3Dプリンター奮闘記[88]コンシューマー向け3Dプリンター劇的な進化/織田隆治

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,400文字)


急に寒くなりましたねぇ…。(´・_・`)
僕は明日から東京へ久しぶりに出かけます。厚着して行こっと。

で、本題なんですが、最近のFDM(熱融解式)3Dプリンターは、凄いですね。低価格のプリンターでも、かなりのポテンシャルですね。

僕が使い始めた頃は、本当に普通に出力するだけで大変でした。サポートが付いた所は汚いし、どうサポートを使わずにプリントするか、ということをずっと考えながらデータを制作していました。時間もかかりますしね。

最近のFDMプリンターは、サポートも綺麗だし、出力のスピードも早くなったし、素材も安くなったし、本当に凄いです。

僕が使い始めたのは、まだ4年前。たったの4年でこの進化は凄いです。



まず、劇的な変化を感じるのは、素材。

基本的に僕はPLAしか使いません。ABSを使いたかったんですが、当時のABSは熱収縮が激しく、テーブルからすぐに剥がれました。

ちょっと大きいものを出力すると、すぐにテーブルから剥がれて、モジャモジャの芸術品が出来上がりました。

そこで、やっぱりPLAになるわけなんですけど、当時のPLAは凄く固い!もう凄く固い!!

出力時の温度が低いので、熱収縮が少なく、テーブルからの剥がれはABSよりはかなり少なかったんですが、出力した物を研磨すると、固いし、融点が低いので激しく研磨すると、PLAが溶け出してきて、サンドペーパー等に詰まり、すぐに交換するかしないとダメでした。

そこで、次に発売されたPLAは少し柔らかい素材となりました。しかし、、、そこでまた問題が発生。

出力された形状を維持出来ないんですよね。日時が経つと、どんどん変形していきます。重さや力がかかる個所は、顕著にその変形が出ていました。

これは、PLAが湿度にかなり弱いことも影響してたんだと思います。塗装したりして、表面を表に出さないようにはしていましたが、それでも変形していました。

ところが、最近のある種のPLAは、かなりABSに近い特性を持つようになってきています。研磨もし易く、ある程度の強度も持っていることで、もうABSを使わなくて良いんじゃないかなぁ、とも思っています。

そして、プリンターの方の進化も凄いです。

まず、僕が使っていたコンシューマー向けの3Dプリンターは、テーブルが冷えたままでした。

当時、テーブルに両面テープを貼ったり、マスキングテープを貼ってノリを付けたり、他にも剥がれかけてきたらガムテープで固定するなんて荒技もやっていました。

最近のプリンターは、テーブルにヒーターが付いているものが主流になっています。これは、テーブル本体が熱を帯びることで、素材を保温できます。

そうすると、素材の熱収縮を抑えられるので、テーブルから剥がれにくくなる訳ですね。ABSを出力する際には、このテーブルの加熱が必須だと思います。

それでも反るのがABS…。悩ましいところです。

そして、素材を送るエクストルーダーという部分があるのですが、概ねのプリンターはヘッド部分に付いていました。

そうすることで、安定した素材の供給が可能になるのですが、逆にヘッドが重くなり、造形の際に「慣性の法則」でブレが生じてきます。

エクストルーダーとヘッドを分離し、別になったものも出て来ていますが、エクストルーダーからヘッドまでの距離があるため、安定した圧力を与えにくいという問題も出て来ます。

その辺の改良も行われてきています。個体の剛性もかなり強くなり、プリンター本体のブレも軽減されるようになってきています。

そういった面で、今日のFDM式3Dプリンターの熟成度がかなり上がってきているんですね。

そして、次に上げられるのが、光で硬化する樹脂を用いたプリンターです。コンシューマー向けでは、まだまだ全然「これ!」というものがないように思えます。

インクジェット方式の光硬化プリンターは、前から結構良いと思っています。光硬化タイプで、DLP等の方式のプリンター。精度は凄く良いのですが、まだまだこなれていない印象です。

テーブルにぶら下がるタイプのもののことなんですが、MiiCraftやProJet1200といったものは、結構使えるプリンターだと思いますが、なんせ造形範囲が小さく、ジュエリー以外の分野で、第一線になるものはほとんどない状況です。

現在のところ、B9クリエーターやForm2といったプリンターが、まだ「使えるレベル」だとは思いますが、樹脂を入れるバットやプールといわれる部分の仕組みが、まだまだ熟成されていないと思います。

テーブルからの剥がれがまったくない、とまでは言いませんが、やっぱりまだFDMと同じように、とは行かないようですね。データを工夫したりする必要もありますね。

それから、バットの掃除も大変ですし、バット底のシリコン部分の劣化。これ、一番の問題ですね。

シリコンを貼り直すのもかなり面倒ですし、バットを交換するとしたら結構なお値段。まだまだランニングコストが高すぎます。

特許関連の問題もあるんだろうと思いますが、今後色々と発展して行くんだろうなぁ、と思います。

3Dプリンターって、凄くいいんです。最近では、あまりマスコミに取り上げられなくなりましたけど。これ、3〜4年前とは違って、マスコミ的に言うとセンセーショナルでもないのでしょうね。

でも、最近色々と海外の情報なんかを見ていると、猛烈な速度で3Dプリンターが進化しています。もっと、取り上げても良いんじゃないかなぁ…。

中小零細企業や工場で、もっと普及すべきなんだと思うんですよね。そして、もっと使える人を増やさないと、日本は海外からどんどん遅れて行く…。

教育しかり、一般向けの情報もしかり。なんとかならないものでしょうかねぇ…。


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
http://www.f-d-studio.jp