[4595] 食べることにおける格差を考える◇シゴトバLAB 3D PRINT CONTEST 03

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《お菜っ葉と揚げさんの炊いたん》

■ショート・ストーリーのKUNI[番外編]
 食べることにおける格差を考える
 ヤマシタクニコ

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 シゴトバLAB 3D PRINT CONTEST 03 募集開始!
 織田隆治




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■ショート・ストーリーのKUNI[番外編]
食べることにおける格差を考える

ヤマシタクニコ
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最近、新聞の夕刊に載ってた柴崎友香さんのエッセイを読んでて、かなり親近感を持ってしまった。


──乾燥きざみ揚げ、というのを買ってみた。味もついていて、みそ汁や煮物にそのまま入れるだけ。常温保存可能。めちゃめちゃ便利。作った人にありがとう。わたしは菜っ葉類に揚げを入れてたいたのさえあればごはんはそれでいいので、思い立ったときに少しだけでも作れるのはほんとうに助かる。……(朝日新聞6月18日)


ああ、よさそう。その乾燥きざみ揚げというやつ、私もほしいなと思った。まだ探してないけど。菜っ葉という言葉もなんだかなつかしい。

子どものころは、お菜っ葉(たいてい「お」をつけたような気がする)の炊いたんはそれほど好きでなかったけど、大人の今はかなり好き。炊きたてのごはんにあうのは間違いない。

同じエッセイの中には「一つの鍋に順番に入れていけばできるもの、レシピが覚えられる範囲のものしか作らない。」ともあるので、柴崎さん、あんまり料理しない人なのかなと思って、ますますうれしい。

それは私が最近になって、いい年をしてやっと、自分が料理下手で、それどころか料理に向いてない人間だということを自覚して、何だか楽になったからだ。

もっとはっきりいえば、そもそも自分は料理に興味がなかったな。食べることにもあまり興味がなかったなーと思うのだ。でも、人間はだれでも食べるし、食べないわけにはいかないし、自分だっておおいに興味があるんだ、と思おうとしていたのだ、長年。


──ふふ、少し前の愚かな私よ。そうじゃないんだよ。食べることが好きだとか料理が好きだとかいう人種の、その「好き」はお前の「私だって興味がある」とはレベルが全然違う。

話にも比較にも例示にもならない、プロとアマ、自転車に乗れるようになったばかりのがきんちょと競輪選手、鍵盤にドレミをカタカナで書いたピアノで練習してる人と辻井伸行くらいの差があるんだぜ……。ちょっと言い過ぎかもしれんがな。……


お、大きなお世話だ。いいのだ。自由に生きるためには、まずおのれを知る必要がある。私はここから出発するのだ。料理下手。食べることにそんなに興味ないもーん。悪いか。

そういえば、それより何か月か前には、同じ朝日新聞の同じ欄(女性作家が交替でエッセイを書いているコーナーなのだ)で津村記久子さんが書いていた。


──よく食べるくせに、毎晩の食事を決めるのがすごく苦痛だ。お昼はコロッケかにゅうめんと割り切っているのでまったく平気だけれども、夕食はある程度手をかけられて楽しみな分、自分のわくわく感が自分で重い。

夕方、散歩ついでの買い物の道中で、スーパーマーケットまでえんえんと『何が食べたい?』とぶつぶつ言っていることさえある。そのくせ、まったく何も食べたくないという日もある。

それで一食抜いたら夜中に空腹でひどい目を見ることは自分でもわかっているので、無理に何かを買いに出て食べる。この、無理やり食べるものを考えなければならない状況もきつい。……


ああ、ものすごく親しみ感じる。自分が書いたような気さえする。津村さんは別の日にも


──料理はするけれども、食器を洗うのが嫌いな方だと思う。週に四日ぐらいは自炊しつつ、どうしても今日は食器を洗いたくないという日は、外食をしたりお弁当を買いに出たりする。……


と書いているので、やっぱり近いものを感じる。いいなあ。この、どうでもいいことをだらだら書いてる情けなーい感といい、まったく私だ。いやされる。

しかし、食べることにはけっこう興味ある人みたいだ。でないと外食なんかしないよね、わざわざ。

この人は「だれかかわりに料理してほしい」と思ってるだけかもしれない。まあそれでもいいか。私だってだれかが作ってくれるのなら毎晩わくわくして食べたいもの考えるよね。

一方で、最近「波」(新潮社のいわゆるPR誌の)では阿川佐和子さんの「やっぱり残るは食欲」というタイトルのエッセイが連載中なのだが、食べることに超貪欲でかつわがまま、怒ると超コワイお父さん(阿川弘之)のもとで育ったせいで(遺伝もありそうだが)、さすがに食生活の充実っぷりがすごい。

食材に関する知識も、料理のレパートリーもむちゃくちゃ豊かであることがわかって毎回、「格差」を痛感させられるのだ。

「作りおいた牛すね肉のポトフにココナッツミルクを入れて」とか「母がよく作ってくれたクリームコロッケが」とか「オックステイルシチューが」とか、父が満足できる「かつお節弁当」を持たせるために日本橋のにんべんに鰹節を買いに行くとか、それらのひとつひとつは今の時代、真似できないこともないのだろうけど、バックグラウンドの奥行きや広さが垣間見え隠れするようで、読んでいてくらくらしてくるのである。

時には謙虚に「私はなんといっても『簡単!』に敏感である。どんなにおいしい料理でも『けっこう面倒くさいの』と言われるとたちまち萎える。」なんて書いてたりするが、ここで油断してはならない。「簡単」のレベルが違うんだから。

刺身こんにゃくを切って酢味噌をかけるだけとか、水茄子を切っただけという居酒屋のお通しみたいなものを連想していたら、えらい目にあう。だいたいこのときに取り上げていたメニューは、レンズ豆の煮込みだ。レンズ豆。レンズ豆って……そこでもうどぎまぎする私なんかお呼びじゃないのだ。

何せ、学生時代には父親に夜、突然マルティニとオードブルのサンドイッチを用意させられることがちょくちょくあったそうで、すると佐和子さんは早く自分の部屋に戻りたいと思っていてもがまんして「パンを薄ーく切って、キュウリを薄ーく切って、ハムを薄ーく切って、パンを軽くトーストしてバターを塗って、からしも塗って」マルティニは「シェイカーとか道具を全部揃えて、グラスをギンギンに冷やして、水っぽくならないように注意しながら氷も」用意するのだとか。

パンを切るところから、なんですよ。「薄ーく」なんですよ。信じられますか。でも、たぶん、それらの一連の作業を佐和子さんは、ぱぱっと手際よくこなすのだ。

私みたいにいちいちレシピを見ながら「えーっと……あ、パンごつすぎた」「焦げた」とかやってるような娘だったら、どつかれて放り出されただろう。それとも、私でもそういう環境に育ったら、もうちょっとましになってただろうか。

そうそう。私もこれでもね、むかしむかし若いときはね、パンやケーキをせっせと作っていた時期もあったのだよ。クロワッサンとかブリオッシュとか、シュークリームにアップルパイ、ブッシュドノエルなんてのも作ったんだぜ、えっへん。


──ふふ、愚か者よ。おまえの場合、本を見ながらやっとこさ作ってただけ。本を見なくては不安で、クッキーさえできなかったではないか。

料理の才のある者はさっさとマスターしては「そらで」作れるようになり、さらに自己流のアレンジを加えてバリエーションを楽しんだり、ゼロからの「創作」なんてこともするんだぜ……するんだぜ……。

わわ悪かったな。

──おお、そういえば! これってマニュアル本と首っ引きでコピペを駆使して、なんとかWEBサイトを作り上げても基本わかってないから、ちょっとトラブるとお手上げ状態のど素人とプロとの差に似ているよのう。誰のことかは言わんがな……言わんがな…。

うるさいー!

しかし、別の回では佐和子さんは、キュウリの苦手な友人のことを書いていて「……それは日本人としてどうなのか。いや、……トマトを嫌いなイタリア人、ニンニクの嫌いな韓国人か、カレーが嫌いなインド人のように残念なことだと思う。」と書いて、私をどっとひかせる。

これだ。好き嫌いのない人、食べることに積極的な人は無邪気にこういうことを言う。私もこれまで何回、同じように言われてきたことか(キュウリは食べられますが)。

何せ好き嫌いが服着て歩いてるみたいな人間、見かけがちょっとあれな食べものは、見ただけで固まってしまう人間なんで。

このように言う人が、まったく悪気はないということは承知している。「嫌い」は克服できるものと思いこんでるらしいのはどうかと思うが、そんなふうに言われたからといって、その人を恨むつもりはない。佐和子さんもきっといい人。

だけど、その瞬間、私とその人の間には揚子江だかナイルだか知らないが大河が、ごうごうとおそろしい音を立てて流れているのは確かだ。

ごらん、向こう岸の人が豆粒のようじゃないか。おーーーーーい。声を枯らして呼んでも届かない。ごうごうだもん。

でね。
まあ別に料理の才なんてなくても、世の中に食べられないものがいっぱいあっても、別にいいじゃないかと思ってしまうわけです。お菜っ葉と揚げさんの炊いたん。じょーとーじゃないですか。

「マニュアル本と首っ引きでコピペを駆使してなんとかサイトを作り上げても」のくだりは忘れてください。ええもう、ほっといてください。どーせ。


【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
http://midtan.net/

http://koo-yamashita.main.jp/wp/


と、いったん締めたが。

柴崎友香さんが上記に引用したように「一つの鍋に順番に入れていけばできるもの、レシピが覚えられる範囲のものしか作らない。」とエッセイに書いたら「女のくせに臆面もなく手抜きを語り」との感想があったそうだ。

阿川家の美食生活は、妻や娘の犠牲の上に成り立っていたのではないか。

等々、話は別の方向に発展する可能性をはらんでいるわけだが、それはほかの人にまかせる。

でも、本来料理なんか興味もないしやりたくもなかったけど、主婦業を続ける上でやむなく腕を上げてしまった女も多いと思われるので、結婚しない人が増える一方の時代、今後は料理下手の女が増えるはずだ。ああ楽しみ。みなさん、仲良くしましょう。


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■3Dプリンター奮闘記[107]
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織田隆治
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いきなり暑くなりましたね、、、

6月18日、大阪で大きな地震がありました。僕も大阪にいたのですが、ドンって突き上げられたと思うと、ドドドって揺れ出しました。

阪神淡路の震災の時、僕は大阪の豊中市の伊丹空港の近くの長屋に住んでいて、少し被災したんですよね。その時は、まず地鳴りで目が覚めて、

「なんだろう?? 飛行機が落ちた??」

当たり前ですが、その時間に飛行機が跳ぶ訳もなく、寝ぼけてボーっとした次の瞬間、訳分からないくらい揺れだしたんです。

天井に吊るしてある電灯が猛烈に踊っていて、布団の横の本棚がグラグラ揺れてました。

幸い、本棚の高さが高く、天井との間にほとんど隙間がナかったのと、本棚の扉がラチェット式でプッシュしないと開かない仕様だったので、倒れることもなく助かりました。

あれ、倒れてたらタダでは済まなかったはず……。当時、本の虫で、沢山の本を詰め込んでいました。

隣の部屋に置いてあった大きくて重いテレビが、部屋の真ん中まで移動してました。食器棚も本棚と同じ仕様だったので、倒れはしなかったんですが、中で食器が踊りまくって割れてました。

幸い、これもドアがラチェット式でプッシュ解放だったんで、中身が床に散乱するコトは免れました。

でも、部屋の壁は亀裂が入り、屋根瓦はスベて崩れ落ち、近所のブロック塀も倒れていました。今回問題になってましたね……、ブロック塀。

当たり前のように電話はすぐに通じなくなり、電気も一日くらいは付かないし、水とガスも止まって、そりゃもう大変でした。

一瞬、その当時のことが思い出されました。ほんと、地震は怖いです。

今回は、事務所が二階だったおかげか、棚から少し荷物が落ちた程度で済みましたし、京都の自宅も特に被害もなく無事でした。

が、しかし! そんな阪神淡路震災を体験していたにもかかわらず、何も地震対策していない僕でした……。日頃の準備もしておかないといけないですよね。

みなさんも、ちゃんと備えはしておきましょう!!!

大阪北部の方は、まだ復旧していないところも多く、これからですね。まだまだ余震も続いていますし、注意が必要です。

●シゴトバLAB 3D PRINT CONTEST 03詳細発表!

で、気を取り直して、前回ご紹介させて頂いたコンテストの詳細ができてきたので、ちょっと宣伝。

〈シゴトバLAB 3D PRINT CONTEST 03〉

クリエイターの挑戦をサポートしたいという想いから誕生した、シゴトバ LAB(ラボ)は、いまあらゆる分野で注目されている3Dプリンターや、レザーカッターを使用したモノづくりをより多くの方に楽しんでいただくために、第3回『3D PRINT CONTEST』を開催いたします。

3Dプリントは工業製品だけでなく、もっと身近な、日常生活に使えるモノづくりを楽しめる時代となりました。未来のモノづくりに不可欠な、3Dプリンターやレーザー彫刻機を使った作品を募集します。

今回は各社様のご協賛、ご協力により、本当に盛りだくさんの賞が用意されています!! みなさま、奮ってご応募ください。

【応募期間】2018年7月1日(日)〜10月15日(月)

【発表/授賞式】2018年11月25日(日)会場:シゴトバBASE北堀江

◇最優秀賞
賞品 なんと、先日発表されたばかりのピッカピカの新製品ですよ!!
FLASHFORGE ADVENTURER3(アドベンチャー3)
http://flashforge.co.jp/adventurer3/

ご提供:Apple Tree株式会社様

その他、特別賞として、下記の賞が予定されています。

◇Autodesk「Fusion360賞」
Autodesk様より、Fusion360関連の書籍が贈られます。

◇Pixologic 「ZBrush賞」
Pixologic様より、ZBrushに関するものが贈られます。06/26現在、ご提供されるモノは確定しておりませんが、ご協賛はOK頂いております。

◇アクセサリー部門特別賞
つくる集団「ぅらめしぃ〜わっほい」様より、応募作品の中から1点、真鍮もしくはシルバーにて鋳造して頂けます。

◇フィギュア部門特別賞
本コンテスト「シゴトバLAB3Dプリントコンテスト」のキャラクターデザインの部門を開設します。

ご応募作品は、未発表のもので、このコンテスト用にデザインされたものに限ります。既存のキャラクターに類似したもの等のご応募はお控えください。

最優秀作品は、本コンテストのイメージキャラクターに採用、出力して贈呈します。今後のコンテストのイメージキャラクターとして、毎回使わせて頂き、制作者様のお名前やURL等も一緒に公開致します。

尚、キャラクターのデザインについての版権、所有権等は「シゴトバLAB」に譲渡して頂くものとします。

▽その他、本コンテストにご応募された作品に限り、ご希望者には特別価格(通常の3割引)で出力を承ります。

【募集内容】

◆募集カテゴリー

フィギュア:一般にフィギュアと呼ばれるもの。人、動物、アンドロイドなど
模型:プラモデルの改造パーツや、ロボット、車等の模型
アクセサリー:実際に身につける装飾物
アイデア雑貨:プロダクト、雑貨、実際に使用出来るもの
レーザー彫刻機:レーザー彫刻機を使うもの

◆データについて

・3Dプリント「フィギア部門、模型部門、アクセサリー部門、アイデア部門」

STLデータのみとします。出力はソリッドモデルに限ります。各パーツが重なった状態のもの、閉じたデータになっていないサーフェスモデル等は不可とします。

Autodesk様の無料の3Dソフト「Meshmixer」(Mac/Win版あり)を利用し、データのチェックを推奨致します。使用方法等はご自身にてお調べください。

「Meshmixer」ホームページ
http://www.meshmixer.com/japanese.html


・「レーザー彫刻機部門」

レーザー部門の場合は、AIデータ。サイズは縦280mm、横480mmまで。
(イラストレーターCS5以下のンバーションにてご応募ください)
線のみ、色無し、線の太さは0.1mm。
カットと彫刻の線は、別の色にて作成してください。
(例)カット=黒 彫刻=赤
使用材料は5mm厚までのアクリル板(透明のみ)
2、3、5mm厚を使用 4mm厚までのシナベニアまたはMDF

3Dプリンター、レーザー共に、完成予想図と、完成品の構想、説明文を必ず添付してください。(PDFデータ)

【応募資格】

3Dデータを作れる人。学生、プロ、アマを問いません。全国どこからでも応募可能ですが、各部門で入賞された場合、事前に連絡差し上げますので、シゴトバBASEでの表彰式等に参加できる方に限らせて頂きます。

【応募手順】

必ず、先にエントリーをお済ませください。
1)仮エントリー申請
2)仮エントリー完了
3)本エントリー申請?10月15日の締め切りまでに、データを送信。

詳細は下記のURLをご覧ください!
http://shigotoba-base.com/event/1027


これが掲載される頃にはアップされているはずです。
皆様のご応募お待ちしております!(^_^)/


前回お知らせした、「クトゥルー復活祭」のディーラーご参加も募集開始しました。
http://www.f-d-studio.jp/event.html


さて、7月29日(日)には幕張メッセで「ワンダーフェスティバル」が行われます。この夏は僕も参加して、色々と出典しようと思ってます。
http://wf.kaiyodo.net/


そろそろ準備もしていかないとなぁ……。という事で、今回は珍しく少し仕事が落ち着いてきたので、早めに準備が進んでいます〜♪

珍しい事です……夏に雪でも降らなけりゃ良いですが、いや、暑いから降ってほしいかな?(笑)


【織田隆治】
___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____
oda@f-d-studio.jp
http://www.f-d-studio.jp



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編集後記(06/28)

●金子熊夫・小野章昌・河田東海夫「小池・小泉『脱原発』のウソ」を読んだ(2017/飛鳥新社)。タイトルは版元がつけたのであろうが、小池・小泉などイントロに過ぎない。現在日本の「反原発」の強い逆風の中で、あえて信念をもって「原子力は日本にとって必要不可欠だ」と主張することが、日本人としての務めであると考える、極めて真摯でバランスのとれた内容の本である。

東京都知事、元首相の「原発ゼロ」は非常に無責任である。「一国の長期的なエネルギー政策は、国家百年の命運にかかわる大問題であり、一度や二度の総選挙の争点で終わるテーマではなく、そもそも目先の政争の具にすべきではありません」。小泉は元首相という立場上、それなりの影響力があるから問題だ。

小泉は、いわゆる「核のゴミ」の永久処分場を見つけられないことを挙げて、即時「原発ゼロ」を提唱し、原発問題を争点にして総選挙をやれば自民党は必ず負けると、野党や反原発派を煽りまくる。ならば、日本のエネルギー政策はどうすべきか、原発の穴埋めを何でするのかと聞くと、再生可能エネルギーでできるというだけで、具体的な代案を全く示さない。無責任な言説である。

原子力発電は、郵政民営化といったチープな話とは次元の違う重要問題なのだ。原子力発電は決して制御不能な技術ではない。筆者らはもちろん再生可能エネルギーの一層の普及には基本的に大賛成であり、在来の火力、原子力、水力とバランスよく効率よく使っていくことが必要だという。ただし火力の燃料はすべて海外からの輸入であり、毎年3兆円もの国費が海外に流出している。

我々は40数年前の石油ショックのとき、国家的危機を原子力発電で乗り越え、経済大国の地位を得たことを忘れている。燃やせば必ずCO2が出る化石燃料は、地球温暖化の観点から今後一層の規制強化が行われるし、安定して輸入できるかは分からない。原子力は日本にとって必要不可欠なエネルギーなのである。

福島事故以来、集団ヒステリーになった日本人は正しいエネルギー選択ができなくなった。この本は文系的な人にもよくわかるよう書かれている。エネルギーの奪い合いとなった21世紀の世界に「原発ゼロ」では、従来のような繁栄は望めないことがよくわかる。再生可能エネルギーはクリーンだが安定電源ではない。原子力をやるリスクとやらないリスクを比較すると、やるが正解と出る。

小泉が「原発ゼロ」を主張する一番の理由「核のゴミ」処理問題は、技術的に解決しているが、理解と支持が得られていない状態にある。金子熊夫は「沿岸海底下に最終処分場を作る」という発想の転換を示す。陸地(例えば既存の原発の敷地内か国有地)から海に向かって斜めに坑道を堀り、海底下数百メートルの安定した地層の中に埋設する方式を公開している。つづく。(柴田)

金子熊夫・小野章昌・河田東海夫「小池・小泉『脱原発』のウソ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864105820/dgcrcom-22/



●うちは生協の冷凍きざみうす揚げ使ってます。チャックつき!

/料理に興味はあまりないが、外食やお弁当だけだと飽きる現象をどうにかしたい(笑)。仕事が立て込むと家事ができないので、お弁当やお総菜を買ってきてもらうのだが、数日で飽きる。美味しいものでも。でも昼食だと平気な謎。

/キュウリは苦手! 人前では食べるし、「きゅうりのキューちゃん」は好き。キュウリは栄養少ないねんで(笑)。河童の食べ物やで(笑)。トマトやニンニクやカレーは好きだから、実は外国人かも、ってか(笑)。

/まぁでも好き嫌いはあってもOKだし、キュウリで非難されても、まったく気にしないメンタルを持つ(笑)。子供の頃は好き嫌いが多かったが、今はほとんどない。嫌いだったネギは、今や大量に乗せる。納豆も食べられるようになった。

なので自分の味覚をどこかで信じてなくて、「ちょっと食べてみようかな」とトライはする。ヤマシタさんみたいに見かけで食べられないに関しては、理解できる。エスカルゴは最初食べるの怖かった。イナゴやセミはまだ食べられないと思う。

とはいえ、伯母がその形から食わず嫌いなウナギや穴子を、食べないなんてもったいないと言い張るひどい奴であった(笑)。超好物。美味しいのに〜。 (hammer.mule)

冷凍きざみうす揚げ
http://goods.jccu.coop/lineup/4902220516957.html


きゅうりのキューちゃん。低塩化の取り組み。
http://www.kyuchan.co.jp/kyuchan/about/