晴耕雨読[37]ジョブズが語る夢の第3世代携帯端末
── 福間晴耕 ──

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すごい夢を見た。

亡くなったAppleのスティーブン・ジョブズが降臨し、ビル・ゲイツ相手に、iPhone・iPad以後に何を作るべきかをプレゼンするというものである。

曰く。これまでの手書きのメモやスケジュール表を使った第0世代、それらを電子化したPalmやニュートンなどの第1世代に対して、現在のiPhoneなどの個人用端末は第2世代と言えるものだが、ネットにアクセスすることができるため、個人が入力した以上の情報を扱うことができる。

データベース化する機能を使うことで、過去の自分が入力した履歴を元に、先回りしてこちらの好みを見つけたり、やるべきことをおすすめしてくれるところまで来ている。

ジョブズによれば、第3世代端末はこれに加えて、今TwitterやFaceBookなどで起きている「互いに繋がりあい助けあう」働きを自動化して入れなくてはいけないと言う。





例えば、この前の東日本大震災ではこうしたSNSを使ってニュースより早く情報が広がり、ニュースでは拾えない細かい情報が届けられたり、被災地で困っていることが発信されると誰かがその解決方法を提示し、他の誰かがそれを実現させるということが起きていたのを覚えている人も多いと思う。

個人の予定や必要な物・持ってる物(膨大な本やCD)などを自動的にリスト化し(これなどまさにiTunesでやっていることだ)、共有化する。端末が自動検索することで、以下のようなことができると言うのだ。

例えば、あなたがたまたま被災地方面に行くことが予定されていた場合、端末は自動的に交通情報を調べて、今使える交通機関をピックアップする。それもTwitterでのやり取りのように、リアルタイムで今の状況を検索・表示できる。

そして目的地(被災地)で自分が必要とされる物・あらかじめ持っていくべき物が、自動的にリストアップされる。向こうに届けたい物を持っている人が、出発地の近所にいるなら、連絡先や物のリストまで表示されるようになる。

もちろん、周りの人にもそのことは伝えられ、共有されている被災地に送りたい物リストには「近所の◯◯さんが現地に行くので、持って行っていいと言っている」というメモが表示されるのである。

これは被災地支援を例にしたものだが、もちろんこれはどんなジャンルでも構わない。例えば仕事ならやりたいことリストに対して「仕事として手助けできる人がいる」とメモが出るし、仕事を探している人に対しては今の求人情報よりも極め細かく「◯◯ということをしたいので、手伝ってくれる人を探している」情報が届けられるのだ。

驚くべきことに、夢の中のジョブズは更に先まで語っていた。

第3世代端末はこれらの機能を備えつつ、それを超える視点・方法で検索し、考え、互いに討議し合うことで社会全体として為すべきことや、社会全体のルールの調整までするという。

つまり、上記のやり取りをした上で、必要があれば政府や交通機関や会社などに交渉し「いま◯◯という問題が起きてますが、××という方法をとれば解決できます。そのためには行政側は△△を□□にする必要があります」と提示するというのである。

もちろん、行政側もこうした細かいことは端末側が対応するので、こうしたリクエストで実現可能なものは瞬時に反映され、社会は自動的に最適化されるというのである。

……すごい夢を見た。


【福間晴耕/デザイナー】

フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/


HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったので、インテリアを見たりするのも好きかもしれない。