3Dプリンター奮闘記[114]3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想
── 織田隆治 ──

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みなさま、ご無沙汰しています。昨年からかなりバタバタしてまして、デジクリへの寄稿ができずにおりました。色々と書く事も溜まってきて、近々大きな動きもありますので、久しぶりに頑張ってみました。

さて、タイトルにもあります「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」という、3Dプリントを基盤とした大きなプロジェクトが動き出しました。

これは、近畿経済局が主体となり、海外の3D造形の量産化に対応するため、「3Dものづくり普及促進会」と国との連携により、オール・ジャパンの企業を対象とした、3D造形による新たな実用化モデル輩出を目指す、というプロジェクトです。

3Dものづくり普及促進会
http://www.3d-monodukuri.jp/


1/24(木)の近畿経済局局長の記者発表会で、正式に記者発表されました。





実は、こちらのネットワークにつきまして、昨年大阪のクリエイター支援機関でもある「メビック扇町」にて、昨年の6月29日に「自由放談─産学連携を多面的に考える」共催:大阪大学大学院工学研究科、というミーティングが行われました。

僕も参加し、色々な情報交換等、有意義なミーティングを行うことができました。その後の懇親会会場にて、近畿経済局の方が来られ、色々とお話をお聞きして、このプロジェクトに参加させていただくことになった次第です。

日本初「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」について
http://www.kansai.meti.go.jp/3jisedai/project/3Dkansai/press/20190124.html


僕の方では、これまで稚拙ながら色々な学校にて3Dプリンターや造形の基礎、応用等を講義しており、「筑波大学」と「キャンパスOJT型産学連携教育推進財団」と共に、立ち上げ時より協力している、筑波大学内のFAB施設「創房」という制作工房において、毎年、色々なモノ作りに関するノウハウを学生さんに実習として参加してもらい、集中講義・実習「立体造形の基礎と3Dプリンタの応用」のインストラクターとして活動しています。

キャンパスOJT型産学連携教育推進財団
http://www.cojt.or.jp/jp/%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E6%A6%82%E8%A6%81/


openfab 創房
http://inf.tsukuba.ac.jp/ET-COJT/openfab_sobo/index.html


その事から、この「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」において、3Dプリンターを使える人を育成する、これからの人材作りを主として僕も参加することになりました。

これにつきましては、3月7日に開催される「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」キックオフイベントにて発表されました。
http://www.kansai.meti.go.jp/3jisedai/project/3Dkansai/press/20190124.html


主要な内容につきましては、プレスより以下、引用します。


グローバルの先端的なものづくり分野においては、3D積層造形技術の飛躍的な革新に伴い「3D積層造形による量産化」が加速化しています。このため、近畿経済産業局は、この流れに対応するため、日本初となる「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」を1/24(木)に発表しました。

本構想では、産学官連携による広域ネットワークを構築するとともに、3D積層造形を活用した新たなモノづくりの普及を目指す「3Dものづくり普及促進会」
http://www.3d-monodukuri.jp/

との連携により、様々な分野での「新たなモノづくりの変革モデル」を創出し、2025年国際博覧会大阪万博に繋がる未来の技術開発に挑戦して参ります。

つきましては、本構想の具体的な内容や広域ネットワークの連携支援機関である大学において展開している「3D積層造形による先導的実用化モデル」の取り組みをご紹介するキックオフイベントを以下のとおり開催します。

なお、本イベントでは、最新の3D積層造形装置の技術レベルを体感できる「3D積層造形試作展示」も同時に開催しますので、是非、ご参加下さい!

〈概要〉
日時:2019年3月7日(木)13:00~17:00 
場所:大阪工業大学 梅田キャンパス(大阪府大阪市北区茶屋町1番45号)
3階常翔ホール
https://www.oit.ac.jp/rd/access/index.html

主催:近畿経済産業局
協力:3Dものづくり普及促進会
定員:450名

〈式次第〉
13:00 主催者挨拶 近畿経済産業局 局長 森清氏
13:05 「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」の取り組み説明
    近畿経済産業局 次世代産業・情報政策課
13:30 講演1
    「(仮称)ソフトロボティクスにおける3D積層造形の活用と実用化」
    立命館大学ロボティクス研究センター センター長 川村貞夫氏
14:15 講演2
    「(仮称)フードプリンティングの開発:OPEN MEALS構想」
    山形大学大学院 理工学研究科教授 古川英光氏
15:00 休憩:3Dものづくり普及促進会協力による「3D積層造形試作展示」見学
15:25 講演3
    「(仮称)4Dプリンティングの開発」
    慶応義塾大学 SFC研究所 所長 田中浩也氏
16:10 講演4
    「(仮称)金属3D積層造形に係る異方性制御技術開発」
    大阪大学 工学研究科教授 中野貴由氏
17:00 閉会

〈お申込み方法〉
https://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/kansai01/form131

こちらの申し込みサイトから3/6(水)までにお申し込み下さい。
※定員に達し次第、締切りとさせていただきます。

〈問い合わせ先〉
近畿経済産業局 地域経済部 次世代産業・情報政策課 谷川
電話番号:06-6966-6008


以上、これからのモノ作りにはかかせない「3Dプリンター」について、いよいよ本格的なネットワークが形成されます。

このようなプロジェクトに参加できることは、今後の日本の産業や技術力に少しでも貢献できますし、もちろん、僕にとっても嬉しいことです。これから若い人たちが、ますます活躍できるよう、僕も頑張って行こうと思っています。

筑波大学内の「創房」において、先日2/16〜18日の3日間、実習を行ってきました。3DCAD等で制作したデータを、「創房」の3Dプリンターで出力。オブジェクトを研磨仕上げした「シリコン型」を制作して、レジンキャストによる複製をする、という内容でした。

「シリコン型>レジンによる複製」という作業は、基本的にはアナログ作業になります。以前からこのコラムでも伝え続けていますが、3Dプリンターを使いこなす上で、デジタル技術は当たり前になりますが、その根本として「アナログ技術」も兼ね備えることにより、より一層そのモノ作りの質も上がり、幅も広がります。

学生さんたちは、初めて触る素材にワクワクしながらも、色々なことを理解してくれたようで、みなさん最終日には綺麗な複製品を作る事に成功しました。

僕の講義実習では、基本的にはアナログ技術を元にしたデジタル技術、というスタンスで行っています。実際、昨年夏の筑波大学での講義(座学2日間)での内容は、半分がアナログ技術の造形についてでした。

受講した学生からのレポートによると、「3Dプリンター等、デジタルを勉強しようと思ったのに、前半がほとんどアナログでの造形だった。しかし、最終的にデジタル造形への造形の流れを聞くにあたり、アナログ技術の大切さが理解出来た」という感想が大半を閉め、僕の講義を理解してくれているんだなぁ、と関心しました。その後の色々な制作に役立ててくれることを祈っています。

今回の掲載は、これからの日本のモノ作りの主要となる分野でもありますし、みなさん益々興味を持っていただけたらと思い、執筆させていただきました。

次回は、キックオフイベントの感想や、内容等喪レポート出来ればと思います。ではでは!


【織田隆治】
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