[5161] 「大垣夜行」の時代/宮脇淳子「日本人が教えたい 新しい世界史」

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《最後に乗ったのは30年前》

■グラフィック薄氷大魔王[686]
 「大垣夜行」の時代
 吉井 宏
 
■偏屈BOOK案内
 宮脇淳子「日本人が教えたい 新しい世界史」
 柴田忠男




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■グラフィック薄氷大魔王[686]
「大垣夜行」の時代

吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20210203110200.html

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〈臨時夜行快速『ムーンライトながら』運転終了へ 『大垣夜行』から長い歴史〉だそう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d2142444fa2305fa8717cbc0cd29db1abcf3548


「大垣夜行」と呼ばれてたとは、今知った。

1987年から1991年まで、たぶん十数回くらい利用したことがある。

名古屋23時頃発、東京4時台着の夜行列車。しんどいけど、リーズナブル(5000円くらいだったかな)。

90年の夏に上京してからも、しばらくは愛知県の実家との往復に使ってた。

乗りものニュース〈「大垣夜行」を知っているか? 「ムーンライトながら」前身 直角シート 駅で長時間待ち〉

https://trafficnews.jp/post/92111/


一般的には「青春18きっぷ」とセットみたいなものだったらしい。この乗車券、今もあるのね! 18歳からの青少年が使うイメージだったけど、もうシニア割引の世代になってしまったw

Wikipediaによると、1986年のダイヤ改正で〈大垣22:15 → 名古屋22:57/22:59 → 東京4:42〉となっており、それを利用していた。

たいてい、土曜の夜にデザイン事務所を出て、そのまま名古屋駅から東京へ向かって朝着。昼間、東京で用事を済ませて夕方愛知に帰った。体力あったな。

いろんな人が乗ってた。ヘルメットにタオル覆面の、何かの運動の人が何百人ぎっしりいてびっくりした。音楽鳴らして、酒盛り大騒ぎの人たちも一度見た。

車内はいつもすごい臭いがしてた。日本の裏の大動脈的なものだったのかな。

最終列車なため、乗ってしまうと引き返せない。帰省の時期だったのか、とんでもなく混んでいたことがあった。満席でデッキにすし詰め状態。

「ヤバい」と思ったものの降りる決断ができず、そのまま東京へ。途中の駅でさらに乗り込んできて、朝の満員電車よりひどい状態に。

デッキの壁に押し付けられ、足が浮き、バッグが手を離れ、手すりが背中にめり込み、体が斜めになりながらの3〜4時間。あれは本当にキツかった。

朝5時前に東京駅に着き、銀の鈴あたりのベンチで居眠りしたりして時間をつぶし、お店が開く頃になったらそろそろと動きはじめる感じ。

1987年のギーガーの展覧会(渋谷西武シードホール)に行ったのが、たぶん最初。

オープンまで近くの喫茶店で時間をつぶした。坂をもうちょっと行けばパルコだったのに、知らなかった。

中学3年頃から東京に行くつもりだった割には、地理にうとかった。なんとなくわかるようになったのは、住み始めて5年後くらい。

神田神保町の古書店や、イエナ書店など洋書店、銀座の画廊めぐりなど。

「神田の古本屋街」って聞いてたから、神保町でなく山手線の神田駅で降りちゃって、迷子になるなどの定番失敗もやったしw

「ムーンライトながら」になったのが1996年か。乗らなくなって以後、「大垣夜行」はそんなに長く存続しなかったのね。本数はどんどん減ったそう。高速バスに取って代わられたらしい。

最後に乗ったのは30年前。22時57分に名古屋駅に行けば、今も乗れそうな気がする。

……あれ? どうやって帰ってたんだろ? 記憶がない。

東京を23時半発、名古屋に6時半着の「下りの大垣夜行」は何度か使ったはずだけど、主に帰りは新幹線だったかな。

昼間の在来線を乗り継いだこともあった。小田原かどこかで強風で在来線が止まって、しかたなく新幹線に乗ったことも。


【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com

http://yoshii-blog.blogspot.com/


シニア割といえば、スーパーでいつもアナウンスされてる「イオン G.G感謝デー」。しかし「ジジイ感謝デー」って、ストレートすぎるネーミングだなあと思ってた。

55歳以上が割引で「G」ojyu「G」saiか? 調べたら「小山薫堂が提唱する、シニア世代の呼称『グランド・ジェネレーション』の略(G.G.)」だそうw

○吉井宏デザインのスワロフスキー

・十二支(丑年)OX
https://bit.ly/37gbNEN



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■偏屈BOOK案内
宮脇淳子「日本人が教えたい 新しい世界史」

柴田忠男
https://bn.dgcr.com/archives/20210203110100.html

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◎宮脇淳子「日本人が教えたい 新しい世界史」徳間書店 2020

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198650748/dgcrcom-22/


この本は2015年に「DHCシアター」で収録し、いまも配信されている筆者の教養番組「歴史とはなにか」30分12回分をもとにしている。

師であり配偶者である岡田英弘が2001年に刊行した「歴史とはなにか」(文春新書)と、2016年に完結した「岡田英弘著作集」全8巻の内容を解説したものだという。宣伝っぽい。

近ごろは世界史がブームになっているという。本当だろうか。

「真面目な日本人が、世界のあらゆる地域における激変に直面し、これらの変化にどうやって対応したらいいのか戸惑って、過去の事例を参考にするために世界史をもう一度勉強し直そうと考えているからではないかと思います」とあとがきにある。

「正しい本当の世界史はあるのかと聞かれたら、それはないと言わざるをえません。というのも、100年後、もし誰かが世界を説明したときに、いまと同じ説明ができるとは限らないからです。歴史は未来を予測できません。常に起きたこと、結果からさかのぼって見ることしかできないものだからです」

歴史というのは、いま自分が生きている世界が、昔なにがあったからこうなったということを理解するためにある。過去の出来事から現在を意味づけて、みんなが知るために書かれるものである。

したがって、時代が変われば、そこから過去を見るわけだから、整理の仕方が変わってくる。そうすると結果が違うから、そこから見ていく説明も違ってくるが、実はそれが普通なのだという。

「神様ではなくて人間が書くものだから、しかも人間が人間の世界を説明するのだから、絶対的に正しい歴史、絶対的に正しい世界史はないんだということを、まず私たちは最初にしっかり認識すべきです」。

そういわれても、受験生は参考書を一生懸命で記憶する。正しい歴史が云々、言ってる場合じゃない。

岡田英弘が「歴史とはなにか」の結論で言っているのは、国を超えて時代を超えて、なるべく多くの人が「それはそうだよね。その説明はもっともだ」と納得するように、史料をきちんと整理して書き残すということで、それが結果的によりよい歴史になるのだという。絶対的に正しい歴史というものはない。

「私は歴史家なのに自分の仕事を否定するようなことを言いますが、歴史家がしていることは全部正しいと思ってはいません。問題点もたくさん見つかります。そういうものなのです。でも、よりよい歴史をつくる努力はできます。歴史家たるもの、嘘を見抜き、常に本当はどうだったのかといことを真摯に考えるべきなのです」と正論。

師であり夫である岡田英弘の宣伝本みたいな……。

【柴田忠男/へんしゅうちょー】


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編集後記(02/03)

●妻は新聞を丹念に読んで、ところどころマーカーで記事に印をつけている。なにかえらそーにコメントを書き込んであることも。

テレビ番組欄は水色マーカーで「忘れず録画せよ」番組を指定する。わたしがやらされるんだけど。

「Qさま」「東大王」「くりいむのミラクルナイン」「プレバト」「ぐるナイ」「炎の体育会TV」「ネプリーグ」「有吉ゼミ」「今夜はナゾトレ」などである。

それを毎日午後のひまな時間に再生して、くいいるように見ているようだ。わたしはたいてい自転車でどこかを走っている。

とくにご贔屓なのが「東大王」らしい。「○○クンはやっぱりすごい!」とか。バラエティ系のクイズ番組を見て「□□は見た目はいいがモノを知らない」とか。私に言ってもしょうがない。

いまどき新聞をちゃんと読む主婦なんて珍しいと思う。時事問題についてまともに問答できるんだから、いい相棒である。いい歳になった娘も息子も新聞を購読していない。テレビとスマホで事足りるらしい。なんだかなあ。(柴田)


●「ムーンライトながら」といえばコミケ列車。友人が予約取るのに苦労していたのを覚えている。いや、予約だけではなくて、満員の列車に長時間に乗り、翌朝そのまま活動するわけで、体力あるなぁと驚愕したよ。

/新聞記事がネットで読めますもんね。たまに新聞を読むと、クリックせずに(ページ遷移せずに)凄い情報量を斜め読みできるのはいいなぁとは思います。

/マイボトル続き。それまで「似たようなボトル」のあることを知らなかった私は、友人に誘導されて百均へ。いや、スリコ(三百均、3COINS)で買ったかな、うーん、記憶が曖昧。

友人が買ったのは「MY BOTTLE」とか「DRINK BOTTLE」とかの「BOTTLE」の文字が入っているもの。私は「HELLO!」だった。

友人の言った通り、めんどくさがりの私は、フルーツ・イン・ティーはせず、たまに水出し紅茶をする程度。それも最近では、ニトリで買った水出し用ポットで水出し紅茶や水出しコーヒーを作ってる。

どころか、水出しポットの中の茶こしを取り出して、水出し専用パックをそのまま突っ込んだりしてるさ。

止めてくれてありがとう、友人よ。でもやっぱりお店で見る、あのフルーツ・イン・ティーとボトルは目に美味しいよ〜。(hammer.mule)

キャンドゥ ウォーターボトル
https://dolls.tokyo/reveiw-cando-water-bottle

そうそう、BOTANISTみたいな文字なの!

ニトリ。コーヒー&ティーポット 1.1L(D112T)
https://www.nitori-net.jp/ec/product/8995167s/