[4359] 黒服こわい

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《何百個の古いブックマークはインターネットの思い出w》

■歌う田舎者[60]
 黒服こわい
 もみのこゆきと

■グラフィック薄氷大魔王[523]
 「自分をプログラムで動かす」他、小ネタ集
 吉井 宏
 



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■歌う田舎者[60]
黒服こわい

もみのこゆきと
https://bn.dgcr.com/archives/20170607110200.html

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「あー黒服こわい、ほんとこわいわー」

「なんだよ、もみのこ。おめえにもこわいもんがあったのかよ。黒服ってあれか、キャバクラとかで跪いてるにーちゃんのことかい?」

「いやいや、あの黒っぽいスーツ着てる普通のビジネスマン。あれがこわくてこわくて」

「は? それ黒服って言わんだろ。あれがこわいって? 何を言ってるんだか」

「もうあの服見ただけでおっかなくってねえ。ああ、思い出しただけで気分が悪くなる。心の臓がばくばくしてきた」

「おいおい、大丈夫かよw」

「もう寝る。悪いね。吐きそうになってきた」

村の衆は、もみのこにいたずらをすることにしました。黒っぽいスーツに身を包んだビジネスマンたちを見繕って、もみのこの寝室に送り込み、外から扉に鍵をかけて、起きてくるのを待ちました。

しばらくすると、寝室から大きな叫び声が。

「ぎゃーーーっ、黒服がっ!黒服があぁぁぁぁぁっ!!」

村の衆は大喜び。かわりばんこに鍵穴から寝室を覗いては、今か今かと、もみのこが泣き出すのを待っています。

「黒服こわいって言ったじゃないか。おまえさんたち、なんてことするんだよ。ああ、黒服すき…いや、こわい」

「……おい、なんかおかしいぞ。よくよく覗いてみたら、送り込んだ黒服を侍らせて、高笑いしてるぜ。黒服こわいってのは嘘じゃねえのか」

「どれどれ…なんだありゃあ。しかも背広とシャツ脱がした男の背中に『35億』とか書いてるんだが。なんだなんだ? この世に男は35億とか言って、気取ってステップ踏んでやがるぜ」

「ブルゾンちえみかよ」

「おい、もみのこ。おまえ黒服がこわいなんて、とんでもねえ嘘つきだな。ほんとうにこわいのは何なんだよ」

「ほんとうはたくさんのお金がこわい」

…という古典落語があったが(ねえよ)、そのくらい黒服、いやいや、スーツを着たビジネスマンが大好物だったのである。

新卒で入社した会社はオシャレ男子が多かった。黒っぽい正統派ビジネススーツはもちろん、黄緑の麻のスーツを着たロン毛男子…と、字面だけ読むと奇天烈なのだが、そういうカッコがよく似合う男子がわりといたのだ。

そのままファッションショーのランウェイ歩くとか、裸足にデッキシューズ履いて、ニースの海岸でポーズ取っててもいんじゃね? と思われる男子たちである。

ああ、お近づきになりたい! あれはいったいどういうファッションなんだろう、そのパーツの名前はなんてんだろう…と気になってしょうがなかった。そんなわけで、MEN'S CLUB購入に相当金を払っていたあの頃。

同僚女子たちと会社男子を眺めては、襟のタイプだの、ネクタイの結び方だの、靴の形だのをチェックしつつ、尻のラインまで品定めをするのが日課だったのである(仕事しろ)。

しかしながら、その会社を退職後は、今ひとつ、そそられる黒服男子にも恵まれず、金にも恵まれず(泣)。あまつさえ、非正規ワープア・インチキ講師稼業は3月末で契約終了とのお達しが。

♪あ〜らし〜も〜吹〜けば〜雨〜も〜降〜る〜
ババアの〜道〜よ〜なぜ〜け〜わ〜し〜♪

これからどーすんだよ(主に金)と思い悩んだわたしは、ベルばらに出てくる貧しい町娘のロザリーのように悲嘆に暮れていた。

「今日も野菜が少し浮いているスープだけ……新しい王様の時代が来て少しは楽になると思ったのに……ああ、お腹がすいた。何でもいいから仕事を……お金さえあれば、ひもじい思いをしなくてすむのに……黒服が見たいなんて贅沢は言わないわ! 神様どうかあたしを助けてください!」

そう、神様は見ていらしたのです。だって4月からのお仕事が降ってきたのですもの!! しかも黒服のいる会社。それなのに…。

入社式の日、会議室にぞろぞろと入ってくる大勢の黒服たち。

「くっ…黒服、黒服だわ!…………こわい、黒服こわい!!」

本当にこわかったのである。威圧感に身も心も潰れんばかりで、心の臓がホントにばくばくしていたのである。加えて、若者の中にババアがひとり混じっている超絶アウェー感。壁際にへばりつき、このまま壁になれないかと、全力で背中を壁に押し付けて、化石のように固まっていたら怒られた。

なんでだ! あれほど大好物だったのに! もしや学生ばかり見ている間に、20歳前後のカジュアルファッション男子にしか感じない体になってしまったのか!(おまわりさん、この人です!)

そしてプロジェクタに映し出された式次第には、大きな「アジェンダ」の文字。「ぐええぇぇぇ、アジェンダよ、お前まだ生きていたのか!」配布資料も講話も、大量のカタカナと横文字で溢れている。

思い起こせばIT企業とはそういう世界であった。十数年前、東京からきた大手企業のITコンサルタントが、都会の匂いをぷんぷん漂わせながら、気取りかえって演説をぶっていた。

「コホン、それでは本日のアジェンダについてご説明させていただきます」

田舎のジジイやババア相手にアジェンダ言うたって意味わかんねーっての。(田舎のババアとはわたしである)。

メールにFYIとか書いてんじゃねーよ。ご参考までに、って日本語で書けよグーグル先生に聞いちまったじゃねーか(聞いたのはわたしである文句あるか)。

いえいえそうは申しましても、イノベーティブなビジネスのディベロップメントを考える上では、グループ企業が全力でフルコミットすることが必要で、それによって社員のモウティベイションもパハップスグローイングアップするんじゃないかな、オーライ?(コロス。ほんとにコロスぞ)。

日常の会社生活が始まっても、黒服たちのモニタに映っている文字がさっぱり
わからない。

「Hey,public class HelloWorld?」
「public static void main(String[] args),yeah!」
「oh! System.out.println("Hello World !");」
「shit! InputStreamReader is = new InputStreamReader(System.in);」
「Void! Void! BufferedReader br = new BufferedReader(is);」

何語だそれ。スワヒリ語か。

VoidVoid言うてるけど、だいたいVoidってなんなんだよ。返り値がないって意味だと? 知らんわ。「ぼえど」だったら知ってるぞ。

【鹿児島弁講座】
「ぼえ」=無能
「ど」=〜だ/〜である
「ぼえど」=無能だ

ははははは、つまりわたしが“ぼえど”と。そういうことですな。はははははは! …ぜんぜん笑えねえよ! 返り血浴びせるぞコノヤロー! 横文字が苦手な人もいるんですよ!(クソリプ風)。

そして、会話がない。なんにもないのだ。しーーーーーーーんとしている。朝から晩まで、しーーーーーーーんとしているのだ。キーボードを叩く音しか聞こえない。なんなんだよ、みんな指先しか動かせないエンジニア養成ギプスでも着てんのか?

普通、新しく会社に入ってきた人がいたら、「今日はお天気ですね」とか「昨日の火山灰すごかったね」とか「今日はベルサイユはたいへんな人ですこと」とか、毛づくろい的雑談を投げかけてみるものじゃないのか。

「共働きなんですか」と聞かれたら、♪夫は〜とうに亡くなり〜ました いい人でし〜た〜♪と、カッコカッコカッコカッコカッコカッコカッコつけて返してやる気満々だったのに、誰も何も話しかけてこない。

黒服がこわすぎて、声も出せない毎日なのである。

ひと月たってもこわすぎる。ふた月たってもあまり変わらない。インチキ講師稼業時代は、朝から教室中に響き渡る発声で、♪は〜るばる〜きたぜ学校へ〜と、サブちゃんばりに高らかにしゃべっていたというのに、今や難破した中森明菜である。

♪たかが黒服が〜こわいだけで〜何もかもが消えたわ〜
♪ひとりぼっち〜誰もいない〜わたしは金で難破船〜

そして、入社以来のストレスで、髪が白髪になってしまったのだ。
「おっ、王妃さま、お髪(ぐし)が! ひぃぃぃぃぃぃ!」

ベルばらファンなら誰でも知っているヴァレンヌ逃亡事件。フランス革命のさなか、マリー・アントワネットがルイ16世とともにパリから脱出を試みたものの、ヴァレンヌで逮捕。そのときにアントワネットの金髪は一夜で白髪になっていたというアレである。真偽のほどは定かではない。

ストレートパーマで予約していた美容院のにーさんが、髪にブラシを入れかけて「いや、ちょっとどうしたんですか、この白髪。ストレートより白髪染めした方がいいですよ」と、気の毒そうに手を止めた。表面だけは黒髪だったのだが、一皮剥くと真っ白になっていたらしいのである。

ええ、わたくしは雄々しくも立ち上がりましたわ。

「経験がない、前例がない。こんな恐ろしいことはありません。しかし、恐れていてはこのフランスを良い方向へ導くことなどできましょうか。どんなことが起ころうとも、すべての責任はわたくしが取ります。これが女王としての試練なら、わたくしは喜んでそれを受けましょう」

いやその初体験かもしれませんけど、白髪染めごときで試練だの女王だの言われても…と困惑する美容師をよそに、真紅のつややかなベルベットのドレスをまとったわたくし、白い羽飾りの扇子を右手に、左手を高く空に掲げて、神に届けとばかりに宣言したのですわ。

「マリー・アントワネットは、フランスの女王なのですから!」

ついに発狂。……で、このあとって断頭台? 断頭台よね。


※「まんじゅうこわい」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%93%E3%82%8F%E3%81%84

※「ここに幸あり」大津美子

※「ロックンロール・ウィドウ」山口百恵

※「函館の女」北島三郎

※「難破船」中森明菜



【もみのこ ゆきと】qkjgq410(a)yahoo.co.jp

ほんと発狂しそう。あれこれ辛くて死ぬ;;。そういえばかつて大阪の占い師に「あなたはもう正社員や正職員に採用されることはありません」と言われたことがあったのを思い出した。てことは、半年の試用期間中に断頭台ってことでは?

毎週提出する週報のコメント欄には、何を書いてもいい…ということだったので、100〜300文字程度のデジクリ芸(誰かの歌詞が出て来る)で書いているのだが、もちろん既読スルーなのであった。さびしい。さびしすぎる。

♪さびし〜す〜ぎて〜死んでしまうわ〜♪

てゆうか〜! 雑談って意外と重要なんじゃね?

一人で仕事して、しーーーーーーーんは仕方がないのだが、人数いるのに朝から晩までしーーーーーーーんは堪える。

その上身動きしない。指先だけが動いている。貴様らロボットか? ♪ドモアリガトミスターロボット。これが日本人の生産性向上ってことですかい。いったいいつトイレに行けばいいんだ。もう膀胱炎になりそうである。

勤務時間中に黙って仕事するのは正しいかもしれんが、なんかおかしくね? え、おかしいの、あたし? と頭を抱えていたら、twiiterにこういうのが流れてきた。

@twit_shirokuma


「『言葉の内容はさておき、言葉を交換しあっていること』が人間同士の間に信頼や親しみを生む、というより不信が発生する確率を減らすということを、世間話や女子高生のサイダーみたいな会話を馬鹿にしている人は、過小評価していると思う。言葉の交換は猿の毛づくろいに匹敵する、重要な社会的行為かと(全文引用)」

膝を打つわたしである。

そんなこんなで悶々続きの今週、勇気を出して、隣に座る男子に「ご趣味は?」と恭しくお尋ねしたところ、スイーツ男子であることがわかった。これから毎日、わたしのメンタルヘルス向上のために、一日一回、スイーツ男子をいじる所存である。空気は読まない。


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■グラフィック薄氷大魔王[523]
「自分をプログラムで動かす」他、小ネタ集

吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20170607110100.html

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●自分をプログラムで動かす

アンドロイドは人間になれるか(文春新書)Kindle版
http://amzn.to/2qYtQIn


マツコロイドで有名な石黒浩氏の本。マッドサイエンティスト的なイメージが強かったけど、読むと「人間を理解するためにアンドロイドを作る」がよくわかる。

この中におもしろい話があった。「人間はプログラム可能か?」、馬場匠見という人の慶応大学での実験。
https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2013/gaiyou_i-4


具体的には「スマホの指示に従って行動していれば、何も考えずに仕事ができるはず」ってことで、学生を対象に課題をやらせるもの。やるべき行動を全部スマホが指示を出すようにプログラム。ただ指示通り順番にやるだけ。

すると、学生はややこしい課題をこなし、自由にやらせた学生に比べて遙かに効率良く学業をこなした、と。

おおお! これって、僕なんかが中途半端にやりかけては失敗してる「仕事の細分化」と同じかも。OmniFocusやThingsを使い、作業や手順を迷わないように仕事の段階を細かく細かく分けて、一つクリアするたびに小さい達成感を得て、あれよあれよという間に仕事が完成してるというアレ。

Thingsの新しいバージョンが出てて、ちょうどどうしようか迷ってたところだった。Thingsを入れるかどうかは別として、仕事細分化にもう一度挑戦してみよう。

さっそく、自分をプログラムで動かしてみた

「自分をプログラムする」の考え方を入れると、仕事細分化予定表の意味がちがってくる。「予定表に書いたスケジュールを目安に動く」ではなく、「決めたとおりに動く」。

さすがに一日分の動きをあらかじめ書いておくのはキツい。数時間で終われそうな分量を、メモ用紙に細分化して記入。一項目10分程度。終了時間も決める。

すると、数時間のズレになってくるとあきらめてダラダラモードになりがちだけど、一項目10分くらいだとズレは数分。挽回するのはそれほど大変じゃない。

10分ごとに「やった! クリアした!」っていう達成感と、「しまった、取り戻すぞ!」っていう闘志が来る。けっこうエキサイトするw 仕事のゲーム化とも言えそう。

プログラムした細分化項目がなくなると「このエキサイトを維持したい!」って感じで、体があたふた空回りするくらいの威力w

たぶん本格的な「人間プログラム」は、いくつかの結果から枝分かれした先まで想定するんだろうけど、今のところは「線形に進められる予定表」でいいかなと。もしかしたら、しばらく続けていれば枝分かれの先での対処などの、定型が見えてくるかもしれない。

そしたら、(僕はプログラミングはできないけど)スマホやパソコン用にインタラクティブな「自分を動かすためのプログラムのテンプレート」をアプリとして作れるかもしれない。

●Chromeの機能拡張、Bookmark Checker

「Not Found」になってたりダブってたりするブックマークを、リストにして削除するなど整理できる。

Bookmark Checker
http://bit.ly/1XWm4Zx


先日入れたとき、ダブってるどちらかを削除するリストを無造作に全選択して削除したら、どちらも消えてしまったらしく、空っぽのフォルダが続出で失敗w

元のSafariのブックマークの、明らかにダブってるフォルダを削除・整理した上でChromeに読み込み、再びBookmark Checkerをやってみた。4700件が3008件まで減った! Safariでダブりフォルダを削除する前は6000件くらいあったはずなので、半減!

それでも、ネット初期から10年くらい前までにやたらブックマークしたので、今となってはほとんど用がないサイトだったりするんだけど。必要なときは普通に検索すりゃ出てくるし。

何百個の古いブックマークは、インターネットの思い出w

●pix2pixの人間バージョン

以前書いた「ラクガキを写真っぽく変換する『pix2pix』」
https://bn.dgcr.com/archives/20170301140100.html


人間の顔でできるバージョンが出てる〜。
(ブラウザが古いと表示できないかもしれません)
http://fotogenerator.npocloud.nl/


ちょっとだけやってみた。自画像w の髪の毛部分、よくできてるなw
http://www.yoshii.com/dgcr/pix2pix-face

なんだ、やっぱ適当なラクガキのほうが面白くなるw
http://www.yoshii.com/dgcr/pix2pix-face-05

●WWDCで発表されたものについて一言ずつ

iMac Pro

「すごいデスクトップ機を計画中」って、Mac ProじゃなくiMacかよ! Xeonで18Coreまで対応って、マジすごいモンスターマシンだと思う。現行Mac Proを軽々超えちゃってる。プロ向けを充実させるって話は本当だった。

しかし、27インチのみ? 21.5インチがあれば考えたいけど、まあ僕的には普通のiMacで十分か(この構成でディスプレイなしiMacとかどうかな?w 中身そのまま平らな筐体に収め、床や机に平らに置くやつ)

iPad Pro 10.5インチ

Pencilを使うのに腕を振り回して描くには12.9インチでも狭すぎて、結局は指先で描くスタイルに。そんなに広くなくていい。すると従来の9.7インチよりちょっと大きい10.5インチはいいかも。

iPadのiOS 11にドラッグ&ドロップ、ウィンドウ、ファイルシステムが付くそうだ。ついでに、マウスを使えるようにしてもらって、もちろんカーソルもつけてw 

iPadがちょっとややこしい作業するのにも使えるようになってくるのはありがたいんだけど、2Dイラストアプリの充実に比べて3Dはまったく取り残されてるよなあ。ModoのiOSバージョン希望!

MacBook Pro、実は13インチTouch Bar付きを最近買ったばかり。デュアルコアしかなくて、遅いのは新型も同じなので、そんなにアップグレード感ないけど。

MacBook Proが空気のようにいつでも存在し続けてくれることが、プロ向けマシン充実の基本。このまま行ってくれ〜。

macOS High Sierra。WACOMドライバがMacOSのせいでおかしくなる(と思ってる)件をなんとかしてくれ、だけ。

あれ? 噂されてたMac miniのリニューアルないじゃん。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com/

Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/


結局、プログラム=ToDoリストがうまく機能するときは、信じられないような集中力を発揮できるけど、一旦つまずくと以後一日中ダメダメってのは以前と同じ。再起動かPRAMクリアみたいなコツを見つけないとw

・スワロフスキーのLovlotsシリーズ「Hoot the Owl」
http://bit.ly/2oOpgKg


・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/


・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500


・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii



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編集後記(06/07)

●奥野修司「魂でもいいから、そばにいて─3.11後の霊体験を聞く」を読んだ(2017/新潮社)。筆者は東日本大震災の二年後から、毎月のようの被災地に通い続けた。それは、霊体験ともいえる、きわめて不思議な体験をした人と会うためだった。そして、死者と逢いたいという生者の物語を聞き集めた。

震災の翌年、彼は宮城県の在宅緩和医療のパイオニア、故岡部健医師と毎週会っていた。そして、被災地でよく聞く霊体験をきちんと聞き取りしたほうがいいと、熱心に勧められる。霊は科学で認識できないが、霊に遭遇した生者にとっては事実だ。しかも、大切な人の霊と逢うことを望んでいる人たちがいる。

深い悲しみの中での再会を怖いと思う人はいない。むしろ、遺された人に安らぎや希望、喜びを与えてくれる。そう思った筆者は、津波で逝ったあの人との「再会」ともいえる物語の世界へ踏み出した。読者が信じようと信じまいと、筆者なりにその人の体験が確かであろうと判断したものを多数紹介している。

筆者が求めていたのは恐怖体験ではない。津波で死んだ大切なあの人と、共に生きようとしている人々の物語を記録することだ。被災地の不思議な体験で圧倒的に多いのが、亡くなった家族や恋人が夢に現れることだという。リアルでカラーの夢が多い。夢からなんらかのメッセージを受け取る人も少なくない。

大切な人が津波で亡くなった場合、死を覚悟する時間がなかっただけに深い悲しみが残る。もう一度会いたい、もう一度笑顔を見たいという強い思いに引かれて、亡くなった人が現れる。生きていたときの姿で、あるいは音となって、あるいは夢の中で。不思議なことが起こるのは震災後、少し経ってからが多い。

これがノンフィクションとして成り立つのか。語ってもらった話が事実かどうか検証できない。再現性もないし、客観的な検証もできない。どうやってそれを事実であると伝えるのか。不思議な体験は事実かどうかは、すべて語られる言葉の中にある。それを毀さないようにそっと受け取るのが筆者の役目だ。

筆者は一人の語り手に、時間をおいて最低でも三回会った。話にブレがないかとということではなく、津波で大切な人を失った人と、津波の被害とは無関係な筆者とでは感覚的にも大きな落差がある。それを埋めるためには少なくとも三回会う時間が必要だったという。語り手の言葉は真実だろう。しかし──。

大切な人を失ったすべての家族に共通するのが、あの人があの子がそばにいると思うと頑張れると言う。いい話だ。じっさい涙が出る話が多かった。だが、津波で逝った大切なあの人と、今も共に生きようとしている姿勢って、気持ちは分からないではないが、もしかしたら違うのではないかとわたしは思う。

あの世はあるらしい。あの世でも向上が求められるはずだ。いつまでも現世に関わっていてはいけないのではないか。今を生きる人は、いつまでも亡き人を求めてはいけないのではないのか。「津波で逝った大切なあの人と、共に生きようとしている人々の物語」ってコンセプト、おおいに違和感があるのだ。

とはいうものの、とてもいい話が多かった。でも一番ショックだったのは霊体験ではない。「陛下が来られるまで、私たちは誰からも声をかけてもらえなかった」というある被災者の言葉だ。嗚呼、すまなかったと思う。 (柴田)

奥野修司「魂でもいいから、そばにいて─3.11後の霊体験を聞く」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104049026/dgcrcom-22/



●「不信が発生する確率を減らす」に同意。普段一緒にいない人と二人きりになったら、気まずさを紛らわせるために、どうでもいい会話をしてしまうもん。その職場はお互い信頼の絆で結ばれてるってことなのかな。

逆に図書館みたいな、他人モードなのかな。それだと気楽。相手のことを考える必要ないもん。でもそれは他人だから成り立つわけで……ああ、学校の図書館で勉強するようなものか。

静かな環境は理想だけど、一日中はしんどいなぁ。職場が許すなら、イヤホンつけて仕事する〜。シーンとしていたら、口火を切るのは勇気がいるだろうなぁ。独り言をつぶやく人がいる方がいい。その人が、何をやっているかわかるもん。

職場に慣れない自分に、おやつをくれる人とか、飲み物くれる人いたなぁ。会話は少ないんだけど、ほっこりしたわ。「大阪のおばちゃん」らの飴ちゃんは、コミュニケーションツールでもあるのよね。

/Thingsの新しいバージョンは見送った。Mac版のトライ版をちらっと使ってみて、俯瞰しやすいOmniFocusの方がいいなぁと。

/「自分をプログラムする」。途中で迷わずに出来たら、効率が良いとは思うが、なかなかどうしてバグだらけの自分だ(笑)。「一旦つまずくと」めっちゃわかります!!

/エクセルを使った「タスクシュート」のiPhone版「たすくま」の、これまたMac版が出て同期できたら、入力が楽なのになぁなんて思ったりする。CSV読み込みはできるんだけど。

途中メモはカメラはiPhone、記入はMacとかが楽だなぁと。Web版は月額がかかっちゃうのと、たすくまのさくさく感が好きなのと……まぁいろいろこだわりがあるんですわ。

/「pix2pix」をらくがきで試したら、ホラーになった……。(hammer.mule)

タスクシュート
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たすくま
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