[4360] 書体ウォッチャーという新たな称号

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《面白いほど階段》

■わが逃走[203]
 尾道散歩のすすめ
 齋藤 浩

■もじもじトーク[64]
 書体ウォッチャーという新たな称号
 関口浩之
 



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■わが逃走[203]
尾道散歩のすすめ

齋藤 浩
https://bn.dgcr.com/archives/20170608110200.html

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何度も訪れている尾道が、ついに『ブラタモリ』に登場!
大好きなタモさんが大好きな尾道に!!
と期待しすぎてしまったオレであります。

冷静に尾道文化の成り立ちを紹介する良い番組ではありましたが、映像の背景が国道沿いや駐車場などが多く、尾道独自の海と山と路地の魅力、その美しさについてはいまいち伝わらない構成だったかなあ。

実は私もこの3月に尾道を訪れ、例によって階段とか階段とか階段の写真を飽きもせず撮影してきたのでございますが、まあ、これからもずっと飽きるなんてことは、まずないだろうなあ。

いくら歩いても歩きたりない、何十回訪れても迷子になれる魅惑の迷路、尾道。

今回はその散歩専用路地集合体としての魅力を、ほどよくやんわりと紹介したいと思います。

過去に何度も同じようなことを書いたけどね。これからも似たようなことを書き続けることでしょうね。

東西にJR山陽本線が走っており、その手前が海。奥が山。

尾道は町中が路地だらけで、とくに山手には寺や神社が散在し、周囲には小さな家々が斜面に貼り付くようにぎっしりと並んでいる。

それらを無数の細道(ホントに細い)が毛細血管のように結んでいるのだ。

当然ながら自動車は入れない。なので、気楽に自分のペースで、ぼーっと散歩することができる。

尾道駅前。海は画面右側すぐそこ。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/001

この個性的な木造建築は壊され、ありがちな四角いビルに生まれ変わります。現在工事が進行中とのこと。すでに駅前の町並みは再開発されてるので、むしろこの駅舎がよく今まで残ったものだ、とも思う。

それにしても、尾道にとって観光収入はそれなりのものであるはずなのに、その魅力の源である町並みをわざわざなくそうとする、エライ人の意図がわからない。

あまり考えていると寂しくなるので、とっとと踏切を渡って山の手を歩くこととする。

線路を渡って階段を上る。どの踏切からも、渡った先は階段である。つまり、山と海の間のごく狭い平地に線路が通っているから。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/002

ほんとに、面白いほど階段。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/003

階段を上って、振り返るとこんな景色だ。この10年でずいぶん疎らになってきたとはいえ、傾斜地の瓦屋根はいくら眺めていても楽しい。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/004

並列階段や交差階段など、個性的な物件多数。上りと下りとでは同じ道なのにまったく景色が違う。時間帯によっても季節によっても表情がかわる。

こんなに散歩のしがいのある町もめずらしかろう。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/005

路地から見上げると家々が密集。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/006

板塀か壊れていたので、覗いてみると、朽ちかけたガウディの壁(贋作)を発見。完成当時はどんなだったんだろう。
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幼稚園の運動場の壁に道の字発見。景色も楽しいし、部分も楽しい。
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ねこも元気だ。お友達になりました。フウコというそうです。
https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/08/images/009

というわけで、何度でも言おう。尾道はイイぞ〜。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■もじもじトーク[64]
書体ウォッチャーという新たな称号

関口浩之
https://bn.dgcr.com/archives/20170608110100.html

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明日で57回目の誕生日を迎えます。パチパチパチ! あれっ、なんか、おっさんやん。これからも、元気で楽しく「もじもじトーク」を隔週木曜にお送りしますので、よろしくお願いします。

●おかげさまで3周年

もじもじトークの第1回を書いたのが2014年7月11日。おぉ、もうすぐ三年になるのですね。

正直なところ、僕は、文章を書くの、どちらかというと得意なほうではありませんでした。今もそんな気がする……。

中学の頃、数学や英語は得意なほうでしたが、国語はわりとダメでした(笑

数学や英語は、答えが間違ったとき、その理由が明確に分かるので好きなのですが、国語の場合、そうはいかない場合がありますよね。

例えば「僕はこの文章を読んでこう感じました」と回答しても、「作者はこういう意図で書いてます」と先生から言われて、得点がもらえないことがたびたびありました。

なので、読書感想文は苦手でした……。

三年前、「デジクリに記事を書かないか」と声を掛けられた時、「大変そうだけど、少なくても三年間、休まずにがんばって書き続けよう」という目標を立てました。

その目標はどうにか達成できそうです。ついでに、もう数年、頑張って続いちゃおうかなと思ってます。

●書体ウォッチャーという新たな称号

『オトナンサー』というWebメディアにて「書体ウォッチャー」として記事を書くことになりました。不定期に(一〜二か月に一回かな)、登場しますので、その時はもじもじトークでお知らせさせてください。

先月5月25日に、『日本酒ラベルはさまざまな「感情」を持っている』というテーマで配信されました。
https://goo.gl/Ez0M81


日本酒ラベルに注目して、ラベルに使われている書体を観察しました。すると、9割以上が毛筆体で書かれていることが判明しました。

【集計結果】
1位 毛筆体(筆文字) 57本
2位 デザイン書体 3本
3位 明朝体 2本

予想はしていましたが、毛筆体比率がここまで高いと思いませんでした。ちなみに、僕が調べた棚には、ゴシック体のラベルは一枚もありませんでした。

お酒のラベルをたくさん調査したので、オトナンサーの記事で掲載できなかった部分を、今回、番外編として、もじもじトークで取り上げます。

●焼酎のラベルを観察してみた

最初、お酒全体でラベルを観察したんですが、お酒には、さまざまなカテゴリー(日本酒、焼酎、ビール、ウィスキー)があることに気づき、オトナンサーでは日本酒ラベルに限定することにしました。

では、焼酎のラベルはどうだったでしょうか。

焼酎も日本のお酒ということで、やはり、毛筆体が圧倒的な強さでした。8割ぐらいは毛筆体でした。

日本酒では重厚感のある伝統的な毛筆体が多かったのですが、焼酎ラベルでは、可愛らしい筆文字や弾けた感じがする筆文字が多数です。

焼酎は炭酸水で割ったり、果汁入りチューハイもあるので、重厚感よりもポップ感を演出したい時もあるんだと思います。

そして、毛筆体の以外の書体を使うケースは日本酒よりも多かったです。明朝体やゴシック体、デザイン書体も2割ぐらいありました。僕がとくに気になった焼酎ラベルのベスト3をご紹介します。
https://goo.gl/jVsrNo


「大河の一滴」は、明朝体の骨格ですが、古印体のように、ほどよい虫喰いと墨だまりがあり、長期熟成した焼酎って感じがします。

「百年の孤独」は、美しい明朝体で、活版印刷を思わせる風合いです。百年の孤独という、ネーミングにも魅せられました。

誰もが知っている「しろ」。これは、文字もインパクトだけでなく、余分なものが排除されたシンプルなデザインの勝利だと思います。

「しろ」のテレビコマーシャル、僕、大好きなんです。尊敬する副田高行さんがプロデュースした映像作品です。

大好きなので紹介しちゃいます。映像と音楽と、ほんの少しだけの言葉と文字の作品です。
http://www.hakutake.co.jp/ad/tv/


副田高行さんの映像ワールドとキャッチコピー、片岡朗さんの丸明オールドとのゴールデンコンビ、素敵ですよね。

僕は、焼酎がまったく飲めないのですが(もともと、お酒は弱いほう)、焼酎が飲みたくなりました。

日本酒と焼酎カテゴリー以外のお酒のラベルでも、たくさん、素敵な書体を使ったラベルがありました。書体ウォッチャーが選んだ、気になるお酒ラベル、勝手にベスト3をお送りします。じゃーん!
https://goo.gl/eEwOvw


とくに、最初のタイプライターのような欧文で組まれたバーポンのラベル、逸品じゃないですか! 実際、飲んだら美味しかった。

二つ目の日本製ウィスキー、セリフ体の欧文と品のある毛筆体が、とてもマッチしています。

そして、三つ目の「水曜日のネコ」「よなよなエール」「僕ビール、君ビール。」、パッケージデザインとキャラクターの勝利のような気がしますが、書体もゆるくていいよね。

●なぜ「書体ウォッチャー」に?

小さい頃から、ホーロー看板の文字、レコードジャケットで使われている文字、コカコーラなどの製品ロゴなどが気になってました。

そして、僕のiPhoneの写真フォルダの中には、街中で見つけた素敵な文字の写真が数百枚、いつも収められています。

あれっ、すでに、書体ウォッチャーじゃん……。

なんで声がかかったかというと、とあるタイポグラフィの協会に「文字に関する楽しい記事をWebコンテンツにしたい」という相談があったそうです。

「だったら、フォントの記事を書くのが得意そうな人がいるから紹介するよ」との意見が協会員の数名から出たようです。それが、僕だったのです。

僕は、文字が好きなだけで、タイポグラフィに関しては初心者なので、推薦していただき、とても光栄でした。

編集の方といろいろ話をするうちに、「書体ウォッチャーがピッタリかも」ということになりました。

もじもじトークの記事の中では、ある時は「丸明ハンター」、ある時は「筑紫明朝ハンター」、ある時は「パルラムネハンター」だったりします。

そして、ある時は「書体ウォッチャー」として登場しますので、よろしくお願いします。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。


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編集後記(06/08)

●ヒッチコックの「フレンジー」を見た(1972/イギリス)。ネクタイ殺人鬼がロンドンを震撼させている。遺留品から足がつかないという古きよき時代の話らしい。主人公は元妻殺しの犯人とみなされ逃亡中。艱難辛苦の末、真犯人をつかまえるスカッとした話、かと思っていたら違った。フレンジーって主役の名前、かと思ったら違った。逆上、乱心、狂乱、熱狂という意味だった。

わりと早い段階で殺人鬼の正体が分かる。元妻殺しの犯人もそいつだ。主人公ブレンディの友達ラスクだ。凌辱シーンが露骨に描かれ、死体の顔がお気の毒な演出。ここまでやるのかヒッチコック。ラスクの罠でブレンディは逮捕され刑務所行き。脱走して無実の罪をはらそうとするが、追っ手から逃げ回るだけで、スカッとするような活躍がないのが物足りない。リベンジの快感がない。

殺人鬼ラスクはマザコンでホモセクシャルで女は悪い存在だと思っている変態。殺した女をジャガイモ袋に詰めて、トラックの荷台に投げ込むのだが、ネクタイピンをもぎ取られたのに気づき、トラックの荷台に乗り込んでジャガイモ袋をあけてほじくり返す。死体の足が飛び出し、ラスクの顎を蹴り上げる。ネクタイピンを取り戻すため、死後硬直した指をポキポキ折る物凄いシーンも。

不思議で不気味な映像がある。ラスクが女を自宅に連れ込む。キャメラはずっとそれを追い、部屋まで行ってから後退していく。踊り場で回り込んで、建物の外へ出て道路の向かい側までトラックバックする、すごく長いワンカットがある。なんだなんだこれはと思う。外に出た時にキャメラの前を人が横切る、そこでカットを変えていたらしい。ここの殺人現場は見せないが、これで満足。

スコットランドヤードの警視が味わい深い。なんで仕事場で平凡な食事してるんだと思ったら、妻が自慢の凝ったフランス料理に大問題あり。ほとんどゲテモノで、亭主はウンザリしているが口に出せない。二人は食卓で殺人事件の話をする。このやりとりがじつに面白い。指を折る話のとき、妻は細いパンをポキポキ折る。ヒッチコックは警察嫌いで有名だが、ここではとても好意的だ。

主人公は短慮で身勝手で鈍感で、ほとんど感情移入できない人物である。元妻に食事や金をたかっている。恋人まで巻き添えにしている。変態殺人犯と似たようなものだ。金髪ラスクは悪目立ちするが、主人公も女優たちも華がなく地味である。ヒッチコックは病院で車椅子に乗って登場する。最初の方のテムズ川のシーンで、岸に流れ寄る死体の役を熱望したという話もある。 (柴田)

「フレンジー」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00AZQZ4YG/dgcrcom-22/



●関口さん、お誕生日おめでとうございます! あれからもう三年も経つのですね。これからもよろしくお願いいたします!!

/ダイエット続き。「Sleep Cycle alarm clock」。いびきの録音は衝撃的だった。めちゃくちゃ恥ずかしい。自覚症状がないので、音があるにも関わらず、自分が出したとは信じがたい。

精度はわからない。大きめの寝息なんかも記録されていたりはするし、窓を開けて寝た時は、雑音とみなされ記録されていないのかもしれない。

最初の頃はトータル59分ということもあった。今は平均するとだいたい5〜10分ぐらい。必ずしも眠りの浅い時にだけ、いびきをかいているわけではなかった。また、運動をした日やそうでない日とでの規則性も見られなかった。

ただ、最近はいびきをかかない日が増えてきた。アプリに不具合でもあったのかなぁなんて疑ってしまうぐらい。これが運動の成果なら嬉しい。
                            (hammer.mule)

Sleep Cycle alarm clock
https://itunes.apple.com/jp/app/id320606217?mt=8


鼻呼吸ができるとイビキも減る! あいうべ体操とは?
https://allabout.co.jp/gm/gc/387416/

鼻呼吸で関節リウマチが減るって……

睡眠時無呼吸症候群の原因は肥満ではなく運動不足による心肺機能低下
https://drdoo.net/body-diet/post-2810/


メタボよりも怖い「危険ないびき」、放置すると寿命も縮まる
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/16/070800035/070800003/


いびきの治し方と原因
http://xn--jp-e73anbyc5js239a9yl.xyz/