[4373] 心がわかるMii

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《実際よりも若め可愛めに……》

■装飾山イバラ道[203]
 絵心がわかるMii
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[07]
 岡画郎の展示(3:1996年9月〜1997年8月)
 展示の記録を始める。
 関根正幸




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■装飾山イバラ道[203]
絵心がわかるMii

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20170627110200.html

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マリオカート8dxでは、やっと1位を取ることができるようになってきて嬉しい。部屋の相性と運というのも大きいかもしれない。コースが48とたくさんあるので、道を覚えるのが大変だ。

マリオカート8の時代からやっている人は、ドリフトや近道のショートカットを走るのが上手くて、勝てるわけがないと思ってしまう。

もともとマリオカート8のデラックス版なので経験者が多いのは当然だけれど、ここから始める人には色々と厳しいゲームだ。

しかしオートアクセルやハンドルアシスト、ジャイロのオンオフが自由なのはとても良い。Wiiのマリオカート時代の私は、ドリフトしてもパワーを解放する時にそのスピードを操れなくて、結局は壁に擦るようなことが多かったのだ。

今回はハンドルアシストのおかげで、ドリフトを決めてスピードを上げても、まったくコースアウトせずに走っていられる。私のようにヘタでも、スピード感を得られるような仕様があるのは画期的だと思う。年齢や経験を問わず、とりあえずは楽しめるはずだ。

●WRを目指す人たち

コースごとの速さを測るタイムアタックのモードでは、ハンドルアシストが使えなくなる制限がある。タイムアタック練習は走りの鍛錬になるので大事だ。世界一速い人の動画を見ると、上手い人はこんな過酷なことをしているのかと驚く。

タイムアタックを始めてやった時には、私はガードレールや壁にゴリゴリとぶつかってしまった。血が出る仕様なら血だらけになりそうだ(笑)。

それでも練習を積んでいると、タイムアタックの相手となるニンテンドーの見本の走りのタイムを抜くことができるようになってきた。まず、このニンテンドーの見本を抜く練習がとっても重要みたいだ。

決めた動きを決めた通りに実施すればいいだけのはずが、実際には上手くできない。集中力や指の疲れが影響するし、すべてにおいて技術がないと難しい。同じコースを三周回る場合は、一周目にコインを集めながら走ることを目指す。

最大でコインが十個ある状態だと、スピードが一割速くなるそうだ。二周目からは、結果的にその速くなったスピードでコーナーを曲がるので、一週目とは感覚がちょっと変わるはずだ。

そういった繊細なことをこなしながら、ミスなく走りきることでタイムが縮んでいくのだ。

WRの人からわずかに遅い人たちが二位以下に連なっているけれど、走りの上手さはほとんど変わらない。わずかにコーナーが膨らんだり、ターボが最速でなかったりするだけだ。

このほんの少しのために、何度も何度もトライしている人がいるのだ。別世界だけれど、その集中力の高さを尊敬する。

●味わい深い地味顔のMii

マリオカートではMiiという、自分の人間型キャラクター(アバター)をデザインして使う。男女の既存のMiiもあるけれど、せっかくなら変えると楽しい。

レースを行う部屋に集められた時に、皆がMiiの姿で出会うのだ。他のゲームのアバター作成と同じように、あらかじめ用意された幾つかの顔の輪郭や髪型から、自分で好きなものを決めて選べば良い。

目や口は形や大きさ、色や離れ具合など結構細かく設定できる。最初はありきたりなMiiが多かったけれど、最近は皆凝ってきて、ブルゾンちえみ風やどこかのタレントだと一目でわかるほど似ているMiiがいて面白い。

アメリカ人に見つけたのは、アイアンマン風に角刈りの髪型を赤くして目を四角くソックリにしたMiiだ。その出来栄えに感心する。

その中でも私がつい見てしまうのは、「こういう人いそう!」という味わいのある地味顔のMiiだ。特にイケメンでもないし、何かの有名キャラクターでもないのに、微妙な顔立ちが実にリアルなのだ。

自分本来の顔に似せようとした時に、パーツ選びと配置にセンスがあるのだと思う。似顔絵作家の人もこういうのは抜群に上手いだろうな。

電車の中で見た、ちょっと疲れたオジサン風とか、神経質そうな雰囲気が出てる人とか。眉と目の角度や間隔が、自然と調和している人の顔を見つけると、実際に存在する人から持ってきたバランスだとしか思えないのだ。

そういう人はきっと絵心がある。自分がどんな顔で、何をどうすればそれに近づくかに興味がある人なのだ。

私にとってはまったく知らない人なのに、似ているだろうなとわかるって実はすごいことではないか。「あなたのMii、すごいですね」って言ってあげたいけれど、そういうシステムはないので、レースで出会う時に一人で感心するしかない。

そういう私のMiiはどんなのかというと、実際よりも若め可愛めで作ってしまった。今は反省している(笑)。フレンド申請が結構来てしまって、今更オバサンのMiiに変えられないのだ(泣)。

まぁゲームの中でだけは楽しい方がいいってことで、このままいく。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


「アメリカン・アイドル」が復活するというニュースを見つけて喜んでいたけれど、検索するほどに本当かどうか疑わしかった。まばらな海外情報から一番新しいものを探すのが大変なのだ。審査員にケイティ・ペリーが決まったというので、具体的に名前が出た人がいるなら本当に番組は復活するとみていいみたいだ。

「アメリカン・アイドル」は番組制作会社が番組に対しての権利を持っていて、どのテレビ局と契約するかを揉めていたようだ。結局は米ABCテレビでやるそうだけれど、日本だとどこで見られるのだろう。たぶん何らかの方法はありそうだ。オーディション番組だけが世に出る方法ではないけれど、若い才能を若いうちに見つける機会は多い方がいい。


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■Scenes Around Me[07]
岡画郎の展示(3:1996年9月〜1997年8月)
展示の記録を始める。

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20170627110100.html

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記録行為に向かうきっかけとして、この頃AKIRAさんが主宰した「のざらし画廊」に参加したことが挙げられるのですが、とりあえず、岡画郎の展示と展示を記録した写真について、先に紹介しておくことにします。

・9月 合田ケムリ「花ずもう」

窓に二人の力士の絵をかざり、窓の開け閉めによって組み合ったり、離れたりする仕掛け付き。

が、窓の開け閉めが少ないため、誰も気づかず。バックは、またティッシュで作った花を飾った。

・10月 「ラブラブウインドウズ96」

1995年10月と同様の日替り作家のお見合い展。今回はプロジェクトチームもつくった。盛り上がりを期待されたが、緊張感のない作品が多く、ショボさだけが尾を引いた。チラシだけが豪華だった。

この時、私も日替り展示に参加しましたが、詳しいことは1998年4月の項に書きます。

・11月 池田繁「チャカポコ企画」

窓際の壁に黒をバックに白抜きで大きく「見せない」と書いて、その前にぬいぐるみ(チャカポコ企画製)を置いた。

池田君はそれなりに興味を引くチラシを作っていて、展示を見に来た人に肩すかしを食らわすつもりだったのでは、と考えています。

・12月 「FMラジオカ?」

FMトランスミッターを使用して、岡画郎がミニFMの放送局になった。定例会でライブをやったりした。番組を作るという案もあったが、室内の音をただ流すだけにした。

・1997年1月 「FAき初め」

FAXで書き初め。窓にFAXを置いて、寄せられた作品をそのまま展示した。

チラシに「デジタル3部作」とあるのですが、前の月の展示と合わせて2部作しかなく、しかも、デジタルですらありませんでした。

・2月 「SSS展」

部屋に様々な熱器具を配置してひたすら湯気を出す。窓がくもっている様を展示。日々の変化やアピールを週刊の新聞(ユゲ通信)として発表。

冬場、窓際に熱器具を置き続けたため、寒暖差で窓ガラスにヒビが入りました。

・3月 花塚ヒロミ「友達100人できるかな」

たくさんの人に風船をふくらましてもらい、窓に集める。風船には顔を書いて、しぼんでいく様を展示。

・4月 ナナ「生きる」

一か月、ナナ君が展示スペースで生活した。部屋の中でキャンプすると面白いかもという発想で、食料はすべて差し入れでまかなった。

https://c1.staticflickr.com/5/4214/35062453616_57c3377c48_c

写真はAKIRAさん主宰の、のざらし画廊「いい人」展に参加した時のもの。のざらし画廊については、別の機会に取り上げます。

・5月 アラカワアツコ「荒川区高円寺」

色々な家の洗濯物を窓に干した。タイトルは「あら乾く」とアラカワさんの名前をかけた。

この展示は窓の結露がひどく、夜の撮影を諦めた記憶があります。アラカワさん本人が記録写真を撮影しています。

・6月 「観覧車」

ダンボールにピンクのペンキを使って作った動かない観覧車。写真は歪みを補正したもの。

https://c1.staticflickr.com/5/4289/35044714041_04254e4422_c

・7月-8月 「泳げ! 醤油ちゃん」

魚型の醤油容器をちらしに貼り配布。集まった醤油ちゃんを、海の絵をバックに窓に張り付けた。

https://c1.staticflickr.com/5/4240/34382305644_af5635e488_c

最終日にその醤油で芋煮会を行なった。

https://c1.staticflickr.com/5/4196/35186427176_055afe9d5c_c

かつては、ご近所に味噌や醤油を借りる文化があった、という話が展示のきっかけになりました。

第3回に書いた通り、この月の後半に自転車で転倒してカメラを壊したため、この後数か月間は展示の写真は撮影しませんでした。


【せきね・まさゆき】sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。


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編集後記(06/27)

●鈴木信行「宝くじで1億円当たった人の末路」を読んだ(2017/日経BP社)。末路とは一生の最後のことで、悲惨な末路をたどる、などあまりいい使い方をされない。人生で一つの「選択」をした後、どんな「末路」が待ち受けているのか、専門家や経験者に聞いてみようという、親切なようなお節介なような本。

やらかした人の末路3件、孤独な人の末路4件、逃げた人の末路3件、変わった人の末路3件、怠惰な人の末路4件、時代遅れな企業の末路3件、仕事人間の末路4件、計24件。日経ビジネスオンラインに掲載した専門家インタビューをもとにしたもので、結論と解説を大幅に書き下ろしとか。1/3くらいが興味あり。

宝くじで1億円当たった人の末路。結論:一家離散、貧困化、人生の目的喪失、ろくなことにならない。解説:外れ→お金と時間のムダ→ろくでもない/当たり→親族トラブル、かえって貧困化、やる気の喪失→ろくでもない 「そもそも宝くじは買わないという選択が正しい」という結論は予想通り平凡だった。タイトルにうたうほどの内容ではない。タイトル詐欺本という悪評もあり。

キラキラネームの人の末路。就職の採用現場では、キラキラネームというだけで書類選考が通りにくいともいわれるが、果たして。結論:様々な意味で苦難が待つ。子供の名付けは慎重に。命名研究家・牧野恭仁雄の解説:就職で不利、仕事でも不利(管理部門などから面倒がられ、営業などでの“名前のインパクト効果”は限定的)、名前の奇抜さとは裏腹に没個性的な人格になりやすい、

いじめの対象になりやすい、受験に不利、親の虐待を受けやすい 牧野によれば、キラキラネームを付けたがるのはアウトローな人たちではなく、「自分は個性的ではない」と無力感を抱えてきた普通の人で、自分が味わえなかった個性的な人生を歩んでほしいという願いを込めて、極端な命名をするそうだ。

意外だったのは、賃貸派の末路。結論:むしろ「持ち家派」より、人生の自由度が増す。解説:多大なリスクを抱えて庶民が持ち家を持つ(って変な表現w)選択をする必要性は、いまや殆どない。ローンで持ち家を買うリスクは、ローン破産、災害、やばい人が引っ越してくる、人生の自由度低下、など多大。

損得論議、持ち家ローンVS賃貸は賃貸が圧勝。持ち家のローン買いは一か八かの大勝負で、人生の可能性を狭める。いまや「高齢者は家を借りられない」はウソ、終の棲家なんて殆ど幻想だ。これを読んでいると、現金払いでマンションに入居という選択は、誤りだったような気もする。今のうちに脱出して賃貸住宅に住めば、災害が来ようが危険な隣人が来ようが、逃げられるのだ。

興味津々だったのは、事故物件を借りちゃった人の末路。あの有名な事故物件公示サイトの運営管理人・大島てるに聞く。結論:霊の仕業かはともかく、心身に支障をきたす者多し。解説:「事故物件」では、現実問題として事故が連鎖して起こりやすい。その理由はいわゆる心霊現象ではなく、合理的・科学的な原因がある。霊の存在を信じようと信じまいと、事故物件は借りないが正解。

大島てるサイトでは殺人、自殺、死者を出した火災、孤独死が発生した不動産を事故物件と定義しており、日本全国及び海外の一部を含めた事故物件の住所や部屋番号、元居住者の死因などを知ることができる。投稿制で情報の更新も素早く、不動産業界でもこのサイトを活用。資産価値維持のため近隣住民の情報提供もある。思わずわが家の情報をチェック、大丈夫だった……。(柴田)

「宝くじで1億円当たった人の末路」最近多いバカイージーな表紙デザイン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822236927/dgcrcom-22/



●ポケモンGOのアバターはおねえさん。オバサンいないんだもの、しょうがないっ。/宝くじで数千万当たったらしい人を母が知っている。お店を大きくして、幸せそうに暮らしているという話であった。

/遅れていた収入が一気に入った時、超節約して我慢していたせいか、今思えばつまらないものをたくさん買ったことがある。宝くじ買ったことないけど、向いていないように思う(笑)。

/ダイエットというよりは、スマホ巨大化傾向によるデメリットの続き。

外出時には、かばんのポケットに入れてはいるが、いちいち取り出すのが面倒。通知で振動をするものだから、同行者に気を遣わせてしまう。気を遣わせた通知のほとんどは急を要するものではない。かといって電源オフにはできず。

着席したら、かばんから取り出して机の上。会社によってはロッカーに置きっ放しだよね。制作中だとずっとマシンの前なのだが、お手洗いに行ったりお茶を入れている時に限って、待ってた電話がかかるのは何故だ? 続く。 (hammer.mule)