ところのほんとのところ[31]写真に本気「ヨコハマフォトフェスティバル」/所幸則 Tokoro Yukinori

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前回書いた「HIROSHIMA 1second」を、なんとか目処が立つところまで撮り終えた。目処が立つというのは、枚数的にも質的にも、自分のなかである程度納得出来るラインにきたということです。

車でいろいろ回って教えてくれた、穴吹デザイン専門学校の清水さんありがとうございました。撮影に付き合ってくれた、広島でフォトグラファーとして頑張ってる木村ヨーシローくんありがとう! もうひとり、暗室とフィルムの伝道師、高田トシアキさんも広島市内を付き合って歩いてくれてありがとう! おかげで迷子にもならずに撮影がスムーズに進行しました。

といったように、みんなの好意で無事に撮影が進み、いつも誰かの力を借りて僕の作品はできていくんだなとあらためて実感。人同士のつながりって本当に大事だ思う[ところ]であった。




東京に帰った次の日には「ヨコハマフォトフェスティバル」に向かいました。入ってすぐのポートフォリオレビューがとても盛況だった。友人の水谷充氏のページに写真も説明も載っているので、参照してみてください。
< http://mmps-inc.jugem.jp/?eid=239 >

その奥に、外国の写真家達のスライドショーのブースがある。さらにその奥に、スライドショーとライブトークイベントのブース。ここに[ところ]があと2時間後にはしゃべるブースがあって、現場に立ってみると結構ドキドキした。次々と交代でトークするのだから、[ところ]の時に人が入らないとなんか恥ずかしいし、わざわざ対談を頼んだ大田菜穂子さん(ギャラリスト)にも申し訳ない。

ちょっと緊張しながらも、さっきのポートフォリオレヴューのところに行ってみると、[ところ]の次の番にライブトークをされる予定の細江英公さん(大御所!)も、ポートフォリオをじっくり見ながら話している。気さくな人なんだな〜とか思ってぼーっとあるいてると呼び止められたりして、何人かの写真を見て意見言ったりしてみる。

熱気があるなあ。なんかいい感じですね。みんな真剣で、写真に本気の人だけでこんなに人が集まるなんて、日本じゃなかなかないような気がするな。永田陽一さん、後藤繁雄さん(主催した人たちみなさん)がんばってこれからもっともっと盛り上げてください!

大田菜穂子さんとは、話す内容をまったく打ち合わせもしていなかったので、自分で作ってきたスライドショーを見てもらいながら話していたら、もうお客さんが入って来てちょっと焦りました。はじめは30人ほどだったけれど、声が流れ始めるとどんどん増え始めて、一番前の列の正面に細江英公氏がどっかとすわったころはもう着席定員の50人近くにはなっていたでほっとしました。その後立ち見も多数出てよかった。

太田さんがギャラリストと写真家の関係や、[ところ]の写真について語ると細江英公さんがうないずいたり、絶妙のあいの手をいれたり、早くスライドショーが見たいと言ったり、盛り上げてくれたので助かりました。

次の回の細江さんと竹内万里子さんのライブトークショーは、世界のフォトフェスティバル事情がテーマで、僕も少しは知っていたつもりだったけど、とっても勉強になりました。写真で盛り上がるイベントっていいですねー。マスコミはもっとこういうイベントを取り上げてくれよーって思ったりもした[ところ]でした。


「ヨコハマフォトフェスティバル」から戻って、さて明日からはガンガンいくぞー! 「HIROSHIMA 1 second」を仕上げて、テキストも書かなきゃーってことだったのですが、寝て起きたらまったく声が出なくなってびっくり! 風邪の菌が声帯にだけ入って腫れてる症状だそうだが、薬をのんで少し良くなると、体は元気だからつい動いちゃってまたひどくなる。体はしんどくないものだから、つい何かしたくなる。充分安静にしていなさいと言われ、無理やり2日ほどおとなしくしていたら随分ましになった。

しかし! このあとすぐに北京と上海に行くので、「HIROSHIMA 1 second」を仕上げにかかる。のはいいんだけど、なかなか一枚にしぼりきれない。パリみたいに二枚にするか? といっても組み合わせがなかなか難しいし、仕上げる時間は一枚分ぐらいしかない。

なんとか、基町高層アパート群を撮ったものに決めた。ここはかつて原爆スラムと言われたところに、高度経済成長の時代に再開発事業として建てられたものだ。そう決めたら丸二日で一枚仕上げて、原稿を編集部に渡した。「キャパ」の3月号(2月20日発売)で見てください。自信作です!

■■
そして、今は北京での用事も終えて、上海にいます。
30日(土)上海から、「所幸則 1sec(ONE SECOND)変則放送土曜日22時」を放送します。是非みてください!
< http://com.nicovideo.jp/community/co60744 >

今回は質問に答えようスペシャルってことで──

1)日本でいま他に撮ってみたい場所はありますか? 築地市場とかどうでしょう?
2)1secシリーズを海外でも撮るようになったことで、所さん自身にどんな影響がありましたか?
3)『世界の女性シリーズ*中国の女性の印象はいかがですか。』
4)海外の方が1sec作品を見た時の反応って、国や地域で差がありますか?
5)絵画と写真の魅力の違いについて
6)コマーシャルとファンアートでの環境の違いについて(第一期も第二期も所さんとしては、作家としてお仕事されてると思いますが、業界の環境は大きく違うと思います)
7)日本と海外での写真界の違いについて
8)中国金持ち層のプリント購入意欲や市場環境について
9)α900とDPシリーズの、プリント仕上げにいたる工程の違いや苦労について
10)プリントするペーパーに対するコダワリや評価について
11)一脚・三脚を使わないのは機動性を保つためでしょうか? 必要ないから?

──というような質問に答えます。興味のある方はぜひ見てください。上海のホテルからのニコニコ動画生配信は初めてなので、うまくいくかどうか、ちょっと予想はつかないのですが......。[ところ]からのお知らせでした。

【ところ・ゆきのり】写真家

CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

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by G-Tools , 2010/01/29