみても檀家さん専用に用意してある駐車場。ただの参拝者だが、檀家さん用の駐車場を拝借して、お寺へ。お寺さんの雰囲気は、とてもコンパクトに纏まった印象があるものの、なにか入り難い感バッチリ。

そんなことを気にしていたら進まないので、まずは本堂でお参り。不動堂では護摩が終わったばかりなのか、お片づけをしておりました。勤行を済ませ、ご朱印をいただきたくも、ご朱印の受付が庫裏なのか寺務所なのか、どこなのか分からない。

フラフラして「もしかしてここが庫裏かも」と本堂に隣接している建物へ。ビンゴ。奥からでてきた奥さんから、「あなた何者ですか?」くらいの視線とご朱印をいただいて、無事にお勤め終了。まぁ、格好が黒い作務衣に雪駄姿ですし、なんか、すみません。

・神霊山 慈眼寺 金乗院(目白不動尊)

この日は本当にカーナビのナビ運に恵まれておらず、違うお寺さんに到着。到着早々、絶対におかしいと直感したので、とりあえず車から降りてお寺さんを確認すると、やっぱり違うお寺さんでした。ごめんなさいして、オイラに備わっている野生の感を頼りに、到着。

「今日は定休日なのか?!」ってくらいに静まりかえっている境内。不動堂で勤行を済ますも、「もしかしたら、不在でご朱印をいただけないかも!」と不安が過ぎりながらも、恐る恐る庫裏の扉をあける。

まだ若い小僧さんが「よくぞいらっしゃいました!」ってくらいの満面な笑みで迎えてくれ、無事にご朱印をいただきました。

・大聖山 東朝院 南谷寺(目赤不動尊)

ついに、この日最大のアホっぷりをカーナビが発揮。「どう考えても道路じゃないだろコレ!」というような道に入り込んでしまうも、クソナビに表示されている順路は正解通路。民家と民家の間を走るも、車幅ピッタリの隙間しかなく、サイドミラーをたたみながら進む。

ハンドル操作と車幅間隔を少しでも誤れば、民家の壁に激突確定。こんなところで運転の技術検定をさせられるとは。

車の運転には自信があるオイラでも、さすがに冷や汗タラタラ。進入していったはいいが、もう絶対にバックで戻れないくらいの狭さで、路地を曲がるのも、10回くらい切りかえして、なんとか検定試験を修了。

そんなエキサイティングなアトラクションが終われば、目的のお寺はすぐそこに! とはいかなかった。本日三回目の駐車場トラップ。また技術検定させたれるのも面倒なので、近くにあったコインパーキングに停めてお寺さんへ。

先に参拝へ来ていた女性が、ご朱印用の掛け軸を持っており、「オイラもいつかは掛け軸を持って巡礼したい」と次への抱負をたてる。

そういえば、目黒、目白、目赤、目青、目黄、いわゆる、『五色不動(五眼不動)』と呼ばれるお寺さんは、天台のお寺さんで構成されているとばかり思っていたのですが、目白不動さんだけ、真言系のお寺さんだったのですね。

東京では、目黒や目白(駅)などの地名としても定着しており、その所縁を紐解いていくのも、また興味深いものがあります。

・明王山 聖無動院 宝仙寺(中野不動尊)

いよいよ、連休を利用した関東三十六不動尊ツアーも、最後のお寺となりました。アホナビはというと、さっきのアホっぷりを猛省したのか、すんなりと目的のお寺さんまでナビゲートしてくれました。

着いた時間が、閉門ギリギリだったので、本堂まで駆け足。寺務所が閉まってしまいそうだったので、先にご朱印をいただいてから勤行を済ますことに。当然ながら本堂は閉まっており、堂前でこの日最後の勤行を済ませ、3日間の巡礼を終えました。

──以下余談──

高幡不動から田無不動の移動中、時計をみると、時間的にもまだ余裕があったので、寄り道して、調布不動尊(成田山)と、深大寺(浮岳山)を参拝してきました。ちょうどお昼時間手前だったので、深大寺でお蕎麦を愉しむ。前回参拝したときには、お蕎麦を食べてこなかったので、本場の深大寺そばを満喫。

テラス席でお蕎麦を待つ間に、ヒューマンウォッチ。これがまたツボに入るくらい面白く、この話だけでネタ1本書ける勢いだけど、内容がディープになり、クレームのお便りがたくさん届きそうなので、お披露目することができないのが残念。

調布不動さんは、いつ行っても隅々までお手入れが行き届いており、本当に気持ちの良いお寺さんです。以前に参拝したときには気がつかなかったのですが、薬師堂が本堂って書いてあったので、アタマの中にクエスチョンマークが浮かびます。

ご本尊さまは不動明王さまではなく、薬師如来さまだったのですね。前回は薬師如来さまのご朱印をいただいていたので、不動明王さまのご朱印をいただいてきました。

初日の大雨からスタートした関東三十六不動尊ツアーですが、事故も怪我もなく、無事に巡ることができました。『巡礼』というきっかけがなければ、絶対に訪れることはないだろう地域に足を運び、普段から見慣れきった風景とは違う新鮮さに、風の匂いもまた格別でした。

狭い狭いと云われる日本ですが、視線を変えるだけで、こんなにも広いところなんだと実感します。オイラは僧侶ではないので、巡礼は修行ではなく、趣味の一環という色が強いのですが、季節から生まれてくるたくさんの産物を、素直な心で受け入れられる楽しみや、自然という、懐の広い優しさを体感できるなど、お寺巡りの良さかなと感じております。

次回の『懺悔道中膝栗毛』は、関東三十六不動尊巡礼編ラスト! 満願までの最終話です。興味を持たれたかた、ぜひ読んでくださいね(^^

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。

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