デジアナ逆十字固め...[98]ドレイからマエストロへ/上原ゼンジ

投稿:  著者:  読了時間:6分(本文:約2,800文字)


「となりのマエストロ」という番組に出演した。制作は毎日放送で、日曜の夜にTBS系列で放送している番組だ。当日TBSでは内藤VS亀田の一戦が放映された。日曜劇場「JIN -仁-」を挟み、通常よりも25分遅れの夜10時25分から放送開始。ボクシングを見た人が、内藤の崩壊した顔にびっくりしてチャンネルをそのままにしていれば、ものすごい視聴率になりそうだ。まあ、実際そのような行動をとった人は少なかったようだけれど......。

マエストロとは巨匠のこと。でもそこに「となりの」が付くから、ランクは少し落ちる。面白い研究をしている人や一芸に秀でた人を呼んで来て、一般的なレベルで同じようなことをやってみようという情報バラエティー番組だ。そこに私は「実験写真のマエストロ」として呼ばれた。

テレビなんか出たことがないからちょっと戸惑ったが、宣伝になるならと思って引き受けることにした。いや、昔、ちらっとだけ映ったことはある。「あやしい探検隊」にドレイとして初参加した時のことだ。新潟の粟島まで夜汽車に揺られて遠征したのだが、この時の模様が「すばらしき仲間」という番組で放映された。1983年のことだ。



そして今、この「すばらしき仲間」のことをWikipediaで調べたら、同じTBSの日曜22時枠で放送してたんだな。なんたる偶然か。26年の時を経、ドレイからマエストロに進化して舞い戻ってきたということだ。すごい立身出世伝だな。

ドレイの時には椎名誠さんや沢野ひとしさんの後ろのほうで、ただ石やビールを運んでいる姿が映っただけだったけど、今度は違う。ちゃんとお話をしたり、写真を撮ったりしなければならない。そんなことが私に務まるのでございましょうか。

番組のホスト役は志村けん一家。志村けんがお父さんで、宮崎美子がお母さん。その子供として、タカアンドトシ、星野真里、田中美晴がいるという設定。マエストロはスタジオの志村けん一家を訪れて、いろんな話をしなければならない。宮崎さんに「実はあなたと誕生日が同じなんです!」ということを、いつ告るべきかというのも大きな問題だ。(宮「崎」は山偏に竒)

スタジオに行って驚いたのは、演者(業界用語)とゲストが顔合わせをせずに、いきなり本番に臨むということだ。まず志村さんを紹介してもらって「今日はよろしくお願いします!」的なことをやるのかと思っていたら、さにあらず。舞台裏で待機していて、ADさんの合図とともに、家の中に乗り込んでいくという方式だった。まあ、顔は良く知っている人達だけど、これはかなり困るシチュエーションだ。

●収録にはすごく時間をかけた

スタジオ収録の前と後にはしつこくロケもこなした。まあ、ムービーの収録ではやたらとテープを回すということは知っていたが、それにしても、たかだか15分ぐらいの出演時間なのに、撮影にかけた時間は相当なものだ。

まず、スタジオ収録の前に一日使ったロケがあった。さらにスタジオ収録の前に追加の撮影があり、スタジオ収録の後、追加の撮影が二日。そして放映前日に、追加でブツだけの撮影。ボツになったカットも膨大だ。

ロケの一日目は高田延彦がやってきたんだけど、高田さんとの絡みもかなりボツになった。高田さんが家にやってきて、我が家の中で、写真のフィルターなどに使えそうなものを物色するシーン。探し出したものを使って、ハウススタジオで工作をするシーンなんていうのも、みんな消えてたなあ。

それからリクエストがあったから、せっかく工作したのにボツになってしまったものもある。たとえば消臭ビーズを使った撮影。今まではガラス台の上に消臭ビーズを載せていたから、台の下に被写体がないと撮影できなかったんだけど、レンズに取り付けられるような工作を考えた。

これはけっこうキレイだし、オリジナリティーもあると思うから、どこかで発表したいと思っている。あとはアルコールランプの三脚を使った、万華鏡を自立させるための装置とかも、このために工作した。テレビで放映された、ビー玉に針金を巻いて虫眼鏡みたいにするというアイディアは収録の前日に考えたんだけど、単純で良かったと思う。短期間で無理矢理ひねり出すアイディアというのも悪くないかもしれない。

●八百屋のブレブレ写真

輪ゴムでカメラを吊るして撮影している場面というのも、けっこう撮影した。国分寺の八百屋さんの店先では、きちんと許可をとって撮影した。ふつう一人で撮影する時というのは、こそこそっと撮影しているのだが、許可をとっているので、堂々と撮影することができた。思う存分、果物のブレ写真が撮れたのは良かった。

でも撮影場面は放映されたのに、実際に撮影した写真が一枚も映らなかったのはなぜ? もったいないから、flickrにアップしておきます。まあ、こんな訳の分からない写真はテレビ的には不要だったというわけだな。
< http://www.flickr.com/photos/zenji001/sets/72157622785331117/ >

普段は輪ゴムでビヨンビヨンしながら撮影する時に、撮影許可を取ったりしないけど、堂々と撮影できるというのはいいなあ。いっつもADさんを引き連れて「これからこの辺一帯をマエストロが撮影しますので、よろしくご協力お願いしまーす」とか言って、御触れを出してくれるといいなあ。そして思う存分、街を蹂躙してみたい。

●ナダールでの写真展報告

大阪のナダールでやった写真展のレポートを以下にURLに載せてあります。大勢の方にお越しいただきました。ありがとう。感謝します! 今回も万華鏡やビー玉レンズを会場に置いておいたんだけど、やっぱりこういうのが楽しいな。

今度写真展をやる時には、この部分を強化してやってみたい。会場に被写体を置いておいて、自由に撮影できるようにしておけば面白い。美術館の企画としてもいいんじゃない? キュレーターの方はぜひご連絡ください(ニッコリ)
< http://www.zenji.info/exhibition/exhibition.html >

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com

テレビでビー玉レンズを紹介したら、どうやって工作したり、撮影すればいいのかという問い合わせが来ています。以下のURLに少しまとめておきました。
< http://www.zenji.info/zenlab/ball.html >

◇上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >


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