3Dプリンター奮闘記[39]デジタル造形とアナログ造形 その2+ちょっと宣伝/織田隆治

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早いもので、もう今年も半分が終ってしまいました...。今年に入ってから、凄い勢いで仕事が発生してます。アベノミクスの影響か、景気が少し上向きになってきたのか。

僕の仕事の大半は造形で、そのほとんどが新製品の開発や展示に関わるものばかり。そういった仕事が増えて来ているということは、販売促進に企業がお金をかけているってことなんで、こういうの直結で分かるんですよね。

これまでは、CGで表現していたものが、3Dプリンターが一般に知られるようになってから、模型や造形等の立体物に変わりつつあります。昔はそういった模型、造形が主だったんですけど、3DCGが普及してからは、しばらく3DCGと映像に置き換わってきてました。

模型等は、制作に日数と手間と技術、材料費がかかるので、それなりに高額になってしまいます。3DCGも、当然、制作に日数と手間と技術が必要な訳ですが、最近のCG制作は、ソフトも便利になり、いろいろな表現もデフォルトで可能になってきたことで、見る人側からすると飽きられてきているのかもしれません。

その点、模型や造形は、そこにあるだけで存在感もあり、集客効果も大きいことから、見直されて来ているんだと思うんですよね。




その上、3Dプリンターやプロジェクションマッピングといった、立体と3DCGとの融合されたビジュアルが流行しているんだろうな......なんて思ってます。

今週末は筑波大での集中講義をさせて頂くんですが、その受講生の数も毎年どんどん増えていってます。初年度は50名、去年は100名、今年は140名だとか。最近では、家電量販店でも発売されるようになり、3Dプリンターの注目度も上がってきているようです。

有り難いことなんですが、レポートをくまなく読んで、採点するのがまた大変(笑)でも、このレポートには、稀に凄く面白い内容のものがあり、とても楽しみにしていたりします。

最近は、あまりテレビに取り上げられないようですが、今年から来年にかけて、また色々な3Dプリンターの特許関連の期限が切れて来ることもあり、様々な新しいプリンターが登場することになると思います。

本当なら、ここが一番の頑張り時なんですけどね......。

Form1やB9クリエイターのような、UV硬化型のプリンターも、今年から来年にかけて、色々な動きがあるようで、僕的にはかなり期待しています。

DLP方式やガルバノ方式等のつり下げ型のプリンターも、小さいものは出力が結構きれいに出るんですが、底面積が大きいものになると、まだまだ安定した出力が出来ません。

そういう場合、中を中空にするようにモデリングして、出来るだけ断面積を少なくするようなデータ作りも必要になってきます。

こうする事により、使用するUV硬化樹脂の量も減りますし、一石二鳥なんです。

Form1やB9クリエイターのような「つり下げ型」のプリンターの良い所は、常に造形用プールをUV硬化樹脂で満たしておく必要のある昇降型のプリンターと比べて、使用するUV硬化樹脂が少量で済むことで、樹脂の劣化やストックを減らせるんです。

一般に普及するのは、こういったプリンターだと思いますが、UV硬化樹脂の完成品は、湿度や気温、紫外線等が後から当たる量によって、変形もかなり見られるので、そういった素材の開発も進んで行くのかな〜なんて思います。

樹脂溶解型のプリンターも、今や色々な種類も出て来ており、アマゾンなんかでも購入出来るようになってきてますし、単価も下がってきてますもんね。

僕の最近の仕事で、3Dプリンターを使って面白かったものは、ドリカムの25周年アルバムの制作に携わっていることです。

これがまた面白いです!

ビジュアルに使用する小道具(プロップ)や、メカニカルのデザインをやらせて頂いたんですが、実際にPVやビジュアルに使用するプロップも、デザインした3Dデータから、3Dプリンターで出力して制作しました。

で、どんなのよ?

という事なんですが、8月13日にアルバムが発売されますので、詳細は発売されてから......となります。

3DCGとまったく同じ物が出来ている! と、なかなか好評なようで(当たり前ですが......)僕的にもかなり嬉しい評価を頂きました。

詳しくは、ドリカム、ATTACK25で検索してください。すこしずつ情報がアップされています〜(と、たまには宣伝も......)

まだまだ色々と制作するものもあり、これからもっと楽しくなりそうです!

仕上げ作業も塗装も、凄く楽しかったです。ここが一番言いたい所なんですが、3Dプリンターで出力出来ても、やっぱり仕上げ作業が出来ないことには、本当に使いこなすことなんて難しいんですよね。

これは、どの工作機械にも言えることなんですが、どんなに良い機械を持っていたとしても、しょせん道具のひとつに過ぎません。

それをどう使って、どう工夫していくかってことは、やっぱり人力なんですよね(笑)ここが、一番大事なところです。

【織田隆治】FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp >

しかし、半年なんてあっという間ですねぇ......。後半もがんばろっと!
次回は実制作のことも書いていこっと。