[5198] エッセイ+超短編(中国語の話/テレフォンコール/旧正月の西安)

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《いきなりテレビライフが充実》

■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[62]
 中国語の話 その2
 超短編 テレフォンコール
 海音寺ジョー

■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[63]
 ゲイさんの動画紹介2(旧正月の西安)
 柴田友美




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■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[62]
中国語の話 その2

海音寺ジョー
https://bn.dgcr.com/archives/20210330110100.html

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◎エッセイ

中国語の話 その2

昨年の秋ぐらいか。テレビが映らなくなったので、ジョーシン電機で録画機能付きテレビを新しく買った。今まで、ビデオのない生活だったので、いきなりテレビライフが充実した。

録画機能を使い『探偵ナイトスクープ』を、約20年ぶりに視聴したら、ほとんど配役が入れ替わっていた。でも相変わらず面白かった。芸能人の俳句のランキングを決める『プレバト!』という番組も、たまに職場で遅番仕事の時にリビングで視る程度だったが、このマシンのおかげで最近は毎週録画して視ている。

金曜深夜ドラマ『恋する母たち』『NHK俳句』『NHK短歌』なども録画して、視てる。『恋する母たち』は終了し、次番組の『俺の家の話』をやはり録画して視ている。ドラマ内でも、登場人物は外に出る時マスクしてて、もうテレビドラマでも、そうしとかないとリアルじゃないんだなーと思った。

テレビで中国語、というEテレ(昔で言うところのNHK教育テレビ)の番組も、自分の中国語学習の一環として良いかも、と録画して視ている。

以前『中国語のはなし』というエッセーを書いた時に、中国語検定3級、次回こそとったる、みたいなことを書いたような記憶があるが、いまだに取れておらず、3級のために今もだらだらと学習を続けているのだった。

中国語に限らず、近年のNHK語学講座はゲスト(生徒役)にタレントを起用していて、かつては外国語に堪能な芸能人をブッキングし視聴率爆上げを狙っていた。その効果があったのかは不明だが、タレントを起用するという路線は継続中のようだ。

今放送してるテレビ中国語講座は、稲葉友さんというハンサム青年がゲストである。友の中国語読みがヨウだからであろう、番組内ではヨウヨウというニックネームで呼ばれている。講師は往年の実力コーチ、陳淑梅(ちんしゅくばい)さんである。

かつてラジオ中国語講座は、頓挫を繰り返しながらも、間欠的に聴き続けてきたので陳淑梅さんの声だけは知っていた。ほぼ初めて視るテレビ講座は、フリートークが多くて、陳淑梅さんの軽快な喋りが随所に織り込まれて、こんな話術の巧みな人だったのか、という発見があった。

ラジオ講座では贅肉を削ぎ落したビンビンの語学指導に徹してて、その魅力に気付けなかった。

さらに意表を突かれたのは、ヨウヨウの不真面目さ加減である。これは視聴者サービスとしての面白さを狙った演技からもしれず、それだったら自分の感想は失礼極まるので反省せねばならない。

陳淑梅先生が「これは来週までの宿題にしますね」と番組をまとめ、次週放送分でヨウヨウが全然覚えて来ておらず「よ、ヨウヨウ、宿題はやりましたか?」と淑梅先生がうろたえながら確認すると、「すみません、全然やってませんでした!」と素直に白状するくだりがあり、ヨウヨウの学習意欲の低さに、いよいよ確信を抱いたのだった。

さらにヨウヨウがやいのやいのと、陳先生やサブコーチの王陽さんに勉強してなさを責められて、「もう、そんなら次回からメモを持ってきておいて、ちゃんと書いておきますよ!」と叫ぶ場面もあり、ヨウヨウが番組収録の時間内においてだけ中国語に触れてるらしいことがその台詞から汲み取れ、語学講座生徒役ゲストとしてヨウヨウよ・・・ホンマに、ホンマにヨウヨウ、それでいいのん? と心配になったほどだった。

しかし、出来の悪い中国語学習者のぼくにとっては、ヨウヨウは極めてありがたい存在であった。かつて、ラジオ講座にも中国語学習中の学生さんが、夏休み特集で臨時に出演することがあったのだが、生徒役として模範的な語学力を有しており、「全然勉強できるやん、この人」と講師の出すテストで5問中5問正解をたたき出す生徒さんに、嫉妬心しかなかった。

ヨウヨウには、ぜひ今のままで貫いてほしい。

番組後半は、色んなミニ企画を展開してて、この前は東京の女装バーへの潜入ルポだった。中国の厳格な家庭で教育を受けた中国人ビジネスマンが、女装することで精神の自由を得るという趣旨だったが、もう中国語とか関係なく、めちゃめちゃ面白いやんと思った。

かくして、テレビ中国語講座がこのような劇的進化を遂げていることが、録画機能付きテレビ購入のおかげで判明したのだった。高い投資だったが、買って良かった。『テレビで中国語』、もし良かったら、読者の皆さんのその目で確かめてみて下さい。関西の方は、『探偵ナイトスクープ』もね。 おわり


◎超短編

テレフォンコール

未練未練、未練未練と着メロが鳴り、受話器をとると12月からだった。

「早いよ、まだ早いよ、原稿がまだ書けてないんだよ」

12月はそんなこと言われてもなあ、と不満げだった。僕は締め切りが気になってしょうがなかったので、12月に僕は間に合わせることが出来たのかよ? と訊くが、12月はだんまりを決めこんで電話を切っちまった。

僕は僕というやつは本当に自分のことばっかりだなあ。たまには相手のことも思いやらないとなあ、とげんなりとした気分になった。待ってたけれど、もうコールは鳴らなかった。

うだつの上がらない日々。出口の見えないトンネル。突破口をきょろきょろと探し続ける執着。もう寝る。翌朝、劫初劫初とLED電球が点滅していて、永遠からの着信履歴だった。


【海音寺ジョー】
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■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[63]
ゲイさんの動画紹介2(旧正月の西安)

柴田友美
https://bn.dgcr.com/archives/20210330110200.html

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◎エッセイ

ゲイさんの動画紹介2(旧正月の西安)

ゲイさんの動画紹介の2回目です(1回目は2020年9月2日です)。今年の旧正月は2月12日という事で、お正月になるまでの西安の様子をカウントダウン方式で紹介してはります。


↑旧正月の7日前の公園の様子など (約8分)


↑旧正月の前日 (約11分)


↑旧正月当日(2月12日)(約6分)

他にもスーパーのお正月用品コーナーの様子とか、西安に出来たスポーツ施設の紹介とか色々あります。

中国では大晦日にお墓参りいくんですねー。それは忙しい! お正月の「走百病」もはじめて知った言葉です。検索してみたら日本では俳句の季語になってるんですね。

奈良では工事を始めたらすぐ何かの遺跡が出てきて、なかなか工事が進まない、とよく聞きますが、西安でも近年の開発で色々遺跡が発見されてるようです。ゲイさんの遺跡動画も、これからまだまだアップされると思います。

そういえば、お正月に日本映画の「新解釈 三国志」を見ました。めっちゃ面白かったです。

小栗旬の曹操、最高です。コメディなので、これは中国の人が見たら怒るんじゃないかと思いましたが、ゲイさんに予告編の動画のURLを送って見せたところ、面白い! と言ってました。(中国ではこの映画公開されないんですかね。「キングダム」も中国では公開してないみたいですね)

新解釈三国志でもちょろっと「長安」の地名が出てくるところがありました。

早く海外旅行行けるようになればいいですねー。

◎超短編

白い車を見かける

白い車を見ると、いつの間にかズボンが黒く汚れている。この街に長く住む人は、それは白い車を見るせいだと分かっているが、引っ越してきたばかりの人や仕事で通っている人なんかには、なぜズボンが黒くなっていくのかが分からない。

「夜はまだ」と子供が言っている。まだ何なのかは分からないが、とにかくずっと「夜はまだ」と言っている。


【柴田友美(しばたともみ)】

短いお話を書いています。
huochaitomomi@gmail.com

群青コースター(Kindle版)発売中!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01MF8HE57/dgcrcom-22/


私のホームページ
https://mrs-mayo.com



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編集後記(03/30)

●わけわかんなくなった〜、というひとりごとが最近のわたしの日常で発生する。とくにこのデジクリを制作中、迷路に入り込んでしまったときに出てくる。このたびの問題は連載の連番であった。

手元のバックナンバー全部入りのリストを参照しながら付けていくのだが、どうにも怪しい。しかし、追及を続けると、ますます深みに入り込んでしまい、わけわかんなくなった〜になるから、もうやめた。だいいち、バックナンバーを見ていて、誤字を発見したりするとショックだ。

新聞全面広告。コラーゲンがなんとやらのクリームだかなんだか知らないが、「50代、60代、70代、80代以上の方へ本日、朝4時から受付開始!」ときたよ。間違いではないが、なんか変。

「第一回KODOMO俳句大賞」という記事をネットで拾ったが、二度とたどり着けない。とてもナイスな俳句なのでご紹介したい。

大賞  春雪をまどからながめ自しゅくする 中山知佳穂(小5)
準大賞 つちのこをつかむれんしゅうとかげつかむ 岡本巧己(小2)
準大賞 そうめんをダイソンみたいに吸う大人 麻田叶翔(小?)

宮崎正弘さんのテキストに出てきたことば。こうけい【肯綮】物事の急所。かんじんかなめ。「―に当たる」(意見などが急所をついてうまく当たる) 初めて出会ったことば。覚えておこう。

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」って、問題発言? ゆるぎなき真実だよ。市の委員会だけど。おまけに委員長(男:わたしとほぼ同年齢)も超おしゃべり。コロナ禍でここしばらく休止しているが。

朝日新聞によると、LINEを使う人は心の健康状態が比較的良く、ツイッターでつぶやく人は孤立感を感じやすいんだって。コロナ禍で対面での交流が減る中、SNS利用者にそんな傾向が出ていることが、東京都健康長寿医療センターの調査で明らかになったとか。LINEもツイッターも使わないわたしは、健康状態は非常に良い。(柴田)

3月28日(日)NIE新聞活用 読売新聞 こども俳句(校長先生より)
https://www2.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=2320059&frame=principal



●『俺の家の話』好き! まだ最終回見てないけど。「(プロレスラーは)何度引退したっていい」というような台詞があって、長瀬君もいつか裏方から俳優に戻ってもいいって、カンクローさんが言っているような気がしちゃったわ。

バンドだって何度再結成してもいいと思うわ。そんなことで目くじら立てるような若さないわ(笑)。毎回解散して、オリンピックイヤーに会いましょう的なノリでもいいと思うわ。同窓会みたいだけど。

タカラジェンヌも未婚者のみっていう決まりをなくしてくれてもいいのよって思ったり思わなかったり。一回退団したら戻れないのよねぇ。あそこは伝統だからなぁ。新陳代謝が肝だしなぁ。

/まっちゃんの『探偵ナイトスクープ』は一度だけ見たっ。よくネタが続くものだ。うむ。

/「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」についても書きたかったな。以前にも書いたはずなんだけど。明日にしよう。(hammer.mule)