曜日感覚のないノラネコ[4]見られちゃいけない、盗られちゃいけない。/須貝 弦

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●似たような話題ばかりですみませんね

ノート型のMacをメインマシンとして使うようになって、気がつけば8年くらい経つ。ノート型のメリットを痛感したのは、2001年の暮れのことだ。

その頃は週に3日は「会社勤め」をしており、ライターと二足のわらじだったのだが、急ぎでなおかつボリュームのある執筆依頼を受けてしまった。しかも、ベースとなる素材を受け取ったら翌日、へたすりゃ即日でアップしなくてはいけない。「こりゃ、会社の昼休みや通勤時にも作業しないと、寝る時間がなくなるぞ」と直感した。その頃は巨大な初代iBookを使っていたが、持ち運ぶことに疲れていたこともあり、マイナーチェンジの影響で少し安くなっていた白いiBookを迷わず購入した。

さすがに出勤時は電車の座席に座れないので作業できないが、昼休みはカフェでサンドイッチ片手に作業しまくり。正味50分は作業できる。そして帰宅時は必ず座れる各駅停車の中で50分ほど作業。家に帰るとどうしてもダラけて効率が落ちるが、昼休みと帰宅時の各50分は密度が高い。そのおかげて、即日または翌日アップというタイトなスケジュールをこなすことができた。それ以来、「もうノート型しかありえない」と思っている。


●どこでも仕事ができるのって便利だけど

そういった経験もあって、移動中だろうが出先だろうが仕事はできる! と思うわけだが、ちょっと注意しなくてはいけないことがある。それは、ライターや編集者や「これから世に出る情報」を扱っているということだ。都会だとたまに電車の中で、ゲラに赤を入れている人を見る。時間がないのはわかるが、周りの人が中身を読めてしまうような状況は、やはりよろしくない。さすがに最近は、電車の中で感熱紙FAXの巻物を広げながら赤を入れている人は見なくなったけど(笑)

そして、大事なノートパソコンを盗まれてはいけない。例えばApple製品なら、PowerBookやiBook、MacBookやMacBook Proシリーズといったノート型にはFireWireポートが付いている。仮にログインパスワードをかけていたとしても、FireWireの付いたMacは「ターゲットディスクモード」を使うことで、簡単に外付けHDDとして扱い、中身のファイルに自由にアクセスすることができてしまうのだ。

仕事で使っているノートパソコンの中には、クライアントとやり取りしたメール、これから出る新製品の情報、取材の録音、まだ世に出ていない原稿——など、外に漏らしてはいけないものが多い。デザイナーさんでもプレゼン用として、あるいはメインマシンとしてもワイド画面のPowerBook G4やMacBook Proを用い、場合によっては外に持ち出していることもあると思うが(セミナー講演時に自前のノートパソコンを持ってくるデザイナーさんは多い)、そういったマシンにも「人に見せちゃいけないモノ」があるはずなので、注意が必要だ。

お連れ様がいないときは(もしくはそいつが信用ならん場合)カフェでトイレに行くときカバンも持っていくとか、電車の網棚やクルマの助手席などに置きっぱなしにしないといった注意はもちろんのこと、無線LANが使える環境では念のためファイル共有を切っておくといったこともしておきたいところ(結構、セミナーの会場や大きな会議室とかで、人の共有フォルダが見えちゃうことがある)。Mac OS Xだったら「FileVault」を使って暗号化しておくとなお安心。

各企業でノートパソコンの持ち出しがNGになっている昨今、フリーの編集者やライター、デザイナーなどが使っているノートパソコンって結構危うい存在だ。

クリエイティブの現場でも「今後はPマーク持ってる会社にしか仕事あげないからっ(はぁーと)」っていう風潮になりつつあるが、おそらく最後まで野放しなのがフリーランスだ。だから今さらながら、自戒も込めて書いてみた次第。

【すがい・げん】< http://macforest.typepad.jp/mac/ >
会社勤め時代、PowerBookをカバンごと小田急線に忘れたことがある。しかも徹夜明けでいったん家に帰る際に。町田で降りたときに気づいて駅に申し出るが、乗っていた車両の記憶があいまいだったので本厚木では発見されず、シャワーを浴びて着替えて一息ついた頃に「小田原で保護」との電話。すぐに小田原まで取りに行き、東海道線のグリーン車で品川の会社へ。午前中の移動距離が150km超えた(笑)