[4499] カワイイ・マシマシ・スクイーズ

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《犯罪以外何をやってもよいと事前に告知》

■装飾山イバラ道[216]
 カワイイ・マシマシ・スクイーズ
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[20]
 ワークショップ・ガロの事(中)
 関根正幸

■プレゼント
 木達一仁監訳「グローバルWebサイト&アプリのススメ」ボーンデジタル




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■装飾山イバラ道[216]
カワイイ・マシマシ・スクイーズ

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20180130110300.html

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昨年の11月頃にスクイーズの記事を書いて、この頃好きなものとして紹介したと思う。何にでもハマりがちな私は、今やすっかりスクイーザー。

あくまでも個人的な楽しみなので、YouTubeやWEBでレビューはしていないけれど、ここで記事として紹介しよう。

●スクイーズの何が好きなのか

スクイーズにはフランスパンや食パンにそっくりなリアルなものから、キャラクターをデザインしたもの、高反発や低反発など触り心地にもいろいろある。見た目で分けるか、素材で分けるかにも分類の違いがある。

そして、鉄道が好きな鉄オタでも電車の音が好きな人がいるように、スクイーズにも「音フェチ」というジャンルがある。表面のコーティングがツルツルなものほど、良い音が出るようだ。スクイーズの何が好きなのかは、本当に人それぞれなのだ。

私の場合はパン系が好きで、特に触り心地重視の触感系スクイーザーのようだ。しかし、元来可愛いものも好きなので、触感系スクイーザー(カワイイ含む)かな。

特に海外でも日本でも、最近のスクイーズに多いのは、カワイイを重ねて盛り込むようなものだ。アイスクリームのコーンにクマが突っ込まれて、頭にイチゴとクリームがのっているような感じ。

「creamiicandy」で画像検索すると出てくる、Yummiibear(ヤミーベア)が代表的なカワイイを盛り込んだ、スクイーズではないだろうか。

ヤミーベアの基本のデザインはクマ。頭に乗ったクリームの色や顔の表情を変えることによって、数多くのバリエーションがある。新作を楽しみにしているコレクターも多い。スクイーズ界のベアブリックと思ってもらえると、わかりやすいかもしれない。

私はこれ系に手を出すとキリがないとわかっているので、買ってはいない。しかし、シュークリームにヤミーベアの顔が挟まれているものは注文してしまった。どうも顔だけのクマに弱いみたいだ。

●くまたんで通じます

顔だけのクマのデザインは、いわゆる「くまたん」である。海外のスクイーザーのユーチューバーも「クマタン、ソーキュート、カワイイ!」と叫んだりしているので「Kumatan」というのがこれらをさすのは、世界共通になっているみたいだ(たぶん)。「Kawaii」と同じように浸透する日本語になるかな。

私の持っているくまたん系スクイーズは、やっぱり食べ物がベースだ。まずは写真を見てみよう。

・くまたん系スクイーズ
http://eimu.com/dgcol/kumsq

上奥は「ぷに丸」のジャンボベアパンケーキ、左下は「バーニーズカフェ」のクマタンメロンパン、右下は「ブルーム」のティータイムベア。

写真を撮ってわかったけれど、同じようなものが三つ並ぶと強いな。なんかお互いを強め合う気がする。カワイイのマシマシ状態(笑)。苦手な人にはクドいかな。

これはパンケーキとメロンパンとケーキなので、クマのデザインの食べ物系スクイーズということになる。もちろんこの三つは触り心地も抜群で、触感でも高得点だ。

特にクマタンメロンパンは、表面のコーティングが柔らかくて押した時にちょっと伸びるような感じで、しっとりしていて素晴らしい。パッケージはきちんと「Kumatan Melon Buns」となっている。香りも良いし可愛いしで、一部で大人気となったスクイーズだ。

奥のパンケーキもブルーベリーの香りが良いし、パンケーキの細部がとてもリアルに作り込まれている。私はこれのミニサイズも持っていて「大きいのが売れるとミニを出す」というのも、スクイーズあるあるだと思う(笑)。大小並べると可愛さ倍増だ。

ブルームのベアケーキはシフォンケーキのような柔らかさで、しっとりした下の部分がたまらない。円の組み合わせでできている「くまたん」のデザインは、その目の位置や雰囲気で独自性を出すのだろうか。

続いて、触り心地を重視する私がこよなく愛するスクイーズを三つ紹介したい。くまたんに比べて、だいぶ地味だ。

・パン系スクイーズ
http://eimu.com/dgcol/pansq

上奥は「Eric」の筋肉パン、左下は「Kiibru」の花巻パン、右下は「Kiibru」のチョコパン。三つを厳選するのは大変だったけれど、「柔らかくて低反発」という点で選ぶとこうなった。

「Eric」の大きな筋肉パンは、シャツを上げて六つに割れている腹筋を見せているパッケージが有名なもの。大きさも長辺で19cmぐらいある。

すごくフワフワの低反発で、香りもパンのようだ。触りすぎて割れ目のところから裂け始めている。裂け、剥がれ、ヒビはスクイーズにはつきものなのでしょうがない。

左下の「Kiibru」の花巻パンは、そろそろ製造が終わってしまいそうだったので、慌てて買ったもの。その見た目も、香りも、柔らかさも驚くほどパンその
ものだった。

蒸しパンのようなムワっとした食べ物特有の香りがして、一度潰すとなかなか戻ってこないほど低反発だ。味覚だけがパンを楽しめないので、脳が変な錯覚を起こす感じがする。ものすごくお気に入りの品。

右下も「Kiibru」というブランドのチョコパンで、この「Kiibru」は低反発なスクイーズメーカーということで有名だ。おそらくこれも製造が終わったみたいで残念だ。

このチョコパンはムッチリとお餅のような触り心地。もはやスポンジという感じではなく、ポヨンポヨンでしっとり感が強い。柔らかさでは私の持っているものの中で一番と言えると思う。柔らかすぎるためか、箱入りで売っていた。

●スクイーズの困ったところ

パン系スクイーズで紹介した海外ブランドは、海外サイトから買うと安くて、日本の半額程度で購入することができる。

しかし、海外の商品は届くまでに時間がかかるので、気長でないとつらいかもしれない。プチプチなしの袋詰めで届くことが多いので、損傷のリスクもある。少し多めに頼んで、スクイーズ自体の緩衝材効果を期待して送ってもらうのも手だ。

日本のお店でも、駿河屋さんのように届くまでに時間がかかるところもあるけれど、待ったからこそ届いた時に嬉しさ倍増なのかもしれない。駿河屋さんは安くて助かるお店で、年末のセールでは燃えた人も多かったと思う。

スクイーズの「個体差」についても、話すと長くなりそうだ。高い商品であっても、低反発具合にバラつきがあるのだ。同じ値段で偽物でもないのに品質が違う。

これは、作り方がまるで「たい焼き」のように、型にスポンジ素材を流し込んで発泡させているからのようだ。スクイーズ製造動画を見てなんとなくわかった。素材の混合比率や、型に入れる量が職人によってちょっと違うだけで、仕上がりに差が出そうだ。

どれも手作り品に近く、動画では塗装もスプレーのハンドペイントだった。その色材の成分や濃度が、いつも同じでない可能性もある。パン職人に近い手作業で作られているものが多い現状なのかもしれない。

個体差が少ないことでもブランドの信頼感があるので、お気に入りのブランドを見つけるのも大事だ。

●アメリカンスクイーズ

今や日本のカワイイという文化は、アメリカの子供達にも浸透し、混ざり合って独自の路線のものが出てきている気がする。

一部のアメリカ企画のものは生産ラインも大量で、クオリティも安定しているという印象。だいたい工場がメイドインチャイナなのは、どのブランドも同じなのに出してくる雰囲気が全然違う。

「Sillysquishies」の商品は、キャラの顔が独特だけれど、インスタグラムの動画を見ても、その素材の品質の良さが伝わってくる。工場はどこだろう。
https://www.instagram.com/sillysquishies/?hl=en


オリジナル商品の箱パッケージもデザインされていて完璧だし、私もいくつか注文中なので期待している。品質を確かめるには、海外の場合はまずはしっかり届かないと意味がないので、無事に届くといいなぁ。

これ以外でも、Walmartで買える低価格なスクイーズなど、女の子が夢中で買い物をしているyouTube動画が楽しい。同じ柔らかいおもちゃのスライムを、買ったり作ったりする動画もとても多い。

購入予定の商品も、動画を見て欲しくなくなることもある。期待していたものと違うことを、買う前にわかるのはありがたい。ちょっと気になる商品があったらWEB検索する人が多いけれど、皆驚くほど動画のアップが早いので、動画を検索すると結構上がっていて助かるのだ。

最近の「人が遊んでいるのも見る遊び」というジャンルに、集まる人たちの数の多さはバカにできないと思う。

この世には、見るだけじゃ絶対凄さがわからないほど素晴らしい体験もあれば、見るだけで十分という軽い楽しさもあるのだ。見たことで実体験へと引っ張ってくれることもあるので、興味のアンテナを大事にしたい。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com

装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


スクイーズは香りが飛ばないように、ジップロックに入れることもある。特にイージージッパーは、手軽に閉められて気に入っている。ほんとにラクラク。


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■Scenes Around Me[20]
ワークショップ・ガロの事(中)

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20180130110200.html

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前回はワークショップ・ガロ(以下WSGと略)という、漫画雑誌「ガロ」の編集長・山中潤さんが主宰、ライターの今一生さんが顧問という形態で開講された、クリエイターを養成するワークショップに、スタッフとして関わった経緯を書きました。



当時のガロに載った告知から、WSGの開催日と場所をリストアップしてみます。

第1回 1996年9月22日 アップリンク(渋谷)
才能自覚カウンセリング/才能をえぐり出す

第2回 1996年10月12日 スタジオはるか(阿佐ヶ谷)
サイコドラマ×自分を見る・見られる自分

第3回 1996年10月26日 ギャラリー荻窪
見たことがないもの/事件を作る

第4回 1996年11月16日 中野駅北口 サンプラザ前
オリジナリティー 自分の中の変を知る

第5回 1996年11月30日 セシオン杉並
人前の自分 一人の自分/作品を差別する

第6回 1996年12月21日 セシオン杉並
説得力/自他を差別し、理解者を得る

第7回 1997年1月11日 二村スタジオ(港区内)
ディスコミュニケーション/もう一人の自分をプレゼンする

第8回 1997年1月25日 二村スタジオ
噂になりたい! ガロ版市街劇/他者になる

第9回 1997年2月8日 中野区内
〈他者〉をふちどる質問術〜自分を驚かせる〈他者〉性の発見

第10回 1997年2月22日 中野区内
編集という遊び〜〈意味〉の偽造と情報錬金術

第11回 1997年3月29日 中野区内
公開プレゼン大会 〜アーティスト全員集合!!

第12回 1997年5月3日 salon s-36・31(池尻)



全12回の内、最後の一回を除いてタイトルが付いていますが、今さんらしい付け方だと思います。

また、WSGの内容も実務的なものというより、ある意味、自己啓発的なものだったという印象があります。



例えば、第4回ですが、中野駅北口に集まった参加者に、潜伏している司会進行役の二村さんを、時間内に探しだすよう指令を出したそうです。

聞いた話では、二村さんは中野駅近くの喫茶店にいて、外から見えるように窓際の席で待機していましたが、結局、時間内には誰も二村さんを見つけることは出来ませんでした。

(ガロに掲載されたアフターレポートには、二村さんは今さん宅に居たと書かれています。3時間の長丁場だったので、途中で移動したのかもしれません)

ただし、その回は二村さんを見つけることもさる事ながら、二村さんを見つけるために何をしようとしたかも重要だったようです。

参加者はそれぞれ、単独で二村さんを探しているだけで、チームを組んで情報交換をするようなことはありませんでした。

また、犯罪以外何をやってもよいと事前に告知したにもかかわらず、今さん宅に電話をしたり、今さんを買収して二村さんの居場所を聞き出すなどの行為に出る人もいなかったそうです。

つまり、知らず知らずのうちに自分に課している制約の存在に気づいてもらうというのが、その回のテーマの一つだったかもしれません。



前回書いたように、私は会場を探す係だったのですが、WSGの現場に(特に前半は)顔を出さなかったので、上記のリストには取った記憶のない場所もあり、少々驚いています。

当初、ワークショップの参加人数が全く掴めず、会場代を抑える必要があったので、中央線沿線で安く借りられるスタジオや公共施設に、片っ端から電話で問い合わせましたが、なかなか思うような場所が見つからなかった記憶があります。

セシオン杉並はその意味で、適した場所だったと思いますが、WSGの意に沿う場所だったかは分かりません。

WSGは、第7回以降、参加者が少人数の固定メンバーになってから、二村さんの実家にあるスタジオや、中野区内(今さんの自宅)を会場として使いました。



WSG最終回の会場となったsalon s-36・31(以下salonと略)は、映画監督の福居ショウジンさんのスタジオで、今さんから、タダで借りられる場所があるので押さえて欲しいと連絡がありました。

salonがあった池尻は、当時のバイト先に近かったこともあり、仕事が後わってから直接向かいました。

当初は借りるつもりでスタッフに色々話を聞いたのですが、料金について訊いたところ、入場料をイベント企画者とスタジオで折半するシステムだったので、一旦保留にしてもらいました。

その後、最終回はちゃんとした所でやろうと、salonを借りることになりました。ガロ以外にも告知を出したと思いますが、ゲストを呼んだこともあり、当日はそこそこの集客があったと記憶しています。

https://farm5.staticflickr.com/4762/39165602164_7ee4fcaf08_c

今回の写真は1999年2月頃撮影した、百人町の給水塔です。小滝橋通りを、大久保通りとの交差点から北上、JR中央線のガードをくぐって小滝橋への坂を下る途中、右手に戸山住宅の古い給水塔が見えました。

その廃墟のような佇まいに、思わず三脚を立てて写真を撮りました。

都営戸山住宅には、同様の給水塔がもう一基ありましたが、どちらも2006年頃に解体されてしまったのは残念でした。


【せきね・まさゆき】

sekinemajp@gmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。

1/31までですが、高円寺のバー鳥渡で、トリドリの宴という写真のグループ展に参加しています。また、川口のmasuii R.D.R galleryで、2/5〜2/11まで開催されるグループ展「あらかわあつこと柳田亮のmasuiiギャラリーのゆかいな仲間たち」に参加する予定です。


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編集後記(01/30)

●「ドラゴン・タトゥーの女」を見た(2011/アメリカ)。成人向け。間違っても家族で見る映画ではない。おぞましいセックスの設定が物語の背後で流れている。主人公の一人、リスベットが、あろうことか法的後見人のゲス野郎にレイプされる。もちろん数倍返しの復讐を果たすが、見ていて爽快ではない。

もう一人の主人公(こっちが物語を転がしていく役)はミカエル。大物実業家の不正を暴いた記事が名誉棄損で訴えられ、裁判で負けてしまう。田舎の大富豪から、40年前に一家から失踪した女性の調査依頼が入る。会社の財政的に受けざるを得なかったミカエルだが、事件を調べていくと深い闇が見えてくる。

一人では手に負えないと判断し、オーナーが推薦する調査員をアシスタントとして雇うことにする。それがリスベットだった。二人の行動はパラレルに描かれ、二人が顔を合わせるのは始まってから約一時間後だった。リスベットは背中に大きな竜のタトゥーを入れている。超絶の天才ハッカーで運動能力も高い。

ミカエルは007ジェームズ・ポンドを演じたダニエル・クレイグだから、007みたいな超人的な行動をとるのかと思ったら、地道な調査に徹する、有能だが普通の中年ジャーナリストだった。彼は容疑者から拳銃で撃たれて負傷する。リスベットの方がずっと行動的で乱暴で、ベッドシーンをリードされる007(笑)。

正直、登場人物や物件が多く、訳わからなくなるのは、見ているわたしが悪いのだろう。検索や画像分析などのシーンも多く、とくにリスベットのコンピュータ操作は迅速で正確で(?)小気味よい。EPSONのプリンタも大活躍だ。失踪した女性ハリエットの写真を分析すると、兄のマーティンが怪しいとミカエルは気づく。一方リスベットも、書庫の資料を分析してマーティンを特定する。

ここまでが長かったような気がする。ミカエルはマーティンの屋敷に忍び込み証拠となるものを探すのだが、あっけなくマーティンに捕まり天井から吊されてしまう。マーティンは多くの女性殺しを誇る最低の変態男である。透明な袋を頭からかぶせて、ミカエルを窒息死させようとする。見ていて超息苦しい。

そこへ(お約束通り)リスベットが現れ、マーティンを殴り倒す。女007かい。車で逃走するマーティン、バイクで猛追するリスベット、ほれぼれするほどカッコいい。車は横転し炎上、マーティンは死ぬ。大富豪の家系の謎はようやく解明した。でも、こんな変態家族の正体を暴いても、見ていて何も楽しくない。

リスベットは変装し、単身スイスに飛び、ミカエルを陥れた男の口座から20億円を引き出し、架空の複数の口座に振り込み破滅に追い込む。ネットでそんなことまでできるのか。リスベットはミカエルのプライベートや、ネット上の行動や銀行口座の残高まで知っている。超絶のハッカーの標的にされると個人情報は丸見えだ。やはりネットってエイリアンが……といつもの説に。(柴田)

「ドラゴン・タトゥーの女」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FW5SYEC/dgcrcom-22/



●本日のプレゼント「グローバルWebサイト&アプリのススメ」が面白そう。サンプル画像にあった「グローバル化チェックリスト 決定版」とか「グローバルデザインはよりシンプル」とか。

目次も気になる。「モバイルデバイドを乗り越える」「ラッキーナンバー」「意図的に外国製とされるブランドもある」「グローバルなアイコンの進化」「目に見える文化と見えない文化」

「インターネットにはたくさんの国境がある」「人はグローバル企業から買うのではない」「『その他の地域』などというものはない」「.cnを考える」「.ruを考える」など。

知識を持っておくに越したことはない。数カ国語に対応させたサイトを作ったことはあるが、単に対訳させただけだ。昨年も提案したが、同じく対訳と国ごとのデジタル環境を考慮した程度だったなぁ。 (hammer.mule)