晴耕雨読[18]日常知識の意外な隙間
── 福間晴耕 ──

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誰でも知ってそうな事でも、それに縁がない人にとってはまるっきり判らないというのはよくある話だ。ある人にとっては料理かもしれないし、またある人にとってはパソコンの使い方だったりする訳だ。

自分にとってはそれはヘアメイクだろう。会社に勤めていた時もデザイン系の会社でスーツとは殆ど無縁だった上に、その後はフリーランスのデザイナーなどをやっている関係で、きちっとした格好とは殆ど無縁だったせいもあり、洋服はともかく髪の毛まではまったく頭が回らなかったのだ。




ようやく最近になって、いくらきちっとした格好をしても髪の毛がそのままでは駄目だという事がわかって、たまに整髪料などを見てみるがはっきり言ってよく判らない。しかもファッション誌は細分化されていて今更何を読んでいいかも分らないし、そもそも入門書的なものはなかなか見つからないのである。

それでもよくしたもので、最近のネットはググれば何でも書いてある。得てして検索上位に来るものが、企業ページとスポンジのようなアフィリエイト狙いの内容の薄いスカスカなページばかりなのはご愛敬だが、意外にWikipediaが役に立つ。

Wikipediaというと不毛な編集合戦や、一部の記事の内容の偏りなど批判的な話もよく聞くが、結構基礎的な事で充実した記事があったり、サブカル分野などでは結構役に立つのだ。

そしてもう一つの長年の謎が女性のファッションと化粧である。男兄弟の中で育った男にありがちなように、自分もまったくこの手の事は分らなかったのだ。

実はデザインやイラスト・写真の仕事をしていると、結構これがウィークポイントになってくる。

イラストレーターや漫画家はもちろんのこと、それ以外のジャンルでも意外と「人」を扱うことは多いのだ。ところがその時に女性のファッションと化粧がまったく分らないのでは話にならない。

(実は仕事ではないものの何かのやりとりで、女性の服や下着の話になったときスリップだったかシミーズだったか、何かえらく的外れな事を言って大笑いされたのは内緒だ)

周りを見回すと、確かにカメラマンの知人はファッション専門の人でなくてもファッションと化粧に詳しい人が多いが、これもモデルさんに指示を出すときに必要になってくると考えればよく分る。

女兄弟もなく、こうした職業に縁がない男性の場合、いざ結婚して初めてこれらのことを知るのだろう。それが笑い話を生むうちはいいが、たまに嫁さんが倒れたときに買い物一つ任せられないと言われたという話を聞くと、こうした自分に縁が無さそうな知識でも、知っておいたほうがいいのかも知れない。


【福間晴耕/デザイナー】
フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/


HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったのでインテリアを見たりするのも好きかもしれない。