オモチャのレンズや鏡筒用の黒い紙、ゴム、ビニール等は色々集めたのだが、ちゃんとした光学レンズと写り方の比較をしたり、本物の交換レンズを改造して新たなレンズを作り出す、なんていうこともしてみたい。
ネットオークションで「レンズ&ジャンク」のキーワードで検索してみると、けっこう出品されていることが分かり、競り落としてみることにした。しかし、実際にウォッチしてみるとけっこう高い値段で取り引きされているようだ。
私の希望としては「ニコンマウントのものを500〜1,000円で。できれば2、3本まとめて落札したい」という感じなのだが、オークションの終了時間が近づくと、どんどん値段が上がってしまって、なかなか競り落とせずにいた。
それにしても人々はジャンクレンズなぞ買って、何をしようとしているのでしょう? ジャンクというのは絞りが壊れていたり、レンズにカビが生えていたり、傷があったりして、保証ができないような品物のこと。レトロな名レンズを復活させようというのなら分かるけど、あまり価値があるとも思えないようなものにまで値段が付いて取引されているというのが、ちょっと不思議。
ただ、レンズに限定せず、古い写真機を修理して使えるようにする「レストア」は、趣味として確立されたジャンルだ。ネット上では修理の様子を解説するホームページが多数あるし、解説書もいろいろある。
まあ、機械を分解したり組み立てたりすることにより、脳内麻薬がズルズルと分泌されるんだろうなということは、男として理解できる。仕事もせずに日がな一日レストアしてたら無能の人になってしまうが、お父さんの日曜日の手すさびであれば、特にとがめ立てされるようなものでもないだろう。
ネットオークションで「レンズ&ジャンク」のキーワードで検索してみると、けっこう出品されていることが分かり、競り落としてみることにした。しかし、実際にウォッチしてみるとけっこう高い値段で取り引きされているようだ。
私の希望としては「ニコンマウントのものを500〜1,000円で。できれば2、3本まとめて落札したい」という感じなのだが、オークションの終了時間が近づくと、どんどん値段が上がってしまって、なかなか競り落とせずにいた。
それにしても人々はジャンクレンズなぞ買って、何をしようとしているのでしょう? ジャンクというのは絞りが壊れていたり、レンズにカビが生えていたり、傷があったりして、保証ができないような品物のこと。レトロな名レンズを復活させようというのなら分かるけど、あまり価値があるとも思えないようなものにまで値段が付いて取引されているというのが、ちょっと不思議。
ただ、レンズに限定せず、古い写真機を修理して使えるようにする「レストア」は、趣味として確立されたジャンルだ。ネット上では修理の様子を解説するホームページが多数あるし、解説書もいろいろある。
まあ、機械を分解したり組み立てたりすることにより、脳内麻薬がズルズルと分泌されるんだろうなということは、男として理解できる。仕事もせずに日がな一日レストアしてたら無能の人になってしまうが、お父さんの日曜日の手すさびであれば、特にとがめ立てされるようなものでもないだろう。
●工具を買って、いざ分解
しばらくネットオークションでジャンクレンズの動向を観察していたが、まとめて何本か買うというのは諦め、特に人気があるとも思えないニコンの「75〜150mm、1:3.5」というズームレンズを1,000円で落札した。多少ぶつけた跡があり、よく見ればカビも生えている。こんなものが1,000円というのは高い気もするが、光学レンズを単品で買うことを考えればお得とも言える。
さてバラしてやろうと意気込んだものの工具がない。調べてみると、まず「カニ目回し」という工具が必要らしい。これはレンズやカメラを分解する時の基本的な工具なのだが、コンパスのようなものの先端を二カ所の溝に食い込ませ、グリンと回転させて外すための道具だ。
ネットで調べてみると、「カニ目回しは分解するものに合わせて、自分で作りましょう」などと書いてある。いや、そこまでヒマでもないのだよ。分解をして、また元通りに復元したいというわけでもないので、とにかく分解できれば何でもいい。
カニ目、カニ目と検索していたら、「カメラ工具セット」というものを発見した。なんだ、便利なものがあるではないか。しかし、高いぞ。「カメラ工具Aセット(木箱入り)」は15,750円もする。
・ジャパンホビーツール
< http://japan-hobby-tool.com/
>
1,000円のレンズを分解するのに、こんなものが必要なのか? しかし、やっと手に入れたレンズはどうするつもりなんだ? そのまま宝箱にしまってしまうのか? 私は悩みに悩み抜き、苦しみの果てに、もうちょっと安い「カメラ工具Bセット」(箱なし)7,035円を買い物カゴへ入れた。
分解は初め順調に進んだ。カニ目回しもうまく機能し、簡単に前玉をはずすことが出来た。しかし、ネジがかなり固いものがあり、うまく外れない。精密ドライバというのは人差し指でドライバの後ろを押さえながら、親指と中指で回すものらしいが、そんな方法ではうまく回ってくれない。達人ならこの方法でうまく外れるのだろうか。
だんだん、ネジ山も潰れてきた。こんなやり方でいいはずはないよな。しょうがないから万力を持ち出してレンズを固定した。しかし、これは1,000円のレンズだから出来ること。元通りに復元する目的であれば、ちょっと荒っぽ過ぎる。
万力で押さえつけたら、滑り止めのゴムがずれて、下からネジが出てきた。こんな所ににネジを隠していたのか。もし万力を使わなければ絶対気づかなかっただろう。万力を使うことにより、少しずつ分解は進んできた。しかし、どうしても外れないネジがある。こんなに固ければ本物の修理屋さんも手こずりそうだが、精密ドライバを扱うコツがあるのだろうか。このまま続ければネジ山はすべて潰れてしまうだろう。
レンズを分解すれば、癒されたり、カタルシスが得られたりするかと思っていたが、現在のところ逆の効果ばかりだ。レンズに傷を付けないように力を加えるというのは結構神経をすり減らす。しかし、まだ途中だしな。きっとこうやって苦労をして分解をして、レンズのカビを取り除けたりすれば、達成感が得られるのであろう。
今はどうやって分解してくれようかと、思い悩んでいるが、バラバラに出来れば深い快楽に包まれることだろう。分解しっぱなしで構わない。写真なんてどうだっていい。オモチャレンズを作る旅とはまるで関係ないが、今はただ純粋にバラバラにしてしまいたい。そしてレンズが分解できたなら、次はカメラをバラす旅に出ることにしよう。
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
「すぐにわかる! 使える!! カラーマネージメントの本〜仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」(毎日コミュニケーションズ)が発売中。
< http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1937-2/4-8399-1937-2.shtml
>
しばらくネットオークションでジャンクレンズの動向を観察していたが、まとめて何本か買うというのは諦め、特に人気があるとも思えないニコンの「75〜150mm、1:3.5」というズームレンズを1,000円で落札した。多少ぶつけた跡があり、よく見ればカビも生えている。こんなものが1,000円というのは高い気もするが、光学レンズを単品で買うことを考えればお得とも言える。
さてバラしてやろうと意気込んだものの工具がない。調べてみると、まず「カニ目回し」という工具が必要らしい。これはレンズやカメラを分解する時の基本的な工具なのだが、コンパスのようなものの先端を二カ所の溝に食い込ませ、グリンと回転させて外すための道具だ。
ネットで調べてみると、「カニ目回しは分解するものに合わせて、自分で作りましょう」などと書いてある。いや、そこまでヒマでもないのだよ。分解をして、また元通りに復元したいというわけでもないので、とにかく分解できれば何でもいい。
カニ目、カニ目と検索していたら、「カメラ工具セット」というものを発見した。なんだ、便利なものがあるではないか。しかし、高いぞ。「カメラ工具Aセット(木箱入り)」は15,750円もする。
・ジャパンホビーツール
< http://japan-hobby-tool.com/
>
1,000円のレンズを分解するのに、こんなものが必要なのか? しかし、やっと手に入れたレンズはどうするつもりなんだ? そのまま宝箱にしまってしまうのか? 私は悩みに悩み抜き、苦しみの果てに、もうちょっと安い「カメラ工具Bセット」(箱なし)7,035円を買い物カゴへ入れた。
分解は初め順調に進んだ。カニ目回しもうまく機能し、簡単に前玉をはずすことが出来た。しかし、ネジがかなり固いものがあり、うまく外れない。精密ドライバというのは人差し指でドライバの後ろを押さえながら、親指と中指で回すものらしいが、そんな方法ではうまく回ってくれない。達人ならこの方法でうまく外れるのだろうか。
だんだん、ネジ山も潰れてきた。こんなやり方でいいはずはないよな。しょうがないから万力を持ち出してレンズを固定した。しかし、これは1,000円のレンズだから出来ること。元通りに復元する目的であれば、ちょっと荒っぽ過ぎる。
万力で押さえつけたら、滑り止めのゴムがずれて、下からネジが出てきた。こんな所ににネジを隠していたのか。もし万力を使わなければ絶対気づかなかっただろう。万力を使うことにより、少しずつ分解は進んできた。しかし、どうしても外れないネジがある。こんなに固ければ本物の修理屋さんも手こずりそうだが、精密ドライバを扱うコツがあるのだろうか。このまま続ければネジ山はすべて潰れてしまうだろう。
レンズを分解すれば、癒されたり、カタルシスが得られたりするかと思っていたが、現在のところ逆の効果ばかりだ。レンズに傷を付けないように力を加えるというのは結構神経をすり減らす。しかし、まだ途中だしな。きっとこうやって苦労をして分解をして、レンズのカビを取り除けたりすれば、達成感が得られるのであろう。
今はどうやって分解してくれようかと、思い悩んでいるが、バラバラに出来れば深い快楽に包まれることだろう。分解しっぱなしで構わない。写真なんてどうだっていい。オモチャレンズを作る旅とはまるで関係ないが、今はただ純粋にバラバラにしてしまいたい。そしてレンズが分解できたなら、次はカメラをバラす旅に出ることにしよう。
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
「すぐにわかる! 使える!! カラーマネージメントの本〜仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」(毎日コミュニケーションズ)が発売中。
< http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1937-2/4-8399-1937-2.shtml
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