[4362] 高知城と高知城歴史博物館を見てきました

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《長野県:来週からは「あらいぐまラスカル」だ》

■まにまにころころ[118]
 ざっくり日本の歴史(後編その33)
 高知城と高知城歴史博物館を見てきました
 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

■クリエイター手抜きプロジェクト[506]イベント編
 Google I/O 2017 報告会
 古籏一浩




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■まにまにころころ[118]
ざっくり日本の歴史(後編その33)
高知城と高知城歴史博物館を見てきました

川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito
https://bn.dgcr.com/archives/20170612110200.html

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コロこと川合です。行ってきました、土佐の国。桂浜の龍馬像を見て、室戸の中岡慎太郎像を見て、駆け足ながら高知城と高知城歴史博物館を見てきました。

坂本龍馬記念館はちょうど来春までリニューアル工事中で行けませんでしたが、できたてほやほやの高知城歴史博物館に行けたラッキーとで相殺ってことで。

土佐、幕末・維新好きにはたまらない土地だと思います。龍馬たち維新志士に関わるあれこれがあって、四賢候・山内容堂に関わるあれこれがあって、維新を経ての自由民権運動に関わるあれこれがあってと盛りだくさん。偉人だらけ。

今回は仕事のついでだったのであまり回れませんでしたが、できればもう三日はかけてあちこち回ってみたいところでした。私は幕末・維新好きってわけではないんですけど、それでも。

ちょうど今、大政奉還150年を記念して「志国高知」の「幕末維新博」と題したイベントを高知県内各地で開催中。年内にまた行きたいなあ……。

幕末・維新だけでなく、土佐には戦国の風雲児・長宗我部元親ゆかりのものもありますしね。文学好きには紀貫之『土佐日記』の舞台でもありますし。

盛りだくさん過ぎて、時間も体力もお金もいくらあっても足りない。(笑)

まあ今回はとりあえず、高知城と高知城歴史博物館を見られたので、山内容堂のお話でも書くことにします。


◎──山内容堂(やまうちようどう・1827年11月27日-1872年7月26日)

山内容堂、四賢候のひとりでこれまでにも何度か名前は出てきましたが、正直、たいして興味ありませんでした。よく知らなかったので。それが、少し知れば、なんとも面白い人で。

酒と女と詩が大好きで、自ら「鯨海酔侯」と称したり。鯨・海・酔うなんて、土佐そのもの。特に酒。常に飲んで酔ってたらしいです。ここでの鯨は、土佐名物の鯨ではなくて、「鯨飲」のほうですね、たぶん。

大事な会議に酒気帯び参加(参預会議・1863年、小御所会議・1868年)したり。もっともそれは、プレッシャーによるところもあったようですけど、酒好きは間違いない。酒好きを通り越して、アル中の域です。

「酔擁美人楼」という扁額も飾っていたそうで、長州の毛利敬親はそれに対し、「大名なんだから酒も女も思いのままで当たり前じゃん。それをわざわざ額にして飾るなんて、悪ぶって、やんちゃな俺かっけー、って言いたいのかな?」

というようなことを、自分の部下に言って笑ったそうです。まあたぶん、書いて飾るほどに酒と女が好きだっただけだと思いますけど。特に酒。まずは酒。

勤王と佐幕の板挟みで大変だったようで「酔えば勤皇、覚めれば佐幕」なんて揶揄されることもあったみたいですが、その辺は複雑なお家事情によるもので。

元々は分家の生まれでしたが、藩主の相次ぐ急逝によってお鉢が回ってきて、藩主の座に着いたのが21歳。藩主になるにあたって、山内家と縁戚関係だった島津家などが幕府に働きかけてくれてのことでした。

藩主になった容堂(容堂は隠居後の号で、当時は豊信・とよしげ)は、革新派の吉田東洋を抜擢して重用、藩政改革を推し進めました。改革の内容は、島津などの雄藩同様、軍備の西洋化や財政改革、人材育成・登用など。

幕末の四賢侯と呼ばれるのは、藩政改革を推し進め、幕政にも影響力を持ったところによります。

「四賢侯」の残り三人との付き合いも面白く、書状で相手の宛名を好き放題過ぎる呼び方で書いていて、酒を飲まない松平春嶽のことは「下戸先生」「飲水先生」「茶先生」「喫煙先生」とか、面長の伊達宗城には「長面先生」「開国長面公」とか、面長の似顔絵に「公」をつけたものまで。

四賢候・島津斉彬の後に藩政を握った島津久光への書状の宛名は「芋公」と。書状中にイラストが出てくるものなんて、初めて見ました。

酒の話ではグラスの絵を描いて、グラス十杯は飲まないと足りない、と書いていたり。それだけ仲が良かったのか、一方的に言い放題だっただけなのかは分かりませんけど、書状も気持ちよく酔って書いていたんでしょう。(笑)

四賢候は老中・阿部正弘を通じて幕政に意見を出していましたが、阿部が死去して井伊直弼が大老となって対立。四賢候と水戸の斉昭は一橋慶喜派、井伊は紀伊の慶福派で、結果はご存じの通り井伊直弼の勝利。

容堂は隠居を願い出て、また四賢候は揃って謹慎させられ、幕府との間に溝ができます。

溝はできるんですが、容堂は幕府に対して強い恩義を感じていて、最後まで心中は佐幕派。叶いませんでしたが、公武合体をずっと願っていました。

それは、自身が藩主になったのが幕府のおかげであったことと、山内家が土佐藩藩主になったのが、関ヶ原の功で家康から土佐一国を与えられたからという理由で。薩摩など関ヶ原で徳川と対立した根っからの外様とはわけが違うと。

時代の流れが討幕に傾くにつれ、板挟みに苦しんで酒量も増えたようです。

謹慎中に藩内では、武市瑞山(半平太)の土佐勤王党が台頭して、公武合体派の吉田東洋を暗殺。藩政も討幕に傾きます。

薩摩藩が会津藩と組んで長州を追い落とした八月十八日の政変で潮目が変わって、謹慎を解かれた容堂は土佐に帰国、土佐勤王党を粛正にかかり、武市瑞山も投獄・切腹となりますが、時代の流れはもう完全に討幕。

せめて武力討幕ではなく、大政奉還による王政復古を願い、大政奉還は成立しますが、その後の結果はご存じの通りです。

維新後は要職をあれこれ与えられるも辞職、別荘で酒と趣味に生きましたが、長年の酒がたたったのか、1872年、脳溢血に倒れて45歳で亡くなります。

亡くなる前には、武市瑞山を処分に追い込んだことを悔やんでいたそうです。

坂本龍馬に中岡慎太郎にと、土佐の人材は次々にこの世を去っていましたしね。まあその二人は、この世を去る前に藩を去っていますけども。

それでも土佐には、後藤象二郎に板垣退助にと、明治で活躍する人材が残っていましたし、武市瑞山の命で土佐勤王党に暗殺された人材もあったんですから、武市瑞山の処分は、それほど悔やまなくてもいいんじゃないかって気もします。吉田東洋のほか、板垣退助も暗殺されるところだったそうで。

その板垣退助を暗殺しようとした際の刺客は中岡慎太郎で、それがきっかけで板垣と中岡は意気投合して仲良くなったらしいんですけど、一歩間違えれば「板垣死すとも……」に続く言葉は違うものになっていたわけです。名をなす前だから残らないでしょうが。(笑)


◎──今回はここまで

山内容堂の面白さをなかなか上手く伝えられずにもやもやするんですが、もう、この辺で諦めます。高知城歴史博物館に行ってみてください。高知城もぜひ。

で、その後は近くの「ひろめ市場」にもぜひ。70もの店舗が集まった施設で、めっちゃくちゃ混んでいますが、高知の「食」が溢れかえっています。これも言葉では上手く言い表せないんですが……公式サイトをご覧ください。(笑)

・平成浪漫商店街 ひろめ市場
http://hirome.co.jp/


とにかく、土佐はあれもこれも触れるものみな素敵な土地でした。本来の訪問目的である仕事絡みで関わった須崎の方々も、志士も、藩主も、みんな素敵。新婚旅行先で天の逆鉾をふざけて引き抜いた龍馬の蛮行も許そうと思います。

次回も土佐の話を引っ張るかもしれません。全然違う話かもしれません。歴史の話以外を突っ込む可能性もあります。まったく未定ですが、ではまた次回。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
https://www.facebook.com/korowan

https://www.facebook.com/caputllc

http://manikabe.net/



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■クリエイター手抜きプロジェクト[506]イベント編
Google I/O 2017 報告会

古籏一浩
https://bn.dgcr.com/archives/20170612110100.html

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今回は、6月10日に行われたGoogle I/O報告会のイベントレポートです。

毎年、この時期に行われているイベントで、今回で6年目(以前は名称が違ってましたが)になります。イベントの内容は、Google I/Oで公表された技術などを報告するものです。

報告するのは、イベントに行って来たGoogle Developer Expert(GDE)です。

・Google I/O 2017
https://events.google.com/io/


報告会は全国各地で行われます(一部の地域は日程が異なります)。

https://gdg-shinshu.connpass.com/event/56698/

https://eventdots.jp/event/622771

https://gdg.connpass.com/event/58406/

https://gdgishinomaki.connpass.com/event/57370/

https://gdgshikoku.connpass.com/event/55048/


報告会の内容は以下のページにまとめられています。

・東京まとめ
https://togetter.com/li/1118868


報告内容は、Android O、Android StudioなどAndroidが主です。あとはWeb、AR/VR、Firebase/Big Queryといったところです。

基本的にセッションはYouTubeで公開されているので、報告会にこなくても情報を知ることができます。報告会のよいところは、GDEに質問でき、回答を得られるという点でしょう。

以前は会場全体を通じての質問と回答がありましたが、今年は質問タイムはありませんでした。全体報告が終了した後に、会場ごとに質問&回答という形になったようです(他の会場の様子が分からないので……多分そうなったのではないかと)

今回の信州会場を撮影した映像は以下のページにアップしてあります。

・01 ローカルセッション(イントロ)


・02 Android


・03 機械学習、Web


・04 AR・VR


・05 API.AI, Cloud


・06 ガジェット品評会


今回見て役立ちそうなものはAPI.AIでした。これは自然言語処理を利用したサービスです。音声で質問したり話しかけたりすると、内容を把握して返答してくれるというものです。

・API.AI
https://api.ai/


API.AIは無料で使えます。便利なのは、作成した質問&回答などを横展開できるということです。SlackやLINEなど、様々なサービスで使えたりします。

しかし、日本語はなかなか難しいようで、今後の発展に期待といったところです。ちょっとやってみましたが、少しばかり根気が必要かもしれません。

信州会場では、謎のガジェットがたくさん展示されていました。毎年恒例みたいな感じになっていますが……。

今年はNゲージ(電車)の先頭車両にWiFiカメラをつけて、その映像をテレビに映し出したりしました。他にも、サイリウムや音に合わせてLEDが表示される零式電子弦などいくつか展示されていました。

ちなみにmz-80Bは、私が持っていった大変レトロなコンピューターです(発売は1981年)。



報告会の後は懇親会になりました。今回は注文したものが来てないという、なんともな状態だったようで(話していて気づかなかった)。

二次会は信州の名物を食べてもらうということで、以下のゲテモノラインナップになりました。

・いなご
・はちのこ
・ざざむし
・馬刺し

他に大スズメバチというのもあるのですが、今回は皆の反対にあって駄目でした。前回も、大スズメバチ食べたのは私ともう一人だけでしたし。

「まるで罰ゲームじゃん〜〜」という台詞をのこして、GDEの一人は去ってい
きました。こりずに次回もきてください。

ということで、イベントレポートは終わりです。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


「フランダースの犬」の最終回。子供の時には全然気づかなかったけど、最初のところで本当に悪いやつが、思いっきり断罪されていました。中年(もしくは中間管理職や役員)になってから見ると、悲劇の原因は中間管理職だったというのが理解できていいかも。

フランダースの犬と同じ構図が、雪印集団食中毒事件や東京電力(福島第一原子力発電所事故)でも……。

最終回の最後のシーンも記憶と違ってた。誰かに看取られて天国に行くはずが、誰にも看取られずに死亡。かなり空しい死に方でした。

ということで来週からは「あらいぐまラスカル」が放送されるそうで……。

・InDesign JavaScript Reference
http://www.openspc2.org/reibun/InDesignCS6/ref/


・みんなのIchigoLatte入門 JavaScriptで楽しむゲーム作りと電子工作
https://www.amazon.co.jp/dp/4865940936/

[正誤表]
http://www.openspc2.org/book/error/ichigoLatte/


・After Effects自動化サンプルプログラム 上巻、下巻
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397591/

https://www.amazon.co.jp/dp/4844397605/


・IchigoLatteでIoT体験
https://www.amazon.co.jp/dp/B06X3X1CHP/

http://digiconcart.com/dccartstore/cart/info/2561/218591/


・みんなのIchigoJam入門 BASICで楽しむゲーム作りと電子工作
http://www.amazon.co.jp/dp/4865940332/


・Photoshop自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/


・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/


・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/


・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/



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編集後記(06/12)

●百田尚樹「百田百言 百田尚樹の『人生に効く』100の言葉」を読んだ。カバーの「百田百言」は金文字だ。全書版224ページ、見開き右ページに金言、左ページに百田による解説、この体裁が100回繰り返され、8つの分類タイトルと白ページの見開きが8回。このやり方はあそこしかない。幻冬舎しかない。

この本はよくある名言集ではない。百田尚樹がこれまで書いた14の小説(うち短編集が2冊)の中の、登場人物たちのセリフやモノローグなのだ。この本の作り方を想像してみる。編集者か外注の誰かが本を読んで、よさそうな物件をいくつも拾い出す。その中から百田が100個選んで、口頭でコメントする。

それを編集者か外注の誰かが文章化する。それを百田が手直しする、というとてもイージーな方法を考えた。これなら百田にあまり負担をかけず、手早く仕上がる。わたしならそうする。百田にとっても、客観性が加わるからいいのではないか。8つの分類も編集者がする。そのときに、100個の中身を再調整する。

「はじめに」で百田が書く。「小説というのは不思議なもので、書いているうちに、しばしば登場人物が作者の手を離れて、勝手に動き出すことがあるのです。そして作者でさえ思いつかなかったセリフを語りだしたりします。(略)本を出した後かなり経ってから読み直してみると、自分で意外な『名ゼリフ』を発見して驚くことがあるのです」。これは理解できる。真実であろう。

出版して寄せられた感想で、読者にうけたセリフが、百田にとって意外なものだったりする。だから、今回のような企画では、著者本人がセレクトしてはいけないと思う。いや、確実にやっていないだろう。でも、この本の構成では自画自賛みたいだし、自分の作品なのに他人事みたいに言う、と思ってしまう。

14作品中一番多く名セリフを出したのが「錨を上げよ!」の28点。次が「夢を売る」の13点、そして「モンスター」の11点である。「錨を上げよ!」は未読だが、激動の昭和の時代をルール無用の異端児が駆け抜ける話だという。わたしの昭和の10年後だ。さっそく読むことにした。あと2点は面白く読んでいる。

14作品中で1点しか名セリフがなかったのは寓話「カエルの楽園」。「カエルを信じろ」「カエルと争うな」「争うための力を持つな」という愚かな“三戒”である。これは「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と同じだ。この楽園は侵略されて滅亡した。

わたしの最も同意するセリフは「今日、この国ほど、自らの国を軽蔑し、近隣諸国におもねる売国奴的な政治家や文化人を生み出した国はない」という「永遠の0」で元特攻隊員が新聞記者と議論したときに出た言葉であった。愛国心を捨てよという政策を行ったのはGHQであり、戦後ジャーナリストの“功績”ではない。多くの新聞社は戦後60年以上経ってもその洗脳が解けていない。

他に気に入ったセリフ。「書評家という奴は、絶対に弾が飛んでこないシェルターから銃を撃ってる」「分別と常識というものぐらい、人間にとっていらぬことを考えさせるものはない」「やればできるって、便利な言葉ですね」。百田尚樹の講演が変な圧力で中止になりましたが、一橋大学の新入生はぜひ手に取って下さい。20分もあれば読めます。(柴田)

百田尚樹「百田百言 百田尚樹の『人生に効く』100の言葉」2017
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344030788/dgcrcom-22/



●ダイエット続き。iPhoneアプリ「iSmoothRun Pro」でウォーキング(+ジョグ)の記録をとっている。いろいろな機能があるのだが、気に入っているのは連携アプリが多いことと、その日かかった曲のリストが出ること。

iSmoothRunで走って、RunKeeperに書き出すことだってできるので、最初の頃のRunKeeperの記録とも統合できている。

曲のリストは、振り返りにちょうどいい。思い浮かべると、どこを走っていたかとか、この時苦しかったなぁなんて感想が出てきたりする。

そしてやはり欲しくなってくるのがApple Watch。CEOのティム・クックさんが13kg痩せたんだって。なんだかわかる。 (hammer.mule)

iSmoothRun Pro
http://www.ismoothrun.com/


次世代iPhoneは「見た目」からして超絶斬新だ
http://toyokeizai.net/articles/amp/171456

「Apple Watchを装着してから30ポンド(約13kg)減量できたことなどを」