SNSなどネットで見かけるマイナーなジャンルや、専門的なジャンルの人が嘆いているものの一つに、世間では明らかな間違いや誤解が大手を振って横行していることがある。
しかも、ちょっと調べれば分かるはずなのに、多くの人がそうした誤解や間違いを元に意見を言ったり、無邪気に他人に広めたりするのである。
ネットの普及によりこうした誤解が広まる早さも上がったが、逆にそれを正す機会も増えてきた。そして多くのジャンルで、プロアマ問わない専門家達がこうした誤解を解くために「誤解ハンター」として戦い続けている。
自分もいくつかのジャンルで同じことをしてきたことがあるから、こうした気持ちはよくわかる。
だが最近は、こうした戦いは報われない気がしてならないのだ。なぜなら、意見を言われた方は当然ながら面食らう。
大抵は悪気があって言っているわけではないので「あっ、よく分らないけど、そうなんですか。ただそう聞いたから言っただけでも駄目ですか? ごめんなさい」とその場は収まったように見える。
だが多くの場合、言われた方はその内容を調べる気もないし、単にうるさそうな人が来たから黙っとこうと思っただけで、理解を得たかは怪しいものなのだ。
そして言われた方ではこうしたテーマは「文句を付けられそうな話題」にタグ付けされる。そしてその後はただ面倒を避けるため、そのテーマ自体を話さなくなるのである。
本当は彼らにわかるように優しく解説してあげるのが一番なのだろうけど、難しいことを興味のない人に教えるのは、とても困難なことなのだ。
かくして多くのジャンル(軍事・医療・科学 etc)が語られなくなってしまい、一握りの専門家と、金儲けや単なる憂さ晴らしのためにウソを撒き散らす、多くのデマ屋ばかりが残るのである。
【福間晴耕/デザイナー】
フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/
HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったので、インテリアを見たりするのも好きかもしれない。